2023 セレッソ

【セレッソ】浦和戦:それを佐藤寿人は『矢印』と呼ぶ。

セレッソ 1-2 浦和

2023.3.4 @浦和駒場スタジアム

敗戦、、、

見慣れた光景になってしまった後半の失点(苦笑)レビュー記事を書く時は改めて試合を振り返るのですが、負け試合を振り返るのはやはり辛いです(苦笑)

少し気分を変えます。こういう時は、自分の好き勝手を書かせて頂こうかな・・・と(苦笑)

普段の記事のフォーマットは、以下の起承転結でまとめてるのですが、

  • 起: 試合結果とサラッと一言
  • 承: 試合内容・雑感
  • 転: メインのお題
  • 結: 締め

今回の記事に関しては、これまでのフォーマットを変えて『承』と『転』を入れ替えます。まず、『メインのお題』から。そこから、『試合内容』に移りたいと思います。普段、お読み頂いている方には気持ち悪さも残ると思うのですが(苦笑)

気分転換がてら、お付き合い頂ければと思います。

シンプルな戦術論、お教えします!!!

戦術論隆盛の昨今のサッカーシーンですが、僕の書く記事は『選手メイン』のところがあります。とは言え、僕自身も戦術をフル無視してる・・・と言う訳ではなく、僕なりの見方で戦術を捉えてます。

少し話が逸れますが、僕の職業が広義で『システムエンジニア』と言う所です(かなりマニアックなジャンルのSEです)。複雑なシステムを『シンプルに見る』という所から枝葉を付けて行くことを得意としてます。

それは、サッカーのシステム・戦術論も同様で、自分なりの『シンプル』まで落とし込んで見ています。ある種、職業病ですね(苦笑)それを、数年前からブログで表現している形になってるかな?と思います。

そんな所で、あくまで我流ではあるのですが、今回の記事は、

シンプルな戦術論、お教えします!!!

という所をメインのお題とします。こう書くと、読んでいる方には『最後に怪しい情報商材を売り付けられるかも?』と訝しがられるかもしれないのですが、無料記事です(笑)

ただ、寄付/支援はいつでもお待ちしておりますw

・・・と、冗談はこの辺で、その僕なりの『シンプルな戦術論』を説明するのに、この浦和戦がまさに良い題材になりそうでしたので今回に採用しました。今回のお題でその中心となるワードは、

矢印

です。

佐藤寿人の言う『矢印』

最近、中村憲剛さん筆頭に、サッカー解説で言語化の上手い解説さんが増えてきた印象があります。憲剛さん、戸田さん、監督になりましたが岩政さんとか、ここ5年位の間に引退されたメンバーがその中心です(引退された方々ですので、何となく『さん』付けしてます)。

そして、個人的に感じている言語化の上手い解説の1人して、もう1人名前を挙げるとすれば、

佐藤寿人さん

という所になります。サンフレ所属の選手時代からその発言は、メディアにも度々、取り上げられたりしてましたよね。

個人的に、解説:佐藤寿人さんが使う言葉で、とても印象的だな~と思うのが、

矢印

というワードです。『矢印が出てる』みたいな使われ方をしますよね。この『矢印』という表現が、

すっごい分かり易くて、優秀やな~

と個人的に感じてます。

では、その肝は何か?という所を、次に紹介していきます。

矢印①:人の動き

サッカーにおいて『矢印』というと、まず『人の動き』を想像すると思います。

人の動きの『矢印』

黒色の『矢印』に、吹き出しの『矢印』を引っ張って、赤文字で『矢印』と書いててややこしいですが(苦笑)想像の通り、最初の『黒色の矢印』がそれですね。

『人の動き』で『矢印』は出ます。それについては当たり前のことで、説明するまでもないですね。ただ、ここでその人の動きによる『矢印』をもう少し深く読み解くと、色んなものが見えてきます。

上図では矢印を出してるのが守備側の選手ですが、この場合、ボール保持者の視点で言えば、

相手のプレッシャーがキツイな・・

と感じると思います。逆の視点で言えば、

そのプレッシャーの『裏』は狙い目になるよな。

というところ。その人が動けば、元々にいた場所『裏』は、誰も居なくなりますよね。だから、狙い目。

これを『矢印』を使って図示すると、以下のように表現できると思います。

矢印の強弱

つまり、

  • 矢印の先端: 強い
  • 矢印の根本: 弱い

という所ですね。

ここで言いたい事は、

人から『矢印』が出れば『強い所』と『弱い所』ができる

重ね重ね当たり前の事を書いてますが、この概念が今のサッカーシーンの戦術を理解するのに重要だと感じています。

ただ、『矢印』という表現がとても優秀だな~と感じる所は、

矢印が出るのは『選手の動き』だけではない

という所です。サッカーシーンにおいて、もう一つ表現できる『矢印』を次に紹介します。

矢印②:もう一つの『矢印』とは?

