セレッソ 1-0 川崎
2024.4.13@ヨドコウ桜スタジアム
2戦連続のウノゼロ!勝負強いっすね~(笑)
個人的な話ですが、詰まらぬところで今回の現地観戦は色々と大変でしたが(苦笑)それを吹き飛ばしてくれる勝利でした(笑)!
そんな試合を振り返ります。
試合内容・雑感
●北野→柴山のスタメン変更
前回の記事で『北野颯太、良かったな~』と書き、今回も継続してスタメンになるなか?と思っていたのですが、今回はベンチ。うーん、この辺、なかなか予想が当たらない(苦笑)
颯太に変わって入ったのが、柴山昌也。柴山、J1初スタメンだったんですよね?鳥栖戦の途中出場でJ1初ゴールからの退場があり、巻き返しを期待したい所でした。
※2024.4.15追記:X上で柴山のJ1初スタメンが昨年のホーム:ガンバ戦で、『今シーズン初スタメン』が正確・・・と指摘頂きました。以降、バカをさらしておきますが、『J1初スタメン』ではなく『今シーズン初スタメン』と置き換えてお読みください(苦笑)
その他は、これまで通り。何より、後ろの5枚:毎熊、鳥海、翔、ノボリ、田中駿汰が揃ってるのは安心感ありますよね。
対する川崎は、伝え聞く話だと、故障者続出。他人の不幸を喜ぶのはどうか?という所もありますが、CB:ジェジエウ不在はラッキーな印象は持ちました。この選手、凄いっすもんね(苦笑)
●川崎:エリソンの持つ『ボールを持った時の空気感』
川崎のエリソン、試合前まではよく知らん選手でしたが・・・ちょっと、レベルが違う空気感ありますね。
セレッソCB陣が強く行っても弾き飛ばせず、強く行かずに見る対応をとれば、ちょっとのスペースだけで前を向いて仕掛けて来る。試合開始早々のカウンターで見せたような『裏抜け』も、段違いに上手くて。
やっかいな選手やな・・・
というのは開始直後に感じたモノでした。
でも、後述しますが、『日本特有のサッカー』にも慣れてない感じではありましたね。それで、助かった部分もあると思います。
●柴山のボールの絡み方から見るチーム状況
前述のこの試合、J1初先発の柴山、めちゃめちゃ良かったっすよね!
ハイライト動画貼っておきますか。
ハイライトで収められてるシーンだけでも、こんな感じです。
(15:45~)自陣:右サイド奥でフォローから、カウンターで最前線まで全力疾走からのシュート。
(23:49~) 中央で田中駿汰の縦パスをワンタッチでレオセアラへ。
(33:50~)敵陣:右サイド奥で、攻撃の起点になる。
特に、前半ということにはなりますけど、
柴山のボールの絡み方、エグいな(笑)!
こんな印象を持ってました(笑)毎熊、ルーカスとのトライアングルが~とか、色々と細かい所を言いたくもありますけど、一言で言うと絡み方が凄い(笑)!
上で挙げたハイライトシーンで言うと、(15:45~)のカウンターが良いですかね。柴山が自陣でボールを受けたのは、自陣PA付近やったんですね。でもって、そこからシュートシーンでは相手のPA内に入ってる。所謂、ボックストゥボックスいうヤツですね。
それ以上に、カウンター発動してから自陣内で既に
レオセアラを追い抜いて前に出てるのが良い
ですね~。本当、単純な話ですけど、
ボールホルダーより前に出てないと、ボールホルダーのパスの選択肢になり得ない
ので、ボールを持ってない選手は、ボールを持ってる選手より前に出るのが重要な訳で。この時の柴山の走りは、見事だなと感じます。
そういう意味で言うと、この時のカウンターでは奧埜もレオセアラを追い抜いてるんですよね。だから、厚みのあるカウンターに繋がったと。
ただ、追い抜く側も実は怖いんですよね。追い抜いた後にボールホルダーがボールをロストしてしまうと、追い抜いた選手は置き去りを食らうので。
だから、追い抜く人は『ボールホルダーは絶対にロストしない』と信じて走らないと駄目だし、ボールホルダーもその期待に応えないといけない訳で。
こういう所、チーム状態が悪いと躊躇が出る所だと思います。
『失うかもしれない』と思ってしまうと、『失った後』を考えてしまう。結果、出足が鈍る訳で。そう考えると、このシーンの柴山の全力疾走だけを見ても、
セレッソの今のチーム状態は良いのだろうな~
と思いました。選手間で、信頼関係も築けてるんだろうなと。
そして、柴山は今年でまだ22歳ですか。颯太もそうですけど、柴山も今後が楽しみですよね。そんな所で、決勝ゴール行きますか(笑)
●レオセアラの決勝ゴール!
