2022 セレッソ

【セレッソ】札幌戦:進藤亮佑のコメントとマンツーマン諸々。

セレッソ 2-2 札幌

2022.3.19 @ヨドコウ桜スタジアム

負けなくて良かった。

2回も先行しながら、そう感じさせられた試合でしたかね(苦笑)なかなか難しい試合でした。

そんな試合を振り返っていきましょうか。

試合内容・雑感

●戦ってた札幌

前節まで、札幌はリーグ戦未勝利(負けもなしで4分)。この試合を勝てなければ、5戦未勝利ということになります。それ故か、コロナの影響で主力抜きのメンバー構成でも、『この試合に絶対に勝つ』という背水の覚悟を感じてました。いわば、

戦いに来ていた

札幌の選手から感じたことでした。

そして、監督のミシャさん。前半にハーフウェイライン付近でのスローインを巡る所で、必要以上に抗議をしたシーンがありましたよね?点に絡まないような所で、あんな抗議の仕方は普通はしないと思います。あのシーンを見て、ミシャさん、

自チームの選手を焚き付けとるな。

と感じました。あんな感じで、指揮官のこの試合にかける姿勢を見せられたら、選手も燃えるものもがあるのではないかな?と思います。百戦錬磨ですね。

対して、セレッソの選手は、

サッカーをしに来ていた

という感じ。別にセレッソの戦ってなかったとまでは言わないのですが、それでも気迫で上回れられてたような印象はありましたね。プレースタイルそのまま・・という感じでもあるのですけど、そういった気迫の差が勝負の明暗を分けたように感じます。

まあ、負けてはないんですけど(苦笑)

●山田の先制ゴール!!

山田のセレッソトップチームでの初ゴール!!!

前から上手く相手をはめた形でしたが、山田の追い方も良かったです。上手く背中で相手を消しながらGKにプレスに行けてたので、完全に数的同数に持ち込めてました。本当、綺麗な形で取れたゴールだったと思います。

そして、先を考えると、このタイミングで山田がゴールを挙げたのは良かったのではないかな?とも思いますね。これを契機に、ケチャドバと行って欲しい所です。

そして、最初にセレッソ気迫で負けてた・・・と書きつつも、実際、この山田のゴール位までは上手く回せてたんですよね。ブルーノの裏抜け2本の何れかが決められていたら、もうちょっと楽な展開になってたと思います。

●CKからの同点ゴールを許す

相手が上手かったですかね。特に、一番やられたな・・・と思ったのが、#11。この#11はCKの際、ジンヒョンのすぐ前にポジション取りしてた選手です。

この失点、ジンヒョンが被る形になったのですが、本来であれば問題なくパンチングできたと思うのです。ただ、この#11がジンヒョンがパンチングできるポジションにずっと立ってるのですね。そして、そこに入ろうとしたジンヒョンを一瞬だけブロックしてる。故に、ジンヒョンは被らされたという感じですかね。

ファー狙いは明確で、ボールのコースも#11のすぐ上(或いは、#11の少しだけ外)を通すことで、ジンヒョンにパンチングさせない狙い。デザインされた形でもあるのかな?という気がしました。後半、こちらもファーで足で合わされたCKでも、#11は同じようなポジション取り(ジンヒョンは前に出るのを自重した)でした。

その狙い通りに蹴ったキッカーも凄かった・・・という所ですかね。

●ブルーノの勝ち越しゴール!!!

一体何が起こった?ww な感じのブルーノのゴール!!!

実を言うと、この数秒前のブルーノの動きを見て、

ブルーノ、こんな動けない選手やったっけ?

と、くだをまいてたのですが(苦笑)その直後のゴールと言う(笑)

最近、僕のこの『逆神』が本当に良く出てて、上のCKの同点ゴールを許した相手(#50)も、試合開始直後に、

#50、判断も悪いしプレースピードも遅いから狙い目やな。

と感じてて、そこからしばらくしてゴールを許すという(苦笑)まあ、空振りしてくれたのはこの選手でもあるんですけどw

更には、前節:清水戦でも、

清水#37、イージーやな

とか思ってて、こちらも#37に同点ゴールを許すという(苦笑)

あまり、人を悪くいうモンではないですね(苦笑)