もう1度、先程、紹介した図を貼ります。

この時、守備側の選手は、

どこを見てると思いますでしょうか?

と聞かれると、恐らくはボールホルダーの方ですね。図示すると、こんな感じになりますね。

ボールホルダーを見ると・・・

はい、はっきりと矢印が出ましたね。そう、サッカーシーンにおいて『人の動き』の他にも、

人の身体の向き

でも、矢印ははっきりと出るという事になります。

そして、矢印が出る・・・・と言うことは、

  • 矢印の先端: 強い
  • 矢印の根本: 弱い

という事でした。つまり、身体の向きにおいても、その強弱が現れるという事になります。矢印が身体の向きという事は、強い弱いが現れる場所は、

  • 身体の正面:強い
  • 背後:弱い

イメージすれば当たり前のことですよね。

図示すると、こんな感じ。

身体の向きが矢印

想像が付くと思いますが、背中側は見えないので弱点になりますよね。

整理すると、

『人の動き』と『身体の向き』の両方で『矢印』が現れ、その『矢印』の先端と根本でその強弱が生まれる

という所になります。

相変わらず回りくどく説明しておりますが、次にこの『矢印』を踏まえて僕なりの戦術論を書いて行こうかと。

我流:戦術とは何か?

この記事内では、僕は戦術のことを『方法論』とか『手段』と表現してます。『方法』や『手段』なので、それを利用することで望まれる/得られる結果というものは当然、存在します。

全部が全部そうではないと思いますが、昨今の戦術の『目的』で重要なポイントは、

味方の『矢印』をどうやって出すか? 
或いは、
相手の『矢印』をどうやって出させるか?

というのが間違いなくあると思います。今回のお題は後者、

相手の『矢印』をどうやって出させるか?

という所に注目してみます。

上でも書きましたが、『矢印』を出させるというのは『人を動かす』だけでなく『身体の向き』も含まれる。攻撃側の狙いは、相手に『矢印』をださせてその根本。つまりは、

  • 人が動いた後のスペース
  • 人の背後

という所になります。

『ボールを動かそう!』だとか、小菊さんのコメント等でもお馴染みの『良い位置に立とう!』とか、それら全て相手に矢印を出させるため。このブログで何度となく紹介しました4-4-2の2トップ裏での起点を作られるというお話も、セレッソにとって不利な矢印が出てしまうから

急所で起点を作られて生まれる矢印

カチッとブロックを組まれると、なかなか隙が生まれないのは周知の所だと思います。だから、

チームでどうにかして相手に『矢印』を出させる。そうすれば、矢印の根本の『弱い所』が生まれ狙い目にできる。

と言うのが目的と言うことですね。そして、その

『チームでどうにかして』という方法論が、いわゆる戦術

という理解に至ってます。

この考え方は言われてみると当たり前と感じると思いますが、個人的に少し前までこの辺を『何となくこんな感じ』という理解に留まってたんですね。それが、寿人さん辺りが『矢印』というワードを使い始めてから、個人的には戦術の目的をとてもシンプルに理解出来ました。

相手に『矢印』を出させるんだ

と。

最初に書きました通り、僕は自分なりに『シンプルまで落とし込む』と言う作業をします。それが、この『目的』ということになります。なので、目的を理解すれば、『どうやって?』の部分:仕組み・戦術論はあまり気にならなくなりまして。前回の福岡戦のレビューで、毎熊のドリブルの所でも触れましたが、

