2022 セレッソ

【セレッソ】鳥栖戦: 小兵MFの工夫

セレッソ 2-1 鳥栖

2022.9.10 @ヨドコウ桜スタジアム

勝利!!!!

何と言いますか、リーグ前節:札幌戦、僕は見てませんが天皇杯:広島戦のような得点経過、リードしておきながら終盤に同点に追い付かれる嫌な流れ。そんな中でもぎ取った勝利。

冷静になった今、劇的な勝ち方にならない展開だったのに・・・とか色んな思いはありますが、悪い流れを断ち切ったという意味でホッとしましたし、価値のある勝利だったと思います。

そんな試合を振り返ります。

そして、今回は前もって書いておきましょうか。タイトルの通り、メインのお題は『小兵MFの工夫』で、取り上げるのは

奧埜と徳真

です。どちらかと言うと、奧埜が中心ですかね。そして、最初の『試合内容・雑感』でもこの2人を中心に書いてみようと思います。

試合内容・雑感

●鳥栖4-4-2の狙い

いきなりですが、皆さんに質問をしてみます。

この試合、ジンヒョンの目の覚めるようなミドルパスはあまり出なかった印象はお持ちでないでしょうか?

この試合の前半を見ていて、いよいよ、ジンヒョンのビルドアップの対策をされてきたな~と言う印象を持ちました。

鳥栖のFW、全然、喰いついてけーへん。

そんな感じでした。

ジンヒョンのキックが効果を大きく発揮するのは、相手が前からハメに来てそれをひっくり返すパス。具体的に言うと、

  1.  相手FWが、セレッソ2CB+ジンヒョンに対して前線プレスに来る。
  2.  相手MFが、その前線プレスに連動して前に来る。
  3.  ジンヒョンは、その前に出た相手MFの裏にボールを供給する。

というパターンが最も効果が出る時だと思います。

ジンヒョンのキックの狙い目

セレッソの前線が相手DFラインをピン止めするので、相手DF-MF間が空いてきてそこを狙う感じですよね。

これに対して、この試合の鳥栖は最初のステップ:FWの前線プレスが発動させない。前線が喰いついて来ないので、ジンヒョンが狙うエリアが空いて来ない感じでした。

加えて、セレッソと同じ4-4-2スタートだったようです。そして、奧埜の試合後のコメントを拝借すると、

結構、マンツーマン気味に付いてきたので、

https://www.cerezo.jp/matches/2022-09-10/

マンツーマン気味に対応されていたようです。

DAZNでは追いきれない所ですが、相手FWがジンヒョン+2CBに食いついて来ない。という事は、セレッソは2CB以外のパスの受け手は8人に対して、鳥栖の2トップ以下も8人と数が合う。加えて、マンツーマン気味にマークされる。

それは即ち、

ジンヒョンのパスコースが全て防がれていた

という所に繋がってるのかな?と思います。

俗にいう『ミラーゲーム』と言う形に持ち込まれたようなところですかね。ジンヒョンのビルドアップの対策、きっちりとされてきたな~という印象でした。

ただ・・・・ここでもう一度、奧埜のコメントを出してみましょうか。

結構、マンツーマン気味に付いてきたので、動き回ってやろうと思っていました

https://www.cerezo.jp/matches/2022-09-10/

この鳥栖の対策を崩す、奧埜が見事な動きがありましたよね。

●奧埜の4枚目の動き出し

ジンヒョンのビルドアップを鳥栖の『喰いつかない』というやり方で防がれましたが、次の準備があったのがセレッソ。その1つが、奧埜を出口としたビルドアップのやり方でしたかね。これ、面白かった・・・というか、個人的にお気に入りになったので紹介してみましょうか。

出し所が無くなったジンヒョン、鳥海にパスを出した際のことですが、

ヨニッチ、やたら鳥海に近付いていくやん

というシーンを何度となく目にしました。左CB:鳥海がボールを持った際、右CB:ヨニッチが中央に絞る動きを取る感じですね。

ヨニッチがこういう動きを取ると、セレッソの他の選手はどう連動して行っていたか?

