2022 セレッソ

【セレッソ】川崎戦:王者に大勝!その裏にある『6vs5』の意味。

セレッソ 4-1 川崎

2022.4.2 @等々力陸上競技場

リーグ連覇の相手に、アウェイで爆勝! こんな気持ちの良い勝利は、本当に久しぶりでしたね~

個人的にこの土日に用事があって、リアルタイム観戦は叶わず。試合時間中は、ちょこちょことタイムラインで情報を追ってましたが、点が入る度に、

お? おお? おおお? おおおお!

となってましたw リアルタイム観戦、特に現地観戦された方が羨ましいです(笑)

そんな試合を振り返りたいと思います。気分も良いですし、出し惜しみなくたっぷりと書いて行こうと思います(笑)

試合内容・雑感

●ハマると強い小菊セレッソ

京都戦なんかもそうでしたが、ハマると圧倒的な強さを見せてくれる小菊セレッソ。それは、王者相手にもそのままでしたね~。

ひいき目抜きで見ると、前半の得点した時間帯も含めて『やることなす事、全てが上手く行った!』という感じはありました。特に先制ゴールのシーンなんかがそうですが、ラッキーな部分もあったとは思います。ただ、実力がないチームであれば、そのラッキーも生めないと考えます。それだけ、

ポテンシャルのあるチーム

という所は言えるのではないかな?と思います。

自信を持っていきましょう(笑)

●乾の先制ゴール!

乾の表情豊かな先制ゴール(笑)!

乾の『パスを出せ!』『なんで打つねん!』『うぉ、ボールこぼれてきた!』『よっしゃー!!!』な表情の移り変わりが良かったですよね(笑)ただ、『なんで打つねん!!』の段階以降で足を止めなかったのが素晴らしかった。あそこで足を止めてれば、ラッキーを逃しかねなかったですからね。

山田もシュートへの積極性が出てきて良かったと思います。試合後のコメントで本人も言ってましたが、

(前々節の)清水戦で、自分が打てたのにヒールで落として、カウンターを受けてしまい…。

https://www.cerezo.jp/matches/2022-04-02/

これ、僕もはっきりと不満に思ったシーンだったので、よく覚えてます。もっと、積極的に行けよ!!!と山田には思ってた所なので、山田が積極的にシュートに行った嬉しいシーンでしたね。

個人的な話ですが、僕が社会人に成り立ての頃の恩師から、

『反省をする』というのは『行動を変える』ことだ

と教わりました。これは、今でも僕の中で大事にしている言葉です。そして、山田はしっかりと行動を変えたのが分かりました。つまり、山田は消極的な姿勢を反省できたという事ですよね。

後は、シュートを外しても、

『山田が打ったのなら仕方がない』と乾に感じてもらえる位に実績を挙げろ!

という所ですね。このまま、桜のエースになってしまえ(笑)!

またもう1つ、特筆すべきは加藤のプレスバックですよね。

このシーン、実は川崎側に

谷口がドリブルで前に侵入した所に、チャナティップがボールを受けに降りてきて、2人の距離が近くなり過ぎた

というエラーがあったと思います。故に、谷口が一瞬迷ってしまい、動きを止めてしまったという感じ。

ただ、その谷口が止まった一瞬を逃さず、背後から詰め切った加藤が素晴らしかったですね。ワンタッチで加藤にリターンパスを出した中原のプレースピードも秀逸。

そして、この早い時間に加藤のプレスバックから得点が生まれた事で、

もたもたしてると、プレスバックが来る

川崎のバックラインの選手に思わせるのに十分なシーンだったと思います。この心理が、試合通じて川崎側の焦りに繋がっていたのではないかな?と推測します。

●乾の2点目のゴール!

完璧な崩しから、乾の2点目のゴール!! 