個人戦術でも、グループ戦術でも、チーム戦術でも、

相手に矢印を出させるという『目的』が理解できている判断であれば、どの方法でも問題ない

というイメージを持ってます。あくまで、選手の判断が正しいか?という所を注視するようにしています。

その仕組みという所をあまり意識しなくても、

『矢印』がどう生れたか?である程度、チームとしてやりたい事は理解できる

と言う所に落とし込めました。つまり、

選手から出る『矢印』を意識する

が僕なりの戦術論ということになります。そこから勿論、『どう生れたか?』の考察はしますけどね(笑)でも、これが基本です。

『矢印』という言葉を使う寿人さん、彼自身が現役の時に相手の『矢印』を意識してプレーしてた選手だと理解できます。相手CBの矢印の根本:背中を突くプレーが抜群に上手かった。

他の解説者さんも『矢印』というワードは使うと記憶してますが、だから寿人さんの使う『矢印』に一番の説得力を感じます。それ故に、意味もなく、今回はブログタイトルに採用してみましたw

そんな所で、『矢印』を意識して、今回の浦和戦の試合内容・雑感に(笑)

試合内容・雑感。

ハイライト動画を持って説明してみようと思います。『矢印』を意識して書きます。

分かり易いように紹介する全シーンに動画を貼りますが、動画は自動的には止まりません。なので、お手数ですが文章を読む際はいちいち止めて下さい(苦笑)

27:13~ 小泉、ヨニッチの『矢印』の根本を突くプレー

このモーベルグのドリブル突破に対して、徳真が止められず。ヨニッチがモーベルグの縦を切ろうとするのですが、そこで注目は浦和#8小泉の動きですね。

縦を切ろうとして、ヨニッチが『身体の向き(矢印)』を変えた瞬間に、小泉はヨニッチの矢印の根本に入り込んでます。完全に矢印を意識できたランニングですよね。

ヨニッチも、小泉の動きは視界に入ってると思います。が、そちらに意識を取られると、モーベルグにブッコ抜かれます。だから、小泉は無視せざるを得ないのですね。

小泉自身、そういう目的を理解しているからこそ、こういう動きが取れるように感じました。敵ながら、素晴らしい動きだったなと。

矢印の話とは関係ないですが、モーベルグはエグイですね(苦笑)前を向いたら、徳真のプレッシャーを全く相手にしてないですね。

逆に言えば、徳真にはこういうドリブルを止めて欲しいんですけどね。ファールしてでも。振り切られて、最終的に際どいシュートを打たれてますし。このシーンは4:6,3:7で徳真の体勢が悪く、相手がモーベルグというのも理解できるのですが。。。

31:54~ オウンゴール!!!

為田のクロスからオウンゴール!!何となく不安定だった戦いの中で、先制点は大きいなと思いましたね。

・・・この時までは(苦笑)

『矢印』という視点で見ると、レオセアラの所ですね。レオセアラが良い所に居ることで、マークが集中。最終的にマークに来た選手は、レオセアラの後ろからマークに来てます。

マークに来ると言うことは・・・その選手に『矢印』が生まれます。そして、その『矢印の根本』に上門がポジション取りするんですね。

結果、慌てて戻らざるを得なかった浦和#6のオウンゴールを誘うという形になった。レオセアラの存在感、そして、相手の矢印が出たのを見逃さなかった上門のポジショニングが生んだ必然のゴールだったと思います。

41:37~ 徳真のミス? チームの共通理解ミス?

上に挙げた2つは、個人の戦術眼的な所。グループ/チーム戦術的な矢印の出し方で、その良し悪しがよく分かるな~と思うのが、このシーンですね。

ってか、セレッソにとって悪い方の例ですが(苦笑)

この試合の浦和の狙いが、このエリア。ここは、4-4のブロックの急所の1つの所ですね。その急所に人を立たせて、そこを起点とする3人のローリングにかなり手を焼いていたようには思います。

急所起点のローリング

浦和の選手は入れ代わり立ち代わり人が入れ替わるのですが、この急所の所には必ず誰かは狙っていた印象です。

そして、この狙い、特に試合後の徳真のコメントでも出てる通り右サイドが強烈でしたね。この取り上げたシーンがまさにそうで。

『矢印』という視点で見ると、山中・為田がモーベルグ・酒井宏樹のマークで『外向き』にされてます。という事はつまり、2人の矢印の根本:『弱』が急所側のエリアに向いている、という事になります。

