2022 セレッソ

【セレッソ】福岡戦:何故そこに毎熊?から見えるチーム状態の良さ

セレッソ 2-0 福岡

2022.7.30 @ヨドコウ桜スタジアム

完勝!!! 

前節の大阪ダービーが端的ですが、ここまでの小菊セレッソは劇的な勝利が多かったので、普通に勝つ・・・というのに若干の違和感はありましたけど(笑)

そんな試合を振り返ります。

試合内容・雑感

●ファンマデルガドが居ない福岡

普段もほとんど他チームの情報を見ないので、福岡の置かれてる状況とかは知らないですが、FW:ファンマデルガドが不在。

前回対戦時、冷蔵庫に例えましたが(苦笑)この選手へのロングボールに対して、セレッソCBがフィジカルで差し込まれることが多く、チームの重心を下げられることが多かった。本当に厄介な存在だな~と感じてました。

アウェイでは、ヨニッチでも差し込まれてましたしね。この選手が居ないだけでも、ラッキーな感じでしたね。試合通じて、ヨニッチと鳥海が跳ね返し続けてくれた印象でした。

●ヨニッチのゴール!!!

そんなヨニッチの復帰後初ゴール!!!いやぁ、完璧!!!

このシーン、決めたヨニッチもそうですが、それ以前に、

ニアへの侵入、何人、入っていくねん!

な印象を強く持ちました。

ヨニッチが遅れて入ってゴールを決める形になりましたが、同じニアサイドに、山田、毎熊がニアに入って、為田が少し膨らみながらその外。そして、その為田の動きに対してクロス気味と入るヨニッチと言う形。山田、毎熊、為田に隠す形のヨニッチの4枚目でしたね。その4人、入るタイミングがそれぞれ1テンポずつすらしている感じです。

多分、時間的なバッファの作り方なんだろうかな?という気がしました。山中のクロスの精度的に、あそこに落とせるのは間違いない。ならば、ボールがいつ到達するか?が問題で、4人が侵入するタイミングをズラすことで時間的な幅を持たせる狙い。計算された形だと思います。

そして、DAZNで見直してみてとても面白かったのが、フリーキックの直前に、為田とヨニッチがゴール前でやり取りしてるんですね。

俺の後ろから入れよ!

的な為田のジェスチャーも見受けます(4:17~)。こう言うシーン、なんか面白いですね(笑)

●前に出てくる福岡

先制すると、昨年のルヴァン決勝の解説:内田篤人のコメントから拝借して、

カウンターを狙える権利を貰える

という事になりますね。

先制を許したチームは、点を取らないと負けるので前に出ざるを得ない。簡単な理屈で、福岡が前に出てくれました。それ故に、カウンターが狙える。

そして、ファンマデルガドは居ない。福岡が前に出てきた所で、脅威は少ない。試合を通じて、そんな感じでしたかね。

試合が終わってから言えることですが、ヨニッチが点を取った時点で、ほぼほぼ試合が決まってた感じでしたね。それ位、大きな得点だったと思います。

とはいえ、リアルタイム(僕は時差観戦でしたが)で見てると、ハラハラドキドキします。いくら安定した試合運びが出来ていても、サッカーなんで『紛れ』は起こるもの。それ故に、早く追加点が欲しいなと。

前半の山田の2本のヘディング、加藤の裏抜け1vs1が外れた時は、本当に嫌な予感がしました(厳しく言えば、この3本のいずれかを決めて、試合を決定づけて欲しかったですかね)。

でも・・・その嫌な予感は杞憂に終わることになります。

●上門のゴール!!!!

上門のゴール!!! 大きな追加点!!!

試合後、上門は以下のようにコメントしてます。

最初は右足で打とうと思ったのですが、右足で打ったら当たるところにDFがいたので。左で持ち替えて、強くというより、コースを狙う感じで打ちました。

https://www.cerezo.jp/matches/2022-07-30/

本当、冷静ですよね。そして、特筆すべきはシュートを打つ前の左足でのボールのコントロールですかね。

両足でシュートを打てるとは言え、利き足でない方の足でシュートを打つ場合、打ちやすい所にボールを置きたいのは人の心。その打ちやすい所にボールを正確にコントロールするのに、利き足を使う選手が多いです。右利きの選手であれば、右足で置きたい場所にボールをコントロールして、左でシュート!のような感じで。

