2022 セレッソ

【セレッソ】ガンバ戦: 奧埜・清武、前と後ろのスイッチの有効性。そして、タガートと原川。

セレッソ 3-1 ガンバ

2022.5.21 @ヨドコウ桜スタジアム

ダービー勝利!!!!!

普通の勝利でも嬉しいですが、逆転と言う劇的な勝ち方だったので、興奮も一段上がった感じでしたね(笑)いやぁ、気持ちいい!!!

そんな試合を振り返ります。

試合内容・雑感

●西尾不在、ガンバ主力不在

スタメンを見て、まず思ったのは西尾の不在。西尾は、先日にU21の日本代表に選ばれての合宿。試合後の小菊さんの言葉を借りると、コンディション不良とのこと。怪我ではないのは幸い。

強度の高いJの試合と、負けることが許されない代表の試合。それの連続は、タフな西尾と言えど、堪えた感じだったのかな?と想像します。ちょっと休んでまた元気な姿を見せて欲しいですね。

そして、対戦相手のガンバ。すみません、メンバーの多くを知らなかったです(苦笑)宇佐美の長期離脱は知ってましたが、倉田も居なければパトリックも居ない。個人的にプレースタイルの好きな、山本悠樹も居ない。

最近、忙しくてサッカーの情報を追ってませんが(そもそもセレッソ以外、ほぼ情報は見ないw)、倉田も怪我、他、コロナ感染で複数人の欠場があった?ようでした。

こちらは西尾抜き。とは言え、

このメンバー構成の相手なら、絶対に勝たないと

正直ベースで思いました。

●試合開始序盤

想像通りと言うか、試合開始直後からセレッソがペースを握ります。

開始1分もしない内に、ゴール前でパトリッキが前を向いてボールを受けたシーンがありました。このシーンを皮切りに、推進力を持って前に推し進めることが出来てたと思います。

ボールもキープ出来てましたし、ほぼ圧倒出来てたので、先制点が欲しい所・・・・という感じでしたね。

でも、こういう時に攻め切れない、守り切れない(苦笑)

●先制を許す

調子が良い時ほど、ミスが怖い。そのミスが出てしまった感じでしたね。

変なバウンド、後ろからのプレッシャーの認識、それらで原川の足元が狂った印象でした(苦笑)まあ、勇気を持って繋ごうとした結果だとは思いますので、責められない所かな。勝ったからこそ、言えることかもしれませんが(苦笑)

戦術論隆盛の昨今のサッカーにおいて、先制点を許す事はかなり不利な展開。先日の鹿島戦や、名古屋戦なんかも、その典型でしたよね。正直、この相手でこれら2試合のような展開になるのか・・・というような事が過りました。

でも・・・・やってくれましたね!!

●タガートの同点ゴール!

タガート、良かった(笑)!!!!

タガートに対して、清武はかなり信頼してる節がありますよね。加藤や山田が前に張ってた時にはなかったような、とりあえずFW(タガート)に当てる縦パスを選択することが増えたような気がします。それだけ、タガートは良いポジショニングをしてるという所でしょうね。

そして、タガートのボールを受けてからシュートまでの動きが個人的にかなりお気に入りで、はっきりと超一流のプレースピードなんですよね。滑らかで速い!!この得点シーンは、絶好機過ぎてかなり慎重になってましたけど(笑)

タガートがKリーグ得点王の実力を発揮してくれれば、FWの軸が定まる。そのきっかけが、このゴールであれば良いなと思います。

そして、このシーン、セレサポであればもう何度も見返したシーンではあると思うのですが、清武の奧埜へのスルーパスが絶品ですよね(笑)右を向きながら、左へのスルーパス!! 背中を通された形のガンバ#24の無力感が凄いです(笑)

地味にドリブルをせずに、ワンタッチで清武にパスした陸の判断や、ジンヒョンの陸に『走れ!』という感じのパスも好きですね。しっかりと前に絡んだ奧埜も流石。ただ、奧埜はここで決めてれば、結果的にハットトリックやったのに勿体ない(笑)

でも、全ての選手の本当に良い所が詰まったシーンでした。

●奧埜の逆転ゴール!!!!

奧埜、ここでも前線に絡んでのゴール!!! 