為田・山中の矢印『外向き』

これに対して、問題が次に『徳真の出した矢印』・・・ですね。

徳真の動きは、山中のボールホルダー(モーベルグ)へのチャレンジに対して、何故かカバーの動きを取らず。横パスと読んで、パスカット狙い?の縦チャレンジに行ってます。結果、浦和の狙いだったこのエリアは、矢印が全て外向きと言う事態に(苦笑)

最後の徳真も外向き矢印。

しかも、徳真が矢印を出したタイミングで、モーベルグはまだボールを保持してました。なので、徳真のチャレンジは完全に先出しになってしまって、相手は余裕を持って急所に立つ選手に後出しのパスを出せてます。ジャンケンでも、先出しすれば負けますよね(苦笑)

これは流石にないですね・・・(苦笑)少なくとも、先出しチャレンジになったのは完全に徳真のミス。この時の徳真の矢印の出し方は、ちょっと理解できなかったですね。

それでも前向きに捉えるなら、恐らくですが徳真はCB:鳥海にマークを預けたつもりだったのかな?とは思います。ただ、後述しますが、鳥海自身も別の問題を抱えていたように思い、前に出ることを躊躇してたのではないかな?と。結果、徳真の中途半端な『矢印』だけが浮き彫りになったかな?と。

多分、この辺が試合後の小菊さんが触れていた『セットしたときの守備の仕方』という所だと思いますね。

Q:ビルドアップに意識を傾けることで、守備がうまくいっていないと感じている?

「いえ。攻撃と守備は連動していますので。(課題は)セットしたときの守備の仕方ですね。奪った後のカウンタープレスなど、襲い掛かる守備は継続してできていますので、(課題は)ブロックを作ったときのプレスに行くタイミングです。コンパクトにしながら、いつ左右に誘導していくか。ボランチからの声も含め、その共有を、ゲームの流れを読みながら、全員で共通理解を高めていきたいと思います」

https://www.cerezo.jp/matches/result/2023030404/

このシーンが引っ掛かりまくったので、小菊さんがこう言っている事に少しは安心しました。このコメントを見て、

整理できる余地はあるのかな?

という所には行きついています。

後、念のために書いておきます。前回記事もそうですが、私、原川・推しの記事を書いてまして、その上で今回、上のモーベルグのドリブル対応含めた『徳真下げ』っぽい内容になってしまい(苦笑)なんとなく、徳真ファンには申し訳なく思い・・・(苦笑)

セレッソの全選手を、フラットに見ておりますことは改めて宣言しておきます。まあ、多少の好みはでますが(苦笑)ってか、こういうブログであんまり推しを書くべきではないですね。そのポジションを争う選手のことを書き辛くなってしまう(苦笑)

58:45~ PKを奪われる。

PKを奪われたシーン、まず、最初に言えるのは、

酒井宏樹と興梠、すげぇ~な・・・

という所です。

酒井宏樹がスルーパスを出した場所、セレッソの4-4のブロックの外からなんですね(苦笑)セレッソのMFラインとDFラインをぶち抜くスルーパス。そしてそれを、ピンポイントで興梠に通したパスの技術、それを引き出した興梠のランと。

ファールを犯した鳥海でしたが、これは防げない部類のプレーだと思います。相手が凄い(もう少し言えば、毎熊には酒井宏樹レベルの右SBになって欲しいなと思います)。

『矢印』の視点でい言えば、鳥海はスルーパスの準備がなく(出来るはずもなく(苦笑))、身体の向きはボールを持つ酒井宏樹です。その鳥海の出す身体の向きの『矢印』の根本を狙ったのが興梠。そして、そこにパスを通した酒井宏樹。改めて、お手上げです(苦笑)

DAZNではよく分かりませんが、鳥海は興梠対応で苦戦してたんではないですかね。上の徳真の所でも書きましたが、ラインを押し上げると興梠に裏を突かれるので、上げきれなかったのかな?と想像してます。

そして・・・ここでもう1つ戦術的な話をすると、もう一つの『矢印』を見る必要があるかな?と思います。それが、

左SB:山中の『矢印』

です。

酒井宏樹がスルーパスを出す時、山中はどちらを向いているか?というと『外向き』なんですね。大外レーンに、モーベルグが居ます。モーベルグは前述の通り、徳真のプレッシャーを問題にしない位、前向きにプレーさせたらエグい。その為に、モーベルグを警戒すべく、山中が『外向き』の矢印を出す事は理解できます。

ただ、山中の矢印が『外向き』だったことで、酒井宏樹のスルーパスのコースの警戒が弱まってますよね。矢印の根本は弱いから・・・です。

山中の身体の向き『外向き』

ここで少し感じるのが、

山中の矢印が『内向き』なら、酒井宏樹のスルーパスの抑止力になれなかったかな?

