2023 セレッソ

【セレッソ】札幌戦:荒野は何故イエローを貰わなかったか?そこから紐解くセレッソの課題。

セレッソ 2-3 札幌

2023.4.9 @ヨドコウ桜スタジアム

敗戦・・・レビューを書くのが辛い(苦笑)

色々とありますが・・・まあ、記事の中で書いて行こうかなと思います。

気乗りしませんが、振り返ります。

試合内容・雑感

●メンバー発表

予想より、少し変化がありました。カピシャーバの先発。

カピシャーバは水曜日のルヴァン京都戦でかなり頑張っていた旨を、フォロワーさんから伝え聞いてました。なので、ここでスタメン起用してくるか!と言う感じでしたね。

反面、ここまでチームを牽引していた毎熊がベンチ外。これは予想外も、試合後に少しの怪我があったということ。仕方がないですね。

後は、ベンチ入りした高卒ルーキー阪田、頑張れ!!!と言う感じでしたかね。

●いきなりの失点とそこから分かる札幌の狙い

スローインからの失点。鳥海、個でやられるな(苦笑)!!

そして、このシーンが、

札幌の狙いが顕著に表れていた所だった

のではないかな?と思います。それが、

CBを前に釣った裏のスペース狙い

というところ。

このシーン、札幌FW:キムゴンヒ(187cm)に対して、チェックに行くのがヨニッチ。キムゴンヒが少し落ち気味にポジ取りすれば、ヨニッチも付いて前に出て行く。そして、浅野弟は、キムゴンヒに釣られたヨニッチの裏を突くような狙い。

ヨニッチからすれば、キムゴンヒのマークを外せない。鳥海からすると、ゾーンで守る自分のエリア・持ち場を空けたくない。そんな2CBの中間的な所を2人のコンビネーションで突かれたような所ですかね。そこをロングボール(ここではスローイン)で狙われてた印象です。

このシーンだけでなく、ヨニッチ・鳥海を釣った裏のスペースというのは終始狙われてた所かな?と思います。オフサイドになりましたが、浅野弟が抜け出したのも同じような形ですよね。鳥海がキムゴンヒに釣られてる裏を突かれてる形。

このような感じで、

札幌はセレッソCB1枚の所に、FW2人を付ける数的優位を作ってた

印象でした。そこをロングボールで付いてくる。また、セレッソ左右のサイドバック:陸・山中が2CBのカバーの動きをとれば、今度は大外の選手に対してロングボールを入れる。この札幌のロングボールの使い分けに、かなり苦戦させられた印象でした。

なかなか、厄介でしたね(苦笑)セレッソが1トップなので、札幌最終ラインにフリーでロングボールを出させてたのも災いした形だったかと。ちょっと、加藤ー上門の2トップが欲しかったな(苦笑)

失点はしたものの、直ぐに反撃。

●レオセアラのPKで同点!!

レオ様のPK!!! 

このシーン、PKを獲得するまでの流れが非常に良かったですよね。後述するのですが、準備していたものが綺麗に発揮された形だったと思います。

よしよし、良い時間帯に追い付いた。ここから行くで!!・・・・とはならず(苦笑)

●同点直後の失点

これは、もう徳真のトラップミスが全てですね(苦笑)中央で徳真のトラップミスを掻っ攫れる。

ボランチがやってはいけないミス。同点に追い付いた直後で追加点を許す。取られたタイミングも、非常に悪かったですね。猛省を。

このブログで何度も書いてますが、ミスはミスでしかないので何も生み出しません。

また追う展開の苦しい流れでしたが、またもやこの男が!!!

●更に同点に追い付くレオセアラのヘディング!!!

レオセアラの相手を弾き飛ばすヘディングシュート!!良いですね~(笑)

肉弾戦でこういう勝ち方をセレッソのFWがしたのは、久々に見たような気がしました。本当に豪快!!