●再度、追い付かれる。

前から行くのか、後ろでブロックを組むのか。ちょっと、中途半端やったかな。もう少し言えば、やはり球際の所。

この失点シーン、少し前に為田が球際で負けた所から始まってるんですね。ここの球際で為田が負けなければ、失点もなかったと思いますし。冒頭と同じような事を書きますが、こう言う所で差があったな・・というのは試合通じて感じていた所でした。

●西尾の奮闘

西尾、やっぱり凄いですな。気迫のこもった札幌の選手に対して、セレッソの選手で一番、勝ててたのは西尾だったかな?と思います。本当、怪我をした時にかなりヒヤりとしましたが、そこも気迫でカバー。本当に、特筆すべきプレーっぷりでした。

本当、良いDFになってきたな。この試合で収穫といえば、ここなんではないかな?と思います。


そんな所で、本題。進藤を取り上げてみます。

正直な所、今回は前述の西尾の奮闘っぷりをメインのお題として書こうと思っていたのですが、試合後のコメントを見て進藤の話題に鞍替えしました(笑)古巣ということもあって、分析が明確ですね。

是非、一読してみてください。

これを見ての、個人的な感想というか分析を書いて行こうと思います。

この試合の進藤のコメントから見る札幌のスタイル

古巣相手という事で、気合も入っていたであろう進藤。随所に良いプレーを見せてくれてました。

上で挙げた公式の進藤のコメントから2つ程を挙げ、その辺を深掘りして行こうと思います。

進藤のコメント①:5トップ気味の攻撃は対応し辛かった

進藤のコメントを、公式サイトから引用します。

やっぱり5枚、前に張ってくるのは、ちょっとイヤだなと改めて思いました。札幌時代、紅白戦もやっていたので分かってはいましたが…。札幌は大きくメンバーも変わっていないですし、今も札幌の試合を見ることは多いので、特長は分かっていたので、味方にしっかり伝えながらプレーしていました

https://www.cerezo.jp/matches/2022-03-19/

札幌は、攻撃時に前線に5枚を張り付かせます。

これは、Fマリノスもフロンターレも同じような感じですね。

マンツーマンで守るため、プラス1:GKがカバー役に入るような感じでしょうか。乾や颯太がロングシュートを狙ったように、札幌のGKはかなり高いポジショニングをしていると想像します(DAZN観戦ですので、その辺、よく分からない(苦笑))

ここで、進藤が『イヤだった』となったのは恐らくは、

ワイドポジションのFWを交えてのサイド攻撃だろうな

という所と想像しています。ここ、結構、止められてなかったですよね(苦笑)

図の通りなんですけど、そこら中に3角形を作ることが出来るんですね。そして、ワイドとハーフスペースの2人の前線の選手、そしてインサイドハーフの3人で頻繁にポジションチェンジを行って、守備側のマーキングをズラしてる印象はありました。

ローリング

俗に言う『ローリング』というヤツですかね。

特に、前線に張る2枚とインサイドハーフがポジションチェンジする所。守備側からみると、

DFラインとMFラインのライン間でマークの受け渡しをする必要がある

という所が出てきます。

ローリングのマークの受け渡し

この図の守備側(セレッソ)のMFからすると、

前にボールがあるにも関わらず、マークする相手は後ろから来る

という状態。CBが声掛けしても、どうしてもMFのマーキングの反応は遅れますよね。なかなか難しい対応。

特徴的だったシーンが、ちょうどDAZNのハイライトで収められてます。少し上で挙げた形は違いますが、札幌の左サイドのローリングに中原がついて行けず、ハーフスペースに飛び込んでくる選手(#6)のマーキングが思いっきりズレてしまったという形。

試合を通じて、個人的にこのシーンが一番危なかった形だと思ってます。こう言う所のマーキングが、とても厄介だったと思います。

こういった所、セレッソは密集ブロックで対応するのか?と思ってたのですが、意外に普通に守ってましたかね(苦笑)相手3枚のサイド攻撃に対して、中原、陸、奧埜で対応。右サイドを抜かれたカバーリングが原川。

ボランチ2枚がサイドに釣り出されてるんですよね(苦笑)こうなると、相手の5トップの旨味を出してしまってたかな?と思いました。セレッソのブロックは、横伸ばしにされて厚みを持たせられなかった感じでしたかね。