まず、ヨニッチの空けた右側に、右SB:陸が下がります。加えて、陸の動きに連動して右MF:毎熊も下がります

そして、注目がその次の『奧埜』ですね。毎熊が元々いた位置に、奧埜は上がるんです。斜めに入っていく感じですね。

奧埜だけ上がる動き

で、鳥海、ヨニッチが一気にそこにボールを送ってしまう。これ、結構、効果があったような感じです。

この奧埜のような大きく動く選手に対して、相手はマークの受け渡しをしたくなりますよね。ギッチギチのマンツーマンでない限り、ゾーンディフェンスの概念は有効で、守備時は自分の担当するエリアを離れたくはないですからね。

でも、陸・毎熊、そして奧埜と右サイドに3人が集中する形になります。鳥栖の付け焼刃?の4-4-2では、3枚4枚と連動するセレッソの動き出しに、上手く受け渡しは出来ないですよね。

この奧埜の動き出し・・・と言うか、少し前からチームとしての狙いの1つだと思います。ヨニッチ、陸、毎熊からの奧埜、言わば奧埜は4枚目の動きですね。

このような形でジンヒョンが抑えられた時、CBから前線に供給する出口の1つを奧埜が担ってる印象はあります。

●鳥栖の3枚目の動きに対する、セレッソの2+1枚

鳥栖のボール保持時、セレッソはお馴染みの4-4-2で守ります。

4-4-2の陣形は、サッカーでは攻守において一番オーソドックスとされてます。ただ、言い換えてみると、『弱みもなければ強みもない』という感じですかね。

この4-4-2の『強みもなければ弱みもない』の意味するところは、サイド・CB・FWの局面においても、2枚であることですね。

4-4-2は多くの所で2枚

対して攻め手は、サッカー経験者なら一度は聞いた事であるであろう『ボール回しの際は三角形を作りなさい!』というように、3人の関係性で崩す場面が多い。

鳥栖のボール保持時は、サイドからのビルドアップが多い印象でした。やはり、3人で攻める形が多かったです。

セレッソは前述の通り、4-4-2。前述の通り、サイドも2枚です。だから、鳥栖のサイド攻撃に対して、セレッソのサイド2枚+1の存在が重要になってくる。鳥栖の3枚のサイド攻撃に対して、セレッソは毎熊と陸の2枚と+奧埜で守る形でしたかね。

ここ、攻撃の時とは反対に、毎熊がプレスに前に出て、それに連動して陸が前に出て、奧埜が下がってカバーするような動きが多かったと思います。

サイドの守備

そして、徳真が奧埜の動いたポジションをカバーするような感じ。

1例挙げましたが、こんな感じで、4-4-2は守備も攻撃も2枚+1で行う必要があると思います。故に、上でも挙げましたが、

+1の動きが重要だな~

と毎度感じます。当然、+1の役割の多くを担うのがボランチ2枚。必然的に運動量も増えますよね。

どこもかしこもフォローすべく、毎度、走行距離の上位(ほとんど1-2フィニッシュ)に上がる2ボランチ:奥埜・徳真の頑張りは、本当に素晴らしいな~と思います。

そして、この頑張りが報われたか?徳真のスーパーゴールが生まれます!!!

●徳真のゴール!!!!

徳真!!! えぐいゴールでしたね!!!

