2022 セレッソ

【セレッソ】鹿島戦:雨の日のセレッソが何故弱いのか?選手の3分類から考える。

セレッソ 0-3 鹿島

2022.4.29 @ヨドコウ桜スタジアム

完敗・・・・でしたかね。

個人的な話で恐縮ですが、この試合前日にコロナワクチン3回目を受けていて、ちょうど試合前の時間に副反応で少し熱が上がってきてたので、念のため、試合時間は寝ていました。ただ、数時間寝たら回復して、この試合を時差観戦しましたが、ここでまた沈むという(苦笑)個人的に浮き沈みの大きい日になってしまいました(苦笑)

そんな試合を振り返ります。

試合内容・雑感

●雨の試合

この試合前に嵐のような風雨があった際、

雨で鹿島相手か。不利やな・・・

と寝込みながら思ってました。

詳細はメインのお題として後述するのですが、正直ベースで言うと、だからこの敗戦も個人的に納得できる所はあったかな?という印象はあります(念のため、断わっておきますが、100%勝利を信じて応援していますよw)。

●1失点目:

試合後の小菊さんのコメントでもありましたが、相手ゴールキックに対する1stディフェンスで混乱してたのが全てかな?と思います。陸が行くのか?ヨニッチが行くのか?という所ですね。

以前のブログ(旧ブログの最後のサッカー記事)でも書いた事があるのですが、

自チームのMF-DFライン間でボールを落とされると、味方MFは後ろ向きのプレーを強いられることになってしまいます。DFラインは、相手ゴールキックに対してボールを前方に跳ね返すのが大原則。より具体的に言うならば、自チームのFW-MFライン間以上までボールを跳ね返すべきだと。

ただ、この1失点目は、その守備の原則が守られず・・・ですよね。陸が競りに行けず、ヨニッチが競り負けて、MF-DFで起点を作られてしまった。あそこで起点を作られると、ブロックを下げるしかなくなり、全てが後追いになってしまうなと。

後は、2つ目のヘディングをした上田綺世ですかね。ヨニッチに競り勝つとか(苦笑)あそこでヨニッチが前に出て競り負けたので、ヨニッチは釣り出された形。そこで、余計に苦しい状況に追いやられてました。

この試合、1G1Aの鈴木優磨に注目が集まってますが、僕はこのシーンの上田綺世に衝撃を受けてました。ヨニッチに競り勝つとか、やっぱモノが違うんやな・・・と(苦笑)

●2失点目:

こちらのカウンターを裏返されての逆カウンターという形での失点。どちらかと言うと、相手が上手かったかな。

マークがズレてることを見逃さなかった得点者:松村、そのフリーになってる松村を見逃さなかった鈴木優磨も凄かったのですが、ここは

鹿島CB:関川郁万が凄かった。

と思いますね。中原の加藤への縦パスをカットしてそのまま鈴木優磨にボールを繋げた関川のプレーが秀逸。効果的過ぎました。

アレ、鈴木優磨を狙って蹴ったのかな?たまたまなのかな?それ次第で評価は変わりますが、何れにしろこの関川のカットでカウンターの起点とされてしまった・・・と思います。

ここも、少し後述します。2失点目:関川のプレーという所を覚えておいてください。

●3失点目:

前掛かりになっていた所での・・・とも言えますかね。焦りからか?アシストした選手への原川の守り方がルーズになり過ぎましたね。

2点も先行されると、リスクを背負って前に出る必要がある。この3失点目と言うより、やはり2点先行される所が問題が大きいですね(苦笑)

●試合巧者:鹿島

試合通じて、鹿島の試合巧者っぷりが出させてしまったような感じでしたね。

コイントスからサイドチェンジを選択して、水分多めのアウェイ側で守らされました。以下に1失点目のスロー映像ですが、足元の水の弾け方に、アウェイ側のコンディションの悪さを見ることが出来ます。

Twitterのタイムラインでも見かけましたが、鹿島は試合前の練習時にわざとピッチコンディションの悪い所で練習をしていたのだとか。そういう所で慣らせてたのでしょうかね。

局面局面で見ても、ブエノが出血で治療している際、ボールアウトしてから靴紐を結び直して戻る時間を稼いでる選手がいたり、鈴木優磨のヨニッチの死角に隠れてバックパスを狙ったプレーだったり。

