2025 セレッソ

【セレッソ】久々の更新。パパス・セレッソについて

セレサポの皆様、お久しぶりです。忘れられないようにw、久々に更新します。レビューやないですが・・・(苦笑)

カップ戦も敗退、リーグ戦も中位。すっかり中位安定と言った今年のセレッソですが、それでも今年のセレッソは面白いサッカーをしている・・とセレッソ界隈もそうですが、その外の界隈からも色々と目にします。確かに、見ていても心揺さぶられる試合は多いように思いますよね。

その要因になってるのは、やはりパパス監督という所でしょうか。開幕前はどちらかと言うと不安がってるTLの流れはありましたが、良い意味で予想を裏切ってくれてると言える所かな?と思います。

では、パパスサッカーの何が良いのか?個人的な視点を今回は書いてみようと思います。

パパスサッカーのキモ

個人的に、パパスサッカーのキモとなっているところ、特にオフェンス面での所を書いていこうと思います。

ズバリ!一言で言ってしまうと、

ボールホルダーを追い越す動きが出来ていること

だと思ってます。

ちょうど、僕がXで投稿したところでいうと、以下とか。

あちょのボールホルダーを追い越す動きが、そのまま得点につながったシーンですね。

あるいは、以下なんかもそう。

奥田がボールホルダー:ルーカスを追い越す動きをし、それが視界に入った相手DFが奥田へのパスコースを消そうとした。結果、ルーカスのクロスのコースが空いた・・・というシーン。

これらは、

ボールホルダーを追い越す動きから、得点シーンを演出している

という事は言えます。そして、

今期のパパス・セレッソでは、随所にこの動きが見える。

というのは間違いないと思います。あくまで、個人の観点ではあるのですが。

この『ボールホルダーを追い越す動き』がどれだけ重要か?というところをここで定義し、以降でもう少し深堀をしてみようかと思います。少し、セレッソの黒歴史も交えながら・・・(笑)

『ボールホルダーを追い越す動き』で思い出す2006年セレッソ

ここで取り上げるのは、2006年のセレッソです。19年前・・・古っwそら、オッサンにもなりますわね(笑)

当時を知るセレサポ、或いはセレッソの歴史に詳しいセレサポならご存じだと思うのですが、この年は2度目のJ2降格になった年なんですね。セレッソは優勝争いした翌年に降格する・・というジンクスが生まれたのも、この年の降格があったからかな?と思います(苦笑)

思い出すのも苦々しい2006年ではあるのですが、そのシーズン中に光明が見えた時期も実はありました。それが、

名波浩 加入

というもの。

日本初のW杯出場となった1998年フランスW杯で、代表の絶対的司令塔だった名波。2006年当時は、そこからベテランの領域になったものの、その技術は健在。ただ、怪我がちだったのもあって、当時のジュビロでは出番がなくなりつつあり、この2006年の夏にセレッソに加入したのですね。

当時は、本当に日本サッカー界でも大きな話題・ニュースになりました。名波の代名詞といえば、背番号7番。この年にセレッソの7番だった元日本代表:山田卓也が『可能なら、名波さんに7番を譲りたい』と申し出た程、大きな移籍でした(当時、背番号変更は認められず、名波は16番になった)。

そして、名波加入後のセレッソが取った戦術が、

戦術:名波

というもの(笑)

具体的に言うと、

DFライン付近で名波にボールを預けたら、GK+2CB+名波以外の7人は、全員前に上がれ!!

と言う感じでした。図示すると、こんな感じ。

分かり易いでしょ(笑)

ただ、この構図、名波より皆が前に出る・・と言う言意味で、まさに今回のテーマにしている、

ボールホルダーを追い越す動き

に近い形になってますよね。また、個々から出る矢印の方向性からも分かる通り、この動きを取れると、

チームの前への推進力が生まれてる

という事は言えます。

このような形が増え、『名波の居るセレッソ』は少し持ち直すんですよね。名波が加入してから、勝ち点を拾い始めてました。このまま戦術:名波で残留圏に行けるかも?みたいな所も個人的には感じてました。

ただ、それも長くは続かず。前述の通り、怪我がちだった名波が、セレッソでも怪我で試合に出れなくなってしまったのです。

こうなると今度は、

名波が居ない分、全員でフォローするぞ!

