動画で説明

【動画】サッカー:相手のブロックを揺さぶるパス

今回の動画は、パスについて。

素晴らしいパス!というと、どのようなパスを想像しますでしょうか?『スルーパス』や、定義を拡げると『クロス』とかも、そう感じるパスの部類に入ってくると思います。

これらのパスの特徴としては、

分かり易く得点に繋がったパス

という事になりますでしょうか。

でも、せっかく動画を使って解説をして行くので、それだけでは面白くないですよね(笑)今回、個人的に大好きな、

相手のブロックを揺さぶるパス!!

と言うところに注目して、書いて行こうと思います。

ちょうど、最近のJリーグで取り上げやすいシーンがいくつかありましたので、その辺を題材にして行こうかと。2つ程、書いて行こうと思います。

ブロックの急所

このお題に入る前に、ブロックの急所という所を整理します。ここでは、2021年のセレッソがベースとしている4-4-2のフォーメーションで書いて行きます。

以前のブログで書いた記事(以下)ですが、

4-4-2のフォーメーションでの弱点という所は、以下の4つ。

4-4-2の急所

①を筆頭に、②と③も前向いてボールを持たれると、失点につながり易いのは自明ですよね。ただ、④について、①~③程ではないにしろ、ここでを起点を作られると、

④を経由されると、ブロックの横のスライドが間に合わなくなってくる

という所が言えます。

どういうことかと言うと、相手がシュートを打ちたい所は基本的に『①のエリア』、つまりゴール正面ですよね。攻撃側は、そこを攻略してこようと色々とチャレンジしてくる訳です。

反対に言えば、守備側は『①のエリア』は攻略されたくない。だから、『④のエリア』でボールを持たれた場合、ボールを落とされると『①のエリア』を攻略されかねないので、中央のボランチ、センターバックの選手は中を絞る動きを取ります。

ボランチ・CBは中に絞り、サイドハーフ・SBも連動する。

この時、ボランチ・センターバックの中を絞る動きに連動して、サイドハーフとサイドバックも中を絞る動きをせざるを得なくなります。

こうなると、サイドの裏側にスペース、あるいは中に絞る意識の裏に隙が出来て、そこからサイドに振るボールに対して逆を突かれることになります。逆を突かれるので、そちらのボールに対して詰める動き(スライド)も遅くれる形になりますよね。

このような形になると、

あー、揺さぶられとるな・・・

となってしまうんですよね(苦笑)

この辺、具体例を2例ほど、動画で挙げたいと思います。

ブロックを揺さぶるパス Part.1

まずは、1つ目の動画は、セレサポ的にはあまり思い出したくない(苦笑)2021年9月のホーム鹿島戦、鹿島の同点ゴールのシーンです。

いやぁ、辛い(苦笑)ただ、このシーン、本当にセレッソのブロックを揺さぶられてますよね。

ジンヒョンのゴールキックを、鹿島DFがクリア。そのボールに対して、上田綺世#18 がキープします。そこから、

  1.  上田 #18 → 荒木 #13
  2.  荒木 #13 → 三竿 #20  
  3.  三竿 #20 → 松村 #27 (サイドチェンジ)
  4.  松村 #27 → 三竿 #20
  5.  三竿 #20 → 和泉 #11 (サイドチェンジ)
  6.  和泉 #11 → 上田 #18 (クロス)

このような流れ。

最初の1.~ 2.の上田と荒木は、後ろ向きにボールを持ってます。でも、ボランチ・CB間でボールを持たれているので、セレッソのブロックは内に締めざる終えない。セレッソのブロックがそんな状況にあって、荒木が三竿に落とす。

ここで、三竿が前を向いてボールを持った状態。ここが上で言う所の『④のエリア』という所になりますよね。ここで、サイドにボールを振る起点を作られた訳です。上田・荒木の所で、後ろ向きとはいえ中でボールを持たれてるので、坂元なんかは中央に絞る動きを取ってます。その坂元の中に絞る裏を、三竿がワンタッチで振ってるんですよね。

この流れ、上の図をもう一度貼ると、三竿がボールが持った時が以下で、

三竿がサイドに振ったのが、以下の絵になります。

その後、松村がドリブルでサイド奥にボールを運び、セレッソのブロックをゴール前に下げさせられた後にバックパス。ここも、完全にセレッソのブロックとは逆方向のベクトルのパスになってますよね。地味に、追い付けないパス。

そして、セレッソがそのバックパスに反応して前に出ようかというタイミングで、今度は右に振られる。そのボールを折り返されて、ゴールを決められる・・・という流れ。本当に、見事にやられてしまいましたよね(苦笑)

ここで、注目は2回もサイドチェンジを出してる三竿#20 なんでしょうね。敵対する側から見て、守備時のプレーの粗さに目が行ってしまいがちな選手ですが、やはり良いものを持ってるんだと思います。反対にセレッソ側からして、西尾が一番最初の上田を潰さないと行けなかったかな?というシーンでした。

とはいえ、4-4-2の急所の1つを突かれたゴールだったのではないかな?と思います。

ブロックを揺さぶるパス Part.2

2つ目の動画は、2021年10月の清水vs柏。柏の決勝ゴールのシーンです。

これも、綺麗なゴールですよね。

上で挙げたセレッソがやられたゴールではブロックの外側(FW-ボランチ間)を起点に揺さぶりのパスを入れられましたが、ここは更に危険なブロック内部(ボランチーCB間。上図の『①のエリア』)で起点を作られて、サイドに振られてます。

右サイドのスローインからごちゃごちゃして、レイソルの大南#25がボールを持つところから、

  1.  大南#25 → 神谷#39
  2.  神谷#39 → 武藤#19
  3.  武藤#19 → 三丸#20

という流れで、三丸のゴール。

ここで、注目は神谷が中央で3タッチしてる所かな?と思います。前向きでボールを受けて(1タッチ目)、少しボールを動かして(2タッチ目)、パスを出す(3タッチ目)。ここで、清水のCBとボランチが、神谷に食いつかせられましたよね。前向いてボールを持たれたことで、シュートの可能性があって、守備側としてはチェックに行かざる終えません。

神谷からパスを受けた武藤も、前を向いてボールを受ける。 清水の右サイドバック:原#4 は、恐らくその外の三丸のオーバーラップも見ていたと思いますが、武藤が前向きにボールを受けたのでシュートを警戒すべく、外の三丸への対応は捨てざる終えません。そこで、またその外に振られて・・・のゴール。

清水の原の所作を見てると、分かり易くスライドが間に合っていないということが分かりますよね。こちらも、ブロックを揺さぶられた分かり易い例だな~と思いました。

ブロックを揺さぶるパスにも注目してみましょう。

こういうパスは痺れますよね。今回、セレッソは揺さぶられた側ですがw

これらに共通するのは、

相手を食いつかせてから裏を突くパス

という事が言えるのかな?と思います。相手を動かしてから、反対を突くというかそんなイメージ。

そういったパスを出すのに、フォーメーションの急所を知るとまた面白くなると思います。4-4-2だとか、4-2-3-1だとかフォーメーションにも色々ありますが、完璧なものは存在しなくて、どのフォーメーションにも急所はあります。そこをどうやって突くのか?あるいは、どうやって守るのか?そこを中心に選手の判断やプレーを見てると、色々な発見があったりします。

今回は、4-4-2(清水は違うかもしれませんがw)での弱点という所から、そのシステムを揺さぶるパスを中心に見てみました。参考になれば、幸いです。

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