2022 セレッソ

【セレッソ】磐田戦:倒れない毎熊晟矢の可能性

セレッソ 2-1 磐田

2022.5.6 @ヨドコウ桜スタジアム

今季リーグ戦、ヨドコウ桜スタジアムでの勝利!!!

・・・・と喜びつつ、後味の悪い試合になってしまいました。はぁ~(苦笑)

そんな試合を振り返ります。

試合内容・雑感

●磐田は受けてくれた

磐田は前節に、鹿島に3-1で完敗。連戦となるこの試合で、カウンター気味に狙いをつけてたのかな?という気がします。

だからか?この試合の磐田、引いてくれました。びっくりするくらい、前に出てこない。こうなると、セレッソオフェンス陣は、楽にボールを持てる形になってましたかね。

加えて、磐田が後ろ目(5バック?)に人を割いてたので、セレッソのボールロスト後のカウンタープレス(小菊さん曰く)も、どハマりしてたような感じでした。

出来の悪い磐田と出来の良いセレッソ、そのままの印象でした。ボールポゼッションでも、前半は65%という数字。終始ボールを持って圧倒してました。こうなると、

先制点を取れば、圧倒的に有利になるな~

という考えを持ってました。

●毎熊晟矢、J1初ゴール!!!!

毎熊のゴール!!!! J1初ゴール、おめでとう!!ですよね(笑)

CKのこぼれからで、ヨニッチ、西尾が前線に残ってました。難しいことはせずにその2CBを使った清武、それを繋いだヨニッチ・西尾と素晴らしかったですね。特に西尾のクロスは、本人も驚いたという位の素晴らしいボールで(笑)

決めた毎熊は、元FWらしいポジション取りですよね。いい所に居たな~と(笑)ヘディングも高くて良かった。

●再び、毎熊!!!!

毎熊の初ゴールから少しして、再びの毎熊!!!

ここ注目したいのが、磐田陣内の出来事ではなく、セレッソ陣内のシーンですかね。ちょうど、DAZNのハイライトに収められてました。

このカウンターの始まりとなったのが、陸→奧埜へのパス。このパスが、

痺れたな~

と言う感じでした。

映像でも分かる通り、陸がボールを受けた時に4人に囲まれてるのですね。

陸のパスコースは、縦:毎熊、横:奥埜、映像では写ってませんが、後:ヨニッチとなってましたが、4人に囲まれている状態。毎熊にも奧埜にもマークは付かれていて、後ろのヨニッチにもプレス要因が1人いる。陸自身にもプレスが来ていて、分かり易く言えば、『ハメられかけてる』状態ですよね。

陸のプレー次第ではヤバい展開になりそうやな・・・と思いつつ、ここで、

陸は、どういう選択をするんだろう?

と注目してましたが、御覧の通り、奧埜への横パス。しかも、相手の足が届かない、奧埜が右足で蹴り易いボールを置くようなパス。ダイレクトで奧埜は前にボールを送り、得点に繋がりました。

この陸→奧埜のパス、本当にここしかない!という所にパスを出してました。このやりとり、何と言いますか、

プロは、このボール1個2個の領域で勝負してるんやな~

と、個人的にここで既に物凄く感動してました(笑)だから、最終的に得点につながり、このプレーがハイライト映像として残ったことに興奮しました(笑)セレッソ・オフィシャルのハイライト動画では、カットされとりますがw 

奧埜のボールを繋げたブルーノ、スルーしたパトリッキ、毎熊をよく見ていてパスを通した清武(流石のトップ下でした!)、清武を信じて走った毎熊と、以降も素晴らしいのですが、僕個人的には、この陸→奧埜のやり取りを取り上げたいです(笑)

それにしても、毎熊がここで2ゴール! 開幕戦以降、試合に出続けてる中原、先にJ1初ゴールを挙げた上門、今年のJ2個人昇格組の中では後れを取ってた感のある毎熊でしたが、一気にここで先頭に躍り出た感がありますよね。中原、上門とも負けずに。

●為田の退場

これは・・・・あまり触れたくないな(苦笑)でもまあ、思いを書いて行きます。

為田のあのプレーは、単なるアピール。自分自身のプレー(この時で言うとプレスの強度)を監督にアピールするためだけに、あんな不必要で無茶なプレーに走ったと感じました。

為田自身、久々のリーグ戦でのプレーになると思います。アピールしたい気持ちも分かります。それが故に、悪意があったとは思いません。ただ、プレーで言えば最悪でしたね。

結果、相手に怪我を負わせる。自身も退場。1人減ったことで、チームバランスを崩す。2点リードで楽勝の展開が、チームに全く余裕がなくなる。あのまま2点リードを保って11人で試合をコントロールしてれば、ジンヒョンの負傷した展開もなかったんでは?とすら思います。

