セレッソ

【シャケ】酒本憲幸 引退に寄せて

セレッソでもお馴染みのシャケこと、鹿児島ユナイテッド 酒本憲幸選手が今シーズンで引退ということになりました。

ミ(屮°(▼)°)彡屮 シャケェェッ!!

・・・すみません、やってみたかっただけです(笑)親しみを込めて、この記事では『シャケ』と表記させて頂きます。

残念・・・というよりかは、お疲れ様という感じですかね。セレッソを退団した2018年にそのまま引退という道も考えたと、当時のニュース記事でも見たように記憶してます。ただ、そこから3年間、鹿児島で現役を続けたということになります。流石、シャケ!という感想になりますかね。

今回、そんなシャケについて書こうと思います。時系列で書いて行こうと思いますが、最初にシャケが現在所属している鹿児島ユナイテッドの関係者様には申し訳ないところもあるのですが、セレッソのシャケとしての活躍がメインという事になります。

シャケのファースト・インプレッション

高卒ルーキーとして、2003年にセレッソに入団したシャケ。入団当初、アンダー代表歴もなく、そこまで注目のルーキーではなかったように思います。

ただ、ネット上では、

酒本のプレー、おもろい!!!

練習を見に行ったセレサポさんのほとんどが、こう書かれていた印象でした。当時の僕は、あまり練習場とかには行ってなかったので、

へー、ルーキーの酒本っておもしろそうな存在なんやな~

と思っていた記憶があります。

ただ、この年のセレッソの攻撃の選手が強い。モリシ・アキの凸凹コンビに、前年のJ2でブレークした高卒3年目の嘉人。この3人を筆頭に、外国籍でバロン、セレッソで2年目の徳さんこと徳重隆明、前年の後半で大活躍した真中など。高卒ルーキーのシャケにはなかなか出番は回らず、また、当時はベンチメンバーが5人(GK1人含む)だったのでベンチ入りも出来ない状況でした。

シャケの衝撃デビュー:ACパルマ戦

そんなシャケが初めてベンチ入りしたのが、この年の6月に行われた国際親善試合の

ACパルマ戦

この時に、シャケの初めてベンチ入り(僕の記憶する限りですがw)。そして、衝撃的なセレッソ・デビューを飾りました。

当時のACパルマは、ACミラン、ユベントス、インテル、ASローマと並ぶ強豪チーム。FW陣が強力で、ブラジル代表:アドリアーノ、ルーマニア代表:ムトゥの2人。その2人を、右サイドに張り気味の中田英寿がコントロール(というか、2トップがそれぞれ単独で凄過ぎて、中田はフォローしかしてなかったような印象(苦笑))するというエグい布陣。

試合は、アキがまず先制ゴールを挙げる形でしたが、その後にアドリアーノとムトゥにボッコボコにされて(苦笑)前半の内に、アドリアーノの2得点で逆転されます。後半は、親善試合にありがちな多数のメンバー交代も行われました。そんな中で、交代出場したのがシャケ。この時、シャケは右サイドではなく、トップ下で起用されてたと記憶してます。

そして、魅せてくれました!!!出場して10分程度で、

嘉人のゴールをアシスト

したのですよね。ドリブルからのスルーパス!

シャケのこの時のプレーが、

  1.  左サイドで、スローインからボールを受ける。
  2.  そこから、リフティングで相手のチェックを外す。
  3.  そのまま、前を向いてドリブル開始。
  4.  ドリブルで相手を引き付けて、嘉人にスルーパス。
  5.  嘉人ゴール!

こんな感じ。

僕はこの試合をスタジアムに見に行ってましたが、上の2.~ 5.と、どんどん歓声が大きくなって鳥肌がたったのを覚えています。高卒ルーキーが、当時のイタリア・セリエAでトップクラスのチームを相手に、とんでもないプレーを見せつけた瞬間でした。

この時に、

シャケ、凄ぇ!!

とセレサポに広く認知されたのではないかな?と思います。僕も、シャケのプレーは初めてでしたが、このアシストには度肝抜かれました。

少し話が逸れますが、当時のセレサポさんの中に『FLASH職人さん』が居られます。今は無き(2021年1月サポート終了)、FLASHアニメーションを駆使して、セレッソの素晴らしいアニメーションネタを作られてたのですが、この試合直後位に公開されたシャケのFLASHアニメーションが凄く好きでした(笑)

シャケ・ベイベェ、シャケ・ベイベェ~

とかいうヤツ、覚えている方、居られますでしょうか(笑)?久しぶりに見たいですね~。

2006年 J2降格時の救いの神:シャケ

華々しいデビューを飾ったシャケですが、2003年のリーグ戦終了後の天皇杯位から、右サイドのウイングバック的なポジションで起用され始めたと記憶してます。後のセレッソの右サイドで躍動するシャケの姿は、ここが原点なような印象です。