このシーンで取り上げたいのはあまり注目されてないであろう、原川の動きですかね。

山中からの折り返しを中原が受けてからの、川崎の2CB:谷口・山村の動きに注目してみて下さい。右CB:山村の裏を中原がスルーパスを通した形ですが、その時、山村は左にスライドしようとしてるのが分かります。

そしてもう一方、左CB:谷口も左にスライドする準備をしてるのが分かります(中原がスルーパスを出した瞬間、谷口は少しだけですが原川の方向に反応してるのが分かります)。

加藤はセンターで動かず、縦パスをいつでも受けられるポジション取りをし続け、谷口がマーク。ただ、原川が加藤の右を回ることで谷口を引き付けようとします。

谷口を左にスライドさせるために、山村が加藤のマークを引き受けようと左にスライドしようとしたその裏を、中原がスルーパス!!!乾も落ち着き払ってゴールを決めてくれました。

完璧ですよね。特に、個人的には原川の動きが大好物ですね(笑)

原川の動きで川崎のマークを全てズラした

という事は言えると思います。少し乏しい表現になるのですが、原川の無駄走りが中原に選択肢を増やしたことは間違いないのですね。

スルーパスを出した中原も、ボールを受けてから一瞬だけ右に首を振ってます。『右(原川へのパス)、あるよ!』という仕草でフェイントをかけて、日本代表CBを釣ってしまうという。そして、その逆(乾の入ったスペース)もしっかりと見えていて、そこを突くという(笑)中原も只者ではないですね(笑)

乾、原川、中原、加藤も含めて、素晴らしいシーンでした!!!

●山田のチーム3点目ゴール!!!!

山田の独走からの3点目!!!!

山田の抜け出し、上手かったですね~ ちょこんと蹴って、谷口のチェックをかわす。シュートも落ち着いて決めてくれて、大きな3点目になりました。

山田の谷口との競り合いを制した所が注目されますが、でも、ここも加藤にも注目してあげましょう(笑)

ブロック内からクリアで、最初に競り合ったのが加藤。ここで、加藤は2人に囲まれてるのですよね。それでも、相手に身体を当てたり、体勢不十分でもボールを誰も居ない所にコントロールしたり、必死にもがきながら山田に繋げてくれました。だからこそ、生まれた得点だと思います。

前線で起点になるというヤツですが、最終ラインの押し上げも、ここで時間をどれだけ作れるか?に掛かってくるところはあると思います。そこまで強いフィジカルではない加藤ですが、手を変え品を変え、色んな工夫をして時間を作ってくれてるのですね。本当に、頭が下がる。

こういう加藤のプレーは、攻守両面で本当にチームを助けてくれてると思います。個人的に、加藤にはレスターシティに所属してた当時の岡崎慎司のようなイメージが湧いてきてます。これだけ、頑張ってくれているので、早くリーグ戦の得点が欲しい所ですね。

●山田の4点目ゴール!!!!!

勝ちを確信させる、山田の2点目ゴール!!! これも相手のミスから綺麗なカウンターが決まりました。

この試合を通じてもそうですが、今年に入って小菊セレッソを見ていて感じている事は、

原川のチームだ!

という所ですね。上手く行っている時の小菊セレッソは、原川の独断場のようなイメージがあります。

前線プレスで、FW-サイドハーフが1の矢、2の矢で相手のリズムを乱した後、3の矢、4の矢で原川・奧埜が出てくるイメージ。特に、原川は奪いきる能力も高いし、奪った後のボール保持力も高い。ボックストゥボックスの動きで、この試合は運動量もチームNo.1でした。

そして、そのボックストゥボックスの動きで、このチーム4点目をアシスト。2点目の無駄走り含めて、この試合の原川の動きは際立ってたような印象が強いですね。

原川は、ここ数年のセレッソの流れを作ったユン/ロティーナ時代を知らない選手。何度かこのブログでも題材に挙げましたが、その時のやり方の問題点というか弱みを以前から指摘してくれてました。