上門のような無回転気味のドライブではなく、従来通りの縦回転を加えてのドライブシュートでしたね。どちらかと言うと、アウトにかけての蹴り方だったと思いますが、綺麗に曲がって落ちた感じでした。

少し物理的な見方をすると、そもそもクリアしそこねた鳥栖:藤田のキックはボールの下側を蹴る形になってます。故に、鳥栖のゴール方向に対してボールが縦回転(地面に落ちたら鳥栖ゴールに向かうようなバックスピンになる)になってたと思います。

それに対して、徳真もその藤田が付けた縦回転と同じ回転方向に力を加える蹴り方になってます。

藤田のクリア+徳真のシュートの回転方向

故に、強烈な回転になったんではないかな?と推測しています。藤田のナイスアシストもあったのではないかな?というところです(笑)

まあ、徳真のキックの上手さを褒めるべきでしょうね(笑)

上で奧埜の攻守での動きを紹介しましたが、奧埜は縦方向に+1のサポートに奔走。反対に徳真は、横方向に+1のサポートに走ってるような印象はあります。良いコンビですね。

このような感じで、攻守とも戦術的にハマっていて、『セレッソが1点取れるかどうか?』という状況で先制できた。札幌戦と全くと言っていい程、同じような展開。

そして・・・続いても、札幌戦と同じく望まれない展開に(苦笑)

●同点ゴールを許す

どうやっても、こういう感想になります。

またか・・・

ショックの大きい失点でした。

この時間帯、グンと全体の運動量が落ちたような印象はありましたよね。どうしても、足に来る時間帯なんでしょうね。この試合に関しては、ちょっと慎重になり過ぎた所もあったようには思います。

後は、毎熊。毎熊の裏取られたシーン、リーグのホーム広島戦の先制を許したシーンと同様、後出しジャンケンが出来てなかったですね。

ただ、このシーンの直前、毎熊は最前線で相手のGKへのバックパスをカットしようとスライディングを仕掛けた後に自陣に戻る・・・という事をやってました。あの時間帯で激しい上下運動を繰り返した上で、あの場面を迎えた・・・という事ですね。

だもんで、仕方ない所はあるかな?と言う気はしますね。

毎熊、凄い走ってるな・・

と言う感じでしたからね。

そういう意味で、最初に抜かれてクロスを上げさせられた左サイド:翔にはもう少し対応をしっかりして欲しかったかな?という気がします。

残念な失点、その直後のジンヒョン、DFラインの処理ミスから、あわや無人のゴールに入れられる?というようなシーンも迎え(苦笑)、三度、逆転を許す試合になるのか?と冷や冷やさせられました(苦笑)

ただ、この試合以前からの悪い流れをがらりと一変させたプレーが生まれます。それが、我らが清武キャプテンのアシストからのパトリッ・・・

・・・・と、その前に(苦笑)最後のシーンまでに、もう1つお付き合いくださいw

最後のゴールシーンの前に、どうしても紹介したいプレーがあります。ここでも登場してもらうのも、

奧埜博亮

です。

●奧埜の1タッチパス

あくまで主観ですが、この試合が終わってから、

あの奧埜のプレーがターニングポイントだったな

と感じたシーンがありました。それが、83:47~のシーン。上の無人ゴールに決められるか?の直後の、セレッソのゴールキックからのビルドアップのシーンです。

同点ゴール、無人のゴールへのシュートと、立て続けにチャンスを迎えてた鳥栖。この時間帯は押せ押せで、このビルドアップに対しても前からどんどんとハメに来てたんですね。

このプレスを全部ひっくり返したのが、83:47~の奧埜の清武への1タッチパスでした。鳥海からのパスを、奧埜は自分の背中越しのところにボールを落とすようなパスを出し、見事、清武にボールを繋ぎました。奧埜のパスを受けた清武が、そのままカウンターを仕掛けるシーンに繋がります。

この奧埜のパスを見て、

おー!!全部ひっくり返えした!!