レオセアラの豪快ヘッド!!! いやぁ、凄かった(笑)
このゴール、レオセアラ、カピシャーバ、ルーカスフェルナンデスの良い所がぎっしり詰まったようなゴールでしたね。個人的に一番好きなのが、ルーカスフェルナンデスのドリブルですかね。詳しくは後述しますがルーカスが3人を喰いつかせて、結果、カピシャーバが余裕を持ってクロスを入れられた。
カピシャーバも、この試合はドリブル突破を度々トライしていて、最後の最後(得点直後に交代)で得点に繋がった。このレベルの選手にこれだけ繰り返されると、相手もいつかは破綻しますよね(笑)クロスも、しっかりとファーのレオセアラに合わせてくれました。
そして、レオセアラ。レオセアラは、ルーカスとカピシャーバで起点を作ろうとした際、ファーサイドのCBの背後を取るんですね。前回の新潟戦でもそうでしたけど、
CBの視界から消える動き
やっぱり秀逸ですよね。それだけでも、レオセアラは見る価値があるなと。
ヘディングも、難しい感じでしたよね。身体が強く、無理が効くから決められたゴールだったかと。本当に素晴らしかったな。
試合終盤まで0-0でずれ込むと、ホームチーム側が焦る所はありますよね。そういう意味で、時間帯も非常に良かったなと。本当、欲しい所での先制点だったなと思います。
●セレッソ#14の系譜
この試合で、川崎のゴールキック等で、ノボリvs家長という対決を何度も見ました。15年在籍した川崎、ノボリの弱点もよく理解しての狙い目だったなと感じました。
で、セレッソは途中から左サイドのハイボールの競り合いを、翔に変更したのですね。そこで、跳ね返せるようになったなと。
でもって、この翔と家長の争い、ちょっと感慨深いモノが個人的にはありました。
セレッソ#14の系譜
という所です。
セレッソで14番と言えば、丸橋→翔と受け継がれた背番号。2人とも左SBを主戦とする選手、恐らくは翔以降も左SBの背番号として受け継がれていくのではないかな?と思いますよね。
ただ、
#14の丸橋の前任者が家長
なんですよね。家長は2010年の1年だけセレッソに在籍(ガンバユースで初じめてのセレッソ在籍選手)し、その時に付けたのが#14でした。
また、当時、
丸橋は尊敬する選手を家長と公言していた
のですよね。勿論、今もそうですが、当時の家長は左利きの選手として天才的なプレーヤーでしたもんね。同じ左利きの丸橋も、あこがれる所はあったと。
そして、
家長が退団した2011年以降、丸橋が尊敬する家長の#14を受け継いだ
という経緯がある。この流れを考えると、
セレッソ(左利き)#14の系譜の源流は家長
と言うことも言えるのではないかな?と思っております。
なので、翔と家長のマッチアップは、個人的に熱いモノがありました。初代と3代目の対戦!みたいなね(笑)また、翔のスライディングで家長からボールを奪って、そこからレオセアラのゴールが生まれたというのも、感慨深いものがありました。
そんな所で本題へ。
この試合を通して、恐らくは多くの方が、
ひいき目抜きで、セレッソの方が良い感じだよね
と感触を持ってる方が多いのではないかな?と思います。勿論、僕もこう思ってました。
その辺、何故、そう感じたか?という所を僕なりの解説をしてみたいと思います。テーマは、記事タイトルの通り、
内か?外か?
