セレッソ 2-2 横浜Fマリノス
2024.4.27@ヨドコウ桜スタジアム
激闘の末の引き分け。
サポとしては勿体ないと思うモノの、サッカーファンとしては素晴らしい!と感じる試合でしたよね。今シーズン、まだまだ序盤ですが、それでもベストマッチに入ってくるような試合だったんでは?と思います。
そんな試合を振り返ります。
試合内容・雑感
●真司のスタメン復帰、柴山ベンチ外
この試合のスタメンで目を引いたのは、真司のスタメン復帰でしたかね。これは嬉しかったですよね!
リーグ開幕直後から違いを見せてたのは勿論、昨年よりポジションが前になった。その上で、ヴェルディ戦では得点。ここから!と言う時に怪我で離脱だったので、このタイミングで復帰(正確には、ルヴァン岩手戦から)は嬉しい所でした。
逆に、柴山のベンチ外は、個人的には予想外。前々節:川崎戦でかなり好印象だっただけに、個人的に見たい選手の1人でもありました。なかなか、予想は難しいですね(苦笑)
●序盤から押される展開
対戦相手:Fマリノスは、ミッドウィークにACLで120分を戦ったという事情があり、それ故にアンデルソンロペスら主力がベンチスタート。コンディション面で、少し有利かも?と思ったセレサポは多かったのではないですかね?僕は、思ってました(苦笑)
でも、序盤から押されまくってたのがセレッソでしたかね。この辺、メインのお題として後述しますが、
研究されてるな・・・
と感じましたよね。
それともう一つは、
流石、Fマリノス。一筋縄ではいかへんね。
という所でしたかね。やっぱり、強いです。
そんなセレッソにとっては嫌な流れの中、流れそのままに先制を許す展開に。
●先制点を許す
この失点は、ちょっと予想外の所と言うか。
ジンヒョンからのフィードを、レオ→毎熊と繋ごうとして、カットされる。そこから、間髪入れずにFマリノスに縦パスを入れられる。それを翔が上手くカバーリングして、前に送ろうとしたが判断が遅れて・・・みたいな流れ。
言ってしまえば、翔のミス・・・なのですが、このシーンで翔が迫られたプレーは、レオ→毎熊のカットされたことで、
攻→守の切り替え
そこから直ぐに、自らがカバーリングでボールをカットした後の
守→攻の切り替え
というところ。
この間、約3秒。
3秒間で攻→守→攻の連続切り替えを素早くするのは難しいんではないかな?
と、個人的には感じます。
個人的に、この翔の一連のプレーはむしろ褒めたかったんですよね。特にカバーリングの所。翔は、自分のマーカーを捨ててボールホルダーを潰しに行けてたので、あの判断、カバーリングは凄いな~と感じました。
なので、
翔、ナイスカバー!・・・ぐふっ!
みたいな感じになってました(苦笑)
翔のミスという所にはなると思うのですが、むしろそちらをしっかりと見てあげたいプレーだったな?と思います。
そして、少し余談です。この時に点を取ったのが、ご存じ水沼宏太。やっぱり健在でしたね。この試合、水沼宏太と何度となくマッチアップになったのが、ノボリで。ノボリvs水沼宏太。個人的に、似た空気感を感じる2人のマッチアップは楽しかったですね(笑)
この失点以降も劣勢。なかなか、上向きせず・・・という所でしたが、一本のプレーが流れを呼び込んだ所はあるかな?と思います。
●ジンヒョン→レオセアラのPK獲得→PK失敗
ジンヒョンからの縦一本からのPK獲得、痺れましたよね~
DAZN観戦で、ちょうど別のリプレイ映像が流れてたのですが、リプレイが終わるとすでにレオとGKの1vs1(苦笑)何が起こった?みたいな感じでしたが、その後、一連のプレーをリプレイで見て、ジンヒョンのゴールキック1本での1vs1だったと。こういう所、現地観戦が良いですよね(苦笑)
レオのPKは外したものの、あの裏狙いがあるという所で、相手はDFラインを上げるのが怖くなる。そういう心理面での効果もあったのではないかな?と思います。
そして、同点ゴールが生まれます!