とめっちゃ興奮しました(笑)この奧埜のプレーからのカウンターで、かなり前目に来てた鳥栖の陣形をグッと下げることに成功したのですね。

最終的にですが、これ以降、鳥栖は前に上がって来れなくなってました。鳥栖も死力を尽くしてた上で、最後の力を振り絞ってのこの時間帯の押せ押せムードを作っていたのだと思います。ただ、奧埜にひっくり返されてたからは、もう押し返す余力はなかったような印象でしたね。

ってか、奥埜、すげぇな(笑)あの時間帯でハメられかけて、安全に行きたかったと思いますが、チャレンジして見事成功。事も無げにやってるので、チャレンジしてるようにすら見えない。本当に素晴らしいプレー。

この奧埜のプレー、以降で得点に繋がらなかったのでハイライトには収められていません。ですので、DAZNで試合映像が消えるまでにもう一度、再確認してみてください。

83:47~

です。もう3回目の記述(笑)

こういうプレー、本当に大好物なんですよねw この試合のセレッソの2つのゴールシーン以上に、この奧埜のパスを見返してます。そして、唸ってます(笑)

また、清武が戻ってきてからは、奧埜は常に清武を見てますよね。奧埜→清武のパスが、非常に多い。

清武の怪我以降、チームの快進撃が始まりましたが、リーグ序盤でチームの調子を上げてきた時は、清武ー奧埜ー原川の関係性が凄かったんですよね。特に、清武ー奧埜の関係性は以前の記事でも取り上げました。

清武が復帰した今、この2人の関係性はやはり注目したいです。

このプレー以降、清武のファンタスティックなプレーも光り、逆にセレッソの押せ押せムードに。奧埜が引き寄せた流れだったのだと思いますし、そういう意味では、

必然だった

とも言えるゴールが生まれます。

お待たせ致しましたw

●パトリッキのゴール!!!

パトリッキの膝ゴール(笑)!!!

パトリッキがヘディングをミスって、ゴチャっとなったのが個人的にははっきりと分かったんですね。だから、

NOOOO!!! パトリッキ、ミスっt・・・あれ? 入った!!!!

みたいな感じで、喜ぶのをワンテンポずらされました(笑)

これは、多分、パトリッキも同じやったと思うんです。ゴールが入る前後くらいで、次のアクションに備えるような動きをパトリッキは取ってます。着地と同時に、くいっと右に傾く感じの動きがそれですねw 本人も『やばっ』と思ったんだと思います(笑)本当、身体で押し込んだゴールですね。

そして、清武ですよね。上で挙げた奧埜の1タッチパスを受けてから、何度もファンタスティックなプレーを連発してましたが、どのパスもボールがちょうど良い所に届かせてるのですよね。

試合後のコメントでまだ足は痛むようですが、やはり重要な選手だと思います。上でも書きましたが、奧埜とのコンビでもう一度、湧きたいですね。

そして、勝利。

リーグやルヴァンの川崎戦に並ぶような劇的な勝ち方でしたが、試合展開的に興奮した!と言うよりかは、何か安堵感の方が凄かったですよね(苦笑)ゴール直後の小菊さんと高橋コーチもそういった顔をされてるのが印象的でした。


ここまででも、かなり書きました。久々の勝利、やはり嬉しくて色々と書きたかったのです(笑)

そんな所で、本題へ。上でも奧埜中心に書いてきましたが、ここでも出し惜しみなく書いて行こうと思います。

個人的に、最近の試合は、奧埜・徳真のボランチばかり見ているような所はあります。その彼らから気付いたプレーを紹介したいと思います。

小兵MFならではな工夫

この試合が終わった現在、2試合少ない状態で5位をキープ。最大値:3位に並べることが出来るのが、今のセレッソ。今シーズンは、小菊さんを中心に躍動してますよね。

その中心を担うボランチが、奧埜と徳真。彼らの身長・体重は、

  • 奧埜: 171cm 68kg
  • 徳真: 168cm 64kg

と、かなり小柄な部類に入る選手だと思います。フィジカルが抜群に強い選手!という印象もないですよね。徳真は強いような印象はありますが、それを1番の強みにしている・・・と言う訳ではないと思います。

