2022 セレッソ

【セレッソ】柏戦:ドリブルでボールを前へ運ぶ選択肢

セレッソ 0-1 柏

2022.4.5 @ヨドコウ桜スタジアム

うーん、川崎戦大勝の気持ち良かった気分を返せ!!!な敗戦でしたね(苦笑)

ヨドコウ桜スタジアムでの今季リーグ初勝利もお預け。なかなか、上手く行かないものですね。

気が進まない所もありますが、振り返っていきますか。

試合内容・雑感

●緩急がなくて急急

試合全般に言えることですが、この試合のセレッソは『緩急のないサッカーに終始してしまったな』という印象はあります。緩急ではなくて、急急という感じでしたね(苦笑)

前節:川崎戦でショートカウンターがハマりまくったので、そのやり方でガンガン行きたい!という選手の気持ちも見てとれました。選手自身も、川崎戦の勝利からそのままハイテンションになってたのかな?と思います。無駄なボールロストも多かった。その辺、常に平常心でいる事の重要性も感じた試合でした。

また、前節の対戦相手:川崎と比べると、後ろに人数をかけてワイドに人を配置した柏に対して、ハイプレスは不発。前半の途中でフィールド中央付近、俗に言うミドルサードでのプレスに切り替えてましたが、そこでもなかなかボール奪取までには至らず。

#10:マテウスサヴィオと#22:ドッジ、この2選手がよく効いてましたね。プレスをかけてもボールを溢してくれず、要所でこの2人にキープされてた印象でした。ボールの落し所が2つあれば、ビルドアップは楽ですよね。

後は、#28:戸嶋。運動量が凄く、マテウスサヴィオ、ドッジの2人を戸嶋がサポートしてたような印象でした。この3人が非常に厄介だった印象でした。

そんな感じで、この試合のセレッソは戦術的にハメるとはほとんどなかったですかね。

●セレッソのプレスの脇を狙う柏

セレッソのプレスに対して、柏の狙いはその脇という所でしたかね。

柏のプレスのかわし方

プレスの矢印に対して、ボールをちょっとズラす。そして、ボールホルダーに対してサポート役は近め。そして、サポート役は後ろからフォローして、そこからドリブルでボールを前に運ぶような対策でしたかね。

前述の取り、基本的にはワイドに張って組み立ててましたが、要所(失点シーン含め)でこういうプレスのかわし方をしてるのを散見しました。こう言う所、狙いとして準備してきてるな・・・という印象でした。

ブロックを組んだ状態から、基本的には1vs1で『人に対してプレス』を狙うセレッソからすると、人にプレスに行く分、ズラされたボールへの反応が遅れる。そこでドリブルで前に運ばれると、マークの受け渡しが発生して、次にプレスに行くタイミングが遅れる。上手い外し方だなと。

ブラジル人監督ネルシーニョさん。ブラジル流に拘り続けた鹿島がスイス人監督を招聘した位、昨今は欧州サッカー隆盛ですが、ブラジルサッカーも局面局面でみると駆け引きが上手いな~と感じました。本当、奥の深い考え方。健在ですね。

●柏のやべぇヤツ

試合開始早々2分(1:42~)、いきなり左サイドの突破を許したシーンがありました。この時に、

柏にやべぇヤツ、居るな・・・

と感じました。そう、上でも挙げましたが#10:マテウスサヴィオ。本当、良い選手ですね。以前から居た選手らしいですが、全く把握してませんでした(苦笑)

このシーンで、山中はマテウスサヴィオの裏街道っぽい感じの股抜きを食らって突破を許しかけました(ファールで止める)。しかも、ボールはヒールで落とすという。凄い狙いやなと。

フィジカルも強い。山中は手を掛けて止めたのですが、それを振り払って突破することもできたはず。試合序盤でカードを出させる狙いがあったと思うのですが、倒れてくれて逆に助かったなと思いました。

危険人物・・・そう思ったそのまま、やられちゃいましたね。。。

●失点

この試合の唯一の得点シーンである、柏の得点。上の(プレスの脇を狙う+ドリブル)が2回で、裏街道からのクロス。敵ながら見事なカウンターでしたね(苦笑)

このシーン、乾のクロスをカットされた所から始まるのですが、ボールを奪われたタイミングでは、柏の選手が9人(GK含めて10人)もペナルティーエリア内に居たのですね。セレッソの選手は6人程度。逆に言えば、柏のFW1人に対して、セレッソ守備:4人(ジンヒョン入れると5人)。なのに、持っていかれてしまいました。

いったい、何人抜かれたんや?