そして、真司の進入と、カピシャーバのクロスと。特にお気に入りは、カピシャーバのクロス。身体が外に膨らみ気味の体勢で、クロスをファーサイドに届かせる。しかも、クソンユンの高さを掻い潜る高いボール

あの体勢で高いボールを蹴るのは、結構、難しいと思うのですね。身体の強さがそれを可能にしてる所はあると思います。アシストが付いたカピシャーバは、明るい材料の1つではないかな?と思います。

そして、このシーンが札幌攻略のヒントでもあったな~と終わってから気付きました。この辺も、まとめて後述します。

後半はそこまで流れは悪くない、その中での同点ゴール。これは逆転に期待!!!・・・と思ったのは一瞬でした・・・(苦笑)

●CKより決勝点を奪われる

CKから失点・・・

2失点目があっただけに、スタジアム観戦のセレサポさんはスタジアムで、僕含むDAZN観戦のセレサポさんはモニタの前で。セレッソ関係者のみんながみんな、

ここ、集中やで!!

と念を送ったはずなんですけどね・・・

このシーン、あまり触れたくないですが、競り負けてるのがレオセアラなんですね。得点した直後、ちょっと息を抜いてしまった所はあったかな?という気がしました。次のCKではしっかりと競り勝ってたので、このCKの時だけはちょっと油断があったか。

2得点してるし、それ以外での活躍もあって責められない所ではあるのですが・・・なんとか競り勝って欲しかったなと。

●阪田、リーグデビュー

高卒ルーキー:阪田、デビュー!まあ、一回仕掛けて挟まれてましたが(苦笑)でも、それで良し。

サッカー選手に限らず社会人にも言える事ですが、新人は多くの失敗をできる権利があると思ってます。僕自身も子育てしてて感じる所はありますが、失敗させることは本当に重要な事。しばらくは、どんどんチャレンジして、失敗してもそこから学んで欲しいと思います。

少なくとも、デビューしたという事は、実力でその権利は勝ち取ったということ。後は、そのチャンスをどう生かすか?期待してるで!!


そんな所で本題へ。

ちょっと、目線を変えて、札幌の選手を取り上げます。取り上げるのは、MF:荒野拓馬。

この人の対応に苦労した・・・・というか、この人に潰された感はありましたね。良い意味でも悪い意味でも。恨み節でwと言う訳ではないですけど、荒野を中心にみると、セレッソの課題的なところもみえるかな?と感じましたので、そこを取り上げ。

その前提として、この札幌戦のセレッソの狙いという所を書いて行こうかと。

セレッソの狙い

試合後、TLを眺めていますと、戦術的がない・・・との批判を多く目にしました。

ただ、個人的には、逆の印象でして。

仕組み・戦術に拘り過ぎて、自滅したところはある

という所は感じてます。個人的に、セレッソの狙いというのはよく分かりました。その辺をここで。

セレッソの狙いも、

マンツーマンで来る札幌の選手の『裏』を狙うこと

という所だったと思います。試合を見返すと、ありありと分かります。そこにどうやってつなげるか?の勝負という所でした。個人的には、その辺の色々と準備の跡は見えてました。

ちょうど、PKを奪った時の左サイドの崩しが見事にその狙い通りだったのですが、ハイライトではそこがカットされてる(苦笑)なので、僕の拙い文章で説明を。

ここで#俺たちの為田 の登場です。PK獲得シーンの直前、ハイライトでは為田がサイドでフリーになって上がってる所からですが、そのフリーになった仕組みを。

札幌はお馴染みのマンツーマンディフェンス。それ故に、人に来る。このシーン、香川→為田→徳真→為田と繋がりますが、この流れの中の為田→徳真の後の為田の動きが秀逸です。DAZNフルタイム版で、(8:36~)あたりからです。

シチュエーション

真司からボールを受けた為田は、徳真にボールを落します。徳真にボールを落した為田は自分のマーカーがボールを見た瞬間に、マーカーの背中を取る動きをします。

こんな感じで、ボールの位置を常に変えながら相手の目線がボールにいった瞬間、その相手の背中を取って剥がすような感じですね。マンツーマンのお手本のようなマークの外し方でした。とにかく相手の裏を突くこと。

為田、戦術的な動きが本当に面白いですね。怪我した?かも知れないですが、軽傷であることを願います。

それこそ、1点目のPKを取ったシーンが端的だったのですが、為田の他にレオセアラのゴール前(蹴られる直前)での動きなんかも、この裏を取る動きですね。陸にボールを落した後、相手の目線がボールに行ったその裏をレオセアラは突いてます。

