2025 セレッソ

【セレッソ】ここ最近のセレッソを語ってみる。

『相手を見てサッカーをする』ということ

以前からではありますが、サッカーにおける戦術論はとても盛んですよね。その多くが、どういう配置(4-4-2やら5-4-1やら)をとって、選手がどう動いて、どういうパス回しをして・・・みたいな所が多いと感じます。

僕自身、こう言った戦術の類の話は『システム論』『配置論』みたいな言い方というか捉え方をしてます。以降、『配置論』と表現します。

では、

この『配置論』の最大の目的は?

と聞かれた場合、どう考えますでしょうか?

オフェンス面で話をすると、大まかに『相手を崩す為』という目的になりますかね。そこから、もう少し細分化させて『有効なスペースを作る為』『フリーな選手を作る為』みたいな感じ。

一般的に多く語られる戦術論の目的は、この辺に落ち着くのかな?と感じます。

ただ、僕は頭おかしいのでwこの辺より更に、深堀して目的を考えます。そんな僕が考える『配置論』の最大の目的は、

相手選手が出す『矢印』を予測し易くする

という所になります。

サッカーにおける『矢印』の定義、それは相手選手の、

  • 選手の体の向き
  • 移動する方向

という所になりますかね。

当り前のことですが、人体の構造上、

背中側が弱点になる

というのは分かりますよね。後頭部に目はないし、手や足も出し難い。背中が痒い時、なかなか患部をかけずにもどかしくなったりしますよね(笑)

人間がプレーする以上、サッカーにおいてもこの理屈は当てはまる。背中側は見えないし、足も出し難い。だから、背中側は弱点だと。

また、相手選手に移動が伴えば、『移動する方向』でも同じ事が言えますよね。

パスカットを目論む相手選手がAからBまで移動したとして、Aに居た相手選手は、次の瞬間はBに移動している。つまり、その次の瞬間のAには、人は誰も居なくなっている。だから、次の瞬間のAはパスコースとして通り易い・・というところ。平たく言うと、

相手の動きの逆を突くパス

ですね。右に移動しようとしてるなら、左目を狙えばパスは通り易い。

これら、『背中』『移動の方向』をひっくるめて、サッカーでは『矢印』と表現する解説者が多く、僕自身も過去の記事でこう表現したりしてます。

そして、『背中』『移動する前のポジション』は、

矢印の根元

と言う言い方になりますよね。つまり、サッカーにおいて、

『矢印の根元』は弱点

という事が言えます。

上の記事で書いた図を引用すると、こんなイメージ。身体の向き、移動方向、共に矢印側が強く、矢印の根元側が弱い。

でもって、配置論に戻りましょうか。前述の通り、僕は配置論の目的を、

相手選手が出す『矢印』を味方選手が予測し易くする為

と考えてます。

この辺は一般的に言われる戦術論と同じなのですが、ある程度、味方チーム、相手チームがどういう配置を取るのか?が分かっていれば、例えば、

自分がこう動けば、対面の相手はこう動くだろう。或いは、身体の向きはこうなるだろう

と言うことが予測できたりしますよね。この辺を言い換えると、

相手が、どう『矢印』を出してくるのか?の予測がし易くなる

とも言い換えられます。

であれば・・・狙いは1つ。

弱点の『矢印の根元』を狙え!

という所になります。つまり、相手選手の背中、移動する前のポジション・・・等々ですね。

でもって、更に重要なことをここで書いておこうと思います。

ここまでずっと書いてますが、配置論で言う所の相手の動きは全て『予測なんですね。相手がこう『動くであろう』と思っていても、実際にそう動くとは限らない。なので、巷の戦術論の多くがそうですが、これらは全て、

机上の空論でしかない

んです。あくまで個人の主観ですが、配置論は、

選手の予測をし易くする補助的なもの

と言う捉え方をしてます。

でも、予測のままでプレーしてしまい、ボールを引っ掛けられる・・・サッカーではよくある事。そうならないように、

『相手を見てサッカーをする』という事が重要

という所です。

はい、ここで、ようやく本題にたどり着きました(笑)

いかに優れた配置論であっても、相手がその通りに動くかどうか?は分からない。だから、

最終的に、選手が相手の矢印を見てプレーの選択を行う

なんですよね。例え、同じ配置論を適用したとしても、だから、

選手のプレーの精度によって、得られる効果が大きく違ってくる

というところは言えるかな?と思います。

この辺を説明するのに分かり易いシーンがあるので、紹介してみます。今シーズンのホーム浦和戦のハットンのゴールシーンですね。

浦和戦のハットンのゴールの『矢印』を使うノボリ

以下が動画になります。背後から視点で、センターサークル付近からのノボリのパスコースに注目してみてください。

綺麗に崩せましたよね(笑)