それでも試合を通じて、彼ら2人が他チームの選手に対して『当たり負けしてた』という印象もないですよね。ともすれば、『相手を潰してる』という所も感じることもあると思います。今回は、その辺り、彼らがどうやっているか?という所を書いて行こうと思います。

あくまで主観ですが、そこにはやはり、

小柄な選手ならではな工夫

があるように見てます。

この2人の共通する工夫

まず最初に、2人の工夫に共通する所があり、そこを書いておこうと思います。

この2人に共通するのが、

相手の背後を取ってから色々な工夫がある

という所ですね。今回は、3つ紹介してみたいと思います。

奧埜・徳真で、それぞれで特徴的なプレーを上げますが、2つのプレーは2人とも得意としているような節はあります。

奧埜:背後からの『かすめ取り』

この試合でも何度となく見ましたが、奥埜の

背後からの『かすめ取り』

ですね。

相手の背後を取って、相手のトラップした所をスッと前に出てボールをかすめ取るようなプレー。これ、奧埜は非常に上手いです。このプレーをするのに、

  • 小柄である:相手の背中(死角)に入れば更に見えない。
  • 動きを止めない:直ぐに相手の前に出られる。
  • 戦術眼がある:ボールの行方を予測できる。

上の3要素、セレサポさんであれば分かり易過ぎる奧埜の特徴ですよね。自分の持つ特徴をフル活用した奧埜の素晴らしいプレーだと思います。

小柄であることを逆に利用してるのだと思います。デメリットと捉えず、メリットとして消化する。本当に素晴らしいと思いますね。

この試合でも、81:05~から綺麗に決めてます。

徳真:相手が動きを止める瞬間に背後から『自分の体重を乗せた当たり』

徳真の得意なプレーとして紹介しようと思うのが、

背後から『自分の体重を乗せた当たり』

という所ですね。

これ、本当に面白いです(笑)

例えば、相手のビルドアップで入り込めず、仕切り直しで相手が後ろ向いてバックパス等を選択しようとした際、奧埜も徳真も背後にビタ付けするんですね。

背後を取った時の普通の選手との距離感の違いのイメージ

前を走る相手の後ろ脚を引っ掛けてしまうのではないか?と言う位にビタ付け。

そして、相手がパスを出そうとか切り返しを入れようかとする時に、動きが止まる一瞬だけ止まるタイミングが出来るんですね。その瞬間に、

相手の背後から『体重を乗せて相手に当たる』&『足はボールに行く』

という事をしてます。

このプレーのポイントは2つ。その最初に、相手の動きが止まってるタイミングで『相手に体重を乗せた当たりをする』という所。

小柄な選手が対峙する相手は、自分より大きい相手。その大きい相手が動いている時と言うのは、小柄な選手は『当たり負けすることが多い』のですね。だから、相手が止まる瞬間に身体を預けるように当たる

相撲の立ち合いで相手との呼吸が合わず、先に立ってしまった方がボーンと相手を弾き飛ばしてしまう事がありますよね。あういう事を実践しているようなイメージです。

そうすることで、体格差のハンデを無くしてるようなイメージですね。相手が止まるタイミングで当たりに行く必要があるので、相手にビタ付けする必要がある

もう1つのポイントが、『足はボールに行く事』ですね。

あくまで、『ボールに行く時』に身体を預けるように当てる。だから、ファールを取られる可能性が減るんですね。これこそ、本当に工夫をしている所だと思います。

この徳真の『当たりのプレー』、実は以前から奧埜がやっていたプレーで、そこから注目していました。ただ、この夏の僕が3年ぶりの現地観戦をした神戸戦で、徳真がこのプレーでイニエスタを弾き飛ばしてボールを奪ったんですね。それを見た時に、

特徴的に徳真の方が合ってるな

と感じたので、徳真のプレーとして紹介しました。

くどいようですが、奧埜もやってるプレーです(笑)

