2022 セレッソ

【セレッソ】広島戦:『試合勘』って所の話。

セレッソ 0-3 広島

2022.8.27 @ヨドコウ桜スタジアム

うーん・・・悔しい敗戦。

試合間隔が空いて、セレサポからすると待ちに待った試合だったとは思うのですが、それ故にショックも大きいですね。

そんな敗戦の試合でしたが、久々のレビュー、前向きに書いて行こうと思います。

試合内容・雑感

●試合勘が薄れた?でも、好調だった前半

セレッソにとって、この試合はアウェイゴール差で劇的に勝ちあがった、ルヴァン準々決勝:川崎戦以来。この川崎戦が8月10日だったので、実に2週間半ぶりの試合ということに。

それ故か?随所で、試合勘が薄れてそうな選手が見えていたような気がします。具体的なプレーで言うと、試合開始早々のヨニッチの怪しいボール処理とか、山中のFK2本(共に壁に引っ掛けられた)とか。

山中のFKだけ取り上げて、試合勘の薄れてそうだったのが分かり易かったと思います。後半のFK(立ち位置近過ぎて修正が入ったヤツ)は、たった1枚の壁に当ててしまいましたからね。キックの感触がいつもとは違ったんだろうな・・・という印象は持ってました。

ヨニッチに至っては、7月30日のホーム福岡戦以来の出場。何故、出場できてなかったのか?は情報はありませんでしたが、およそ一ヶ月ぶりの出場。いくらか、序盤は固さもあったかな?という気がします。

それを個人的には、『試合勘が薄れている』で片付けてしまうのですが、試合トータルでその辺で微妙なズレがあったような気がしますね。これはもう、仕方のない所かな~?という気もします。

それでも、前半はとても良い形が作れてました。後方からのビルドアップ時、相手の前線-MFの2列を喰いつかせて、ジンヒョン・DFラインからの縦パスでひっくり返す。そんな中断前からの良いプレーは継続されてました。

為田の右サイドからの惜しいシュートとかもそんな流れでしたね。そこで決めていれば・・・と言う中での先制を許す展開に。

●先制を許す

押してる流れからの痛い失点。

このシーン、広島CBからの縦パスを、4-4のボックス内で絶対に作られてはいけない所で起点を作られる形でした。ちょうど、陸とヨニッチと奧埜と毎熊の間の所。ここで起点を作られると、まずその起点に対してボックス全体が絞る動きを取る必要があります。

縦パスを受けたシーン

ここから、広島#39:満田→#13:ベン・カリファと繋がれますが、更に中央に絞る動きを取らされ、そこからのサイド展開。こうなると、横へのスライドが間に合わなくなります。選手の中央に絞る動きと、サイド展開はベクトルが逆向きですのでね。

絞る動きとサイドへのパスの相関

スライドの速さが生命線である小菊セレッソの守備陣形では、これは致命的でした。

4-4のボックスの急所

という感じですね。

結果、サイドの選手に余裕を持ってクロスを入れらた形になります。簡単に言ってしまえば、ブロック内で起点を作られたことで、思いっきり横の揺さぶりを受けた・・・という所。中に絞る動きを取る必要が出る分、どうしもサイドでボールを受けた相手選手へのアプローチが遅れます。これが、このシーンで起こったことですかね。

加えていうなら、個人の『際(きわ)』の所。これ、鈴木徳真の試合後のコメントから拝借しておりますが、

1失点目も、ボールを取ったけど、その後、取られて、ガタガタってなって、僕も取り切れなかった。そこから相手の攻撃は始まった。ああいう場面での強度を上げること、ああいう場面で僕らに転がれば、逆に僕たちがチャンスを決めることができる。何かを変えるとしたら、そういう際(きわ)の戦いだと思います。それがサッカーの本質だと思いますし、こういう競った試合では、勝敗を分けることなので。

https://www.cerezo.jp/matches/2022-08-27/

この失点シーンは、飲水タイム直後のセレッソの左サイドの攻防から始まっていて、広島:満田を潰したのに満田に粘られて、ボールを奪えなかった所が最初の胆になった所だと思います。徳真自身も奪えると判断してボールに行ったが、倒れてた満田に足を出されて奪いきれなかった。そこからの流れ。