という感じですね(苦笑)

柏のカウンターが鋭かったとはいえ、セレッソ側も人数は足りてたはずなのでどうにかならんかったか?という所は見直して欲しいです。

『Jリーグあるある』だと思うのですが、一般的なJリーガー相手だと数的優位でボールホルダーを囲めば、ボールを後ろに戻してくれるのですね。『味方のサポートがない』という名目でボールキープの選択をし、次のチャンスを伺う。

無駄にボールを失わないと聞こえは良いのですが、守る側はその隙に帰陣できたりしますので、戻す判断は良し悪しだと思います。ただ、言えるのは、それがJリーグの主流だということ。

そして、マテウスサヴィオのドリブルは、その主流とは違うやり方。

セレッソ側の守備として見直して欲しいのは、そのJリーグ特有の空気感のまま、柏のカウンターに対応しようとしてなかったか?という所ですね。個人的には、『囲めばボールを下げてくれる』と暗に思ってたような緩さを感じました。セレッソ守備陣の出足は、鈍かった・・・というかルーズな印象でした。

反対に柏、強いてはマテウスサヴィオは、

味方のサポートなんぞ要らん!!

と躊躇なく、どんどんドリブルで前に侵入していった印象でした。結果、陸のタックル、山中の追撃を振り払う事に成功。セレッソ守備陣(FW/MFライン)に置き去りを食らわせることに成功したと思います。セレッソの守備陣との出足の差は歴然だったかな?と思います。

その後、マテウスサヴィオに最後に対応した西尾は、体を外向きで対応。多分、マテウスサヴィオを内(西尾の背後)に誘い、切り返しでスピードが緩まった所に反転して体を当てて潰す狙い。そこで潰せなくても、内に誘えばヨニッチがカバーできる。そんな思惑が西尾にはあったと思います。

ですが、マテウスサヴィオが一枚上手でしたね。外(西尾の正面)をボールを通しての裏街道。西尾からして自分の目の前をボールが通過しても手も足も出なかったのは、全く予測してなかったからだと思います。

西尾、屈辱感たっぷりだったろうな(苦笑)試合終盤に、相手選手に胸を踏まれたシーンもありましたが、西尾にとってはこのマテウスサヴィオに抜かれたシーンの方が痛かっただろうな・・・と想像してます。

柏の素晴らしいカウンター、セレッソの緩さ(?)、西尾の心の痛さ。個人的には、色んな思いが交差した失点でした。

●山田、パトリッキの活躍

見所の少なかったこの試合のセレッソでしたが、良かったかな?と思うのは、山田とパトリッキでしたかね。

山田は、前半のGKと1vs1になる抜け出し(CBに少し体を当てたプレー)、後半のオフサイド取り消しとなったゴールと、らしさは見せてくれたのではないかな?と思います。もう一歩ですかね。

パトリッキも、左サイドのドリブル突破からのクロスは秀逸でしたね。前節:川崎戦もそうでしたが、少ない時間でも決定機に絡めるのは、能力が高い証明。もうちょっと馴染めば、左サイドは乾でも清武でもなく、パトリッキになるかも?そう感じました。是非、マテウスサヴィオ並みの活躍を期待したい。


そんな所で、本題へ。タイトルの通り『ドリブルでボールを前へ運ぶ選択肢』というところ。

この試合は、どうしても失点を許した柏のカウンターにクローズアップしがちですよね。その見事なカウンター、基本的にはドリブルでしてやらました(苦笑)ですので、今回は『ドリブル』という所を注目してみたいと思います。

ただ、ここで取り上げるのは、『相手を抜き去るドリブル』ではなく、

ボールを前に運ぶドリブル

というところになります。

『ドリブルでボールを前に運ぶ』という選択

まず、ちょっとだけ、例題的なものを出してみようと思います。

題して『パスか?ドリブルか?』

例題

以下のような状況で、ご自身がボールを持っている選手(#8)だとします。その場合、次にどう言ったプレーを選択しますでしょうか?

#8の次の選択は?

恐らくは、以下の2パターンの選択になると思います。

  1. 味方選手(#20)に縦パスをする。
  2. ドリブルでMFライン(#10~#22の間)を突破する。

どちらが正解だと思いますでしょうか?

パスで前に進むを選択しますか?

それとも、ドリブルで前にボールを運ぶことを選択しますか? 

