セレッソ 1-1 京都
2022.2.26 @ヨドコウ桜スタジアム
上福元、凄い・・・感想は本当にそれだけなんですけど(苦笑)
ホーム開幕戦、京都相手に圧倒的に攻めたものの、勝ち点2を失うという形の試合でしたかね。そんな試合を振り返ります。
試合内容・雑感
●トップ下:清武の狙い
試合後の小菊さんのコメントの通り、やりたい事をしまくったような前半だったと思います。11分の乾のスルーパスから加藤の裏抜けを皮切りに、決定的チャンスを多く作れてました。その起点になってたのが、
清武
でしたかね。やっぱり、上手いですね(笑)
チョウ監督の過去のチーム(湘南)をイメージすれば、京都がハイプレスを仕掛けてくるのは明確でしたよね。ただ、そのハイプレスの裏、MF-DF間が空くのがスカウティングで分かっていたようですね。
前から来る相手なので、(相手の)ボランチが(プレスに)行って、その後ろが空くと。
乾の試合後のコメントからも、その狙いは分かります。(エチケット上、狙いをバラすのはあまり良くないと思いますけど(苦笑))
それ故の、
清武トップ下起用
相手のハイプレスが来て、そのボランチ裏が空くと。そして、そこに立たせるのに清武ほどの適任者はいないと。
もう、狙いは完全に的中でしたよね。18分の清武のスルーパス→加藤→中原で、中原が右サイド1vs1を制して右足でシュートを打ったシーンなんかが特徴的だったと思います。また、清武だけでなく、乾も中原もボランチ裏のエリアで起点になれてたと思います。
●ハーフスペースの有効活用も上手でした。
前半、中原が非常に目立っていたと思いますが、中原が生きたのが俗に言うハーフスペース。センターとサイドのレーン間ですね。もう少し、対戦相手に合わせて言うと、SBとCBの間のエリアですね。ここが、前半の京都はスッカスカでした。
京都は、分かり易く人に来ていました。SBも同様で、本当に分かり易くその矢印の裏が空くんですよね。しかも、MFラインは前プレスに行っているので、プレスバックが間に合わない。
セレッソの選手の立ち位置や狙いは、良かったと思います。前述の通り、
ハイプレスの裏で起点を作る
そして、
DFの矢印の裏を突く
狙いは、ほぼこれだけだったんではないかな?と思います。ばっちり、乾、清武、中原の武器が発揮し易い所ですよね。やりたい放題の前半でした。
だから、前半の時点で、
先制すればイージーな試合やな
という印象を持ってました。
うーん・・・・これが油断なんですかね(苦笑)
●上手く行き過ぎた時の落とし穴:CKからの失点
良い形でどんどん攻撃をしてて、もういつ先制するか?と言う状態での失点。ファーの『ここしかない!』という所に入れられた感じでしたかね。仕方ない部類の失点とは言え、こうなると、やはり攻撃陣の不発が惜しい・・そう思わざるを得ない失点でした(苦笑)
●京都の修正
後半立ち上がりから、京都は3バック、または5バック気味にしてきたと思います。恐らくは、中原にボロカスに突かれたハーフスペースの警戒という所だったと思います。
昨年のルヴァン決勝の解説:内田篤人の言葉ですが、
先制したチームの特権
カウンター狙いという所になるのかな?という感じでしたかね。カウンター狙いであればハイプレスも自重して、ボランチ裏のスペースも消せる。
狙いは、何となく分かるな・・・な感じで見てましたが、その京都の狙いが出る前に、いきなりこの2人がやってくれましたね(笑)
●新8番のゴール!!
乾、カッコ良かったですね(笑)!!! 何だかんだありますが、やはり8番のゴールは格別なモノを感じます。
そして、清武のスルーパスが最高でしたよね。ボールを通すと言うより、
乾が一番早く触れるところに『置く』
というようなパス。清武と乾以外、前には京都のDF陣しかいないにも関わらず、2人で得点。惚れ惚れしました(笑)このコンビでの得点、10年くらい前を思い出しますね(笑)本当、良かった(笑)
更に言えば、清武に繋いだ加藤。こぼれ球に直ぐに反応したのは、加藤なんですね。後述する選手の活躍で、加藤の印象は薄いものになりつつありますが、加藤のここでの反応も含め、1トップでの奮闘ぶりは特筆すべきものだったと個人的には思ってます。
加藤、負けるなよ(笑)!!!