●鬼の形相:レオセアラ!
レオセアラ、5試合連続のゴール!トラップからシュートまでが、めっちゃ速かった!!
PKを外してからか、レオセアラの表情が一段と険しくなったように感じました。それだけ、集中力が増してたように感じました。
この辺、やっぱり『プロフェッショナル』ですよね。これはサッカー選手に限らずですが、『プロフェッショナル』の定義は、個人的に、
自分の課せられた『責任』を果せるかどうか?
だと思っています。
レオは直前にPKを外してしまい、FWとしての責任を果せなかった。ただ、ここで責任を果す。だから、
レオセアラは、プロフェッショナルだ!
と言うことをはっきりと言えますよね。鬼の形相も、こういう責任感の表れだと感じました。
それと1点、謝りたい事が(苦笑)個人的にハーフタイムで、以下をポストしました。
インテンシティの高い、高過ぎる試合(苦笑)
— 土塔えんじ🌸オタク系セレサポ (@dotou_eng_crz) April 27, 2024
こういうフィジカル全面な試合、真司がちょっと消え気味になる。その中で魔法を出して欲しいね。
得点・失点シーン、共にトランジションの所。繋ぐのも大事だけど、シンプルでも良いかもね。PK取ったシーンみたいに。
レオ、ナイスゴール!
ここで『真司がちょっと消え気味になる』と書いたのですが、この得点シーンでしっかりと田中駿汰との挟み込みからボールカットしておりました(苦笑)
試合を振り返ると、要所で1vs1を制してたり、消え気味!と言う程に消えてる感じでもなかったです(苦笑)もっとしっかりと見てポストしないといけないですね・・・真司さん、すみません(苦笑)
前半終了間際という、とても良い時間帯に同点に追い付け、『やはり、今年のセレッソは違う!後半はイケる!』と思った所で、後半にまた痛い目・・・(苦笑)
●勝ち越しゴールを許す
これも、ついてない部類の失点でしたね(苦笑)
鳥海にとって、どうボールがこぼれて来るか?の予測が難しいシーンだったと思います。誰かが触る前提でボールを待ち構えていると、誰も触らなかったボールの軌道に対応し切れない・・・というのはサッカーをやってると往々にしてある訳で。その流れで所謂、『紛れ』というところが生まれた形ですね。
非常に締まった試合ではあったんですが、セレッソの2失点は共に『ミス』と『紛れ』によるもの。崩されてはないかな?と思います。それだけに、勿体ないとも言えるのですけどね(苦笑)
でも・・・・不穏な空気を一変させたのも、やっぱり、この男(笑)!
●レオセアラ、再同点ゴール!
レオセアラ、再びの同点ゴール!凄かったですね(笑)
最初、レオはオフサイドやと思いました。リプレイを見たら、ドンピシャ、ギリギリのタイミングで抜け出すという。ルーカスのキックに合わせての進入が見事過ぎますよね。
身体1つ半くらい、相手(#16)の前に出てのどフリー!しかも、レオの取った進路が『く』の字に曲がった上でのそれですもんね。何度見ても、惚れ惚れする完璧な抜け出し!