2度追い

最後に紹介するのは、2度追いですね。

奧埜・徳真の2人とも相手の背後に入るので、2度追いのスタート位置が他の選手より距離が短くなります。

背後ビタ付けからの2度追い

たかだか、数十センチのレベルの話だとは思います。でも、そこに奧埜らのこだわりを感じます。

そのいくらかの短い距離でも、バックパスを受ける選手はプレッシャーをより感じますよね。時間的な余裕を、少しでも奪い取る事ができます。

そして、2度追いの一番効果があるのが、相手のバックパスが中途半端になった時ですね。これは上門のプレーですが、神戸戦のハイライトでちょうど良いプレーが収められてたので挙げておきます。

相手のパスが短すぎて、2度追い・・と言う程は追ってないですけど(笑)

ただ、相手の背中に素早く付いてパスを追ってカットする・・という見事な上門のプレーでした。上門も 166cm 61kg と小柄。やはり、相手の背後からのプレーは狙っている所はあると思います。


『かすめ取り』『相手が止まった時の体重を載せた当たり』『2度追い』、こういったプレーは大柄な選手に対して、小柄な選手でも十分に武器になるプレーだと思います。そして、奥埜と徳真もこういうプレーをどんどん仕掛けてますよね。

他チームはほとんど見ないので分かりませんが、こういったプレーはセレッソは多い方だと思います。

こういったプレーを楽しめるのも、今のセレッソの面白い所

だと思います。その筆頭:奧埜がいますしね(笑)

柔よく剛を制すではないですが、小柄な選手が大柄な選手を手玉に取るのは、見ていて気持ちが良いですよね(笑)

日本代表では・・・

少し前の話ですが2ヶ月前の7月12日、横浜Fマリノスとのホームゲームがありました。山中が退場して、土壇場で追いつかれたこの試合ですね。

この試合に、現日本代表監督、森保さんが来てました。直後の7月末に『EAFF E-1 サッカー選手権 2022 』が控えていて、選手の視察の為の来場と言った所。そういう時期でしたね。

覚えてる方も多いと思うのですが、このE-1手権はJリーグの選手が中心の代表チームになる予定で、そこにセレッソからも誰か選ばれるか?という所に注目していたセレサポの方も多かったと思います。

当然、そこには奧埜の名前を挙げてた識者も居たと記憶してます。清武不在のチームであって尚、好調を維持するチーム中心メンバーであるので、当然だと思います。

対戦相手:Fマリノスには、奧埜と同じポジションで有力候補と目されてた藤田譲瑠チマが居たのですね。だもんで、僕はこの試合、

奥埜 vs チマ

という所もかなり注目していました。

結果、あくまで1セレサポの主観でしかないですが、工夫と経験値に勝る奧埜がチマを完封。試合こそ追い付かれてのドローでしたが、個別で見た対戦では、奧埜がほぼチマを抑え込んでたんですね。

この結果を目の前で見て、森保さんは奧埜をどう評価するんだろう?

というのは僕の中で思った事です。というか、

もしかして、チマを抑えての代表選出あるんでは?

くらいに思っていました。それ位、奧埜の出来が良かった試合でした。

そして、後日に発表のあった代表選考の結果、ご存じの通り、

チマ:選出  奥埜:落選

でした。何ともな~(苦笑)まあ、セレサポとしては奧埜がセレッソに集中できるのは有難いですけど、奧埜の心情を考えると可哀想だな・・・という感じでしたかね。

そして、この時の森保さんの選考基準のコメントを詳しく見た方は居られますでしょうか?