一体、何重苦やねん(苦笑)

為田のスタンドプレーで、相手チームにも自チームにも悪影響が出たと感じます。サッカーは『団体競技』で『相手があってこそのスポーツ』だ・・・と言うことをつくづく感じさせらた一幕でした。

ちょっと、為田はしばらく見たくないかな。今期、応援してただけに信用を裏切られた感がとても大きいです。以降で出てくれば、当然応援はしますが、個人的には冷却期間が欲しいですね。

●失点シーン

為田退場の混乱の中で、生まれた失点。度外視ですかね。強いて言うならば、先日の鹿島戦の先制を許した陸・ヨニッチが競り切れず・・というシーンに酷似しているようには感じました。

このシーン、最初に放り込まれたボールに対して、山中が競りに行って欲しかったかな?あそこで、起点を作られるとしんどい。ただ、それも、為田退場の余波(強く行きにくかった)なような気もします。

●ジンヒョンの負傷退場

為田の退場以降、空気感がなんかおかしかったですよね。そんな中でのジンヒョンの負傷退場は、本当に残念。

為田の件もありますので、セレサポの立場からは相手選手の事をとやかく言うつもりもありません。ただ、どちらの立場であっても、怪我した選手に対しては同じ気持ちで、

はやく、良くなって欲しい

という事を願うのみです。


そんな感じで、ブログを書きながらも思い出してしまい、為田のあのプレーに怒りが湧いてます(苦笑)気を取り直して、本題へ。この試合2得点の毎熊晟矢について。

前回の鳥栖戦のレビュー記事でも、『メインのお題として、どちらを取り上げようか?』で悩んだ挙句に毎熊は取り上げなかったのですが、今回、ちょうどいいタイミングに得点を取ってくれました。

まだ、数試合しか見てないですが、毎熊晟矢の面白いな~と感じる所を書いて行こうと思います。

セレッソでの毎熊の印象

この2試合スタメンを勝ち取った毎熊。当初は、陸の控えという立ち位置でしたが、今は陸の前でサイドハーフとして起用されるようになりました。

毎熊、面白いですよね。

元FWで、右サイドバックに転向後にJ2で大活躍。そして、セレッソではサイドハーフとして躍動し始める。経歴だけ見ても、面白いですがプレーっぷりも面白い。というか、

最近のセレッソで見なかったようなタイプ

というような見方をしてます。

その辺について、僕なりの視点ですが深掘りして行こうと思います。

プレースピードは申し分ない。

J2上りの選手だとプレースピードが遅かったりしますが、毎熊は速いですよね。

ハイライト映像では、このシーンが端的だったなと思います。

このシーンのヨニッチからの縦パスを受けて、更に前のブルーノに付けたプレーは本当に秀逸。相手プレスも来てたのにもかかわらず、前の選択をしてしっかりと繋げている。判断も的確、プレーも正確、上手いな~と思って見てました。

ボールを持って相手のプレスを受けてもバランスが崩れない。

章題にそのまま書きましたが、今までのセレッソの選手に無かったのが、

ボールを持って相手のプレスを受けてもバランスが崩れない。

という所かな?と思います。

少し前にレビューで取り上げましたが、

セレッソの所属選手を見てみると、『上手い』『速い』選手が多くて、『強い』選手が少ない印象です。特に、オフェンス陣がその傾向があるように思います。

でも、毎熊にはその『強い』が備わってるように感じます。この試合や鳥栖戦の時にも強く思ったのですが、ボールを受けてから相手に体を当てられても、毎熊は全然バランスを崩さずにボールをキープしたシーンを何度も見たのですね。

毎熊、体幹が強いな~

と非常に心強く思った所がありました。

見た目は全然違いますが、ボールの持ち方とかフロンターレの家長っぽい印象を受けました。体を当てられても、自分の間合いでボールを確保できる強さがある・・・という所ですね。それ故に、倒されずにプレーを継続することが出来る。

そして、このレビューで注目するのは、まさにここ。

倒されずにプレーする事

という所ですね。ここにクローズアップしてみます。

倒れずにプレーすると何が良いか?