という所です。

山中の身体の向き『内向き』なら・・・

つまり、上の図の通り、外のモーベルグのマークを捨て、

内側を警戒する『矢印』を山中が出していれば、スルーパスを出す酒井宏樹の判断に迷いが出なかったか?

というところ。

実は、今回のこのシーンに至る少し前(51:20~)、全く同じプレーで酒井宏樹のスルーパスから興梠にシュートを打たれてます(オフサイド判定)。本当、焼き回しのような形でした。つまり、PKを奪われたシーンは2回目。なので、山中の頭に酒井宏樹のスルーパスもインプットされてたはずで、それを防ぐために、

矢印を『内に向ける』選択肢が、山中にあっても良かったのではないか?

というのは個人の感想です。

2回目だったからこそ、何か工夫が欲しかった・・・というのは贅沢でしょうか(苦笑)?まあ、山中が内向きで警戒したとしても、同じ結果だったようにも思いますけど(苦笑)それ位、相手のプレーが凄かったなという印象でした。

余談ですが、実はロティーナさんの時が似たシチュエーションではサイドバックを内向きにさせてたんですね。元日本代表監督のザックさんもそう。彼ら2人の守備戦術的には、このインサイドレーンへのパス(・・・と言うよりかは、ブロック内を通されるパス)を徹底的に排除させたい意向は感じてました。ゾーン・エリアを目で警戒するということですね。

反対に、小菊さんや尹さん、クルピ辺りは外向きにさせてたと思います。あくまで、人に行く、ボールを奪いに行くという戦術。あくまで、監督の考え・思想の話なのでどちらが良いか?の優劣はありません。ただ、状況によって使い分ければベストだな~とは思います。

試合展開的にPKを奪われて、同点・・・(苦笑)何とか挽回を・・・と期待した中での出来事。

64:00~ レオセアラのゴールもオフサイド取り消し

レオセアラのゴールも、VAR取り消し・・・もうちょっとでしたけどね(苦笑)レオセアラは、本当に早く初日が欲しいでしょうね。

でも、セレッソの1点目のシーンの通り、レオセアラの存在感は相手に取っては脅威に感じていると思います。なので、このまま継続してチームに慣れて欲しいですね。

ここの『矢印』視点は、為田がPA内でボール保持をしたまま、自身の動きを止める所ですね。PA内の浦和の全選手が為田の次の動きを見る形になり、『人の動き』の矢印が止まります。強い矢印が消える、所謂、足が止まった状態。そこを突いてのクイックで中に入れた形。

開幕戦のクルークスのレビューでも書きましたが、

ボールを止めることでも、相手の『矢印』をコントロール出来たりしますよね。それが、サッカーの面白い所だとも感じます。

『矢印』視点で為田を見ると、上手いですよね。為田のプレーを見てると、相手の『矢印』を自分の意図通りにコントロールしている印象は強いです。それは、ボールを持ってる時も、持っていない時も。だから、為田は小菊さんに使われる・・・というのは、何となく理解できます。

81:22 逆転ゴール。

ここは・・・もういいですね(苦笑)矢印視点でも、あまり面白くないですし、動画も貼りません(苦笑)

鳥海のハイボール処理、しっかりやって欲しかったですけど(苦笑)

背中を使える選手は素晴らしい。

こんな所で、『矢印』と言う視点で今回の浦和戦を振り返ってみました。上でも挙げた通り、『矢印』という考え方は現代サッカーにおいて重要な要素だと感じてます。

戦術と言えどいろんな視点で見れるとは思います。僕自身の見方は、ここまで紹介したような感じで、

  • 選手の『矢印』を見る。
  • その『矢印』が意図して作られたか?偶発的なモノか?を個人戦術レベルで考察する。
  • 個人戦術でよく分からん場合、枠を少し拡げてグループ/チーム戦術でどうだったか?を見る。