この試合、セレッソも内容的に悪くなかったと見る向きもあります。ですが、個人的な印象では、早い時間帯での2点リードで鹿島が無理をしてなかっただけ・・・という見方をしてます。ボールを持たされてた・・という所ですね。

(それでも、チャンスがなかった訳ではなかったので、決めきりたかった所でしたが。)

選手1人1人、あるいはチーム全体で、その時々の最前の手を尽くす。普段のセレッソからは感じられないようなものを、感じさせられました。そんな所で、

悔しいけど納得の敗戦

レベル差あったな・・・という所ですね。

本当、悔しいのですけど、ここを認めないと正しく前に進めない気もしましたので、『負けて納得』と言う表現をさせて頂きました。うーん、、、書いてても悔しい(苦笑)

●ジンヒョン、外国籍選手最多タイ。

この試合のレビューは、勝って気持ちよくジンヒョンの記事を書きたかったのですけど(苦笑)また、次の機会にジンヒョンについては書こうと思います。

とりあえず、おめでとう!そして、ありがとう!これからも宜しく!


そんな所で本題へ。

周知のとおりですし、前述もしてますが、この試合前に嵐のような風雨がありました。いくら水はけの良いヨドコウ桜スタジアムとはいえ、ピッチコンディションが悪くなるのは想像し易いレベルの豪雨でした。

個人的にですが、

悪コンディションは今のセレッソに不利

と言う見方をしてます。その辺が、今回のメインのお題になってくるところです。

それを説明するのに、『サッカー選手の3分類』という所から話していきたいかな?と思います。

サッカー選手の3分類

このブログをお読み頂いている方は、間違いなくサッカーが好きな方だと存じます。そんなサッカー好きな皆様において、大なり小なり、選手のプレーに対して評価というものをされたりすることもあると思います。

では、その判断基準はどんな所で判断されているでしょうか?

ここで、少しプロの方の意見を紹介してみたいと思います。その選手とは、2019年に引退した横浜Fマリノス一筋:

栗原勇蔵さん

の判断基準を紹介してみたいと思います。

まさにこの栗原さんの言葉が、現在の僕の選手評価の基準としてます。

栗原さんの言葉

記憶が曖昧ですが、2013年のサッカー雑誌だったと思います。2013年と言えば、セレッソが曜一朗を筆頭に蛍・タカ・健勇・丸橋、そして拓実とユース出身選手中心にブイブイ言わせてた年ですね。

そんな絶好調のセレッソと対戦しようとしていた横浜Fマリノスの特集として、栗原さんのインタビューが載っていました。記憶が曖昧ですが、そのインタビューの中で、

僕は、対峙する相手FWを3タイプに分類している

栗原さんはコメントしています。

その3タイプとは? 栗原さんの評価基準は以下の通りでした。

  • 上手い
  • 速い
  • 強い

という所。選手特有の能力も考慮するが、この3タイプに対して基本的な対応方法を持っている・・・とかなんとか。ちなみに、このインタビューで栗原さんの曜一朗への評価が書かれていて、曜一朗は『上手い』×『速い』の掛け合わせということでした(だから、DFとして止めるのが非常に困難と)。

評価基準としては、ありふれたものだと思います。ただ、プロの選手の考え方を学べて、とても印象に残ったインタビュー記事ではありました。そして、この頃から僕自身も選手に対して、この『上手い』『速い』『強い』を見るようになりました。

あくまで主観ですが、この評価基準でよくよく選手を見てみると、だいたいこの3要素で分類されるように感じてます。特徴のある選手はこの3要素の1つがずば抜けてたりします。そして、凄い選手はこの3要素全てを満たしてたりするな~と感じます。すなわち、

3要素を三位一体として持ってる選手は強い

という感じですね。

ここから、この3分類をセレッソの選手に当てはめるとどうか?という所を書いて行こうと思います。

セレッソの選手の3要素は?