という意識が働くようなチームに変わります。そして、これが裏目に出てしまう(苦笑)

『名波が居なくなったセレッソ』を図示すると、こんな感じ。

上図のように全員がフォローしようという動きになってしまうと、個々の矢印の多くがボールホルダーに対して向かってしまう。ほとんどが内向きの矢印で、結果、ゴール方向への矢印が希薄になってしまうのが分かると思います。

これと前述の『名波の居るセレッソ』の図をもう一度、貼りますね。

続けざまに、『名波が居なくなったセレッソ』。

これら2枚を比較すると良く分かると思います。はっきりと、

『名波が居なくなったセレッソ』は、 『名波の居るセレッソ』より推進力がなくなっていた

と言える状態になってました。

『名波が居なくなったセレッソ』みたいになると、チームが上手く機能するようには思えないですよね。矢印がゴール方向に向いていない。自ずとゴールは遠くなる。その年のセレッソ、あえなくそのまま降格・・・という憂き目にあったという所でした。

こういう事も含めて、チームというのは生き物なんだな・・と。名波が居る/居ないだけで、ここまで違うのかと。この時、とても感じた次第でした。

『ボールホルダーを追い越す動き』を出来る選手を失った2024年セレッソ

もう1つ、 『ボールホルダーを追い越す動き』 視点で、記憶の新しい昔話をします。昨年、2024年の小菊セレッソです。

開幕直後はとても好調だった2024年の小菊セレッソ。一時は首位も取りましたが、長くは続かず。シーズン中盤以降は、箸にも棒にも掛からぬような試合内容で順位も後退していった・・・という結果でございました。覚えてる方も多いと思います。

これも個人的にシンプルな理由に帰着するのですが、

極上の『ボールホルダーを追い越す動き』を出来る選手を失ったから

という所はあったと思います。そうなんですよね、

毎熊晟矢の夏の移籍

があったんですよね。

毎熊の『ボールホルダーを追い越す動き』は凄かったですよね(笑)あれだけ上下動が出来る選手も、なかなか居ない。チームの推進力の大きな原動力だったのは間違いなかったですよね。その選手が居なくなるという事態。

昨年で言うと、上のXのポストでも紹介しました奥田も居ました。今年の活躍から見て、奥田も一定レベル以上で『ボールホルダーを追い越す動き』が出来る選手ですが、昨年、本人も言っていたように守備面で小菊さんの信用を勝ち取れず。

そのような所で、

昨シーズンの後半、毎熊の代役が見つからず、チームの推進力が大きく衰退したな・・・

というのは個人的に感じておりました。結局そのまま、『ボールホルダーを追い越す動き』が出来る選手不在のまま、戦ったのが昨シーズン後半だったかな?という風に思います。

戦術論とかシステム論とかで監督が叩かれることも多いですが、その戦術・システムに組み込まれる選手の質によって、その精度が大きく違ってくる。昨年の小菊セレッソが、正にこんな感じだったなと思います。


『ボールホルダーを追い越す動き』の重要性を分かってもらった所で、少し現代に話を戻します。

求められる個々のプロ意識、香川真司の価値

この2006年のセレッソで起こったことは、普通に現代サッカーでも起こり得るところだと思います。そして、今のパパスセレッソは、『名波の居るセレッソ』のような感じだと思います。

勿論、今のパパスサッカーは当時のサッカーとは、戦術・方法論は全く違います。でも、今のセレッソはパパス風に方法論を整備した上で『ボールホルダーを追い越す動き』をしっかりと取れて、チームの推進力を生んでる。この本質的な部分をしっかりと押さえたサッカーが出来ているな、と感じます。

もう少し細かく言うと、上のXの投稿で書いたのですが、

『ボールホルダーはボールを失わないプレーを責任を持って実行する』

そして、ボールホルダーの周囲に居る選手は、

『ボールホルダーがボールを失わないと信じて追い抜く』

という、

選手間の信頼関係を元に成立している

と感じてます。

そう、信頼関係なんですよね。

上で紹介した2006年セレッソの戦術:名波は、『名波はボールを失わない』『前に行けば、必ず名波がパスを供給してくれる』という、

名波への信頼があるから成り立つ戦術

なんですよね。2024年の毎熊に至っては、

ボールホルダーが必ずボールを届けてくれる・・と信頼してるから、毎熊は思いっきり追い抜いて走れる

という側面があったと思います。

ボールホルダーは、フォローする選手が居ないと不安になる。また、ボールホルダーを追い抜く選手は、自分の本来のポジションを空けて前に出ることになる。これもまた不安なんですよね。