というところ。個人的に、『この試合を象徴してたな~』というところから紹介してみたいと思います。
この試合を象徴してたシーン:(62:22~)
この試合の象徴的なシーンとして挙げたいのが、(62:22~)からの田中駿汰のFKのシーンですね。このシーンが個人的に凄く面白くて、現地観戦でしたが直ぐに『今回の記事はココ!』と思いました。
多分、普通に見てて何気ないシーンなんですけど、どちらかと言うと『川崎の問題点』は透けて見えてました。
このシーンを解説すると、
- 田中駿汰がセンターサークル内でFKを得る。
- 得たFKを田中駿汰が横に居たノボリにパス。
- ノボリはそこから田中駿汰にリターン。
- リターンを受けた田中駿汰は、またノボリにパス。
- ノボリはまた田中駿汰にリターン。
- リターンを受けた田中駿汰は、またまたノボリにパス。
- ノボリはまたまた田中駿汰にリターン。
- 田中駿汰は、毎熊にパス
という流れ。ご覧の通り、田中駿汰ーノボリ間で3往復もパス交換したのですね。この間は、たかだか10秒程度のことです。
で、このパス交換してる時の、
田中駿汰の立ち位置に注目
ですね。
この時、川崎のフォーメーション的には4-4-2みたいな配置になってました。田中駿汰の立ち位置は、
- 最初のFKの時は、相手2トップの外
- 次にリターンを受けた際は、2トップの間
- 2度目のリターンを受けた際は、2トップのすぐ裏
- 最後のリターンを受けた際は、2トップと2ボランチの間
と言う感じでした。
図示すると、こんな感じですね。
言いたいのは、
田中駿汰は川崎の4-4-2のブロック『内』でボールを受けられてた
と言うことですね。ここで記事タイトルの『内』というワードを出しました。タイトルの『内か?外か?』は、
ボールを受けるのが、相手ブロック内か?相手ブロック外か?
というところになります。
話の軸をそこに置いて、進めていきます。
ブロックの内か?外か?で大きな違いが出る
このブログでは何度となく書いてる内容ではあるのですけど、相手ブロック内でボールを持つこととそうでないのとは大きな違いが出ます。
上で挙げたシーンで、田中駿汰が最終的にボールを持った位置で説明すると、2トップー2ボランチ間でボールを受けたら、相手ブロックは内に絞るんですよね。何故なら、そこで起点を作られて2ボランチー2CBのスペースをパスを通されると、一歩間違えるとシュートを打たれるからですね。
また、システムは連動するので、ボランチが絞る動きを取れば、サイドの選手も基本的に内に絞る動きを取りますよね。絞る動きを取らなくても、その後の状況を踏まえ、カバーの準備で内側に意識は働きますよね。
図示すると、こんな感じ。田中駿汰→レオセアラへのパスを通さないようにボランチが内を絞る。それに連動して、システム全体が内向きの方向に動き・意識が向く感じです。
2ボランチー2CBのスペース (上図のレオセアラが居る所)は、守る側からして一番攻略されたくないところですよね。逆に、そこさえ使われなければ失点の可能性も下がります。
田中駿汰がボールを受けた所は、その1つ手前のポジション。ここから縦パスを通せたら、レオセアラにシュートを打たれるリスクが高まる。そう考えると、田中駿汰が起点を作った2トップ裏と言え、そこで起点を作られるのは望ましくない訳です。
ここで視点を変えてオフェンス目線で言うと、そこで起点を作れば相手は中央に絞ってくる。中央に絞るという事は、相手の矢印が内側に向くということ。相手が内向きになった後、外(サイド)に展開すれば矢印は逆方向ですよね。結果、横への揺さぶりが大きくなるのは分かりますよね。
逆に、単純に外を回して同じサイドの選手にボールを回したとして、相手は単に横スライドをするだけでOKで、パスは横スライドの矢印と同じ方向。そうなると、揺さぶりは小さいですよね。
この例から見ると、例えば一言でサイド攻撃!と言えど、
相手ブロック内を経由する方が効果が大きい
のは分かりますよね。だから、
ボールを受けるのが、相手ブロック『内』か?相手ブロック『外』か?
という観点は重要な所ではないかな?と思います。
勿論、それが全てではないですけど、相手ブロックをどう揺さぶるか?どう突いて行くか?と言う視点でサッカーを見れば、とても重要になってくると。当然、狙いは内で。
その観点でパスではないですけど、得点シーンのルーカスのドリブル。この時のルーカスのドリブルが
ゴール方向でSB-CB間(ブロック内部)に向かってのものだから、相手SBは内に絞るしかなかった
んですよね。その結果、外のカピシャーバがフリーになった。
ドリブルするルーカスが川崎#16の前に身体を出した直後の、川崎SB#30の内への絞り方を見てればその効果は分かると思います。
この観点から、上でも挙げた通り、この得点シーンではルーカスのドリブルが一番の好みですね(笑)
このような感じで、
相手ブロック『内』でボールを持つことは、相手の矢印を意図的に動かすことができる
という所になると思います。その出させた矢印をコントロールすることで、相手に揺さぶりをかけられるんだと。
なので、あくまで主観ですが、
サイド攻撃をするにしても、相手ブロック『内』を経由して攻撃して欲しい
と思ったりすることがあります。前述の通り、攻撃の起点が相手ブロックの内か?外か?で大きく違うと思っているからです。
そして、この『相手ブロックの内か?外か?』という考え方、今回の川崎戦で大きく試合展開を左右していたと思います。
相手ブロック内で起点を作れたセレッソ/作られた川崎
田中駿汰ーノボリのパス交換の3往復のことを書き、ブロック内/外の説明をした所で分かった方も居られると思いますが、
セレッソは、川崎ブロック内で起点を作ることが出来ていた
と感じております。その3往復が、典型的なところで。
周知のように、今年のセレッソのビルドアップの胆となっているのが、田中駿汰ーノボリのところ。そして、今回の試合、最近の試合にない位に、
田中駿汰ーノボリが自由にボールを持てるシーンが多かった
と感じませんでしたでしょうか?