ただ、この得点シーン、上門は右利きにも関わらず、左足コントロール → 左足シュートを打つということをやってます。何気なくやってますけど、逆足でのこの2ステップは、なかなか難しい技術だと思います。心憎いですね(笑)

そして、上門以上に驚いたのが為田のクロスですかね。試合後にツイートしたまんまなんですが、

これも、本当、見た目以上に難しい技術だと思います。

ちょっと、理系の色を出します(笑)この時の為田の動きをベクトルで書くと、こういう感じになります。

為田の進入角度

この自身のピッチに対して斜めの動きに対して、真っ直ぐ横向きのボールを蹴ろう(ボールに力を加えよう)と思うと、為田は侵入角度のベクトルを打ち消すような少し後ろ向きの方向にボールを蹴る(力を加える)必要があります

進入角度に対する『蹴りたい方向』『蹴る方向』

左サイドで外側の足、この時の為田で言えば左足で蹴れば、この少し後ろ向きの方向に蹴り易いと思うのですが、それを為田は窮屈な蹴り方になってしまう内側の足:右足を選択。で、しっかりといい所にコントロールした事に驚かされてました。

これ、本当に匙加減がかなり難しいと思います。自身の斜めの動きを意識しなければ、GKの方に飛んでいく。後ろを意識し過ぎると、マイナスがキツくなる。ちょうど良い塩梅で蹴ることが凄いなと。少し宜しくない例えですが、

走りながらペットボトルを投げて、設置してるゴミ箱に正確に捨てる

ような感じですかね。これを投げる腕を振るのが窮屈になる方の手で投げる・・・そんな感じですかね。

・・・念のため、僕はこんなマナーの悪い事はしないですよw あくまで、為田のキックの難易度の例えです(笑)

更に言えば、毎熊のドリブルも良かったですね。為田にフリーにさせるように、為田から遠ざける、相手にゴール方向のベクトルを出させてからパスを出すという心憎さ(笑)ここの毎熊、メインのお題として後述します

三者三様で素晴らしいプレーでしたが、この上門のゴールで試合は決まり。その後、途中投入の福岡:ジョルディルーカスからのFKは少し怖かったですが、危なげなく完勝でした。素晴らしい!!

●福岡のイエロー3枚

この試合、福岡にイエローカードが3枚出たのですが、実は全て同じ内容です。セレッソの選手が相手の裏を取って、相手が後ろから引っ張った形。

これらのシーンもこの試合を象徴してたな~と思うのですが、これらは、

セレッソが1vs1で勝ってた

という所の裏返しですよね。こういうイエローの出方が相手にある試合では、やはり負けないです。ここも、特筆すべきところだと思います。

全選手が素晴らしかったな~と思います。

今回は、ちょっと小ネタを後2つ程(笑)

●火災報知機作動

なんか、火災報知器が鳴ってましたよね(苦笑)恐らく誤発報だったと思うのですが、気にせずに試合を再開させた審判には少し違和感はありました。ホンマは試合を止めて、安全確認をすべきなんではないかな?と。

かと言って、無駄に不安を煽って客を避難とかさせてしまうと、恐らくパニックが生まれて別の危険が生まれると思いますし。この辺の匙加減は、為田のキックばりに難しいように思います。

あー言う所の試合運営、というかJリーグの規定というレベルになるんでしょうかね。どうなってるんだろう?詳しい人、教えてください(笑)

●加藤のスパイク履き直し

最後に紹介するのは、本当にどうでも良いネタです。ただ、実はこちらをメインのお題にしようかと思ってた位、個人的には大好物なネタです(苦笑)あまりにも、短くなりそうなので止めましたがw 

それが38:55~、加藤が足の後ろを踏まれてスパイクが脱げるシーンがありました。

スパイクが脱げてしまうと、プロのサッカー選手は靴紐をほどいて、スパイクを履き直して、靴紐を縛り直して・・・と言う流れを踏むのが常ですよね。サッカー選手にとって、スパイクは商売道具。一度、脱げたら次に脱げないようにと、もう一度、しっかりと履き直すのが普通だと思います。

ただ、このシーンの加藤、靴ベラ代わりに自分の人差し指を使ってスパイクを履き直し、立ち上がって、トン!と一回爪先を地面を蹴って履き位置を修正する・・・というだけで終えてます。

