サッカー系コラム

【日本代表】代表がつまらない理由と吉田麻也を応援したい理由。

日本代表チームは、先のキリンカップ、キリンチャレンジカップの4連戦で2勝2敗。ブラジル戦の敗戦はまだ健闘した方だと思いますが、チュニジア戦の敗戦はちょっと心象が悪かったですね(苦笑)

そんな日本代表ですが、個人的に久しく『めっちゃ応援したい!』とか『熱くなった!』という感情が湧いていません。平たく言えば、

代表はつまらないな。

という所になりますでしょうか。

Jリーグチームのサポーターあるあるとは思いますが、Jの1stチーム、僕で言うとセレッソになりますが『1stチームの勝敗ありきで代表は二の次』というスタンスのサポーターも増えているかな?という気がします。ある意味で、当然。

ただ、国を代表するチームであるのに、『応援したい』とか『熱くなった』という感情が湧かないのも少し寂しい。なんでなんだろう?という疑問は少し前から持ってました。

今回、その辺について自分なりに整理した所を書いて行こうと思います。まず、最初に書いておきますが、以降で書く内容は、現代表監督:森保さんを叩くような内容ではありません。

いつから代表サッカーがつまらなくなった?

僕が代表チームの試合を見てる時、『上手いな~』とか『凄いな~』という感じでポケーと見てる感じになります。セレッソの試合のように、気合を入れてみてる訳ではない感じではなく、それ故に『応援したい』とか『熱くなった』という感情があまり湧いてこないような感じですね。

昨今の流れで言えば、『森保監督のサッカーが面白くない』的な所を言われるかも知れないのですが、個人的にはそれよりずっと以前からそう感じてるように思います。ハリルホジッチ、いや、ザックさんの頃からそう思っていたように思います。

ザックさんの時は、後期に当時セレッソ在籍の曜一朗と蛍が代表に絡んで来て楽しくなってきた記憶はあります。が、ザックさん就任当初は同じように『応援したい』とか『熱くなった』という感情は希薄だったように思います。

だから、森保さんがどうとか、ハリルホジッチがどうとか、監督という所には要因はないと考えます。そうなると、

選手に要因があるような気がする

という所に行きつきました。

その辺、選手目線でもう少し深掘りして行きます。

日本代表とは?

今でこそ冷めた感じで代表を見ていますが、Jリーグ黎明期、ドーハの悲劇でアメリカW杯出場が断たれて落胆し、ジョホールバルの歓喜で大いに沸いたというのは覚えてます。その頃は、今と比べて選手のレベルも低かったと思うのですが、はっきりと『応援したい』『熱くなった』という感情はあったように思います。

その頃と、今を比べてどうか?そんな時に、1つの名実況を思い出します。

上で挙げたジョホールバルの試合、フランスW杯のイランとアジア出場3.5枠の3枠目をかけた試合でしたよね。この試合のNHK実況:山本浩さんが発した言葉が以下でした。

このピッチの上、円陣を組んで、今散った日本代表は……私たちにとって“彼ら”ではありません。これは、“私たちそのもの”です

https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/202008070002-spnavi

リアルタイムで放送を見ていて、今でもこの実況は記憶にあります。

この実況が示す通り、

日本代表というのは『私たちそのもの』

なんですよね。日本国籍を持つ人の代表11人が、ピッチに立ってる感覚。代表選手には失礼な言い方になるかも知れませんが、僕らの代わりに戦ってくれてるみたいな感覚はありました。

この当時、日本代表選手が置かれてた状況は以下の通りです。

  • 2002年に自国開催(韓国との共催)のW杯を行う事が決まっている。
  • 過去、自国開催がW杯初出場になった国はいない(W杯スタートの数回は除く)
  • それ故に、1998年フランスW杯での初出場は必ずクリアしないといけない