この辺、後述するのですが、流石の動きですよね。ボランチが前線に絡めば、やはり攻撃に厚みが出る。今のセレッソにとって、奧埜の存在は大き過ぎますね。

この試合、派手なパフォーマンスをした奧埜や清武に隠れて、地味に絶好調だったのが山中なのではないかな?と。このクロスも最高でしたね。ちょうど、ガンバのCBの間にボールを落とすという。

前半のCKで、ヨニッチに合わせたファーへのボールや、陸の2本のボレー(どちらかを陸が決めてればもっと楽な展開やったw)でクロスを供給したのも山中。この逆転ゴール以外でもう1本、山中の何れかのクロスがゴールに繋がっていれば、

ヒーローは奧埜ではなくて山中だったかも知れないな

と感じさせてくれました。

それ位、この試合の山中は良かったと思います。この調子を維持して欲しいですね。

●ガンバの内輪揉め

珍しいシーンだな・・・と(苦笑)まあ、乾のも傍から見ればこんな感じだったのかな(苦笑)?

ちょっと、昌子のリアル地団駄踏みがオモロかったですかねw 不満がある際、幼い子供であれば分かりますが、大人でもあんな感じになるんやなと(苦笑)何故か、お笑い芸人:スパイクのギャグを思い出してましたw

スパイクのネタを振り返ると、ちょっと違ってましたね(苦笑)でも、個人的に大好きなギャグなので貼っておきますw

まあ、このシーンを見た時に、

この試合、勝ったな

と思いました。恐らく、多くのセレサポが思った所でしょう。他チームに醜態を見せると、やはり碌なことは起こらないですよね。

その流れそのままに、最後に歓喜のシーンが(笑)!!!

●奧埜の試合を決めるゴール!!!

セットプレーの跳ね返しをカウンターに繋げての、奧埜のゴール!!! 見事なニア抜き!!!

実は、このシーン・・・というよりかは、カウンター前のセットプレーですね。このセットプレー時に、個人的に気になったのが毎熊の立ち位置でした。この時、毎熊は壁1枚で立ってたんですよね。

ガンバからすると、最後になるかも知れないフリーキックのチャンス。位置的には少し低めではあるものの、クロスを供給するのには十分な位置で、当然、背の高いガンバの選手は全て前に上がります。そこで、その選手たちに対抗すべく、セレッソの選手も背の高い選手をあてがうはずですよね。

この時点で、鳥海(182cm)・タガート(183cm)がピッチを離れていました。フィールドプレーヤーの身長順で言うと、毎熊はヨニッチ(187cm)に次ぐ2番目の高身長(179cm)。それ故に、毎熊はゴール前で対応するものだと思ってたら、まさかの壁1枚の所に。

毎熊、中で守らせなくて大丈夫か?

と少し不安に思いました。

春先の京都戦の例で言えば、少し違うシチュエーションでしたが、壁1枚の役割は颯太が担ってましたよね(試合終了間際の颯太の独走カウンターの惜しかったシーン)。颯太で良いのに、何故に毎熊を壁に立たせたのか?という所。

でも、その疑問を少し考えると、そこにセレッソの狙いがあるような気もしました。

相手の低い位置でのFK、ボールをゴール前に入れられれば、壁の選手は言わば『守備免除』ですよね。実際、このセットプレーでは、毎熊はセレッソの最前列に位置する形になってます。つまり、毎熊は

ゴール前で跳ね返した後のカウンター要員

という所なのかな?と想像してました。毎熊は身体も強く、高さもある。故に、

ボールを跳ね返した後の前線のターゲットとして、毎熊は打ってつけ

なんだろうな~と感じました。

カウンターに入ったものの攻め切れなくてもコーナーに逃げれば、毎熊なら体の強さで『鹿島る』ことも選択肢になる。だから、毎熊は守備免除とした・・・という見方をしてました。

ここに、小菊さんの、強いてはチーム全体の覚悟を感じましたね。高い選手が少ないのは、セットプレー時、怖いと思うのですよね。でも、後の事もしっかり考えてリスクをとって毎熊を壁にした。それ故に、ゴールに繋がった所もあるんではないかな?と。

試合終了間際に、良いもん見せてもらえたな~という感じでした(笑)


そんな所で、本題へ。この試合、やはり2得点:奧埜を取り上げるべきでしょう。

奧埜と同時に、清武も・・・ですね。ちょうど、時差観戦した後のツイート、

大きく遅れて試合を見てからの他愛もないツイートに、『いいね』が100も(笑)ありがとうございます!皆さんの興奮冷めやらぬ雰囲気が伝わってきました(笑)

