長い間、サッカーを見続けていると、印象に残るゴールというものはあると思います。色んな状況下において感じる事ですので、一概にどのゴールが1番!と決められないですよね(笑)
今回、個人的にここ数年で一番記憶に残っているゴールを紹介したいかな?と思います。
そのゴールとは、2019年ホーム川崎戦。決めたのは、
鈴木孝司
です。コージにとっては、セレッソで唯一挙げたゴールということになるのですかね。
鈴木孝司のゴール
まずは、動画を貼りましょうか。
このゴール、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか?当時、ロティーナ体制でスタメンに名を連ねてたFWの得点が少なく、そんな状況下で夏の移籍市場で獲得されたのが、コージでした。加入後の約1ヶ月後、このゴールを決めてくれて、コージへの期待が大きく膨らんだのをよく覚えています。(まあ、結果的にコージはこのゴールのみでしたが(苦笑))
それもあって、このゴールはとてもよく覚えています。そして、今回の記事は、このゴールの時に見せた、
コージの能力
の紹介という所になりますでしょうかね。
セレッソでは活躍できませんでしたが、移籍した新潟では、J2の上位争いをするチームで活躍中(2021年10月時点で6ゴール)。やはり、実力は持ってるんですよね。
そのコージの実力の程を、少しでも広まれば・・・と。
フォローとエゴのバランス感覚
このコージの能力を紹介するのに簡単に言ってしまえば、タイトル通りです。
このゴールを見た時の僕は、
フォローとエゴのバランス感覚が凄いな~!!
こんな感じの印象を受けてました。
この辺を、深掘りして行こうと思います。
フォローとは?
ここで言うフォローとは、当然の事ながら、味方へのフォローという事になります。
この動画でのシーンで言うと、誰をフォローしてたのか?という所ですが、これはそのままクロスを上げた
デサバトのフォロー
です。
動画で見ると、サイド奥に流れたボールを追いかけるデサバト。このボール、相手に当たってこぼれたボールにデサバトが反応してるという形です。故に、かなりルーズなボールということは言えます。デサバトが追い付いてクロスを上げられたとして、デサバトの体勢はかなり悪くなる事が予測できますよね。
こうなると考えられるのが、
クロスがショートするのではないか?
という所。
そして、パスの出し手がそのような状態である場合、受け手として考える必要があるのは、
(体勢の悪い)出し手がパスを届かせられる所にポジション取りしてあげる事
だと思うんですね。
この時のデサバトは、流れるボールに対して小刻みにステップを踏み直してクロスを上げるような仕草をしています。ボールの球足もそこそこ速い。それ故に、合わせるだけになり大きく蹴る事は難しいと推測できます。ファーサイドには、まずボールを届かせることができない体勢。受け手は、それを見越して、『出し手がパスを届かせられる所』を予測して、ポジション取りをする必要があると思います。
同じ動画を貼ります。
この時のコージ、どうでしょうか?デサバトがボールに追いつくと判断した瞬間に立ち止まり、
1~2歩、デサバトの方に進む
という事をやってるんですよね。コージは、しっかりフォローの動きを入れてます。
この時のコージの判断として、
デサバトの体勢が悪く、良いボールは来ない
という判断の下、デサバトに近付いたのだと思うんですよね。
サッカー選手として、こういう相手の機微を感じとって、さりげなく動ける選手はセンスが良いと思います。この時のコージからは、それが感じ取れます。(このシーンのコージの後ろにいる奧埜にも、同じような感覚は感じますね(笑))
エゴも出す。
そして、このゴールは、そのフォローだけで成り立っている訳ではありません。それがもう一つの要素。
このフォローの動きがあった上で、
エゴも出してるな~
という所です。
コージはFWです。ストライカーです。セレッソの1つ前の所属:FC琉球では、半年(27試合)で15ゴールを奪ってる訳です。こういう選手というのは、まず自分がゴールを決めたい。それをする為には、
自分でシュートを打ちたい!
と思っているはずなんですよね。
このゴールシーンを改めて振り返ります。前述の通り、クロスを上げるタイミングで、デサバトは体勢が悪いことは間違いなく、良いボールは上がらないと個人的に感じました。故に、この時の僕は、
コージ!!もっと、デサバトのフォローに行け!!
と思ったのです。
ここで言う『フォロー』は、
デサバトの苦し紛れになりそうなボールを、受けられるポジション取りをしろ!
という意味合いが強いです。もう少し、具体的に言うと、
もう後2歩ほど、デサバトに寄ってあげろ!
と思ったんです。
前述の通り、コージは既に1-2歩、デサバトに歩み寄ってます。それでも、デサバトの体勢的にパスは届かない、と個人的に思いました。それ故に、あともう少し前に出てフォローに行ってあげろ!と僕は思ったのです。
でも、コージはそれをせず、1-2歩出た所で止まります。ここに、
鈴木孝司のエゴを見た!!
と思いました。
コージは、恐らくですが、
自分がシュートを打ちたい!!
と思っていたはずなんですよね。それ故に、更に1-2歩前に出てしまうと、
角度が無くなってしまい、シュートが打てなくなる。
こう感じて、フォローへの動きは最初の1-2歩で留めたのかな?と感じました。
あくまで、『デサバトはここならボールを届かせてくれる』と信じる。そうすることで、
デサバトが届かすことが出来て、シュートも打つことが出来る、ギリギリの所
を見極めたということになるんだと思います。そして、見事成功。
このシーン、コージのポジション取りはゴールエリアの幅内で収めてます。この辺、
ストライカーの矜持だな~
と感じさせてくれるんですよね。フォローもするけど、あくまで点を取るのはオレ!というのを感じます。
フォローとエゴのバランス
これらを踏まえて、しつこいですがw もう一回、動画を貼っておきます。
『デサバトへのフォロー』と『ストライカーとしてのエゴ』、その2つの絶妙なバランス感覚でのポジション取りだと思いませんでしょうか?
以上のような感じで、このゴールは、
僕の予測の上を行ったゴール
なんですね。クロスを上げきったデサバトも、褒める所ですかね。
故に、とても印象に残っているゴールです。既に退団している選手の2年前のゴールを、こんな記事に起こす位に(笑)
この1ゴールだけで、コージの凄さは把握しました。本当は、もっとセレッソで活躍して欲しかったな~というのが正直な所です。FWが活躍するには、色々とあるんでしょうね。難しいところです。
セレッソの選手としては応援できなくなったのが残念ですが、これからもコージの活躍に期待したいと思います。