そこからのセレッソは、所謂、ジェットコースター期。

  • 2004年: ギリギリ残留(16チーム中15位。最下位のみ入れ替え戦というレギュレーション)。
  • 2005年: 2回目の長居の悲劇
  • 2006年: J2降格

シャケも、試合に出たり出なかったりでレギュラーの座は掴めず。ただ、期待の若手の1人というような位置づけだったと記憶してます。

そんな中で迎えた2006年のJ2降格。ショックでしたね。何より、シーズンオフの激震が半端じゃなかったですよね。

  • 名波 ヴェルディ移籍
  • 徳さん 京都移籍
  • アキ 清水移籍
  • 嘉人 神戸移籍(物議を醸した最終日時間ギリギリの移籍)

当時の主力だった、中堅~ベテラン選手が軒並み移籍。

この時、2005年の優勝争いをしたことから、2006年に加入した有望な新人(香川、曜一朗、山下、デカモリシ等々)は残留してましたが、能力は高いとはいえ、新人ばかりで魔境J2で戦う事になるのか・・・?という不安があった記憶があります。多かれ少なかれ、当時のセレサポさんはこんな気持ちがあったのではないかな?

そんな時に、契約更新をしてくれたのが『シャケ』。多分、同時に藤本康太も更新してくれた記憶があるのですが、シャケは5年目。康太は3年面。試合実績も、そこそこ積み上げてきている攻撃・守備の若手の有望株。

シャケ(と康太)が残留してくれれば、そこを軸にJ2でも戦えるのでないか?

そう思った記憶があります。とりわけ、この2人のチーム残留は本当に希望に思いました。

多分、この時くらいから、シャケの人気は出始めたのではないかな?と。一過性のものではない人気が。言い換えると、

愛される存在

になり始めたのがこの頃だったと思います。

チームが苦しい時に、裏切らない存在・・・やはり重要ですよね。

忘れられないゴール

ここは、個人的な話をします。僕の忘れられないシャケのゴール。

それは・・・

2008年のJ2最終節、愛媛戦での同点ゴール!

これです。セレサポの中でも、このゴールをシャケのベストゴールに挙げる人も居られるのではないかな?

このゴールは単純な右足でのシュートで、シャケらしいテクニックを感じさせられた訳でもないし、言い方は良くないですが何の変哲もないゴールです。ただ、とんでもない状況下で生まれたゴールでした。

2008年のJ2最終節の愛媛戦と聞いてピンとなる人も多いと思いますが、この試合、

モリシのリーグ戦最後の試合

なんですよね。最終的に、翌年のプレシーズンマッチの吹田戦が最後という位置付けにはなると思うのですが、公式戦という目線で言うとモリシの実質の引退試合。

この試合の置かれてたシチュエーションが、

  • モリシの最後の試合。
  • また、この試合に勝たないとJ1昇格はなくなる。
  • ただ、モリシが出場したとして、身体が治っていないモリシは恐らく戦力として計算できない。
  • だから、試合の早い段階で大量得点差をつける。そして、モリシの出場時間を長くする。
  • また、モリシを試合に出す為に、選手交代は1枠残しの2人まで(当時の交代枠は3人)

このような感じ。とにかく、モリシを試合に出す為の条件が多い試合でした。

そして、この試合、セレッソの選手は力むんですよね(苦笑)当時、輝きを増し始めた香川・乾のコンビも不発で。そんな中で愛媛に先制され、リードを許す展開に。

勝ちたい。J1に上がりたい。

そして、最後にモリシの雄姿も見たい。

だから誰か、まず同点にしてくれ!!!

サポーター目線からすると恐らくこんな心境で、非常にヤキモキする展開だったんですよね。そんな中で同点ゴールを叩き込んでくれたのが、シャケ!

ミ(屮°(▼)°)彡屮 シャケェェッ!!

ネタでもなんでもなく、スタジアム全体でこうなってましたよね(笑)

その後、カイオが逆転ゴールを奪い、試合終了間際ギリギリにモリシも出場。結果的にJ1昇格ならず・・・も、この試合に勝って、モリシを出場させるミッションは何とか達成という形を作ってくれました。それを生んだのが、シャケの同点ゴールだった訳です。

だから、このゴールは本当に忘れられないです。

クルピ政権時のシャケへのヤジ

シャケの活躍を語る上で、クルピ政権下での起用に目が行きますよね。

  • 2007年 右サイドハーフ
  • 2008年 右サイドハーフ
  • 2009年 右ウイングバック
  • 2010年~2013年 右サイドバック

徐々に、後ろに下げられる(笑)ACパルマを引き裂いたドリブラーは、サイドバックに落ち着きました。

この頃には、シャケの明るいキャラクターは既にセレサポ内で周知の事実となってました。

『和歌山では左は習わない』

シャケの名言ですよね(笑)それ故か、どちらかと言うと、期待の若手からネタキャラみたいになってきてた印象です(苦笑)

ネタキャラっぽい印象があった為か、スタジアムでは心無いヤジも良く聞くようにはなりました。2010年頃から、右サイドバックに転向したシャケ。試合中、ビルドアップ時に右サイドのシャケが詰め寄られるシーンが多く散見するような時期がありました。

シャケ、遅いねん!