上のURLのサイトから引用しますと、1位の横浜Fマリノスの選考理由:

内容的にも、強度、インテンシティの高い試合をして・・

3位の広島の選考理由

攻守ともにアグレッシブに戦う姿勢を見せている中・・・

2位の鹿島からは選ばれなかったですが、その鹿島に対して以下のようなコメントを残します。

鹿島も非常にインテンシティの高い、攻守ともにアグレッシブないいサッカーをされている

というようなコメントを残してます。

お気づきになりました? 現代サッカーというのは、とにかく

インテンシティの高さを求められる

のですね。ってか、

インテンシティしか見てへんのかい(苦笑)

と言う感じですよね(苦笑)

インテンシティ・・・最近はとても馴染みのある言葉になりましたが、フィジカルコンタクトの強さとか、球際の強さとか、そのスピードとか高さとか。最近の戦術で求められるものは、サッカーのテクニックは当然ながら、その上での、

アスリート的な身体能力

なんですよね。

その流れで、直接対決で勝った奧埜が選ばれずに負けたチマが選ばれたことを見ると、ある程度、納得の結果ではあるなと思います。アスリート的な要素では、チマと比べると、奧埜は分が悪いですよね。個人的に、納得と言えば納得でした。

ただ、現代サッカーの代表クラスの試合では、

選手が編み出した『工夫』は求められない時代なんやな・・

と少し寂しい気持ちにもなりました。求められるのは、工夫ではなくてアスリート的な身体能力だということ。この選考結果から、僕はこう理解しています。何ともやるせない時代。

断っておきますと、別に森保さんをバカにしている訳ではないです。

昨今に見る主流のサッカーでは、仕方のない事かと思います。今の戦術というのは、相手にいかに時間を与えないか?という所にフォーカスが当てられて、それを行うのに『切り替えの早さ』『詰めの速さ』『球際の強さ』ばかりが際立つような印象です。そうなると、アスリート的な身体能力が求められるのは必然。国際舞台では、尚の事ですよね。

ただ、こういうサッカーが主流だからこそ、

奧埜や徳真には頑張って貰いたい

のですよね。現在の主流に、抗いまくって欲しいんです(苦笑)だから、めちゃめちゃ応援してますし、こういう記事を書く時は熱くなってしまいますw

代表に選ばれなかったとはいえ、『奧埜の工夫が世界に通用しない』という事の証明にはならないです。僕は理系の人間なんですが、理系的に言っても、それが正となる証明にはならない。アスリート的要素は、必要条件であるかも知れないけど、十分条件ではない・・・という感じです。

最後にですが、クルピの奧埜評の記事でも挙げておきます。

彼は代表に選ばれてもおかしくない。クラブで優勝を勝ち取って、欧州へ行く。それくらいの実力を持っている。あとは選手次第。選手は自分がイメージしている通りにキャリアを描いていくもの。今後次第でもっと伸びる

https://www.nikkansports.com/soccer/news/202104030000033.html

昨年は上手く行きませんでしたが(苦笑)、クルピの慧眼は信用してます。

ここまで、長々と有難うございました。最後にもう一度だけ、この試合のターニングポイント、

83:47~  の奧埜のパス

をお見逃しなく(笑)

【さがっそ大阪】始めました。

ご存じの方も居られると思いますが、ゲームイベント:『さがっそ大阪』を始動させました

ゲームの概要は、大阪の街を使った『謎解き』と、大阪メトロの一日乗車券を使った『散策』、そして『チーム対抗戦』と言ったところです。参加して頂いた皆様の協力の下、2022年8月15日に記念すべき第1回目を行い大好評でした!

ルールは第1回のもの(近いうちに再整理します)ですが、以下のようなところです。

https://note.com/dotou_eng_crz/n/n1d1ef251ab9b

知らなかった!と言う方は、是非、上のページで内容を確認してみて下さい。そして、

また、近いうちに第2回を開催します!

ので、興味の沸いた方はTwitterのコメントなりDMなりでお問い合わせください!

次回の開催日は追って告知しようと思いますが、

第2回さがっそ大阪(テスト回): 
9月末 ~ 10月頭に実施予定

という所です。次回もテスト回、無料の予定です(笑)

こちらも、どうぞよろしくお願い致します。

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