(2021年ホーム鹿島戦のコメント) 点を取った後の試合運びで、人に行けなくなるシーンが多い。ブロックを組んだ状態からどう押し返すかは、チームとして課題かなと思います。

僕は今年から来ているので、去年のやり方はハッキリ分からないですが、去年はそのようなやり方で守っていたと思います。プレスのスイッチがなかなか入らないので、そのスイッチをどこで入れるのか。入れた後に、全体がどう押し返して、ラインを上げていくのか。

https://www.cerezo.jp/matches/2021-09-26/

この川崎戦を見る限り、この『 ブロックを組んだ状態からどう押し返すか』『プレスのスイッチがなかなか入らない』問題はクリアになってきてる印象はあります。その手応えも、原川は感じてるのではないかな?と思います。

故に、獅子奮迅の活躍が出ているのでは?逆転、W杯代表入り、あったりしないかな?と個人的には思ってたりします。

●失点

やりたいようにやれた試合ではありますが、実際、やられてはいけない形でやられてしまった印象はありますね。詳細は、後述します。

ゴールを決めたマルシーニョ。今時珍しい、シャツの裾をパンツにINするスタイル(途中から出してましたが)。昔は、イタリア代表:バレージがシャツを外に出す唯一の選手でしたが、今は逆ですよね。

ただ、スポンサーの関係から、許可なくシャツをINするのは禁じられてるはず。『点、決めやがって。罰金でも喰らってやがれ!!』と小さな不幸を願ってますw

冗談はさておき、いい選手でしたね。10分の決定機を決められてたら(ジンヒョン、ナイスセーブ!)、結果は違ってたかもしれません。三笘と同じくらい、陸が手を焼いていたのが印象的でした。


いやぁ、何にしても気分が良いですよね。ブログ記事を書いてても、楽しいです(笑)

そんな所で本題。実際の所、何で上手く行ったのか?という所。その辺を個人的に分析してみたいと思います。キーワードは記事タイトルにもあるように、

6vs5

という所。

そんな所で、行ってみたいと思います。まずは、個人的に考えるこの試合を象徴するシーンを展開してみたいと思います。

この試合の象徴的なシーン

この試合で、個人的にゾクッとしたシーンがあります。それが、75分(74:28~)。最終的に、パトリッキがGKとの1vs1を迎えるも、スーパーセーブで止められた(パトリッキが止められた1回目)シーンの直前と言えば分かりますかね。

残念ながらハイライトでは未収録、興味のある方はDAZNのフルタイム版で確認してみてください。このシーンの前線プレスが、本当に見事過ぎるんです。

前線の上門とブルーノが川崎DFラインにプレスに行って、MFラインが連動する。このMFが連動した動きが、

おぉ!!めっちゃ行くな~!!

とゾクッとなってました。

でもって、このシーンがこの試合を象徴してたな~と感じてます。その辺を深掘りして行きます。

前線プレスに行った『セレッソの選手数』と、ボール回しの『川崎の選手数』

このシーン、MF陣がプレスに行った瞬間の立ち位置は、このような感じでした。

74:28 頃からのシーン

ここで注目は選手数の比較。前線プレスに行った『セレッソの選手数』と、バックラインでボールを回しをしてた『川崎の選手数』を比較してみると、

  • セレッソ: 6枚
  • 川崎: 5枚

セレッソの方が1人多い形でプレスに行ってるんですね。前節の札幌のマンツーマンディフェンスを超える形。

当然ですが、後ろでパス回しを行ってた川崎の選手が受ける圧力というのは、相当、高いはずです。自分もプレスを受け、近くの選手も全てマークされてる上、プラス1人が多くプレスに来てる訳ですから。