個人的な主観ですが、感じたそのままに、この2人は自由に出来ていたなと思っています。この2人が自由に出来れば、今のチームは何でもできますよね。
何故、自由に出来たか?個人的な見立てでは、
エリソンの守備がルーズ過ぎるよね。
という所はずっと感じてました。
少し前に、柏のマテウスサヴィオー細谷の2トップと対戦してたからですかね。この2トップの攻守におけるガッチガチ感は、エリソンには感じなかったですよね。このパス3往復が象徴してると思うのですが、
バンバン、ブロック内へのパスを通させてくれるわw
みたいな感じに思ってました。見て貰ったら分かる通り、3往復目のノボリのパスは、かなり強気のアウトサイドでしたしね(笑)
エリソンは雑感の所でも書いたのですが、 『日本特有のサッカー』にも慣れてない感じなんだろうな?と。徹底的に相手の弱点を突くようなサッカーに対し、全員で規律を守って陣形を整える・・・みたいな感じのサッカーに。セレッソでも、ブエノが今、そんな感じですよね。
エリソンのオフェンスは間違いないので、規律を守って・・・みないなのに自分なりの最適解を見つければ、これから怖い存在になるんではないかな?と。知らんけど。
そんな感じで、セレッソは攻撃時に川崎ブロック内で起点を多く作れてました。対して、川崎が攻撃時にどうだったか?
相手ブロック内で起点を作れなかった川崎/作らせなかったセレッソ
あくまで個人的な視点ですが、
セレッソはブロック内を上手く締めることが出来ていたな
と思います。多くの場面で、
川崎のパス回しはセレッソブロックの外回しになっていた
と思います。
外の田中駿汰の脇で起点を作られて、ブロック内に横パス入れられて・・・みたいな形が多かったですけど、その横パスでセレッソは潰せてたなと。
ここで効いてたのが奧埜、そして、ここでも柴山ですかね。相手の中央のトライアングルの内、#14,#16をこの2人で上手く消してくれてたように思います。
特に奧埜は、柴山に連動して下がったり上がったりと、チームのバランスを見ながら上手くサポートしているように感じてました。この辺、流石やなと。
川崎の選手も上手いので、ブロック内部で起点を作られることもありましたけど、チーム全体で粘り強く守れてたなと思います。ブロック内でボールを持たれた時のエリソンは怖かったけど(笑)
そんな所で、冒頭で書いた、
ひいき目抜きで、セレッソの方が良い感じだよね
というところに個人的には繋がってました。それは、
セレッソは『内』経由が多く、川崎は『外』回しが多かった
という所でしたかね。セレッソがうまく『外』回しにさせてた・・・と捉えても良いかも知れません。そこで効いてたのが、奧埜・柴山で・・・と。
あくまで個人ての視点ですが、ひいき目抜きに点差以上にセレッソの完勝といって良い試合だったと思います。
ノボリと共に
最後に、この試合において特別な感情を持っていたのが、ご存じの通りノボリということになります。
川崎在籍期間15年・・・長いですよね。今回の試合におけるノボリの情報を追うと、運命の1戦という以上にこの15年の重さみたいなものを感じました。
川崎の選手からも、移籍を惜しむ声が上がっていたのは今回、改めて色々と目にしました。逆に言えば、それだけ凄い選手が来たんだな~と、今回の川崎戦を通じて、こちらも改めて感じる所でもありました。
川崎は特別なもの。ノボリのそれは絶対で、それを否定するつもりは毛頭ありません。
でも、せっかく移籍してきてくれたノボリの中で、セレッソが川崎に少しでも近づけるように・・・という意味でも、
今シーズン、リーグ優勝したいな
と。普段は一戦必勝、リーグ序盤の順位は気にしないのですが、なんだかこう強く思ってしまいました(笑)
勿論、ノボリと共に。何だか、元カレに嫉妬している今カレみたいになってますけどwでも、今年は熱が入りそうです(笑)