加えて、シュートを決めた茶島は、最後の最後までボールを諦めずに回り込んでヘディングを打つ形になりました。茶島をマークすべき為田は、途中で『ボールがアウトする』と判断して?か、スピードを緩めたように見えました。結果、茶島に自身の前に出られる形になってシュートを決められた。

この2シーン、つまりは、

『際』で負けた

という所なのかな?と思います。立ち位置とか戦術とか以前の話の所ですよね。セレッソの選手を責めるべきか?広島を褒めるべきか?各々の感じ方だとは思うのですが、個人的にはここで負けて欲しくなかったですね。

そして、このシーンに実はもう一個エラーがあると感じていて、そこを今回のメインのお題としようと思います。

●為田の絶好2つ。決められないチームの焦り。

痛い失点でしたが、それ以降でもセレッソは前半は良かったと思います。為田のボレーとヘディングがどちらかでも決まっていれば・・・(苦笑)

DAZN解説:木場さんも仰ってましたが、

セレッソ2トップが広島CBを引き付け、その裏の為田

というのは狙いとしてあったような気がしますね。ボレーもヘディングも、全く同じような形の右サイドから。

(余談ですが、この解説の木場さんは1974年生れの滝川第二出身。1975年生れの小菊さんとは、先輩後輩になるんでしょうね。この辺、更に一個下:1976年生れのの吉田孝行、波戸康広、葉田聖侍とか含めて滝二の黄金世代ですね(笑))

話を戻しまして、為田。いい加減にリーグ戦で決めてくれ(苦笑)

為田について、シーズン前に以下のような記事を書きました。

為田がリーグ戦で決勝ゴールを決めてくれて、この記事が成仏することを実はずっと待ってます。最近、セレサポTwitter界隈(僕のフォロワーさん内)でひそかに話題に上ることの多い為田ですが、

セレサポで、最初に為田に注目したのはオレや!!

って、めっちゃ言いたいんですよねw 

言いたいだけです、はい、すみません(苦笑)

でも、為田の惜しいシーンを見て、

今日こそは為田や!!

って思ってたんですけどね(苦笑)まあ、次に期待。

そんな感じで、決めきれない前半、対応され始めた後半。チーム自体も、得点を奪えない焦りは見えてましたよね。そんな中での悲劇が・・・

●2失点目、3失点目

手抜きで申し訳ないですが、もうここはまとめてw ダメージが大きいので、詳しく振り返る気も起こらず(苦笑)

というのも、試合後のTwitterでも書いたのですが、

仕方なし・・・と思っています。

リードを許して、そのまま試合終盤になると、前掛かりになる。そうなると、相手の思う壺ですよね。ただ、分かっていても、相手の『罠』にハマりに行かないといけない状況。それが、『試合終盤』×『リードされている』という試合状況です。

そんな中で生まれた失点は、そこまで評価を下げるものでもない

というのが持論です。

序盤や中盤で追加点を許したわけではなく、試合の最終盤に『勝ちに行って』前掛かりになったことによる失点だったということ。あくまで見る側の視点では、そういう容赦があって良いのかと思います。

当然、チームには反省が必要ですけどね(苦笑)でも、ここでも徳真の試合後のコメントの通り、

2、3失点目は、点を取りに前がかりになったところを突かれたので、そこは調整が必要だと感じています。

https://www.cerezo.jp/matches/2022-08-27/

問題点と捉えてるので、そこは大丈夫ではないかな?と。必ず、修正してくれると信じます。

松本泰示、活躍で来てそうで良かったな・・・と少しだけ思いました(苦笑)


そんな所で本題へ。

2、3失点目を端折りましたが(苦笑)個人的な考え方で、リードを許している試合終盤の失点はそこまで大きな問題には思えない所だというのは、つい今しがた説明した所です。むしろ、反省すべきは、

その状況に追い込まれた要因

だと思います。

そこで、今回はこの状況に追い込まれた要因:『先制を許したシーン』をもう少し詳しく振り返ります。そして、そこで『その状況を作り出した要因』を洗い出します。

最初に答えを書いておくと、試合内容・雑感でも書いた通りですが、

久々の試合だったことに起因する『試合勘の薄れ』

という所。

出来るだけ良かった所をクローズアップしたいブログなんですが、負け試合だとどうしても悪い所が目につきます。申し訳ないのですが、今回の要因:『試合勘が薄れてたかな・・・』と感じた選手を挙げることにします。