あまり動かなかった1トップ:ミラン・トゥチッチに、進藤と西尾の2人で対応する形を取りたくて、原川と奧埜を動かしたのだとは思うのですが、そこがやはり弱気に見えましたかね。

進藤のコメント②:札幌とやるときはゲームコントロールが難しい

ここも、進藤のコメントを公式サイトから引用します。

札幌とやるときは、ゲームコントロールが難しいと思います。オープンな展開を自動的に作るというか。札幌にいた時も、最後は打ち合いで、お互いのペナルティーエリアを行き来する展開も多かったので。それをミシャも狙っていると思います。

これ、面白いですよね。自身の経験からも、札幌相手にゲームコントロールは難しいと。まず間違いなく、

札幌のマンツーマン戦術がそう言わせてる

という所になるんだろうなと思います。

この試合でもそうでしたが、ここ数年の札幌との試合は、DFラインからのビルドアップの際にゴリゴリに来られますよね(苦笑)相手のビルドアップに対して、スペースを消すのではなくて人に強く行く。

試合のハーフタイムにツイートしたのですが、

単純に人に付けられるので、

立ち位置で剥がすのは難しい

ですよね。1vs1で人に付かれるので、普通に考えてそれを剥がせる立ち位置というのは多分、見つけられない(苦笑)それ故に、なかなかビルドアップは難しくて、

ゲームコントロールが難しい

のだと思います。

タイムライン上でロティーナの名前が挙がってるのも見かけましたが、僕が記録してる限りで、ロティーナ時代も後ろから繋ぐビルドアップを諦めてます

2020年の試合レビューですが、この試合では、FW:都倉にロングパス1本当てて崩していく戦術が取られてます。ロティーナでもこれなんで、如何にミシャさんのマンツーマンは上手くカオスに持っていけてるのかが分かりますね。

この試合、試合後の小菊さんのコメントで、まだコンディションが上がり切ってないブルーノを使ったのも恐らくはこう言った所(ビルドアップがしんどい故の縦ポン、裏狙い)だったのではないかな?と思います。ブルーノ、そして山田も、もう少し前線で起点になって欲しかったというのは欲でしょうか(苦笑)

進藤のドリブル突破

ここまで、どちらかと言うと悪い所を書いてましたので、この試合で良かった点も。

かなり強いイメージの札幌のマンツーマンディフェンスも、実は単純に敗れる方法はあります。それが、

1vs1で勝つこと

ですね。上のツイートでも書いてますが。

システムと言うのは面白いもので、1人が外れると他の誰かが自動的にカバーに回ります。マンツーマンだと、

人に付いてくる分、そのカバーが遅れる

のですね。この試合、1vs1で勝って良い形に持っていけたシーンはありましたが、それも進藤のプレーでした。

83分(82分00秒~)のシーンで、進藤のドリブルから陸に展開、陸のクロスを為田がシュート(枠外)という形でした。この最初、ボールを受けた進藤が、相手(#7)の戻りが遅いと見て全速力でドリブル開始。#7を振り切った所から、右サイドに展開してます。

進藤のドリブル突破で、#7が振り切られた後、そのカバーで2人ほど進藤に釣られ、陸が完全にフリーになってました。マンツーマンの弱点を突いた形だったのではないかな?と思います。

この進藤以外でも、颯太や為田のワンタッチで切り返しを入れるプレーとか、1vs1を制したシーンもありましたが、そこはファールで止められました。相手も抜かれることが致命傷に繋がりかねないので、こういう所はファールで止めてきますね(苦笑)狡猾と言うべきか、行儀の悪いファールと言うか(苦笑)


ダラダラと書いてきましたが、総じて気迫負けの印象は拭いきれないですかね。本当、根本的な所を見直して欲しいと個人的には思ってます。

時々現れるマンツーマン・ディフェンスのチーム

最後、少し長めですが余談にお付き合いを。個人的なマンツーマンディフェンス論というか、そんな所を。

ここ数年のミシャ札幌の代名詞的な存在となった『マンツーマンディフェンス』。ミシャ札幌は少し印象は違いますが、マンツーマンディフェンスと言われると、どちらかと言うと古いスタイルのサッカーという印象はありますよね。でも、長いことサッカーを見ていますが、ちょくちょくこのディフェンスを標榜するチームが現れてる印象があります。