こういうのがプロの技ですよね。
『責任』を果す為に技術を磨く
というのがしっかりと現れたプレーだったと思います。
同点ゴール後、毎熊のスーパーミドルもGKに阻まれ、試合終了。セレサポ的には勝ち切りたかった、でも、サッカーファンとしては素晴らしい試合だったなと。両者に拍手を送りたいですね。
そんな所で本題へ。
上記で取り上げましたが、
研究されてるな・・・
と感じた所。前半、押されまくった要因を個人的に分析してみたいと思います。
題して、記事のタイトル通り、
あちょ挟まれ問題
という所ですかね。
天野純が活躍した理由:あちょ挟まれ問題
この試合、特に前半で頻繁に名前が挙がってたのが、Fマリノス:天野純。天野純、常に起点になって来られてめっちゃ厄介な存在でしたよね(苦笑)
逆に言えば、その天野が何故あそこまでボールに絡めたか?を紐解くと、現状のセレッソの課題が見えてくるようには思います。
まずは、セレッソの守備陣形。一般的に言われるのが、田中駿汰をアンカーにした4-3-3みたいなイメージですかね。ウイングがMFラインにフラットに並んで4-1-4ー1とも言えますが、今回は4-3-3で表記統一します。
でもって、4-3-3を攻略するのに起点となるのが、『ウイングの背後』『SBの前』と言うエリア。
パッと盤面を見た時、何となく『そこが空いてるよね?』というのは、4-3-3の配置からも分かりますよね。
逆に、Fマリノス:天野純#20。天野のポジションが、インサイドハーフ。まさに、この『4-3-3の弱点となるエリアを攻略する人』みたいなポジションですよね。
言ってしまえば前半のセレッソは、
天野のケアをどうするか?が上手くハマってなかったかな!?
という所は言えたようには思います。
特に、前からプレスを掛けに行こうとした時が顕著で、セレッソの選手1人が相手選手1人を捕まえに行こうとするプレスで、
- レオ:右CB(上島)
- カピ:右SB(加藤蓮)
- 奧埜:アンカー(山根)
- 登里:右WG(水沼)
と役割がハッキリしてたのですが、1人:天野が浮く存在になってました。
勿論、天野の対応はアンカー田中駿汰が担当することにはなるんですが、ここで1つの問題が。
田中駿汰は、もう一人のインサイドハーフ:ナムテヒもケアする必要があった
という所はあったかな?と思います。
図示するとこんな感じ。田中駿汰の所が1vs2になってしまうようなイメージですよね。
もし、田中駿汰が天野に寄り過ぎると、反対のインサイドハーフ:ナムテヒ#29がフリーになる。その逆も、然りですよね。
このような形で、田中駿汰はインサイドハーフ2人に対し、
どちらかに近寄ってマークすることは出来ず、真ん中でピン止めされる
みたいな状態を作られてたかな?と思います。ボールの行方が決まる、つまり、
インサイドハーフ2人のどちらかにボールが入ってからでしか、田中駿汰はチェックに動けなかった
ように見受けてました。
また、『鳥海・翔のCBの片方が、浮いてしまう天野・ナムテヒのマークに前に出る』という対応も考えられますが、DFラインにギャップが生まれてしまい#14:植中にそのギャップを使われる。だから、CBも前に出難いですよね。
これらが故に、天野のマークに田中駿太もCBも行けず。結果、フリーな状態を作られてたかな?と思います。セレッソの左サイドに対して、Fマリノスは5-6人で上手い立ち位置を取って来られてたな~という印象でした。
この辺が、
あちょ(インサイドハーフに)挟まれ問題
というところですね。あくまで個人的な視点ですが。
加えて、試合後の毎熊のコメントを引用しますが、
僕たちがやりたいサッカーは前から嵌めていくことですが、前半の最初はウイングが出ていって、なかなか嵌っていなかった
https://www.cerezo.jp/matches/result/2024042705/
とのこと。
プレスのスタートがウイング、左はカピシャーバだったんですね。左がプレスの開始だった時、だから余計に天野のスペースが空くような印象は持ってました。
加えてカピさんのプレスが、結構、アバウトで・・・(苦笑)
(31:15~)のシーンでは、こちらの人数がまったく揃ってない状態で、カピシャーバは勢いよく単独プレスに行ってしまい(苦笑)サクッとパスワークでかわされる(苦笑)レオセアラが、左SBのポジションまでフォローに行って事なきを得ましたが、個人的にヒヤッとしたシーンでした。
(逆に、レオセアラの献身性がめっちゃ光ったシーンでもあるんですけどね)
昨年からの印象ですが、カピシャーバは1vs1の球際の強さはピカイチだけど、チーム戦術の守備を行うのに難がある所があるのは拭いきれないですかね。ただ、小菊さん自身、今回の試合後のコメントでウイングの役割を聞かれ、
まずは破壊する。
https://www.cerezo.jp/matches/result/2024042705/
と答えてるので、カピシャーバのそれは免除されてるところだろうな・・・と思います。破壊とトレードオフなところなんだろうと。
まあ、あの破壊力を見れば文句もないですけどw ただ、相手に狙われてる所でもあるな・・とも感じます。その辺、どう対処していくか?