セレサポであれば、セレッソの選手のイメージは何となく持ってると思います。個人的な所の見解では、

『上手い』と『速い』を強みに持つ選手が多い

と思います。上の栗原さんの曜一朗評価から変わらない印象です。

特に、顕著なのが攻撃陣ですね。強化方針的にも、オフェンスにそういった選手を好んで取ってそうな印象はありますよね。守備陣で、西尾の成長やヨニッチの復帰で『強い』も強化されてきた印象ですが、チーム全体で見ると『上手い』『速い』という所になるチームだと思います。つまり、

セレッソは『上手い』と『速い』に強みがあるチーム

という事は言えると思います。

この評価は、凡そ相手チームの監督からもそう評価されているようです。これも、このブログで何度か紹介しましたが、

『セレッソは技術・スピードに特徴のあるチーム。ただ、フィジカルに関してはスペシャルではない

福岡:長谷部監督が評価(2021年4月)した通りで、技術=『上手い』、スピード=『速い』、フィジカル=『強い』と置き換えれば、そのまま当てはまりますよね。

ここでようやく本題、

悪コンディションは今のセレッソに不利

と僕は考えるのか?という所に入っていきます。

『上手さ』『速さ』が消える悪コンディション

土砂降りの雨でぬかるんだ状態の道を歩く時、どういった事を想像しながら歩きますでしょうか?恐らく、ほとんどの人が、

滑ってコケないか?

という所を考えると思います。この辺、普通の生活でも想像し易い所だとは思いますが、少なくとも無意識のレベルでこれが頭にあるはずです。

これって、サッカーでも全く同じことですよね?選手は、滑らないことを無意識レベルで考えてしまう。すると、何が起こるか?という所。

無意識に走るスピードを緩めてしまう

という事が起こるのではないかな?と想像します。いくらスパイクを履いているとは言え、この試合の序盤ような雨を大量に含んだピッチコンディションだと、スピードは上げ辛いですよね。

加えて、サッカーはボールを扱う競技。試合序盤のピッチコンディションだと、水たまりでボールが止まってしまう恐れがありました。そうなると、

ボールコントロールも慎重になってしまう

という所が選手には出てくると考えます。ボールが止まるかも?と考えると、普段よりボールタッチの強弱に影響が出るものと想像します。

ここで一度整理すると、ボールが止まる水たまりができるようなレベルの大雨の試合では、確実に

悪コンディションで『上手い』と『速い』が消されてしまう

という事は言えると思います。

そして、前述の通りですが、

セレッソは『上手い』と『速い』に強みがあるチーム

なのに、大雨の試合では、

悪コンディションで『上手い』『速い』が消されてしまう

だから、

悪コンディションは今のセレッソに不利

という考えに至ります。

サッカーなんで、不利と言えど勝敗は分かりません。だから、それが影響したか?までは判断が難しいですが、ピッチコンディションが回復しない時間帯で2失点を喫したのは、偶然には思えなかったりします。個人的には、悪い予想がそのまま当たってしまった印象でした。

相手にレベル差があれば、そこもごまかしながらも戦えるのですが、相手は鹿島。さすがに、そうは問屋が卸さない・・と言う感じでしたね(苦笑)

雨だと『強い』が物を言う。

大雨のピッチコンディションで『上手い』『速い』が削がれると、やはり物を言うのが『強い』ですかね。ここは僕の主観ですが、悪コンディションで、『強い』が物を言った試合はよく見ました

先日の福岡戦のレビューで、選手を冷蔵庫を例えるおふざけ文章を書きました(笑)

その例え話の趣旨は、

乳酸が溜まる後半、単純に体重の重いFWを押し返すのが難しくなる

という所だったのですが、これを悪コンディションに置き換えると、

ぬかるんだ状態では足の踏ん張りが効かないので、単純に体重の重いFWを押し返すのが難しくなる

という所が言えると思います。

同じように、自分より背の高い相手と空中戦で競り合う際、

ぬかるんだ状態で足の踏ん張りが効かないと、高くジャンプ出来ないので、単純に背の高い相手と競り合うのが難しくなる

と言う感じ。

こんな感じで、こういう悪コンディションだと単純な高さ・重さも含めて、

『強い』=フィジカル

という所がクローズアップされてくると思います。

クルピ2期政権時(2007年~2011年)、クルピは悪コンディション時に小松塁(190cm)を多用してたんですね。当時からのセレサポであればよく知られてると思いますが、塁は高身長のドリブラー。ポストプレーヤーとしてはイマイチだったのですが、悪コンディション時は高さで輝いていた記憶があります。

(ちなみに、この『悪コンディション時=『強さ』が物を言う』という考えに至ったのも、ドリブラーの塁が悪コンディション時に『高さ』で活躍してた所からだったりします)