試合勘が薄れてた?な選手

先に書いておくと、この失点シーンで試合勘が薄れてたかな?と感じさせた選手は、

毎熊晟矢

です。

直接的に毎熊が何かミスった!と言う訳ではないので、かなり細かい話にはなります。ただ、4-4の密集ブロックを組むにあたり、

毎熊、それはダメなんじゃない?

と感じたのがそのまま失点に繋がり、個人的には見逃せなくて(苦笑)

その辺、改めて先制を許したシーンを詳しく振り返ります。

1失点目のトリガー:広島CBの縦パスを生ませた要因

先制を許したシーン、トリガーになったのが広島CBからの縦パス。前述の通り、4-4のボックスの急所を突かれた後、右サイドにボールを振られて、クロスを上げられて・・・な流れでした。

毎熊が絡んだ所だと感じたのは、最初のCBの縦パスのシーンですね。

広島CBの縦パスが何故、簡単に通ったか?

という所の話になります。

そこに、毎熊のエラーがあるように見えました。

このシーン、動画で見てみます。CBが縦パスを出す前の毎熊の動きに注目してみて下さい。

ここでの毎熊の動き、

CBがパスを出す前に、毎熊は外に開く動きをしている

という所になります。

毎熊からすると、上門のCBへの猛烈なチェイシングに対して『CBがサイドの選手にパスを出す』と考え、そこにプレスに行こうとしたと思うのですが、

毎熊が動き出すのが早過ぎて、結果、縦パスのコースが開いた

という印象を持ちました。下図の通り、ボランチ:奥埜とサイドMF:毎熊のゲートが思いっきり開いて、インサイドレーンを有効に使われた・・・という所です。

毎熊の動き出しが早過ぎた結果

この毎熊が空けたインサイドレーンについて、パスを受けた満田だけでなく、毎熊の対面に居た佐々木翔もそこに入り込む動きをしています。毎熊の動き出しが早過ぎて、いかに相手の狙い目になってたか?という所。

奧埜も最初、相手のボランチに付こうとしてたのですが、右サイドとのゲートが開き過ぎていて慌てて締めに行くも間に合わず・・・な動きに見えました。

もう一つ言えば、上門の縦切りが遅れた・・・という見方もできます。ただ、2トップは2人でフィールドの横幅68mを見ないといけない。そういう意味で、セレッソの左サイドに密集ブロックを寄せた状態から、右CBの縦切りを上門に間に合わせる・・というのも酷ですよね。

そうなると、やはり毎熊の動き出しが早過ぎた・・・というのが妥当な見方ではないですかね。広島の選手の立ち位置が良かった、という見方もあると思いますが、その視点で言えど、密集ブロックを保つべき所を毎熊は外に釣り出された・・・という結論になるかな?と。

この毎熊の動きから、僕の心象の移り変わりは、

あ、毎熊がサイドに釣られてゲートを開けよった・・・あ、この試合で初めて起点作られた・・・あぁ、やられた・・・

というような感じでした(苦笑)つまり、毎熊の動きが最初のエラーのように感じてました。

パスが出てから動く

この毎熊のエラー(と言えるほどのもんでもないかも知れませんが)、実は過去の試合で、セレッソは試合中に修正した実績があります。

それが、ホーム浦和戦のパトリッキ。

この時もメインのお題に挙げてますね。この記事を引用することで、自分自身でも、ここの攻防に注目しているのを知りました(笑)

この時も、前半にボランチ-サイドMF(パトリッキ)のゲートが開きっぱなしで、苦戦を強いられた試合でした。それでも、この時は失点は許さず。ただ、今回は失点に繋がったので、思いっきり目に付いてしまった形です。