このブログをよく読んで頂いている方だとご存じの方も多いと思いますが、現在の僕は『選手主体でサッカーを見る』ようにしています。ただ、実は20年前までは、

ゴリゴリのシステム論、チーム戦術好き

な人間でした(笑)

古くは、90年のイタリアW杯の西ドイツの5バックシステムとか、94年アメリカW杯のブラジル代表のドーナツ・システム(僕の勝手な命名w)、アリゴサッキの大発明:ゾーンプレスやアヤックスの3-4-3とか、めちゃめちゃ勉強してました(笑)

ただ、そんな当時はシステム論者だった僕が衝撃を受けたチームが、1996年に現れました。それが、『AJオセール』というフランスリーグに所属するチームです。

AJオセールは規模の大きいクラブではありませんが、エリック・カントナやジブリル・シセ、ローラン・ブランなどフランス代表の大物を輩出したチームとして有名ではあります。ただ、それも昔、恐らくこの記事を読んで頂いている方でもこのチームを知る人もほぼ居ないと思いますし、今現在は2部に沈んでいるような中堅チームです。

そんなフランスの中堅チームだったAJオセールが、1995-96年シーズン、突然、フランスリーグ1部で優勝をするという革命的な出来事を起こしました。そして、そのチームで用いられていたのが、

マンツーマン・ディフェンス

だったんです。まあ、僕も当時のAJオセールを見てた訳でもなく、読み漁ってた雑誌の受け売りですけどw 

でも、当時、ゾーンプレス等のシステム論全盛の中、当時ですら古いとされていたマンツーマン戦術で、ヨーロッパの主要リーグで優勝を果たしたチームが現れた事に大きな衝撃を受けた記憶があります。システム論オタクだったが故に・・・ですね(笑)

当時のAJオセールの監督は、ギー・ルーさん。このギー・ルーさん、AJオセールをなんと44年間も率いた名物監督でした。ファーガソン(マンU:26年間の指揮)をはるかに凌ぐ(笑)この辺は、サッカーオタクの人なら知識として知ってるかも知れません。

Jリーグでも、オシム時代のジェフ千葉がそうでしたね。当時、千葉が旋風を巻き起こしたのも、マンツーマンディフェンスをベースにしたサッカーでした。ミシャさんも、そう言えばオシムさんの門下でしたよね。

AJオセールも千葉も、マンツーマンでタイトルを取った。現在の札幌も、一定の評価がある。このように、個人的にですが時代の要所で出てくる印象を持っているのがマンツーマンディフェンスなんですね。古臭いとも言える戦術が何故、最新の戦術を凌駕することがあるのか?個人的な推測ですが、

マンツーマンをどう攻略するか?プロ選手と言えど、経験してる人が少ない。

という所があるのではないかな?と思っていたりします。ここは、選手目線です(笑)

中高生レベルでもシステム化されてるであろう昨今、好んでマンツーマンを使うようなチームは少ない(というか、ほぼない)。故に、現在のサッカー選手はマンツーマン戦術に対して、どう対応すればよいか?を経験値として持っていない。

対応方法はあるが、体験したことのない選手からすると、それは机上の空論に過ぎず。実際に目の当たりにしてみて、その時にそのプレー強度の強さを知ることになる。

だから、マンツーマンを標榜するチームに対して、上手く回せない。進藤の言う、『ゲームコントロールは難しい』という状況に陥るのかな?と思います。

ギー・ルーや、オシム、ミシャさんは、そういう事を知っているからこそ、このマンツーマンを取れたのかな?とも思ったりもします。サッカーの歴史を知り、経験値が為せるが故・・・というか。

ただ、1か所の1vs1を破られると全てが破綻しかねないリスクもある。でも、それを受け入れる覚悟があるからこそ採用できる。そのチームの監督の覚悟が、チームとしての強さを出してくるのかな?とも感じます。

この札幌戦を通じて、マンツーマンディフェンスを深く考えれば考える程、サッカーの面白さを感じますね。サッカー選手は、出来るだけ早い段階で色んなサッカーに触れておくべきなんだろうなと感じます。

ってか、内容がオタク過ぎで主観が強すぎる内容でしたかね。すみませんw でもまた、お付き合い頂ければ嬉しいです。

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