昨冬にベルギー:オーステンデに移籍した坂元達裕。坂元が初代表キャップを踏んだ試合後に、

倒れずにやり切るプレーが自分にはまだまだ足りない。

https://www.footballchannel.jp/2021/06/16/post425993/

ということをコメントしました。覚えている方も居られると思います。

この考え方、現状のセレッソにおいては大いに賛成な考え方です。プレーを続けられるのであれば、倒れずに続けて欲しいと常に思っています。

では、何故、倒れずにプレーをすることが良いのか?という所。これはあくまで個人的な考えですが、少し披露させてい頂こうと思います。

アクチュアルプレーイングタイムとミスの回数の相関関係

まず、『倒れずにプレーを続ける』を、

アクチュアルプレーイングタイムが長くなる

という所に変換します。つまり、倒れてファールを貰うと、試合が途切れてプレータイムは短くなっていきますよね。逆に倒れなければ、試合が途切れる事が減り、実際に試合が動いている時間も増える・・・という考え方です。

また、少し視点を変えて、セレッソの選手について語ります。

セレッソの選手は、『上手い』選手が多いです。『上手い』は『ミスが少ない』とも言い換えられると思います。

極端な例ですが、例えば1分間プレーした場合、他チームが2回はミスするところを、セレッソは1回のミスで済む・・みたいなところは想像頂けると思います。それ位、セレッソの選手の技術力は高い。

1分で2回ミスの他チームと、1回ミスのセレッソ。これを90分で計算した場合、

  • 他チーム(2回/分): 180回ミス
  • セレッソ(1回/分):  90回ミス

というミスの回数に差が大きくなり始めます。試合を通じて、90回のミスの回数の差が出る訳ですね。これ、なかなか大きい数字だと思いませんでしょうか?

サッカーなので、ミスの回数が試合の結果に直結する訳ではないです。ただ、ミスの回数で差が広がってくると、

ミスが少ないチームの方が試合を優位に進められる

のは間違いないですよね。

そして、このミスの回数の多い少ないは、アクチュアル・プレーイングタイムに影響してきます。あり得ないですけど、プレータイムが90分の場合は、上の例では90回のミスの差がでます。ただ、これがファールの多く時間が止まりまくりの試合で、プレータイムが45分だった場合、

  • 他チーム(2回/分): 90回ミス
  • セレッソ(1回/分): 45回ミス

45回の差でしかありません。プレーする時間が短くなればなる程、ミスの回数の差は相対的に小さくなっていくんですね。こうなってくると、『上手い』チームでその技術力で差が出にくくなってきます。

反対の言い方になりますが、アクチュアルプレーイングタイムが長ければ長い程

ミスの回数の差が相対的に大きくなる

言い換えると、

試合を優位に進められる

ということになるかな?と思っています。セレッソのような『上手い』チームは、倒れずにアクチュアルプレーイングタイムを長くすべきだと。

だから、セレッソの選手には、

倒れずにプレーし続けてくれ!

と言いたいのですね。坂元が言うように、

倒れずにプレーをやり切る

という所を1つの指標として欲しい。ファールを受けたとて倒れてFKを貰うのではなく、続けられる時は続ける姿勢が重要なんではないかな?と思っています。

当然、『PKを貰う』や『倒れずにプレーしても次の展開がない』等であれば、倒れてファールを貰う方が良いとは思います。その辺、文章で説明するのは難しいですが、こういう所でも選手の状況判断の正確さが求められるという所ですかね(苦笑)

また、前述してますが、ミスの回数の差で試合を優位に進められるとは言え、試合結果に直結する訳ではないです。でも、優位に進められるものは進められる方が良いですよね。

ちなみに、スタッツで言うと試合中は『被ファール数』を見ています。セレッソがファールを受ける回数です。この数が多い程、セレッソは不利な展開が多い印象はあります。

倒れない毎熊の可能性

倒れる/倒れないの部分で、こんな考えを持ってサッカーを見てるんですが、その視点で言えば、毎熊のプレーは本当に頼もしく感じました。

フィジカルが強いのもあると思うのですが、

毎熊は倒されるまで倒れない

という印象を強く感じてます。

故に、ボールを持っての接触プレーも必然的に増えてくるオフェンス側で使う方が面白い選手なんではないかな?と個人的には、感じてます。だから、今のサイドハーフ起用と言うのは賛成。もう少し戦術的な部分で整理されれば、更に面白い存在になるように思います。

まあ、本来のサイドバック起用でどんなプレーをするのか?も見てみたいですけど(笑)また、相手チームからの研究・対策を受けてから、どんなプレーをするのか?そういった所も、楽しみですよね。

後味の悪い試合になりましたが、毎熊のプレーを振り返りつつ、今後に期待して行こうと思います。

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