と言うような感じ。相当、重いミッションを課せられてた状況でした。

また、Jリーグ黎明期と言うとこともあって、この試合の結果如何でJリーグが盛り下がるかも知れない。そういう意味でも、とても重要な一戦でした。

だからと言う訳ではないですが、当時の日本代表は、

日本サッカーのため

という思いを強く持って、戦ってくれていたと思います。そして、それは、Jリーグファン並びに日本サッカーファンと共有できる願いでもあったモノだと思います。

だから、見てる側も『応援した』し『熱くなれた』のだと。だから、

日本代表というのは『私たちそのもの』

なんだというところに繋がると思うのですね。

そう、今の森保ジャパン・・・強いてはザックジャパン時代の頃から、この感覚がないような気がするんですね。今、代表に選ばれてる選手は、『日本のためではなく、別のモノの為に戦ってるのでは?』という感覚。

ここでまず、考察の結論を書いてしまいます。今の日本代表選手の多くは、

日本のためではなく『自分のキャリア』のために戦ってるのではないか?

という疑問を持ち始めています。その辺をもう少し。

プロサッカー選手のキャリアパス

ここで、昔と今のサッカー選手のキャリアパスと言うものを比較してみます。

Jリーグ黎明期のサッカー選手のキャリアパスというのが、以下のような感じ。

  1.  Jリーグで結果を出す。
  2.  日本代表に選出される。
  3.  日本代表で活躍し主力に定着する。
  4.  日本代表の主力からエースになる。
  5.  欧州チャレンジする。

こんなイメージ。具体的な名前を挙げると、カズを筆頭に、中田ヒデ、名波、稲本、小野、高原ら、みんなこのキャリアパスでした。日本代表のエースクラスになって初めてヨーロッパへ移籍を果すような感じでしたよね。

対して、最近のサッカー選手のキャリアパスは以下のようなイメージ。

  1.  Jリーグで結果を出す。
  2.  欧州へチャレンジ。
  3.  日本代表へ選ばれる。
  4.  日本代表で活躍(W杯含む)。
  5.  欧州ビッグクラブへチャレンジ。

今の若手のサッカー選手が、ほとんどこういうキャリアパスを目指すのではないかな?と想像してます。南野拓実なんかは、ばっちり当てはまりますよね。

ここで何が言いたいかと言うと、

今の若手選手は『日本代表の先』のキャリアが見えている

という所ですね。つまり、彼らにとって、

日本代表は『キャリアの1つ』でしかない。

ということ。

この代表選手の考え方こそが、見てる側が熱くなれない要因だったりするのかな?という気がしています。その辺をもう少し深掘りします。

見てる側は置いてけぼりになる。

上でいつ位から代表への熱が冷めてきたのかな?と考えた時、ザックジャパンの頃からとしました。その頃に頭角を現してたのが、香川真司。そうなんです、

真司こそが時代の転換期を作った

ように思っています。

真司のキャリアパス、改めて凄いですよね。上のような書き方をすると、

  1.  Jリーグで結果を出す。
  2.  日本代表に選ばれる。
  3.  欧州チャレンジ即、大ブレーク。
  4.  日本代表エースとして迎えられる。
  5.  欧州ビッグクラブ、チャレンジ。

いやぁ、エグい(笑)

ドルトムントに移籍した当時、真司は日本代表に選ばれていたとはいえ、目立った実績を積むまでは行ってなかったのですね。それが、ドルトムントで大ブレークを果した後、即、ザックジャパンのエースとして迎え入れられる形になりました。

日本代表での実績がないまま、日本代表のエースとして迎えられる。このパターンは恐らくは今までになかったもので、このような欧州経由での新たなキャリアパスを作ったのが真司なんですよね。本田と拓実も近い形ではあると思うのですが、本田は日本代表で実績を残しつつあったし、拓実は欧州経験が長かった。真司は異例中の異例。