このように、為田、レオセアラのような1人で裏を狙うのではなく

  1.  セレッソの選手がボールを持つ
  2.  札幌の選手がチェックに来る
  3.  チェックに行った選手の裏を別のセレッソの選手が狙う

という、2人目、3人目の動きで狙っているのは随所にはっきりと見て取れてました。特にボールホルダーに対する札幌のマークの裏は、常に誰かが入り込むようになってました。

前述の通り、そこからPKにも繋がりましたし、前半はこの狙いで良かったと思います。ただ、ここで1つ問題が出てきます。

それが、

札幌のファールで止める守備

ですね。

荒野拓馬のファール数

試合後のスタッツを見て、大いに驚きました。

前回のリーグ戦レビューでも挙げましたが、

僕が注目しているスタッツは、

FK数

です。FK数が多いチームは有利に立ってるのではなく、『ファールでブチブチ流れを切られる+相手の守備陣形をセットし直す時間を作られて良い攻撃が出来ない』と言う視点で不利な状況とも言える・・・という趣旨です。

ようは、ファールをやったモン勝ちみたいな風潮が今のJリーグにある・・・というところ。

この札幌戦のセレッソのFK数:26。

セレッソのFK数:26ってなんやねん(苦笑)

先のルヴァンFC東京戦がFK数:17でしたが、とんでもない数字です。そして、その内、

ファール数:21

です(オフサイド:5)。どんなけ、ファールで止めてきてんねん。という所です(苦笑)

このファール数を選手事に分けると・・・・ここで、荒野拓馬の登場です。札幌の個人のファール数で見てみると、

  • MF荒野:7
  • MF青木:5

この2人はサッカーする気ないですよね(苦笑)この2人だけで、チームのファール総数の半数以上を記録してます。

にもかかわらず、この2人はこの試合でイエローカードを貰ってません。この結果に、納得いってないセレサポさんも多いと思います。それは何故か?

これを紐解いていくと、セレッソの課題も見えてきます。

荒野がイエローを貰わなかった理由。

札幌MF:荒野(青木もですけど)がイエローを貰わなかった理由について。

個人的に荒野が上手いと思うと共に、

セレッソの仕掛け方も悪かった

という所は言えるかな?と思います。『仕掛け方も悪い』をもう少し細かく言うと、

仕掛ける『場所』が悪かった

という所になります。

前述の通り、セレッソの今回の札幌対策として、『必ずボールホルダーにチェックに来る札幌の選手の裏を狙え』だったと思うのですが、これが行われているのが、セレッソの真司・奥埜・徳真のトライアングルを中心に行われていた印象でした。

ここはつまり、札幌MFラインの前で仕掛けが行われる形。丁寧にボールを繋ぎながら、札幌のMFラインを突破しようと試みていた訳ですね。それを愚直なまでに行っていた印象です。

セレッソの仕掛けの中心

ただ、これだと荒野を含む、

札幌MFは前を向いて守備が出来る

のですね。前を向いて守備をしていれば、ファールをしてもレフェリーの心証もそこまで悪くない。正当な球際の争いがあって、そこでたまたまファールになった・・・位になると思います。

つまり、イエローカードも出ない

それを逆手に、荒野はファールを繰り返す。前述の通り、ファールした側は相手の攻撃の流れをブチブチ切って、ブロックをセットし直せる時間を作ります。ファールをやった方が有利だからファールをする。やったモン勝ちの世界観ですよね。こうやって、オフェンス側はある意味で理不尽な形で、不利な状況に陥れられます。

荒野、狡猾ですね。あまり、この手のプレーに使いたくない表現ですが。

そして、この試合でセレッソが仕組みにこだわってそれを繰り返すと、荒野のファールは更に増えてくる。でも、荒野が前向きにプレーしている限り、荒野にイエローは出ない。このファール数7は荒野のプレーの荒さとともに、セレッソが愚直に仕組みに拘った回数とも読み取れるかと思います。

これは流れ的にも良くないですよね。このような感じで、メインの話題の冒頭で書いた通り、

仕組み・戦術に拘り過ぎて、自滅したところはある

と感じてました。

では、そんな相手に、オフェンス側のセレッソはどうすれば良かったか?