それ位、

この時のセレッソのプレスの掛け方はエグかった。

ひいき目なしに、そう言い切れます。川崎からしてパスを引っ掛けられてしまったのも、この圧力を受けたからこそだと思います。

反面を見る。

ただ、このプレスし続ければ良いのか?と言えば、そうでもない。というのも、その反面を見てます。

川崎が5人で後ろでパスを回し、セレッソが前線6人でプレスに行くという事は、逆にセレッソDFラインと川崎オフェンスを考えると、

  • セレッソDF側: 4人
  • 川崎OF側: 5人

となります。フィールドプレーヤー10人から、単純な足し引きで分かって頂けると思います。このプレスを行う事で、DFラインで数的不利が生まれてるんです。

つまり、セレッソは、

DFラインに、かなりのリスクを背負って前線プレスに行ってる

という事は言えると思います。ひっくり返されると、大ピンチになるのと背中合わせ・・・と言う所ですね。使い分ける判断の正確さも、求められる所だとは思います。

でも、この試合では、セレッソはそのやり方を可能にしました。その辺を、もう少し深掘りして行こうと思います。前提として、川崎の人数配分の狙いを書いて行こうと思います。

前線に5枚張らせる川崎の狙い

サッカーの最近の流行りで、前線に5枚を張らせるというのはありますよね。前節の対戦相手:札幌でもそうでしたし、Fマリノス、この試合の川崎も。

山田の1点目(チーム3点目)のゴールシーン、加藤がボールを受ける前にセレッソがクリアした際、川崎の選手は5+2枚が前線に張り付いてます。

川崎の前線5+2枚

川崎を筆頭に各チームが何故、こういった前線5枚の配置をしたがるのか?という所ですが、個人的に考えるのが、

従来の守り方をする相手だと、ブロックを横広に薄くできる

という効果があるからだと思ってます。

従来の守り方、個人的な感覚では5-6年位前までの頃の主流の守り方で、

DFラインにカバー役で1枚余らせる

と言うのがありました。相手が2トップなら3枚で守れ、3トップなら4枚で・・・みたいな形。ゴールを割らせない為の安全策という所ですかね。

この守り方は、太古の時代のスイーパー・システムから引き継がれてきていたと思います。オフサイド戦術が高度化されて、ラインコントロールが重要になっても名残はあって、最終ラインの1人は余らせるのが基本的な考え方でした。

DFラインで1枚余らせる守り方

これを従来の守り方だとすると相手が5枚張ってきた際、5+1の6枚で守る必要が出てきます。基本陣形を4-4-2とすると、MFラインから2人がDFラインに吸収されるような形。

従来の守り方:相手FW5枚の場合

こうなると、MFラインが2枚になります。その修正で、MFラインでもブロックの厚みを持たせようとするのであれば、FWがMFラインに1枚降りる必要がありますよね。結果、相手FW5枚に対して、人に引っ張られ過ぎて6-3-1みたいなブロックを敷かされることになってしまいます。

ここまで人を引っ張られると、ボールを奪い返した時点で前線の枚数が非常に少なくなってパスの出し所がないですよね。また、ストーミングと言う言葉もある通り、ボールを失った瞬間、相手は前線に張った5枚(+2枚)で即時奪回を狙ってくる。故に、パスを出す時間がない、或いはその精度を落とされてしまう。

従来の守り方:ボール奪回時

こんな感じで、折角、ボールを奪っても、直ぐに相手に回収されてしまう。所謂、ハメられる形ですよね。これを繰り返されると、

攻撃のターンが永遠に来ない

という事態になりかねないのですね。

だいぶ前置きが長くなりましたが、簡単に言ってしまえば、川崎の狙いはこんな感じですかね。FマリノスやFC東京、札幌も、細かい方法論は違えど、狙いは似たような所だと感じてます。昨今のJリーグの主流なサッカーですかね。

だから、

従来の守り方は通用しなくなっている

という事が言えます。日進月歩です(笑)

そして、これに対抗するのが、小菊セレッソのやり方『密集ブロック』、そしてこの試合で見せた『ハイプレス』という事になってきます。

前線5枚張りに対する『密集ブロック』+『前線プレス』+『4-4-2』

実際の所、開幕戦で書いた記事の焼き回しがほとんどになってしまうのですが(苦笑)