そんな真司、そして本田がこの頃に常に口にしていたが、

ビッグクラブで挑戦

という言葉ですよね。彼らの能力とかを考えると、本当に通用するのではないか?という期待感があったので、当時はワクワクしてみてました。そして、今の選手のキャリアプランの指標にもなっているように思います。

が、今思うと、この考え方の浸透こそが、見てる側の人間が置いてけぼりを食らう要因だったのかな?というような気がしています。

見ている側からすると、自分のキャリアの為に戦っている選手に対しては、ドーハやジョホールバルのように、

思いや願いを共有して戦う事を願うのは難しい

ですよね。その選手個人のサポーターであればまだしも、その選手のキャリアにさほど興味がなければ、見てる側はそこまで深入りはしないですよね。

少し悪意のあるような書き方にはなりますが、選手は『自分の為に』やってる、見てる側はそれを見せられてるだけ。『自分の為に』という所のプレーでは、なかなか思いを共有するのは難しいですよね。

逆に、曜一朗や蛍のように、自分の応援するチームの選手が選ばれると共感できるのですが、今は欧州に移籍してから代表に選ばれるのが主流。拓実なんかはセレッソから離れて久しく、ちょっと『もう他所の子』感を個人的には持ってしまってます(苦笑)

結果、見てる側は代表の試合で熱くなれないのかな?という思いはしています。

だから応援したい吉田麻也

今の若い選手が『自分のキャリアの為に戦っている』であろう中、はっきりと『日本のために戦う』と感じさせてくれるのが、吉田麻也。プレーの姿勢、そして時にはそれをストレートに言葉にして、チームをまとめてくれていると思います。

吉田もまた、若い頃に欧州チャレンジして、言わば真司と同列のキャリアを築いてきた選手。吉田の若い頃は、真司や今の若手と同様、キャリアを見てたような選手だったように思います。

でも、長く日本代表として戦ってきて、『先人の残してきた軌跡』というものをよく理解しているように思います。長谷部から日本代表の主将を継承する形になった吉田。日本代表の歴史を繋ぐ立場として、その奮闘ぶりは個人的にとても好感を持っていて、

だから吉田は応援したい

と思わせてくれるのですよね。いくらポカしようとも(笑)

『日本サッカーのため』という思いを繋いでいる選手は、キャリアをみている若手選手の中心となるべき。その筆頭が、吉田だと思っています(長友なんかも同じようなことが言えると思います)。吉田にとって、恐らくは最後になるであろう(?)次のW杯での活躍を願ってます。

時代の流れで至極当然

今の若手選手に対して、ちょっと負のイメージで書いてしまったような気がしますが、

代表をキャリアの1つと捉えてしまうのは『時代の流れ』で至極当然

と思っています。

それ故に、若手選手に不満を持っている訳ではありませんし、当然、その流れを作った(と思う)真司・本田を恨んでる訳でもありません(笑)置かれてる状況が昔と違うのでね。

そして、若手選手の『自分のキャリアの為に戦う』は、強いては『『日本の為に戦う』事に繋がる』というのもまた理解はできます。ただ、それが見ている側だと伝わり難いところがあるな・・・と感じてしまう感じですね。結果、見ている側は冷めてしまって。

でも、その辺をひっくるめて『仕方ない』と思うし、そういう視点で『吉田麻也の姿勢は素晴らしい』と思います。

そして、これらは、僕がオッサンで無駄にサッカー観戦歴が長いからそう感じるだけかも知れません。もしかすると、仮に若い人がこの文章を読んで頂いたとして、ピンと来ないかも知れません。読み手を選ぶ文章になってしまったかな?とここまで書いておいて、感じております(苦笑)

諸々、代表のサッカーの見方、接し方を勉強しようと思います。代表の試合があれば親善試合だろうと見るだろうし、どうせ見るなら楽しみたいですからね(笑)あまり、まとまり切れてないのですが、今回はこの辺で。また、まとまれば何か書いてみようと思います。

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