サッカー系コラム

【日本代表】森保監督から学んだこと

カタールW杯ベスト16、日本代表は惜しくもPK戦の末、クロアチア代表に敗北。

ベスト16まで来て、残念、そして、勿体なかった・・・ただ、グループリーグで、ドイツとスペインと打ち破った戦績は色褪せることはないと思います。しっかりと、W杯と言う舞台で爪痕を残したと。誇って良いのではないかな?と。

備忘録的な所で、今回も書いて行こうと思います。題して、

森保監督から学んだこと

という所です。

就任当初の個人的な感覚

森保さんが就任した時、個人的な感想としては多くの方が抱いたであろう、

森保さんで大丈夫なん?

という思いでした。

ただ、サンフレッチェ広島で4年間で3回のリーグ優勝と、日本人監督として実績的には申し分なし。セレッソも大いに苦しめられた記憶があります。だから、戦術面とかそういった部分については、特に不安というものは感じてませんでした。

ジャパンウェイという言い方もあったかと思いますが、ロシアW杯本戦のみでしたが西野さんで良い成績を収めました。その流れで、日本人監督で行く・・というのであれば、まず最初に名前が挙がる人でもあるし、ある意味で納得の人選ではあるな~と。

では、何故、僕が『大丈夫なん?』と感じたのか?それは、ただ1点のみ。

サンフレッチェの監督として6年目の2017年シーズン、成績不振で退団することになったのですが、そこに至った経緯が、

監督を辞任した

という結果だったことです。

プロサッカーチームの監督を

  • 解任される
  • 辞任する

この2つ、同じ監督職を失う事には違いないのですが、趣旨が大きく違うと個人的には感じてます。

前者の解任は、

解任される=『自分の意思ではなく、他人(チーム)に途絶えさせれる』

成績不振もこれから挽回できると思っていたが、自分の意思とは違う所でその道を断たれることですよね。

対して、辞任は、

辞任する=『自らの意思で途絶えさせる』

ということですよね。

つまり、自ら『手詰まりだ!』ということを認めるということ。それは、自分自身が『監督として無能である』と認める事にもなると感じます。

更に言えば、プロなので契約があります。その契約を全うせずに、自らが打ち切るのが辞任ということ。つまり、

責任放棄

とも言えると思います。この時のサンフレッチェで言うと、降格を免れる責任が監督にはあったと思うのですが、それをせずに逃げたということ。

そのような感じで、

辞任はプロの監督は絶対にしてはいけない行為

と、僕は思っています。やむを得ない理由、例えば自身の病気だとか家族の事情だとかで辞任する場合は仕方がないですが、成績不振で辞任する監督は責任放棄以外の何物でもない。プロの監督なら、ハッタリでも『これからチームを上昇させる自信がある!』と言えよと。

だから、成績不振で辞任した監督は、

今後、プロのサッカー監督を請けるべきではない。

とすら思ってます。

(そういう意味で、ジュビロ監督を成績不振で辞任した後、プロ監督になってない山本昌邦さんは筋が通ってると思ってたりします。)

当時のサンフレッチェの様子等は知りませんが、森保さん自身の高度な判断という見方も出来るとは思います。が、それをするのはフロントの仕事だと個人的には思っているので、僕の中ではやはり責任放棄が先にくる印象です。

(監督のキャリアを守るために、解任という形を取ったれよ!とも、当時の広島には思いましたけど(苦笑))

そもそも責任放棄するような監督は、今後、プロチームからオファーは来ないだろう・・・・と思ってたら、まさかの代表監督のオファー(苦笑)そして、そのまま就任(苦笑)

森保さんで大丈夫なん?

こう思わざるを得ないですよね。Jリーグの降格のプレッシャーに耐えられずに辞任した人が、代表監督のプレッシャーに耐えられるの?と、かなり懐疑的でした。

そんな感じで、僕の中でも森保さんの代表監督就任はかなり最悪な部類の印象でした(苦笑)

覚悟を感じたアジア最終予選の【涙】

そもそもですが、セレッソが主軸にある僕にとってセレッソの選手がほとんど居ない代表については、興味は2の次ではありました。坂元とか歩夢とか、ちょこちょこと代表に絡むことがありましたが、やはりその程度の印象で。

ただ、セレッソの選手を選ばない・・という所は、個人的には特に何も思わないです。選手自身もプロなので、代表に選ばれるかどうか?は、その選手の責任だと思ってます。

W杯メンバー選考の最後の最後に歩夢が選ばれましたが、残念ながら試合には出ず・・ということがありました。ただ、この辺も個人的にかなり極端に見て納得するのですが、仮に歩夢がレアルマドリードのレギュラーCBであったとしたら?どんな監督であっても、必ず日本代表のスタメンには名を連ねさせますよね。