この辺、密集ブロックにおけるサイドMFの絶対的なルールはあるように感じます。

  1. 狙いは付けても、パスを出すまで動かない(密集ブロックを保つ)
  2. 相手がパスを出してからプレスに行く

この順番が守られないと、危険な場所を空けてしまう・・・というのは、身に染みて分かったなという印象でした。上の記事でも書いた通り、

そのスペースが使われないことが確定した後(=パスが外に出された後)にプレスに行く

ということを徹底する必要があったんではないかな?と感じます。

立ち位置とか戦術とかではなくて、

プレーを実行するタイミング

の話ですね。プレーの順番・・・とでも言い換えられると思います。

勿論、素早くプレスに行きたい毎熊の気持ちも分かるのですけど、相手がパスを出す前に動いてはダメ。そこを耐えて、適切なタイミングで行う事。

後出しジャンケン・・という所ですかね。『先に動いたもん負け』です。

『試合勘の薄れ』が生んだルーズさ。

この毎熊の動き出しを一言で言ってしまうと、

毎熊がルーズなプレーをした

という所だと個人的には思ってます。

上で書いた通り、後出しジャンケン。ただ、守る側からして遅れてスタートするので、プレスの強度(相手に詰めるスピード)をより高めないといけなくなる。

だから、相手の動きを先読みしてフライング気味にスタートにすれば『楽』なんですけど、逆にそのフライングを読まれると、危険なスペースを使われる可能性がある・・ということ。

だから、『楽』を取らないようにすべきで、後出しジャンケンの遅れスタートを、

面倒くさがらずに丁寧にやり続ける必要がある

・・・という考え方です。

今回の毎熊のプレーは、そこがルーズになってしまったと個人的には思っています。まあ、あくまで主観ですが。

ただ、断っておきますと、毎熊を責めるつもりもなければ、その能力を疑うつもりもありません。

上で挙げたパトリッキが修正した浦和戦の前半に思ったことを書くと、

ボランチとMFの間、右:毎熊はしっかり絞ってるけど、左:パトリッキは絞れてないな・・

という所でした。これ、前半のパトリッキが酷かったので、毎熊の良さが目についたのをよく覚えています(後半、パトリッキも修正)。

そう、少なくともこの浦和戦では毎熊は『適切なタイミングでプレス出来てた』んですよね。僕の主観ではありますけど、浦和戦以降の試合でも、適切なタイミングのプレーを実直に・丁寧にプレーを続ける毎熊の姿を確認していました。

それを前提に話すると、本来、出来るはずの毎熊がルーズになっていた・・と言うこと。だから、そこから推測する結論は前述の通りで、

『試合勘の薄れ』が生んだルーズさ

と言う考え方が妥当なように思います。

試合間隔というのは、考え物ですよね。連戦は疲れは溜まるけど、試合勘は無くならない。試合間隔が空くと、疲労は回復するが試合勘が薄れる。どちらが良いのか?は結果論でしか語れないと思いますが、今回のセレッソは、どちらかと言うとマイナスに働いた印象ではありました。

疲れは溜まれど、中断前の良いチーム状態を保つために試合を続けたかったな・・・と個人的には感じざるを得ません。予め決まっていたスケジュール、そして、突発的な台風の到来でしたので、仕方はないのですが。

ただ、前向きに。前半はほとんどセレッソのペースでしたし、得点差ほどの差は絶対にありません。試合後の加藤のコメント、

前半はチャンスもあって、そこで1点でも決めていれば、逆に3-0で勝てる試合になったとも思います

https://www.cerezo.jp/matches/2022-08-27/

は、負け惜しみでも何でもなく的を射た分析だと、僕は思ってます。

加えて、上で紹介したツイートにも書きましたが、広島とはカップ戦での対戦を残します。リベンジの機会はある。また、リーグ戦もセレッソが2試合少なくて、広島との勝ち点差は6。その2試合を連勝すれば、リーグ戦でも広島に並ぶことが出来る。まだまだ、諦めるには早過ぎる。

・・・ってか、諦めてるセレサポは居ないと思いますが(笑)ここで負けてしまったとはいえ、まだまだ小菊セレッソに期待をしていきたいと個人的には思います。

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次回の開催日は追って告知しようと思いますが、

第2回さがっそ大阪(テスト回): 
9月末 ~ 10月頭に実施予定

という所です。次回もテスト回、無料の予定です(笑)

こちらも、どうぞよろしくお願い致します。

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