すみません、話が脱線しましたが、このツイートの『清武、奥埜、凄ぇな~』という所を深く見ていくようなイメージです。

今のセレッソにおいて、この2人はセットで語るべきなのかな?というのが、個人的な印象です。

気持ちの良い勝利、出し惜しみなく書いて行こうと思います(笑)

奧埜・清武の関係性

セレッソのフォーメーションは、4-4-2。ボール非保持のブロックの組み方を見ると、そう見受けます。ただ、前線の2枚:清武・タガートは、2トップと言うか、1トップ+トップ下というか。

そして、4-4のブロック、その中央のダブルボランチはお馴染み、奧埜・原川のコンビですね。ここも、リーグ戦14試合を終えて、この2人は不動になってきた感があります。

ここで何が言いたいかと言いますと、

基本フォーメーションで言えば、清武:前、奧埜:後ろ

という所です。まあ、イメージそのままですよね。

でも、今日の試合の最初の2ゴールをもう一度、振り返りましょう。何度でも、動画を貼りましょうか(笑)

この両シーン、清武と奧埜の位置関係を確認してみて下さい。分かり易く、基本フォーメーションの立ち位置とは逆、

清武:後ろ  奧埜:前

となってますよね。1点目は、ゴールキックからカウンター気味でしたので、そういう事も起こり得るかと思いますが、2点目はビルドアップ~仕掛けの中で、この逆の位置関係を築いています。

試合中、僕はDAZNの映像の見える範囲でずっと奧埜の立ち位置を追ってたのですが、そこで見たものは、

奧埜と清武の関係性が凄いな~

というものでした。

ここ、現状のチームとしての強みですよね。

清武・奧埜の前後のスイッチ

清武と奧埜の関係性を見ていると、この章題の通りなのですが、ボール保持時には、

清武が下りれば、奧埜が上がる。奧埜が下りれば、清武が上がる。

ずっと、2人はこの関係性を保ってました。本当に、清武が引っ込むまでずっと(笑)

清武はボールを持てる/パスで決定的なシーンを演出できるので、清武が下りてボールを持てば、奧埜は信じて前に出る。清武が出すところがなければ、立ち位置を入れ替えてやり直す。この繰り返し。

色んな所でローリングとかスイッチとか言われるようなポジションチェンジは行われますが、この2人の関係性は凄かったですね。スムーズ過ぎて、見惚れました(笑)

そんな中で生まれた2ゴール。チーム2点目:奧埜の逆転ゴールのシーンの通り、清武はパスで演出できる、奧埜は豊富な運動量でスペースを突ける。故に、

『清武:後ろ、奧埜:前』になった時、ワクワクさせられたな~

という印象でした。

清武・奧埜の前後のスイッチ、一度、注目してみて下さい。本当、凄いコンビやな~と感じさせられます(笑)

前後のスイッチの有効性

前と後ろの選手がスイッチする事の有効性と言うか、その辺も少し。ここは、相手目線で見る方が良いかな?という気がします。

守備側からすると、同時に視野に入れないと行けないのが、

  • ボール(+保持している選手)の位置
  • 自分のマークする選手

の2つ。守る側の選手は、この2つを出来るだけ同時に視野に入れたいと思いますよね(空いているエリアも見ないといけないですけど、ここでは省きます)。

例えば、以下のようなシーンだと、MFの選手は奧埜(自分のマークする選手)と原川(ボール)を同一視野に入れることは可能です。CBの選手も当然、清武とボールは同一視野に入りますよね。

MF/DFの視野

ここで、奧埜と清武が前/後ろでスイッチするとどうなるか?