このシーンのキモになってるのが、まずは左ウイング:チアゴ・アンドラーデ。チアゴに関しては色々賛否分かれますが(苦笑)、

チアゴがドリブルで1vs1を仕掛ける形になった時はかなり強い。

という事は言えると思います。フィジカル・スピードがあって、まともに対峙すれば相手としてはやっかいな選手。

そして、最終ラインでノボリがボールを持った際、このチアゴに対して浦和の右SBは距離を詰める選択をしてるんですね。チアゴ体勢有利の1vs1を作られたくない心理状況が出てますよね。つまり、浦和右SBは、チアゴに向けて矢印を出したという状況。

この矢印を見逃さなかったのが、ノボリ。

パスが浮き球なので少し分かり辛いですが、チアゴに引き付けられた

浦和の右SBの矢印の根元がパスルートになってる

のが分かりますでしょうか?右SBを見てると、チアゴのマークに行こうとする矢印を出して、その根元を突かれた形のパス。右往左往してるのも分かると思います。

つまり、

ノボリは相手の矢印を見逃さなかった

という事ですよね。更に言えば、

ノボリは、相手を見てサッカーをしてる

という事は言えると思います。

また、逆に浦和右SBが矢印の根元を通されるパスコースを警戒して、チアゴとの間合いを詰めなかったらどうだったか?

この場合、ノボリもその動きは見てるはずで、今度はシンプルにチアゴにパスを出してたと思います。右SBが詰めてこなかったので、普通にチアゴにパスが通り易い状況。

結果、チアゴが1vs1でドリブルを仕掛ける形を作れてるんですね。

前述しましたが、

チアゴがドリブルで1vs1を仕掛ける形になった時はかなり強い。

でしたよね。至ってシンプルに、チアゴの得意な形を作れていたはずです。

つまり、浦和の右SBがどっちの選択をしても、セレッソはチャンスメイクは行えてたはずなんですよね。ただ、これらを実現可能にしてるが、

ノボリが相手を見てサッカーをしてるから

に他ないんです。また、もう1つ、

ノボリに矢印の根元を狙えるパス技術があるから

という所もそうですよね。

結局、相手が見えていること、キックの精度があること。この2つが揃って初めて、成立する戦術なんです。出来ない選手には、出来ない。

長々と書いてきましたが、これがセレッソの好調の理由の1つにあるように思います。

相手を見てサッカーが出来る選手が増えてきた

という所も大きい印象ですかね。

見習ってほしいハットンのプレー

個人的に選手主体でサッカーを見てるので、相手を見てサッカーをしてる選手/そうではない選手というのは、見えてたりします。結構、差がありますよ(苦笑)

出来てる選手の名前をざっと挙げていくと、真司、ノボリ、畠中、ハットン、元彦、ルーカス辺り。特に真司、ノボリは、めちゃくちゃ上手いな~と感じます。

ポジション別で言うと、このプレーが出来る畠中が最終ラインに居る事の強みは相当ありますよね。本当、かなり大きい。

このゴールシーンが特徴的でした。畠中の陽へのスルーパス!

これ、前述の矢印を使うの応用編。

相手の矢印が出てないから、相手は動き出しで遅れるはず。だから、誰も居ないスペースにスルーパスを出した。

という所ですよね。矢印の概念への深い理解、そして、技術が伴うからこそのパス。素晴らしい。

この畠中のパス、上のノボリのパス以上に痺れました(笑)CBで、こんなパスが出せるんやと・・・(驚)

その後の、元彦の折り返しも、相手DFが自陣ゴール方向へ戻る矢印の根元(の先にいた颯太)を狙ってるのが分かると思います。

開幕戦のゴールした時の『パス出すな!』ドリブルもそうでしたけど、対峙する相手を見て逆逆を突いて2人を抜く。シュートでもGKの逆を突く。元彦の真骨頂でしたね。

・・・そう、ここまでパス主体の話を見てましたが、これ、当然のことながら『シュート』においても同じことが言えますよね!?

GKを見てシュートを打つ!