似たような内容になりますが、小菊セレッソの肝の所だと思いますので改めて。『密集ブロック』+『前線プレス』+『4-4-2』という所を取り上げてみたいと思います。

密集ブロック:横スライドの速さが生命線の1つ

上で挙げた75分のシーン(パトリッキの1回目のシュートストップされた)、前述の通り、セレッソの前線6枚に対して川崎は5枚、セレッソのDF4枚に対して川崎は5枚。セレッソのDFラインの選手は、数的不利なので怖いはずなのですよね。

従来の考え方だと2枚足らない。マーカーが1人足りてない上に、カバー役も居ない状態です。でも、密集ブロックを組むことで、

マークしなくても良い選手を決めて対応する

という所を小菊セレッソは実践します。

例えば、相手CBがボールを持った場合、DFラインは相手の5枚のFWの内、両ワイドのFW2枚を『切る』のですね。サイドMFが背中で消すか、一旦無視するという形です。

密集ブロックの守り方:ボールが中央にある場合

そうすることで、中央の相手FW3枚に対して、DF4枚と数的優位を作るというイメージ。

逆に、相手SBがサイドでボールを持った際、密集ブロックを保ったままサイドにスライド。今度は、ボールと反対サイドの相手FW2枚を切って、4vs3の状況を作る。

密集ブロックの守り方:ボールがサイドにある場合

こうすることで、『ボールサイド側で数的優位を作る』という感じですね。そして、相手の横の揺さぶりに対して、スライドの速さで対応する。スライドの速さは、小菊セレッソの生命線の1つでもあると思います。

前線プレス:相手の最終ラインの自由を奪う

そして、もう一つの生命線が、小菊セレッソの代名詞にもなりつつある、前線プレス。

後ろが密集ブロックとスライドの速さで数的不利をカバーしてるものの、相手の最終ラインからセレッソDFラインが『切ったFW』にパスを通されると不利になるのは自明ですよね。そこで、

『前線プレス』を仕掛けることで、相手の最終ラインを自由にプレーさせない

という手段が用いられてるのであろうな?と感じます。

前線プレスで、相手最終ラインにプレーする余裕と時間を奪い、パスの精度を落とす。あわよくば、ボール奪取でカウンターを狙う。

これら、『密集ブロック』+『前線プレス』は、Jリーグの主流のサッカーに対して、

能動的でロジカルな対応方法

だと考えています。本当、攻撃的な守備と言うか、従来の守備の考え方だと全く出てこない発想だと思います。

あえての4-4-2の守備ブロック

他チームを見渡すと、相手FW5枚張りに対する守り方として、5枚で守るやり方が主流なように見受けます。所謂、可変システムを採用するチームの守備時の並びですね。チームによっては、5-4-1とか4-5-1とか。それらは、

攻撃側が使いたい5レーンに対して、各レーンに1人ずつ置く守り方

というイメージです。

DFラインに5枚置けば人に対して強く(先のW杯予選のベトナムがこんな守り方)、MFラインに5枚置けば、前線に張り付く5枚のFWのパスコースを防ぐ。4-5-1は、5-4-1よりかは攻撃的な所です(と言っても、4-5-1も守備的ですが(笑))。

でも、小菊セレッソではDFラインもMFラインも、5枚並べずに4枚。相手が多い所は『切る』ことで対応する。これ、

めっちゃ強気、攻撃的やな。

と毎回感じてます。それでも、そうすることで前線の圧力を高めたい意向は読み取れます。

小菊セレッソの狙いは、やはり上で挙げた75分のシーンだと思います。MFラインでボールをカットできれば、オフェンス側が6vs5の数的優位、相手FW5枚は置き去りを食らわせられます。