●オープンな展開、頑張ったDF陣
同点に追い付いて勢いに乗るセレッソと、出鼻を挫かれた京都と。その後は、セレッソが前掛かりになって、京都がカウンターを狙う形の応酬になっていた印象でした。
こうなると、個人の能力値がモノを言う展開になってたと思いますが、怖かったのがピーター・ウタカ。やっぱり、凄いですね(苦笑)前半から凄かったですが、フィジカル強いし戦術眼も長けたものがある。起点になられると怖かったです。
ただ、そのウタカの対応、西尾、鳥海はよく頑張ってたんではないかなと思います。鳥海は、セレッソでのリーグ戦のスタメンは、恐らく初ですよね?前半、ちょっと固い印象でビルドアップに不安定感を感じてましたけど、カバーはやはり上手いなと。
右CBに戻った西尾も、ちょっと雰囲気出てきましたよね。ドシッとし始めたというか、頼もしさが増したような気がしました。歩夢が移籍して、ヨニッチの来日がまだの状態で、DFリーダーとしての責任感が出てきているように感じました。西尾には、
立場が人を変える
を地で行って欲しいと思います。
最後のCKも、その責任感から触ってもうたんやろな・・と前向きに捉えておきますw 鳥海には悪いけど(苦笑)
●北野颯太の存在感
この試合の前日に、プロ契約を果した北野颯太。やはり、良いですよね。
何より、シュートを打つ前提で動いているのが良いですよね。振り返りざまに打ったシュート、かなり遠めから狙ったシュート、最後のカウンター等、
『俺がシュートありき』でボールを持つ
というのが凄い好印象。
(藤尾翔太にも感じてるヤツで、藤尾にも期待してます)
最後のカウンターは、決めたかったですね(苦笑)50mを全力疾走してのシュート、即ち5-6秒の無酸素運動後のシュートなので、打つ時には余力がなかった感じでしたかね。切り返しとか入れて、『溜め(ひと呼吸)』を作れたらまた違ってたかも?とは感じましたが、それでも見事なプレーでした。
●でも、やっぱり上福元
いや、もう参りました(苦笑)
清武のブラインド側のニアを突いたシュートを止めた時に、これは勝てない・・と思わされました(苦笑)
そんな所で、本題。この試合、清武・乾が輝き、そして、北野颯太が輝きました。
ちょっと試合の内容からは外れますが、僕が感じいている
ベテランと若手のメリット・デメリット
などを書いて行こうかと。僕のサッカー観的な所ですかね。
少し、この試合内容からは外れてしまいますが、清武、乾、そして北野が輝いた試合だからこそ、書いてみようかと思います。宜しければ、お付き合いください。
ベテランと若手のメリット/デメリット
若手主体のチーム、そして、ベテラン主体のチーム、どちらの方が良いと考えますでしょうか?
チームの将来を考えると、若手主体のチームを好む人もおられると思いますが、多くの方は、
若手もベテランも、バランス良くいるチームがベスト
と答えるのではないかな?と思います。
では、
何故、若手もベテランもバランスが良くいるチームが良いか?
という所を考えられたことはありますでしょうか?
今回は、そういった所の個人的な考えのお話になってきます。
若手/ベテランのメリット/デメリット
ここは、簡単に書いて行きます。本当、簡単な内容です。
若手選手のメリット/デメリット
誰しもが思う所ですが、メリットは、
思い切りが良い
という所が言えると思います。若手の思い切りの良いプレーを見ると、やはり清々しい気持ちになりますよね。
逆に、デメリットは、
無謀なプレーをしてしまう。
という所、メリットの裏返しになりますよね。若手選手に対して、『そんなプレーしても意味ないやん!』とか『そこで、それをしたらアカン!』とか感じる事はないでしょうか?思い切りの良さが、裏目に出る所ですね。
ベテラン選手のメリット/デメリット
反対に、ベテラン選手のメリット/デメリットはどうでしょうか?