何となく答えは見つかったでしょうか? そんな所で、以降に僕の答えを書いて行きます。

土塔えんじの回答

では、僕の回答です。

僕の回答は・・・

どちらも正解

です。記事のお題がドリブルなので、僕は『2.ドリブルでMFラインを突破する』と答えると思われたでしょうか(笑)?その辺は、天邪鬼ですw

パスを選択したとして、パスを受けた味方(#20)には中央の味方(#34)のブロック内の侵入でサポートを受けられます。自身(#8)がパスを出した後、そのままブロック内に侵入してサポートしても良い。

パスを選択した場合

パスを選択しても、次の展開がイメージできますよね。

逆に、自身(#8)の眼前の相手2枚 (#10、#22)を見ると、味方(#6)に対して相手(#10)、味方(#34)に対して相手(#22)が少しずつ引っ張られる形。この状態であれば、相手(#10)と相手(#22)の間を割って、ドリブルで侵入することもできそうです。

ドリブルを選択した場合

ドリブルを選択しても、次の展開をイメージできますよね。パスでもドリブルでも、両方とも次をイメージできる。だから、どちらも正解w 

問題の回答としては『なんじゃそら?』ですよね(笑)

ただ、ここで個人的に言いたいのは、

選択肢は、パスだけじゃない

という事です。

ドリブルで行ける時は行って良い

という所ですね。

この辺、以下でもう少し補足します。まだ、前置きの段階ですがw そのまとめです。

ドリブルで行ける時は行け。でも、パスを選択してしまう理由。

特に、上の例題のようなMFラインを突破する場合を考えます。

MFラインを突破した後の事を考えると、ボールホルダーは前を向いてるのがベストですよね。ただ、パスの選択だと、受け手が前を向いてトラップする必要が出てきます。CBの圧力、MFのプレスバックの中、そのプレーをする必要がある訳です。清武や乾とかは難なくやってのけますが、他の選手の場合、なかなか難易度の高いプレーになると思います。

逆に、ドリブルでMFラインを突破すれば必然的にボールホルダーは前を向いてるのですよね。当たり前ですが、ドリブルは前を向いてするものだから。ドリブルでブロック内に入ってしまえば、有利な展開に持ち込めるのは確実なんですね。だから、

ドリブルで行ける時は行け!!

だと個人的には思っております。

サッカーにおいて、当たり前の事を言ってると思います。そして、これを読んで頂いてる皆さんにもそれを理解してもらえると思います。

ただ、仮にこの記事のお題として『ドリブル~』と明記してない状態で例題を考えた場合、ほとんどの人が、

『パス』を選択したのではないか?

と思っています。ドリブルを選択した人は、恐らく少数派かと。

理由としては、選手の所定ポジションによっては持ち場を大きく離れる事になる。そこで、仮にボールを奪われた場合を考えると、リスクが大きくなってしまう、だからドリブルではなくパス・・・とかそんな所だと思います。そういった考えが根底にあるので、リスク回避も可能なパスを選択する。

もっともな所です。特に反論の余地はないです。僕の見た所ですが、こういった場面で、実際のJリーガーもほとんどがパスを選択してる印象です。

ただ、言い方が悪いですが、Jリーガーですらドリブルで前にボールを運んで良い場面であっても、パスを選択する選手が多い。それは、

『ドリブルの選択肢』を最初から持ってないから

という風に感じてます(そのほとんどが日本人選手)。

前述の通り、パスでも正解です。でも、

『ドリブルの選択肢を最初から持っていない』のはどうなんだろう?

と、個人的に今のJリーグから感じてる所でもあります。

『フリーな味方を探して、素早くパスで繋いでいこう~』とか『良い立ち位置に立って、相手からズレてパスを受けましょう~』とかの弊害というか、そんな印象を受けてます。

念のため断っておきますが、『パスが悪い!!』と言ってる訳ではないです(苦笑)くどいようですが、パスでも正解。ただ、選択肢としてドリブルを持ち合わせてないのが問題なのでは?と感じてる所です。


長々と持論を重ねまくりましたw そして、この試合で『ドリブルを選択肢として持っているか?』という視点で、良い例と悪い例がありましたので、その辺を紹介します。

良い例は、失点シーンのマテウスサヴィオ。味方とのパス交換でボールを前に運んだ後、ハーフウェイライン付近で陸と山中を振り切ったシーンが、まさにそれ。上で挙げた例題と同じく、ドリブルでボールを前に運んでMFラインを突破してますよね(例題以上に分かり易く、MFの選手間が開いてます)。

このシーンでは、マテウスサヴィオには『ドリブルで行ってやる』という強い覚悟すら感じましたよね。当たり前ですが、『選択肢としてドリブルがあった』という事になります。