カピシャーバ負傷/Fマリノスの交代による影響
この『あちょ挟まれ問題』及び『カピの裏問題』について、今回、望ましい形ではなかったですが、カピシャーバの負傷交代でその形が少し見えたところはありましたかね。
これも上の毎熊のコメントの続きの引用ですが、
前半の最初はウイングが出ていって、なかなか嵌っていなかったので、後半の途中からはインサイドハーフが出て行く形に変えて、嵌めやすくもなりました。
https://www.cerezo.jp/matches/result/2024042705/
というところ。
インサイドハーフを前にして、どちらかと言うと、4-4-2みたいな形にしてプレスに行ってた印象はあります。この時、ウイングは中に絞って4-3-3の弱点となるエリアを消すような形にしたようなところ。
この辺り、去年2023年のリーグ前半以前(加藤陸次樹が居た頃)のような追い方だったかな?と感じてました。
ここで、上門はやっぱり上手いですよね。この試合、上門はカピシャーバが負傷後はウイングに。為田が入ってからはインサイドハーフに。ドライブシュートとか武器を持ってますが、上門は守備時のポジショニングのセンスが抜群に感じます。
だから、どこをやらせても安心感はありますよね。後は得点を取って、選手として突き抜けて欲しいところですよね。
話しを戻しますが、セレッソの上記対応に加えて、Fマリノスのは後半12分に天野を引っ込めてくれたのですね。また、それに伴ってフォーメーションも4-2-3-1に変わった。
上図の通りなのですが、田中駿汰は4-2-3-1の中の『3』の真ん中の1人に注意をしてれば良くなった。つまり、
『あちょ挟まれ問題』が解決したな
と言うように感じてました。相手が1人であれば、あちょならダイジョブダイジョブですよねw
このFマリノスの4-2-3-1変更以降、セレッソが崩されるシーンと言うのは激減したのではないかな?と思います。あくまで僕の視点ですが、
Fマリノスが対応を変えてくれて、助かったな
というのは感じておりました。上門が効いてたから対応を変えた・・・という理由もあると思いますが、それ以上に『あちょ挟まれ問題』がしんどかったので(苦笑)
でも・・・このマリノスの交代直後にCKから失点したのが痛恨やったのですが(苦笑)戦術的に有利になりそうでも、失点をしてしまう。サッカーは分からないものですw
久々にレビューっぽい形に・・・(苦笑)
そんな感じで、今回は与太話に走らずw、久々にレビューっぽい形にしてみましたw
所謂、戦術論っぽいのは久々に書いたのですが、
個々の選手のレベル差が無くなってきた時に、チーム力の差となって現れるのが『戦術』
というのは感じますよね。今回、セレッソ/Fマリノスの選手のレベル差が小さかった。それ故に、戦術の差で最初はFマリノスに有利に働いて、セレッソが対応してからはセレッソが挽回して・・・という流れだったかな?と。少なくとも僕は、そう感じました。
こうやって戦術的に見てみいくと、現在のセレッソは、
田中駿汰が守備の要
になっているのはよく分かる所だな~と思います。逆に、相手の戦術を見るのにも、
アンカー:田中駿汰をどう攻略するか?
というところにテーマになってるように感じますよね。
田中駿汰、頼もしい事この上なし・・・です(笑)