めっちゃ雑なスパイクの履き直し方やなwww

と笑かされました(笑)外出するのに、玄関でスニーカー履いてるんとちゃうぞ!みたいな感じでw

それと同時に、過去のセレッソで全く同じスパイクの履き方をしてたという選手を1人、思い出しました。

森島寛晃

セレッソ現社長:モリシですね。僕はモリシがスパイクを履くシーンを見たわけではないのですが、モリシの逸話としてシャケとか康太が語ってるのを記憶しています。モリシも加藤と全く同じスパイクの履き方をしていて、トントンって爪先で地面を蹴って、ピッチに入っていってたそうです。

何と言いますか、この鈍感力というか、些細な所(とも言い切れないけどw)に神経を使わない図太さというか、得点を量産する人の資質を加藤に垣間見えた気がしました(笑)

話題の大阪ダービーの『BACKSTAGE PASS』動画で、小菊さんの『最高ぅぅ!!』に画面右端で立ち上がって熱く咆哮してたのが加藤。パッとした見た目でどこかクールなキャラクターな印象を持ってましたが、こんな熱い面を持っていたのか!と驚かされてました。

そして、続けざまのこのスパイク履き直し。加藤の新たな面をどんどん見せられ続けてるような印象があります。変な角度からにはなりますがw、期待したいですね。


そんな所で本題へ。2点目のシーンを、もう一度、振り返ります。

ここでは、このシーンで感じた僕の違和感と、その原因を考察してみたいと思います。登場いただくのは、最初のドリブルで為田をフリーにさせた毎熊晟矢ですね。

内容は、記事のタイトルそのままです(笑)

何故、そこに毎熊?

改めて、2点目のシーンを振り返ります。個人的には、為田のキックばかりに目が行きますが(笑)

このシーン、鳥海の跳ね返しを毎熊が拾ってドリブルを開始した所から生まれたのですが、この時に何か違和感を感じませんでしたでしょうか? 

左サイドでボールを持った選手が為田ではない事はすぐ分かりました。だから、僕はドリブルを開始したのは加藤だと思ったのですが、加藤でもない。そんな感じで、

あれ、誰や?あ、毎熊やん!

となってました。

この攻撃は、セレッソから左サイドからの攻撃。毎熊がドリブルしてから為田に落とした・・・というのは裏を返せば、

右MFと左MFが左サイドに固まってた

という事になります。違和感の正体は、当然ながら右MFなのに左サイドに居た毎熊ということです。

これ、セットプレー崩れとかであれば特に違和感はないのですが、相手GK:永石からのキックで、セレッソも普通にブロックを組んでたようなシーンでした。いや、毎熊が左に居た時点でイレギュラーですけど(苦笑)それだけに、

何故、そこに毎熊?

となってました。上門のゴール、為田のキックに僕の脳は9割方は支配されてましたが、残り1割は『何故、そこに毎熊?』が占めてました。

何度も書いてますが、その『何故、そこに毎熊?』を考察して、その先に見えたモノ・・・というところになります。

毎熊の『裏を取る動き』

この謎を解くのに、この得点シーンの30秒ほど前にさかのぼります。70:11~の鳥海のFKのシーン。

自身が得たFKで鳥海がどこに蹴ろうか?を思案している時、毎熊は右サイドから、DFライン裏に走り込む動きをしています。毎熊は、右サイドから猛然と奪取して、セレッソの左サイド、福岡の右CB裏を取ろうとしてます。この毎熊の動きを見て、鳥海も毎熊の動きに合わせてロングボールを放り込んでいます。

毎熊の動き

その後、鳥海のボールは少し流れて、福岡GK:永石にキャッチされます。そこから、永石のロングキック→鳥海跳ね返し→毎熊のボールこぼれを拾いドリブル開始して為田へ→為田クロス→上門・・・と言う流れでした。

ここで、毎熊は何故、得点シーンで左サイドに居たか?というと、

相手の『右CBの裏を取る動き』からの前残り

という事になります。厳密に言えば、左CBの裏を取った後、帰陣しようとしてFWの位置に毎熊は居ました。そこから、鳥海のヘディングが左サイドに行って、FWの位置から左に流れた毎熊が確保した・・・という感じ。

本当、何気ないシーンに映るのですが、この毎熊の『左CBの裏を取る動き』の前後を見ると、このチームの好調さが伺えます。この辺、もう少し深掘りします。その中心になるのが、

毎熊は右MFにも関わらず、何故 、反対サイドのCBの裏を取る動きが出来たのか?