MFラインでボールをカットできた場合

それだけ前線プレスに重きを置いている印象はあります。攻撃的に守る・・・という所ですかね。


こんな感じで、小菊セレッソは、かなりチャレンジングなサッカーだと思ってます。

小菊さんの覚悟

と言えるのかも知れません。

こういう守り方は、実践する選手からすると『怖い』はずなんですよね。フリーになっている相手が居る、或いは背中で守ると言えど、自分のマーカーを視野に入れられないですからね。

この辺、やはり小菊さんの言うように『勇気を持って、良い立ち位置を取る』という所なんだろうなと思います。

良い点を書いて行くと、かなり聞こえの良いサッカーですが、弱点も少し触れておきます。これも、以前に何度か触れてますが。

やられてはいけない『サイドチェンジ』

小菊セレッソの弱点は分かり易く

サイドチェンジで揺さぶられること

ですね。ボールと反対サイドは『切る』ので、どフリーになる。そこを通されると、スライドが間に合わない。

特に、4-4のブロックの前(2トップ裏)で起点を作られると、縦パスを警戒して中を締める動きを取る(下図①②)。そこで、逆サイドに振られる(下図③のパス)と、スライドが間に合わなくなるんですね。

FW裏で起点を作られた後のサイドチェンジパス(スライド遅れ)

今回の失点シーンが、まさにコレ。

試合終盤で疲れもあったと思うのですが、スライドがルーズになってしまってますよね。そこで、右サイドのハーフスペースがぽっかり空いて、小林悠に起点を作られた形。

こういう揺さぶりを防ぐために、現状の小菊セレッソのやり方だと『FWの動き』が重要だと思います。このブログでも何度も書いてますが、

小菊セレッソの成功のカギは、

FWの頑張り!!

と思っています。この時、上門、ブルーノが出てましたが、ブルーノは総じてルーズでしたね(苦笑)もうちょい、頑張って欲しい(苦笑)

結果を重ねることが重要

最後にまとめ的な所を。

小菊セレッソや前節の札幌なんかを見ていると、サッカーは次のフェーズに入ったような感覚はあります。そこにあるのは、

相手からプレーする時間をどうやって奪うか?

という考え方、あるいはその反対の

自分たちがプレーする時間をどう確保するか?

つまり、

時間的概念の重要性が謳われるサッカー

という所ですね。

小菊セレッソは、

相手から時間を奪うというのは秀逸

と思ってます。ただ、

自分たちがプレーする時間をどう確保するか?

という所はまだ見えてない所があるかな?と思います。簡単に言ってしまえば、遅攻のところですね。今回の川崎戦の得点は、全てカウンターからですからね。

だから、川崎に完勝した!と言って、まだまだ小菊セレッソが優勝候補に上がってきた・・・と言う実感は個人的にはないです。早い時間帯で得点したことも、その上で前半に3得点できたことも『川崎に焦りを生ませた』という視点で、とても優位に働いたと思ってます。

ただ、上でも書きましたが、川崎相手に完勝できるだけの

ポテンシャルのあるチーム

という所を示せたとは思います。これを続けないと駄目ですよね。

前節:札幌戦。この試合のレビュー記事で僕は、

セレッソは密集ブロックで対応するのか?と思ってたのですが、意外に普通に守ってましたかね(苦笑)

https://cerezo-sky-over-cloud.com/review/2022_sapporo_h/

こんな風に書いてます。この時、札幌の5枚のFWに対して、上手く密集ブロックで対応できてなかったのですね。故に、事故的な得点で奇跡的に引き分けるも、内容的には完敗だった・・・という試合でした。

その札幌戦の反省を踏まえて、今回の川崎戦。見事な密集ブロックでの対応を見せてくれたと思います。これも上で挙げましたが、

『反省をする』というのは『行動を変える』こと

という所をセレッソの選手たちは実践してくれたのだと思います。

まだまだ、発展途上のチームではあるものの、楽しみが増えた・・・そんな試合だったかな?と思います。言うてる間に、柏戦がすぐそこですが、この川崎戦を標準とし、結果を重ねるべく試合に臨んで欲しいなと思います。

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