これですね(笑)むしろ、今回の記事はこれを書きたかったところであったりします。

ド直球、正直ベースで話しますと、

若手選手が出来てなさそうやな。それ故に、勝ち点をいくつか落してるな。

と思っています。若手選手、特に言うならば、

北野颯太

ですね(苦笑)

冒頭でも書きましたが、4バックでの横スライド。試合終盤に疲労で足が止まってくる旨を書きましたが、追加点が取れていれば・・な試合も多かったですよね。

ただ、取れない試合が多かった。そういう試合でシュートを外してきたのが、颯太であることもまた事実ですよね。

アウェイ・東京V戦。最後の最後のシーンで、シュートを打った阪田が『全然、ゴールを見てなかった』みたいな所が話題になってました。阪田もそうですが、それよりいくつか前の颯太の単独突破からのシュートシーンについても、

颯太、シュートを打つ前にGKの動きを見てたか?

と言う感じは見受けてました。

ちょうどゴール裏からの角度の映像で見て、颯太がシュートを打つ前はボールに集中してて、ルックアップしてないように見受けますよね。

颯太(柴山もそうですが)は、見事な突破を見せてくれてるのですけど、最後のシュートで正確性を欠く印象。ガムシャラにシュートを打ってるような印象は受けてます。

若手選手なんで、これ位のガムシャラさで行って良いとも思っています。ただ、正確性を上げるには、やっぱり、

相手(GK)を見てシュートを打とうぜ!

という所は正直ベースで思いますね。間接視野に相手GKは入ってるだろうけど、もっとしっかりルックアップして確認したい所かな・・・と。

見習って欲しいのは、ハットンですね。本当、良い選手っすよね~(笑)

上でも挙げましたが、Fマリ戦のゴール。身体を回転させながら、前を向いてGKと正対した瞬間に一瞬、顔を上げてGKを確認してるのが分かると思います。

一瞬過ぎて分かり難いですけど(笑)間違いなく、顔は上がってます。そもそも、相手GKを確認できてないと、股抜きなんて芸当は出来ないですよね。

また、先程のノボリの所で紹介した浦和戦のゴール。チアゴからのクロスに対して、浦和GKが出す矢印を見て、矢印の根元を狙うシュートを打ってるんですよね。

ちゃんとGKを見て、逆を突いてますよね。だから、ハットンのシュートは決まる。本当に、素晴らしいなと。

数字で言うと、颯太はここまで38本のシュートを打って4得点、ハットンは30本のシュートで6得点。凡そ10本のシュートで1点の颯太と、5本で1点のハットン。歴然とした差が出てます。

シンプルにゴールが決まらない颯太と、シュートが決まるハットンの違いはここだと思います。

シュートを打つ前に、GKを見てるか、見てないか。

ここは個人の技術の所。

勿論、今シーズンの颯太の活躍、チームへの貢献度についてはかなり凄いレベルになってきたな~と思っております。そこに全く不満はないです。

ただ、ここまで凄さを発揮してるのであれば・・・

よりスーパーなレベルの颯太を見たいよな~

と思うのはサポの真理ではないでしょうか(笑)?

あくまで期待を込めて、つい言いたくなってしまうというか(苦笑)凄いプレーを見せられてるだけに、逆にそんな気分になってる感じです。

海外移籍が噂されておりますが、颯太にはもう1段階上に行ってもらうべく、期待を込めて『まだ満足してへんで』という所を書いてみました。

またスタジアムにも行きましょうかね。

そんな所で、ここ最近のセレッソについて書いてみました。好調の時は、書くのも捗りますね(笑)

まだまだ、リーグも序盤。これからも一山も二山もあると思いますが、それでも何とか乗り切ってくれるんではないかな?と思います。色々と言われることが多いと思いますが、選手もそこまで軟ではないのかと。

個人的に選手のプレーを見てて、前述の通り、『相手を見てプレーする選手が増えた』と感じるので、見ていてとても楽しく感じます。夏の移籍シーズンで、色々と入れ替えもあると思いますが、それでも何とかなるんじゃないかな?と。

サポは応援するのみ・・・・それしかないですからね。

でもって、私事ではあるんですが、この2ヶ月程は本当に公私ともに忙しくて、セレッソどころではない・・・と言う感じでございました(苦笑)別趣味のトレカゲームの大会には行ってたりしてましたがw それを含めても、本当に色々な事があり過ぎまして。頭の整理、心の整理、身体の整理と大変な時間を過ごしておりました。

これら、まだ一区切りはついてないのですけど、ちょっと慣れた所はあります。なのでまた、ボチボチとセレサポ活動を始めていきましょうかね。3月のアウェイ讃岐戦には行ったのですが、今年はまだホームゲームに行けてなかったり(苦笑)スタジアムにも行こうと思います。

また、このブログもマイペースでやって行こうと思います。変わらず、お付き合い頂ければと思います。

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