そして、悪い例はセレッソ側。14分(13:05~)のシーン。ドリブルの選択肢を持ってなかったのが、

山田寛人

です。上で『良かった』と書きながら、ここで悪い例として挙げるという(苦笑)

14分(13:05~)のシーン

このシーン、セレッソは左から綺麗に崩せたのですね。

DFラインで相手シュートをカット、西尾が左サイドで持ち上がり、西尾 →(縦パス)→ 乾 →(落とし)→ 山中 →(縦パス)→ 山田とワンタッチパスを繋げます。

最後の山田は、相手を背負いながらパスを受け、身体を反転させて前を向いてボールをキープしました。この時、山田はどフリーな状態。山田の周囲は、以下のような状況になってたんです。

山田がボールをキープした瞬間

図でも分かる通り、セレッソ5人に対して柏は4人(GK除く)。はっきりと、数的優位のチャンスでした。更には、山田は前を向いてボールを持っている状態でした。この体勢であれば、柏は下がる他ないんですね。

ここで山田がドリブルでボールを前に運べば、柏の#22か#3が山田に対応する(あるいは、全員下がる)はずです。そうなると少なくとも山中か加藤は空きますし、一旦、奧埜にボールを預けて山田が前線に上がっても良い。

セレッソ側からして、『もう、どうとでもしたるわ!』状態ですよね。こういう状況だったので、

山田、行け(ドリブルで前に運べ)!!!

と思いました。時差観戦にも関わらず、声に出したくらいでw

・・・・そう思った瞬間に、山田が取った選択が、山中?(加藤?)への無謀なパス。しかも、どフリーだったのに体勢不十分な状態で、慌てて出した感じで中途半端過ぎるパスに。

潰えたチャンス

結果、パスが流れて簡単に相手に取られてチャンスが潰えました。

多分、この試合のセレッソの狙いとして、柏の3CB横のスペースを狙う意図はあったのだとは思います。そして、速い攻撃(カウンター)。そういうチーム戦術的なイメージは頭にあった故のパス選択だとは思います。

ただ、あの場面、

山田には『パス』という選択肢しかなく、『ドリブルでボールを前に運ぶ』選択肢は持っていなかった。

というように見受けました。だから、あのように慌ててパスを出してしまったんだろうな・・・と。

もし山田が『ドリブル』の選択肢を持っていれば、パスか?ドリブルか?の思考が生まれて、正しく状況判断をしようとしたはず。状況判断をしていれば、山田なら『ドリブルで前に運ぶのがベター』と判断できたと思います。

そして、ドリブルでボールを前に運べば、前述の通りに相手1人は引き付けることができる。そこからのパス選択でも遅くはなくて、山田起点でより良い状況に持ち込めたはず。

そういったシーンだったのに本当に勿体ない・・・と思わざるを得なかったですね(苦笑)その少し後に、良い例で挙げたマテウスサヴィオの『前にボールを運ぶドリブル』から失点、そして、それが敗戦に繋がってしまっただけに、僕の中で山田のあの状況判断の拙さが際立ってしまった感じでした。

ただ、山田がパスを受けて反転して前向いてボールをキープするまでは見事なんですね。若さ故と言うか、経験値が少ないが故というか、そういった所の理由による判断ミスなのかな?と思います。

試合後、

今日はあまり起点になれなかったので、そこは、今日は足りなかったと思います

https://www.cerezo.jp/matches/2022-04-05/

このシーンかどうかは分かりませんが、似た趣旨で、山田から反省の弁が出てました。前回の川崎戦のレビュー記事にも書きましたが、

『反省をする』というのは『行動を変える』こと

これも経験、糧にして山田ももっとレベルアップしてもらいたいです。

期待の選手なので、ちょっと厳しめに書いてみました。本当、頑張って欲しいですね。

もう一度、1からやり直しましょう。

なかなか、ヨドコウ桜スタジアムでリーグ戦の勝利がきません(苦笑)近所の桜も葉桜になりつつあり、ここらで勝って欲しかった所でした。

ただ、前節の記事でも書きましたが、

今の小菊セレッソは、

王者に圧勝できる位、ポテンシャルのあるチームだ

と思ってます。もっと煮詰めていって欲しいなと思います。

幸いにも、まだ五分の勝敗(2勝3分2敗)。山田の更なる成長、パトリッキの能力、そして清武も復帰してくる頃でしょうか。明るい材料もある。ここで、1つ踏ん張って欲しいなと思います。

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