そういう意味で、その状況に持って行けてなかった歩夢自身の責任である・・と思って納得してます。

結構、ドライですかね(苦笑)? でも、プロの世界ってそれだけ厳しいモノだと思ってます。そういう厳しい競争の中で、代表と言う地位を勝ち取るのが本当の代表選手だと思いますし、歩夢はこれからやってくれるとも信じています。

少し余談が過ぎましたが、森保さんへのそういった好き嫌いと言うのは特になく、前述の通り『責任放棄したことがある監督』という所のみ不安に感じてました。成績が伴わなくなった時、どうなるのか?という所。

恐らく、その状況になりそう?となったのが、アジア最終予選の時ではないですかね?3戦を終えて1勝2敗と、大きく出遅れた時ですね。

迎えた第4戦目が、オーストラリアとの前半戦の大一番。その時、試合前に話題になる出来事がありました。そう、

国歌斉唱時に、森保さんが【涙】を見せた事

ですね。

この姿に、SNS中心に色々と話題になってました。その時の成績と相まって、批判的なものが多かったと思いますが(苦笑)でも、個人的に、

森保さんの覚悟を見た

という感覚がありました。

今振り返ってみても、この時が森保JAPANの最大のピンチだったと思うのですね。この試合の結果次第では、W杯出場が断たれる可能性が更に高くなるという状況。そんな試合で見せたこの涙、その理由について、

ホームで試合ができて、たくさんの日の丸を見られて、たくさんの応援を受けていると思って君が代を歌って、目頭が熱くなった

https://www.football-zone.net/archives/345672

と自身で答えてます。

想像するに、とてつもないプレッシャーや不安と戦う中で、ホームの日の丸の後押しを受けて感情が爆発したのではないかな?と。言葉で説明するのが難しいのですが、『逃げない』という覚悟とその後押しを感じての涙と言うか、そんな印象。当時、

覚悟を決めた人にしか出ないような涙やな

と強く感じたのを覚えています。本当、感覚的な所でロジカルに説明できないんですけど(苦笑)

この涙を見た後、

『森保さんで大丈夫なん?』という感情は、一度、封印しよう。

という思いになりました。もう就任から、かなり経った時でしたけど(笑)

アジアの戦いとW杯の戦い

そのオーストラリア戦に勝利してから、6連勝で一気にW杯出場決定。凄い追い上げでしたよね。

このアジア最終予選を見て、個人的に感じたのが、

アジアでは圧倒的やな

という所でした。

最初、出遅れたやん!とツッコミが入りそうですが、その『出遅れ』があったことがより強さを際立たせる形になったと言うか、

『出遅れ』があったのにも関わらず『1試合を残しW杯出場を確定させた

という結果。これって、他国と大きな実力差がないとできない芸当ですよね。

そこから、本戦の戦いも言わずもがな・・・ですね。スペイン・ドイツを破った戦いっぷりは、何らケチをつける所がないというか。ドイツ戦の捨て身の攻撃采配というか胆の据わった戦術の取り方には、こっちの度肝を抜かれました(笑)

メンバーを大きく変えたコスタリカ戦での敗北はありましたが、ベスト16に余力を残す・・・と言う視点ではとても納得のいくものだと思ってます。事前のテストマッチ、アメリカ戦やエクアドル戦、カナダ戦と、メンバーを固定せずに戦った理由もここで分かりますよね。

ベスト16で勝つ為

の策を講じてたと考えれば、とても分かり易いと考えます。

それでも、ベスト16を突破できなかったのは、何かが足らなかったのだと思います。その辺は、森保JAPANの問題ではなく、日本サッカー自体の問題かと考えてます。この辺は、また別の機会にでも書いてみようかと思います。

森保監督から学んだこと

そんな所で、サラッと森保JAPANについて書いてみました。

この記事のタイトルの主題として『森保監督から学んだこと』としましたが、それは、

人って変われるんやな

と言う事。責任放棄した監督が、W杯で世界的に賞賛を受けるような人物にもなった。ただ、それをするには、

覚悟が必要

と言うことなんだろうな・・と。

個人的に4年の森保さんを見ていて、上のような気付きがありました。気付かせてもらえたというか、そんな感覚があります。

代表監督の継続オファーがあるとかニュースも流れてます。森保体制が続くのか?は分かりませんが、ひとまずこの4年間に対して、

お疲れさまでした。そして、感動をありがとう。

という言葉を送りたいかと思います。

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