と言うような見方をしてます。所謂、戦術論はトップダウン的な見方が多いと思いますが、僕の場合は、

ボトムアップで見る

というところですかね。

選手目線で分からなければ、1つ枠を広げて見てみると、所謂戦術、仕組み・方法論の部分も案外見えてきたりします。選手目線で見れば、上の山中の内向き/外向きの話のような所に気付けて、そこから仕組みを組み立てる想像が出来たりするので非常に楽しいです。

この記事内では、『矢印の根本を狙う』というような表現をしましたが、フロンターレなんかは『相手の背中を使う』という表現になるようです。昨年かの対戦時、フロンターレ:鬼木監督が『背中使え!』としきりに支持をしていると、ピッチレポーターからコメントがあったのをきおくしてます。

フロンターレの選手は、基本的に上手いですよね。それは、背中を使えるから・・・だと思います。そういう意味で、

『背中』を使える選手は凄い

と言えますし、逆に戦術目線では、

『背中』を使える選手でないと今の戦術は機能しない

という事も言えるのかな?と思います。

昔よく、『スペースを作る』と表現しましたが、その概念は解像度としては低くなった印象はあります。『相手に矢印を出させる』そして、『矢印の根本を突く』。『矢印』という概念は、昔の『スペース』と言う概念ほど、広いエリアを必要としなくなった印象はあります。

その『矢印』の概念における狭いエリアでも、難なく突くことが出来る選手の技術が必要と言うことですね。風間理論の言う所が、まさにこれですよね。フロンターレが強いのも、その相性が良いからだろうな~と思います。

こんな感じで、戦術を語ろうにも結局は『選手中心に見る』に行きついてしまうのです(苦笑)

おまけ的に、素晴らしい背中の使い方として、2動画を挙げておきます。1つは、守備として自分の背中を使う。もう1つは、世界最高レベルの『相手の背中を使ってフリーになる動き』という所。

自分の背中を使う守備:上門。

昨年(2022年)のホーム神戸戦、上門の自分の背中で相手のパスコースを消す。

これ、僕が久々に現地観戦をして、目の前で行われたプレーでした。上門、ずっと背後をチェックして、後ろにいる選手のパスコースを消してますよね。

自分の出す矢印の根本、つまり弱い部分をずっと自身でケアして相手を追い詰めたこのプレーは、僕を上門ファンにするに十分でした(笑)

●相手の背中を使ってフリーになるネイマール

これも昨年(2022年)、カタールW杯準々決勝:ブラジルvsクロアチアでのネイマールの先制ゴール。この時、ネイマールはモドリッチの背中を使って、自身が前向きでボールを受ける形を作ってます。

俯瞰の視点で見る、0:52~が分かり易いですかね。ネイマールが縦パスを出して、対峙したモドリッチはボール方向に矢印を向けます。その矢印の根本、つまりモドリッチの背中をネイマールは攻略して、フリーで前向きにボールを受けることに成功と言うシーン。そこから、ワンツーを駆使して中央突破でゴール。

相手の背中を使う形でしたが、使った相手がモドリッチと言う(苦笑)どんだけレベルの高いプレーやねん!と驚愕しました(笑)


そんな所で、『矢印』とか『背中』という所を中心に、僕のサッカーの見方を説明してみました。あくまで我流ですし、今後また見方を変えるかも知れませんが、今はこの見方がとても気に入っております。

少しでも興味が湧きましたら、選手から『矢印』がどう出てるか?を意識してサッカーを見てみて下さい。

・・・・と、書き終わってから記事を振り返ると、今回はセレッソのことをあまり書いてない(苦笑)まあ、敗戦のショックで普段から『矢印』を変えた記事にしてみたというところです(苦笑)

綺麗に?オチをつけた所で、今回はこの辺で。後、少し宣伝を。

さがっそ大阪:第4回テスト会 実施!!!

暖かくなってきましたので、そろそろ再始動します。さがっそ大阪 第4回テスト会を実施します!

まだ、案内のnoteの記事は書いてないですが、

4/2(日) 10:00 ~ 15:30(大阪メトロ:なかもず駅スタート)

という所で予定しております。日付は決定とします。別途、案内は出させて頂きます。

さがっそ大阪とは・・・・こんな感じの事をやってます。昨年12月の前回開催のレポートです。

ぜひぜひ、興味のある方はご参加ください。宜しくお願い致します!!

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