今のセレッソの選手は、『速い』『上手い』に強みがあって、『強さ』はそこまででもない。ただ、鹿島はやはり『強い』も持ってるんですよね。

  • 1失点目: 上田綺世はヨニッチに競り勝った。
  • 2失点目: 加藤陸次樹は関川郁万に競り負けた。

1失点目の上田綺世は前述の通りなのですが、2失点目直前、中原の縦パスに対して、加藤は関川に競り負けてるんですよね。

加藤が関川との競り合いに五分以上で競れていれば(パスが乱れる位に、加藤が関川に体を当てられていれば)、鈴木優磨にパスが届かず、2失点目は無かったかも?と思います。だから、加藤やヨニッチが悪かったと言いたい訳ではなく、鹿島が上だったなという印象でした。

後半、パトリッキ、毎熊、ブルーノ、タガートと、フィジカルにも特徴のある選手が入って盛り返せてましたが、時すでに遅し・・・でしたかね。最初から、フィジカル重視でブルーノとパトリッキを入れとけば、また違った展開が望めたのではないかな?という気もしないでもないです。

ピッチコンディションは最悪だから、個人的にキーポイントだと思っていたフィジカル勝負で、セレッソは負けて起点を作られてしまったな・・・と。その流れで、失点してしまったな・・・と。悪い方の予想が、そのまま当たってしまったのが、個人的には本当につらかったです(苦笑)

セレッソ『速い』『強い』隆盛の現代サッカーにどう立ち向かうか?

最後に、現代サッカーについても触れてみたいと思います。3分類の内、どの強みを持つ選手が生き残れるのか?という所。

現代サッカーでよく言われるのが、即時奪回。ストーミングなんて言われ方もすると思いますが、これを多くのチームが狙う傾向はあると思います。即時奪回を狙うのに、相手にプレスを掛ける『速さ』とボールを奪いきる球際の『強さ』が求められると思います。

この即時奪回戦術1つを切り取って見ても、

現代サッカーは選手に『速い』と『強い』を求める

のだと感じます。申し子的な言い方で言えば、FC東京:松木玖生なんかはこの典型だな~と感じてたりします。

サイドバックで、もう1つ例を挙げます。相手プレスのハメ技から逃れるのに、サイドチェンジが有効な手段とされます。そのサイドチェンジに対して、サイドバックがハイボールを競り合う場面が出てきます。だから、サイドバックに『高さ』を求められたりする。つまり、

サイドバックにも『強い』が求められる時代

そんな時代に入ってるように感じます。アーセナルで冨安がサイドバックとして使われたりするのも、そういう所なんだろうなと。

そして、日本代表においても。だから、走れます!高さで競れます!的な佐々木翔とか室屋成がサイドバックとして日本代表に選ばれてたりするんだろうなと思ってます。当然、『上手い』も持ってる選手ですけど、『上手い』が特徴の選手では決してない。故に、

オモロない

と思ってしまうんですね。

松田陸の方が、室屋より絶対に『上手い』やん・・・と(笑)でも、時代が求めるのは、陸より『強い(高さのある)』室屋の方なんですよね。本当、くそオモロないなとw 

決して、室屋や佐々木が悪いと言う訳ではないですのですが、彼らの方が時代に則した選手だという所かな?と。ただ、こういう『速い』『強い』だけが求められる時代というのも、マラドーナを見て育ったオッサンからすると、少し寂しく感じたりします。やはり、オッサンは『上手い』選手も見たいんですよね(笑)

(ちなみに、マラドーナは『上手い』『速い』『強い』全て兼ね揃えたスーパーな選手でした)

現在のセレッソは、現強化部の好みもあると思うのですが攻撃陣は『上手い』『速い』選手が本当に多い。昨年(2021年)なんかも、個人的な見立てですが、攻撃陣の『強い』の1番手が松田力でしたんで(苦笑)

予算の枠組みと言うのもあると思うのですが、スカッドの組み方という所では、現代サッカーの主流とは言い難いと正直ベースで感じます。

ただ、だからこそ、

セレッソが『上手い』で現代サッカーをぶっ壊して欲しい

と言う思いは、昨年からずっと思っている所ではあります。難しいとは思うのですが、そういった思いを持って最近はサッカーを見ています。強いられています・・・が正しいかも知れませんw

ちょっと試合内容から話がズレてしまいましたが、言いたいのは、

それでもセレッソに期待をしている

という所ですね。本当に頑張って欲しいと思います。

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