ベテラン選手のメリットは『経験値がある』という事が言えると思います。それは言い換えると、
状況判断が優れている
という所になると思います。経験値がある分、過去に似たような場面を想定でき、酸いも甘いも経験してきている訳です。それらの経験値を元に、『行く/行かない』の判断が優れているという感じですね。だから、
ベテラン選手がプレー内容の安定を生んでいる
というようなイメージです。
では、ベテラン選手のデメリットは?という所ですね。ここが少し説明が難しい。
ベテラン選手のデメリットは、体力的な所を言われることが多いです。それも勿論そうだと思うのですが、ただ、個人的に一番のデメリットだと思っているのが、
状況判断に優れ『過ぎ』て、無難なプレーに終始することがある
だと思ってます。ここでも、実は若手選手と同じく、(ベテラン選手の)メリットの裏返しになります。
このベテラン選手のデメリットをもう少し深く説明すると、例えば、
ボールを受けた時点で『攻撃成功率50%だと思う』となった場合だけ前を選択する判断基準
を持ったベテラン選手が居たとします。この選手は、その時に攻撃の成功率49%だと思った場合、ステイ(待ち)で、バックパスや横パスと展開が何も変わらないプレーを選択してしまうのですね。
ただ、この49%判断は、あくまでその選手の主観でしかないのです。つまり、相手選手側から見て、
今、前を選択されたらヤバかったけど、パスを戻してくれて助かった
と思っているのかも知れません。相手がそう思ってるのに、そのベテラン選手は自分の主観だけで下げる選択をしてしまうんですね。
そういう意味で、冒険するプレーというのも必要なんではないかな?というのが、持論です。
でも、ベテラン選手は状況判断が優れているが故に、
冒険プレーを自重する選手が多い
ということは言えるのかと思います。そういう意味で、『状況判断が優れ過ぎている』という表現ですね。
メリット/デメリットを補完し合う若手/ベテラン
以上、若手/ベテランのメリット/デメリットを整理しますと、以下のようになります。
●若手選手:
(若)メリット: 思い切りが良い。
(若)デメリット: 無謀なプレーをしてしまう。
●ベテラン選手:
(ベ)メリット: 状況判断が優れている。
(ベ)デメリット: 状況判断に優れ『過ぎ』て、無難なプレーに終始することがある
これを並べてみると分かると思うのですが、『若手選手のデメリット』と『ベテラン選手のメリット』そして、『ベテラン選手のデメリット』と『若手選手のメリット』、これらの各要素が、
補完し合う関係性になっている
のですね。
具体的には、ベテランが若手を補完する関係性。
(若)デメリット: 無謀なプレーをしてしまう。
(ベ)メリット: 状況判断が優れている。
そして、反対に若手がベテランを補完する関係性。
(ベ)デメリット: 状況判断に優れ『過ぎ』て、無難なプレーに終始することがある 。
(若)メリット: 思い切りが良い。
だからこそ、1番最初の定義、
若手もベテランも、バランス良くいるチームがベスト
と言えることができるのではないかな?と思っています。
若手に偏るチームは無謀なプレーが多くなり、ベテランに偏るチームは無難なプレーが多くなる。故に、どちらであっても結果に繋がりにくい、そんなイメージを持ってます。
小菊セレッソの若手/べテランの関係性は?
昨年のクルピ退任時に書いた記事ですが、
この記事を含めて何度か書いたのですが、ロティーナ時代の2019年以降数年間のセレッソは、チームの年齢構成から見て、
過渡期
だと思っているのですね。2019~2021年(クルピ退任まで)は、主力選手のほとんどが30歳前後の高齢だったんです。
この記事の内容で言いかえると、
良くも悪くも判断に優れ過ぎている選手が多かった
という所です。だから、前を選択しようとする選手が少なかった。
ロティーナの記事もいくつか書いているのですが、ロティーナ時代でさえそう思ってました。
上の記事で、『縦に速い攻撃がない』と書いたのがこの趣旨になります。ロティーナ自身の戦術的な所、そして、ベテラン選手が多かったが故に、縦の選択肢が少なかったのかな?と思っていたりします。
個人的な意見ですが、はっきりと書いておくと、これは『大熊政権下の負の遺産』だと思ってます(苦笑)2015年とかもそうなんですけど、『年齢構成をちゃんと考えているか?』という位に実績重視の選手補強がチームを重たくしてた印象はあります(当然、良い面もあるんですけど)。
ただ、これらは既に昔の話で、重要なのは今。小菊セレッソはどうか?という所。
ご覧になられた人も多いと思いますが、以下の動画を貼っておきます。先日のルヴァン予選リーグ:お隣戦の裏側の動画です。
この動画で、
若い選手はトライしていいぞ。経験ある選手がカバーしてくれるから。
小菊さんはこう言ってくれてます。チームのトップがこう言っているチーム内、
ベテランが若手をフォローする関係性が出来ている
ということは言えるのかな?と思います。
今日、上でも書きましたが、北野颯太が躍動しました。その中で、
超ロングシュートを狙ったシーン
がありましたよね?個人的には、めっちゃ驚いたシーンではありました。
上で言う若手のデメリット『無謀なプレー』にもなり兼ねないです。超ベテランの先輩に囲まれた中で、現高校2年生の選手が選択するようなプレーではないですよね(苦笑)北野が図太いだけかもしれないのですが、それでも、それを許してくれる土壌はあるということ。
そういう土壌があれば、若手の思い切りの良さも出やすい。それは、ベテランの冒険しないプレーを補完する事にもなる(乾は良い意味でベテランぽくなくて、思い切りの良さを感じます)。北野のプレーを見ていて、チーム内でいい関係性が築けてるのではないかな?と言う気がしてます。
若手とベテランの融合
今のセレッソは、年齢構成がかなり良くなってきていると思います。だからこそ、注目したいポイントの1つですね。
これから、楽しみに見ていきたいと思います。
そんな所で、上福元が凄かったという試合のレビューでしたw
まあ、開幕戦のFマリノス戦と全く逆の展開でしたね。こう言う事もありますね。
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