それは単純、荒野に前を向いて守備させるのではなく、

荒野を後ろ向きに守備させる

だったのではないかな?と思っています。後ろ向きにプレーさせれば、レフェリーからも『後追い(アフター)』となり易い。だから、後ろを向かせればその選手はファールはし辛くなる。

そして、相手MFの体の向きはどこで決まるか?というと、

守備側の選手の体の向きは『ボールの位置』である程度は決まる。

という事になります。例えば、FWが前線でボールを持った場合、普通で言えば、相手ブロック全体で内向きの矢印(目線)は出ますよね。

こうなれば、当然、MFの選手も後ろ向きになりますよね。守備側は、基本的(少なくとも目線では)にはボールの行方を追う必要があるので、

守備側の選手の体の向きは『ボールの位置』である程度は決まる。

というところになります。

つまり、この試合で例えるなら、

レオセアラが前線でボールを持てば荒野も後ろを向いていたはず

だったと思います。

ここで更に、レオセアラがボールを持って前を向いていれば、荒野は完全に後追い守備になり、ファールすればそのままイエローが出る公算が高くなります。なので、荒野と言えど後ろ向きにしてしまえば、守備をやりにくいはず。

このような個人的な視点ではありますが、セレッソがとるべき手段は、

レオセアラ(FW)にどんどんボールを当てていくこと

だったように思います。事前に仕組みを用意したからと言ってファールをしてくる札幌MF(荒野)の所で愚直にそれを仕掛けるのではなく、ロングボールないし、くさびのボールとかでポンポン入れてしまう。

セレッソもFWへの縦パスをやってなかった訳ではありませんが、相手のファールが増えてきたと判断して、もっと徹底的にFWへの縦パスを繰り返しても良かったのではないかな?と。荒野のファールに怒るより、

セレッソにも荒野のファール数をコントロールできる術はあった

というのが個人的視点。

攻略の糸口、個人的にはこの辺やったんではないかな?と。FWにボールを当てること、強いては荒野を後ろに向かせること。

実際、上手く後ろを向かせたシーンもありました。それが、セレッソの2点目。縦パスではないですが、綺麗に荒野を後ろ向きにさせてます。

真司のドリブルに対して、バスケットで言うスクリーンをレオセアラが荒野に食らわしてます。結果、真司は荒野を突破。荒野を後追いの形にさせた後、ゴールが決まります。

これは綺麗に決まったのですけど、荒野のファールを避ける意味でも、試合通してもっと泥臭く縦に付けて良かったかな?と。そういう視点で、ちょっと仕組みにこだわり過ぎたところはあったのではないかな?と思います。この辺り、もう少し柔軟な発想が欲しかったな・・・とは思いますね。

サッカー版5ファールを見てみたい。

ちょっと、ここで個人的な持論も展開したいと思います。

何度か書いてますが、僕の目には昨今のサッカー(基本、Jリーグしかみてない)では、『ファールをやったモン勝ち』が横行してるように見えてます。サッカーを競技とするなら『技を競う』にはなってないのが現状。なので、このファールをやったモン勝ちはどうにかしたいな・・・と言うのが個人的な意見です。

ちょうど、上でスクリーンなどというバスケ用語を出しましたので、もう一度バスケットを出します。

バスケットの5ファールをサッカーで適用すればどうかな?

と空想したりします。1人の選手が個人で5つのファールを犯すと、その試合には出られなくなる・・と言うヤツですね。

これをサッカーに適用して、5ファールを犯した選手は強制交代とか、更にペナルティを重くして退場とか。こうすれば、恐らくはファール数は減少、『競技』という側面が顕著に出るのではないかな?と想像してます。

このルール適用で、Jの順位も大きく様変わりするのではないかな?技術力の高い選手の揃うセレッソは上位につけられると思いますし、荒いチームは軒並み淘汰される。技と技のぶつかり合いで、勝負が決まりやすくなると思うのですけどね。

まあ、別のところでいろんな弊害は出るとは思うのですけども・・・(苦笑)でも、そういう空想をしてしまう位、今の風潮は個人的に好きではないです(これも何度も書きますが、セレッソがやる分には歓迎です。ダブルスタンダードですw)。

サッカーが、より競技の側面が出て面白くなることを切に望んでます。

さがっそ大阪 第4回 レポート。もうちょっとお待ちを(笑)

さがっそ大阪第4回レポートも、もうちょっとで完成です。

楽しみにされている方、もうちょっとお待ちください!少ないかも知れませんが(苦笑)

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