と言う視点です。

ここで、鳥海と上門にも出張って頂きます。

『ロングボールを出した鳥海』と『フォローした上門』と『信用』

ここ最近、西尾からポジションを奪っている鳥海。鳥海の右足のフィード、ちょうどこのシーンのように相手の右CBや右SBの裏にパスを通すシーンを見ます。

ただ、これも当たり前なんですけど、そこに入り込む選手が居ないとパスを出せないですよね。この試合の毎熊は、鳥海がボールを持つとここに入るシーンを散見してます。鳥海からすると、

毎熊は、パスの出し所を作ってくれるので有難い存在

と思っていると思います。

逆に毎熊の視点で言えば、

鳥海は、必ずパスを出してくれるから、迷いなく走り込むことができる

という所ですよね。このシーンだけに関わらず、あれだけ毎熊がのびのびと動けてるのは、毎熊が、

動けば必ずパスを出くれると感じているから

だと思います。

こういう関係性、鳥海と毎熊だけでなく、今のセレッソではチーム全体から感じられる所ですよね。

そして、このシーンでもう1人、得点を決めた上門の存在。

鳥海のロングボールが永石にキャッチされ、セレッソが引いてブロックを敷いた際、上門は右MFのポジションでブロックを組んでました。毎熊がFWの位置で前残りした都合、上門が毎熊の前残りをフォローする形になってたのですね。形的には、ここから左で為田・毎熊が崩しての右:上門のシュートに繋がったようなところですね。

現状、上門はサブの選手ですよね。少し前までは、ベンチ外でもあった選手。そんなサブの選手でも、きっちりと毎熊の前残りをフォローする動きが取れている。毎熊からすれば、やはり動きやすいですよね。

動いても間違いなくフォローしてくれる

から、『相手の右CBの裏を取る動き』を取ることが出来た。

サブの選手でも、そういう動きが出来るチーム状態の良さ、素晴らしいと思います。これら鳥海・上門と毎熊の関係性は、当たり前と言えば当たり前の事です。ただ、

当たり前の事を当たり前に出来るのは凄いことだな。

とも思います。

パスが出てこない、フォローが甘い・・・ボールを受ける選手がこんな感情を持っていれば、その動き出しは鈍ると思います。それは、そのままチームの勢いを削ぐ形に繋がり、推進力は生まれないですよね。降格圏に居るチームなんかは、まさにこんな感じです。

今現状の小菊セレッソは、そういう不安は感じないですよね。このシーンの3選手の動きからも見える通り、

選手間の信頼関係が抜群

なんだと思います。

サッカーにおいて、こういう人間力的な部分は本当に重要だなと最近のセレッソを見ていて感じます。そして、セレッソでそれを生んでいるのは間違いなく、

小菊さんへの信用

なんだとも思います。まず、ここが信用されてるから、選手同士もお互いを信じて動き出せているという感じ。

理想の上司・・・な所ですね、小菊さん(笑)

どこまで行けるか?

あんまり順位を気にしてませんでしたが、これでセレッソは4位浮上ですか。川崎が試合数すくないのでアレですが、リーグ全体の立ち位置で見てみると、

セレッソはマークする側からマークされる側に回った

という事は言えると思います。

僕の以前に書いた記事から引用して、

Jリーグは『出る杭は打たれる』リーグ

であって、セレッソは、その『出る杭を打つ』側から『出る杭となって打たれる』側に回ったという所。これから、セレッソは他チームからマークされる形になり、厳しい試合は続くものと思います。

ただ、小菊セレッソのチーム特性上、出る杭となってもそこまで大きな心配はないかも?とも感じています。そこは前向きに期待したい所。

そんなチームへの興味は、

このチームがどこまで行けるか?

という所ですね。サポーター的には、欲が出てきそうな所です(笑)

ここでこの試合のヨニッチの言葉を引用しておきます。

特に気にしていません。目の前の1試合1試合をしっかり戦うことが大事です。ここで天狗になってはいけないですし、緩めてはいけません。1試合1試合を大事に戦い、勝っていけば、必然的に順位は上がっていくと思います

https://www.cerezo.jp/matches/2022-07-30/

天狗にならずw 地に足付けて、目の前の試合を1試合1試合戦っていきましょう~

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