互いの不安を消すのは、互いが互いのプレーを信頼すること。今のパパスさんの指導もあると思いますが、やはり選手間の信頼関係も大いに感じます。

この選手間の信頼関係が少しでも揺らぐと、『名波が居なくなったセレッソ』状態になる印象です。これは、当時のセレッソだけでなく、全てのチームに当てはまる事象だと感じます。

負けが込むと、失敗する事に恐怖心が芽生える。強くパスを出すと、受け手がトラップミスをするかも?と、無意識レベルで信頼が損なわれた状態になる。そして、失敗を避けるようなフォローし合う動きを取ろうとして、結果、チームとしての推進力がなくなってしまう。

降格圏に居たり、残留を争うようなチームは、だいたいこういう状態に陥っているように見受けます。

『皆でフォローし合う』という言葉は聞こえはとても良いのですが、どこかアマチュア的な発想なんですよね。勿論、1人がミスをすると、チーム全体でフォローする動きにはなるんですけど、原理原則は、

自分の役割・責任を全うする

以外にないと思います。つまり、

自分の責任を果たして信頼関係を築く

というところに行きつきます。

まずは、当たり前の事を当たり前にできるところから・・・だと思います。

それが出来た上で、時には、名波や毎熊のように高度なプレーを求められることもあるでしょう。でも、それでチーム戦術を成立させられるのであれば、それに応じないといけない。そういう高い要求をこなせる・・・という視点も含めて、

個々の選手がプロとしての責任を果たせるかどうか?

が重要だという所だと思います。結局、選手がプロとしてのプレーを見せられるかどうか?それに掛かっている。

そんなプロとしての責任という所で、今のセレッソでそれを一番理解し、チームを支えてるであろうのが、

香川真司

だと思います。

メディアにも度々、真司の発言が載りますが、FC東京戦の後の本間至恩のコメントで、

(香川)真司さんの言葉も響きました。『日々の積み重ねが、こういう試合に出る』と。

https://www.cerezo.jp/matches/result/2025080606/

とロッカールームで、チームメイトに伝えているのは知られてる所ですよね。

また、別のインタビュー記事では、真司自身が、

監督に言われたことだけをやっていても大きく成長できないだろうし、“プラスアルファ”を示すのが本物のプロ

https://www.football-zone.net/archives/580221

とプロとしての境地を示していたり。

これらのプロフェッショナルな言動から、真司のチームへの影響力が出てるのは間違いないと思います。

パパスサッカーのベースとなるのは、選手個々のプロとしての責任感。というところであるならば、

それを大きく支えてるのは、香川真司の存在

だと、ここまでのパパスセレッソを見ていて個人的には感じてます。プレー面も勿論、精神的支柱としても。

いや、本当に価値のある選手だな・・と思います。改めて、セレッソに戻ってきてくれたことに感謝・・・です。

今後に期待

そんな所で、個人的に見てるパパスセレッソを書いてみました。まとめると、

  • パパスサッカーを支えてるのは、『ボールホルダーを追い越す動き』
  • それを実現している選手間の信頼関係、選手個々のプロ意識
  • そのプロ意識を伝える香川真司

と言うような所です。ここまで、それなりに上手く回ってる方かな?という感じで見てます。

ただ、結局は中位に落ち着いている所からやはり『それなり』であって、完璧に上手く回ってるとは言い難いとも言えると思います。正直、もっとこうして欲しい!というのはあります(笑)それらも踏まえ、

今後に期待

というところかな?と思います。

上位進出は難しいにしろ、個人的に色んな楽しみ方が出来るシーズンだな~とは思います。それを今後、どう結果に繋げていくのか?を注目していきたいかな?と思ってます。

・・・うん、久々に書いたら、なかなかまとめるのが難しかったです(苦笑)感覚を思い出す為に、ちょっとずつでも書いて行こうか?と思ってます。また、良ければ宜しくお付き合い願います。

-2025, セレッソ