当時、スタジアムによく観戦に行ってましたが、このヤジは本当に多かったです。

ただ、これには理由があって、DFラインの右でシャケがコンビを組んでたのが茂庭だったのですが、DFラインでパス回しをする茂庭がかなりモタモタするんですよね(苦笑)それ故、茂庭が右サイドのシャケにパスを出した時には、既に相手に詰められてる状態と言う(苦笑)結果、シャケが詰め寄られてるように見えて、シャケだけがヤジられると言う(苦笑)

だから、このヤジが周囲で出た時、

シャケが遅いんじゃなくて、茂庭が遅いねん!

と反論してました。まあ、スタジアムでいざこざになると面倒なので、聞こえないように小声でしたがww

詰め寄られてもボールを失わないシャケは凄い!

と、これは少し大き目な声で(笑)

個人的に、クルピ政権時のシャケを語る上で、茂庭はセットになってしまいます(笑)シャケはそのテクニックで、茂庭のプレー・スピードの遅さを本当によくカバーしてたな~と。その辺、プレーヤーとして上手かったな~と。

セレッソ最後のゴールの感動

セレッソ黄金期とも言える2013年を終え、2014年に史上最攻で三度のJ2降格。

それでも、シャケはセレッソ残留。やはり、こういう選手というのは愛されますよね。この辺から、モリシ・アキに並ぶ、

レジェンド的な存在

になってきてた印象ですよね。

ただ、セレッソ在籍において、最大のピンチ?が訪れます。長くセレッソの右サイドに君臨してましたが、2016年に、

松田陸 セレッソ入団

これですよね。

個人的に、陸のプレーはめちゃめちゃ凄い!と思っていて、陸が試合に出始めて数試合後には、シャケが出れないのも理解しました。

※松田陸の記事は以下でまとめてます。また、良ければご覧ください。

陸が右サイドに君臨し始めてから、試合には出れないシャケ。でも、そんなリーグ終盤で、オフェンス陣が多数、怪我で離脱する事態に見舞われます。そこで、オフェンスの選手として白羽の矢が立ったのが、シャケ。

そして、迎えた清水戦。昇格を争う相手に0-0で迎えた後半の勝負所での、

シャケのゴール!!!!!

これ、感動しましたよね。(地味に、このゴールをアシストしたのが松田陸です。)

テレビ観戦でしたが、この時のスタジアムの盛り上がり方、自分の心の沸き立つもの、全てよく覚えています。まさに、スタジアム全体、テレビ観戦も含めて、試合を見てたセレサポ全員で、

ミ(屮°(▼)°)彡屮 シャケェェッ!!

でしたよね(笑)

マヌケにも、チームは試合の最終盤で逆転される失態を犯してしまうのですが(苦笑)シャケの引退に際して個人的な心残りは、このゴールで勝ち試合に出来なかった事かな?と思います。

鹿児島での動画

そんなシャケでしたが、2018年末、セレッソは契約更新せず。セレッソを退団して、鹿児島へ。

鹿児島の選手として凱旋する形になった、2020年のセレッソU23との試合。

試合開始1分: 1点目。5分: 2点目。 15分: 3点目。凱旋試合で、15分でハットトリック達成。出来過ぎですよね(笑)1点目、ボールを持ってない所でのセレッソU23の田平とのマッチアップを見ると、その駆け引きの上手さが際立ってます。田平の前にスッと入って、ずっと田平を体で制してるんですよね。凄い、FW的な動き。しかも、幻の左足でのゴール(笑)

この時、セレッソを離れて2シーズン目でしたが、健在っぷりを見て嬉しく思ったセレサポも多かったのではないかな?と。セレサポがU23を応援していない所で賛否があったと記憶してますが、こればっかりは仕方がないと個人的には感じてました。

シャケのハットトリックに心躍らないセレサポは、ほとんど居らん。

そんな気分でしたね。

そして、もう1つ。鹿児島ユナイテッドの公式チェンネルが、シャケのプレー解説をしてます。これも面白いので是非。

2つ目のプレー解説で、

シャケ得意の軸足ドリブル

を披露してます。シャケが唯一使う?左足のプレー。このドリブル、好きやったな(笑)