相手側の選手の内、2つを同一視野に入れられない選手が出てきますよね。そう、相手MFの選手が自分のマーカーを見失います。そして、突然、降りてきた清武にボールを持たれるような感じになりますよね。

清武/奧埜の前後スイッチによる相手MFの視野

この前後のスイッチ、守る側からするとMFとDFとで前後のマークの受け渡しが発生する形になるんですが、この受け渡しは対応が難しいと想像します。

MFの選手はボールがどこにあるか?を見る必要もあるので、後ろを振り向くことはなかなかできない。かと言って、DFが指示を出してそのMFを動かそうとしても、後ろ向きの味方選手に下りた相手の位置を正確に伝えることも難しい。そんな感じで、困難を極めると思います。

まして、下りてくる選手が清武や奧埜ですからね(笑)後ろ向きのMFが、彼らの動きを捕まえることは出来ないでしょう。それ故、大きな武器だと思います。

次の展開で効いてくる原川とタガート

清武・奧埜の前後のスイッチに対して、相手がマンツーマン気味に着いて行けばどうなるか?ここで効いてくるのが、原川とタガート。

上がる選手(奧埜)に対して相手MFが付いてくれば、原川の前にはスペースが出来ます。原川は、労せずにドリブルで前に侵入できます。

上がる選手に相手MFが付いてきた場合

原川は、その辺の判断力は素晴らしいですよね。

逆に、下がる選手(清武)に相手DFがついて行けばどうなるか?今度は、DFラインにギャップが出来て、タガートが活きてきます。

下がる清武にDFが付いてきた場合:タガートの狙うギャップが生まれる

このタガートの例は、12:50頃~の、鳥海の左足!パスからタガート独走のシーンがそのままそれです。清武の下りる動きに、昌子が引っ張られてそのギャップをタガートが突いた形でした。

このシーンを見て、

タギ(タガート)は常に相手の嫌なところにいる選手。僕自身、パスは出しやすいです。背後も狙える、ポストプレーもできる、万能なフォワードだと思うので上手く生かしてあげたい

https://www.soccerdigestweb.com/news/detail2/id=109995

と清武のタガートの評価を思い出し、その通りの動きだったなと思いました。相方の清武が自由に動くので、1トップ:タガートはゴール前ではあまり動かない方が良くて、清武の評価そのままに、最前線で相手の嫌な所に立ち続ければそれが一番効果的なんだと思います。後は、清武・奧埜を含め、毎熊・パトリッキがフォローしてくれるはず。

この辺のチームとしての優位性を生んでいるのも、奧埜と清武の前後スイッチなんではないかな?と感じさせられました。この2人、本当に今のセレッソの鍵になる所ですね。

バランスも良くなった?

個人的な印象論でしかないですが、今日の試合に鳥海→西尾で、ベストメンバーではないかな?という気がしてます。

何度かこのブログで書いてますが、セレッソは『速い』『上手い』のチームですが、ここに毎熊、パトリッキ、タガートが入れば、多少なりともオフェンスに『強さ』が出てきてるような印象はあります。

加えて、清武をトップ下に持ってくることで、清武を攻撃に専念させられる。これも、大きいと思います。タガートも、オーストラリア代表として、1トップで日本代表の吉田・冨安と渡り合ったような選手ですし。

加えて、奧埜。試合後の小菊さんのコメントで、

少し前から、彼(奧埜)のタスクを変えています。今までは、ボランチとしてゲームを組み立てながら、攻守に関わっていく役割を担ってくれていたのですが、もう少し前に、ゴールのところをより強く求める役割を与えています。

https://www.cerezo.jp/matches/2022-05-21/

やはり、奧埜には攻撃に注力するように求めてるようです。ボランチでありながら、前に出る事を強く求めてる印象ですよね。

ただ、奧埜はサボらない。そして、責任感を持ってプレーしてくれる。故に、

チームがピンチになった場合、奧埜なら前に出ていても必ず守備に戻ってきてくれる

という信頼感があるからこそ、攻撃重視を伝えても問題ないと判断しているのであろうな、と思います。前述の通り、攻撃に専念できる清武との関係性も抜群。

奧埜のこの試合の走行距離は、12.3km。奧埜にしてみれば、少ない印象はありますかねw 奧埜のこの走行距離で、圧倒する内容であったので、やはりとてもバランスの良いチームになってきたのだと思います。故に、このメンバー構成がベストなのではないかな?と。

ただ、王者:川崎を木端微塵に粉砕したハイプレス戦術は、山田・加藤が軸になって行われたもの。恐らく、タガート・清武の前線では、そういう戦い方は取らないと想像はします。この辺、状況次第ですかね。故に、山田・加藤も出番はあると。また、チャンスは来ると思うので、その時まで牙を研いでいてもらいたいですね。

この試合の結果から、チームは上手く回り始めるような気がします。そうあって欲しい願望込みではありますけど(笑)また、楽しみが増えてきました。次以降も、良い戦いを期待したいです。

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