シャケの人柄がよく分かる鹿児島での引退セレモニー

そして、先日の鹿児島での引退セレモニー。ちょうど、前日に嘉人の引退セレモニーが行われてましたので、セレサポからすると2日連続でのレジェンドの引退セレモニーという事になってましたね。

その引退セレモニーに出てきたが、乾貴士、丸橋祐介、松井謙弥、丹野研太、柿谷曜一朗、藤本康太、石神直哉、白谷健人ら。セレッソではお馴染みですが、そうそうたるメンバーの集結ですよね。そして、我らが酒本会のメンバーも現地に行ってはりました。

これだけ多くの人が集まるのも、シャケのその人徳のお陰ですよね。その大きさが、よく分かる一幕だったなと。

セレッソの右サイドといえば? セレッソの17番といえば?

最後になりましたが、シャケのセレッソでの貢献というのは計り知れないですよね。

2011年の雑誌記事で、当時、

シャケは在籍年数が一番長いから、中心にいる感じ。セレッソの事をよく分かってて、みんなが一目置いている感じ。・・・最初は、『なんやコイツ?』と思ってたけど、今は『ええヤツやな』って思うようになってきた

セレッソに在籍していた播戸竜二が、シャケについてこうコメントしてます。

また、同じ記事内で、

サッカーに関しては、芯が通ってる。本当にサッカーが好きで、飯に行ってもサッカーの話ばかり。

当時、そして現在セレッソに在籍する松井謙弥のシャケについてのコメントです。

世代別代表、A代表とほとんど縁のなったシャケですが、在籍していた選手からこのように評価してもらえるのは、

有形無形でセレッソへ常に貢献してくれていたから

というのは容易に想像できますよね。こういうのは、当然、サポーターにも伝わるものです。

故にシャケは、

愛されるべくして愛される存在

だったのだろうと思います。

シャケがセレッソで活躍したのは、右サイド。シャケがセレッソに在籍していた最後は20番でしたが、個人的には17番が印象深いです。だからか、

セレッソの右サイドは、陸ではなくてシャケ。

セレッソの17番は、坂元ではなくてシャケ。

今でもふと、こう思ってしまう事はありますよね(苦笑)

セレッソの右サイドは、陸の頑張りでシャケの存在も薄くなりつつあります(これも喜ばしいことです)。ただ、セレッソの17番は、坂元と言えどまだまだシャケが勝る印象です。是非、坂元には、シャケの存在がもっと薄くなるような活躍を期待したいです。

最後の最後に、もしこの記事を鹿児島サポーター・関係者の方が読まれると気分を害するかも知れませんが、出来るのであれば、

1日契約で、最後にセレッソで引退を!!!!

これが、個人的な望みです。実現しないかな・・・?

(2021.12.6 修正)

少し修正します。上の文章、削除します。鹿児島ユナイテッドのシャケへの対応が素晴らしいです。

こういう素晴らしい対応してくれるチームに対し、僕の『セレッソで引退』というのは、気持ちの良いものではないですよね(苦笑)ですので、この一文は消しておきます。

※この一文を入れていて尚、多くの鹿児島サポーターさんからこの記事のツイートに対して『いいね』を押して頂いたりしました。鹿児島の通訳さんからも『いいね』を押して頂いて(驚)鹿児島の関係者さん、素晴らしいです!!

何はともあれ、お疲れ様!そして、長い間、喜びを提供してくれてありがとう!

小ネタ: シャケにサインを貰った時の話。

少しだけ小ネタ。2009年のことです。

オフィシャルのグッズで、全選手の名前入り手拭いがありました。そして、南津守で会えた選手に自身の名前の所にサインを貰ってました。全選手コンプリートとはなりませんでしたが、香川・乾のサインもあり、我が家の家宝的なものになってます。

ただ、マルチネスが自分の名前の所に書いてくれず、シャケの直ぐ横に書き始めて、マルチネス『あぁー、ゴーメンナサイww』とw 多分、マルチネスのいたずら(苦笑)

その後、シャケに、

酒本選手、サインお願いします!マルチネスのせいで狭なってもうたんやけど・・・

とお願いしたら、シャケに爆笑されました(笑)

はい、僕はシャケから爆笑を取った男ですw 少し、狭苦しく書いてもらったシャケのサインが以下です(笑)

酒本会会長のサイト:Supportnikを応援してます!!!

先日、僕も入会させて頂いた酒本会。その名の通り、シャケちゃん大好きセレサポ:ひではちさん(@hide_cerezo)。そのひではちさんが開設されました『Supportnik』を応援してます!

Supportnik

僕のブログも併せて、よろしくお願いします(笑)

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