明けましておめでとうございます。本年も、よろしくお願いします。すみません、トップの画像も2022年のままですが(苦笑)
トップチームは既に新チーム体制の発表もあり、今年の開幕に向けてスタートが切られたな・・という感じになりました。そんな中ですが、新年一発目のブログ更新はセレッソU-18のことでも語ってみます。
というより、昨年より時間がある時に書いてたものの、昨年中に書き切れなかったものです。細切れで書いてしまったので、ちょっと切り貼り感のある記事になる事はご了承ください(苦笑)
昨年12月11日、セレッソの関係者、サポーターにとってとても残念なニュースが流れてきました。
セレッソU-18、プリンスリーグへ降格
うーん、、ちょっと、言葉を失いましたよね(苦笑)ちょうど、セレッソU-18が入れ替え戦を戦ってる時、さがっそ大阪第3回:
僕主催のゲームイベントをやってましたが、ちょうどそのゲームの終了と同じくらいのタイミングで、このニュースを知りました。
風間体制下のセレッソ下部組織にあって、夏には日本クラブユースに優勝と言う快挙も成し遂げました。それ故に、信じられない気持ちも大きいですが、事実は事実として受け止めようと思います。
今回の記事は、現状の下部組織の体制をどう思うか?と言う視点で書いて行こうと思います。内容はメディアで紹介された情報を元にした僕の考察ということになり、逐一追ってた訳ではないので下部組織の現場の空気感を知らない状態で書きます。なんで、的外れの可能性も大いにありますが、良ければお付き合いください。
プリンスリーグ降格と言う結果を踏まえて
セレッソU-18の去年の簡単な流れを書き出すと、
- 狭いエリアでパスを繋ぎ、中央突破に拘るようなスタイルになった。
- そのスタイルで、夏に全日本クラブユースを優勝した。
- ただ、そこからマークされてからは勝てなくなってきた。
- 勝てなくなってきたのにも関わらず、スタイルは頑なに変えなかった。
- 結果、プレミア降格してしまった
伝え聞くような所ですが、ざっくり書けばこのような流れでしょうか。
プレミア降格という結果になり、このスタイルにも疑問に思われるセレサポさんも出てきているようです。夏に結果を出したとはいえ、それ以降にほとんど勝ち星を上げられず、そのまま降格してしまった・・という所に起因しているのだろうなと推測しています。
この結果を踏まえて、セレッソ内部でも『このまま続けるのか?』『何かを変えるのか?』等と話し合いを持たれるとは思うのですが、個人的な意見としては、
変わらず継続して欲しい
という所です。
この辺、何故、そう思っているか?という所がこの記事の趣旨になります。まずは前提というか、セレッソの下部組織の現状を、僕が見た・聞いた内容を整理して書いて行こうと思います。
プロの下部組織は『勝つ』のが目的か?
たまたまですが、以前にセレッソの下部組織に息子さんが入った親御さんと話す機会がありました。色々と裏話的な話を聞いて面白かったのですが、その中の1つが今回のU-18の状況とよく似ていました。
その方曰く、
セレッソの下部組織は、出来る子は上の学年のカテゴリーにどんどん上げて行く。だから同じカテゴリーでは、格下と言えるチームにも負けそうになることも多いよ。
というものでした。出来る子は上に行くので、言い方は悪いですがレベルの下がる子がそのカテゴリーに留まる形になる。だから、他チームにも負けそうになる・・・という所だったそう。続けて、
重要な公式戦でも、トレセンに入ってる選手を平気で前半で交代させたりする。その子が『何が出来るか?』しか見てないような感じで、試合結果はまるで気にしてない。試合に勝って欲しい親としては、冷や冷やする(笑)
というもの。
これ、去年のU-18によく似てますよね。北野颯太、石渡ネルソンくんが、2022年の頭からトップチーム帯同。颯太はプロ契約しましたので理解できますが、ネルソンくんは昨年はプロ未契約でユースの試合は出てなかったですよね?
加えて、夏の全日本ユースの時も、エースに上り詰めていた木下くんを途中でブラジル留学させてます。この3人はそれぞれ形は違いますが、重要な公式戦には出ずに次のステップに移行させるという形を取っています。まんま、この親御さんが教えてくれた通りですよね。
ここから読み取れるものと言うのは、単純明快。これをどんどん続けることで、
トップチームに良い選手を供給する
と言うことですよね。セレッソの下部組織は、恐らくはほとんどこれだけが目的で、下部組織の試合結果は二の次だと。
言わば、
サポーターや選手の親御さんが考える目的と、チームが考えている目的は違う
・・・という所ですかね。その違いが、不満を生んでる印象はあります(苦笑)
勝つことが目的であれば、颯太もネルソンくんも木下くんも、年間通してU-18に所属させてると思います。それをしないのは、下部組織では勝つことが最終目的ではないからなのだろうと。逆に言えば、その3人がトップ昇格を果たしているということは、下部組織の一定の結果を残している・・・と言うことも言えるのかな?と思います。
ちなみに、この下部組織の話を聞いたのは、およそ5年前の事です。故に2021年からの風間体制での話ではなく、
昔から変わってないセレッソ下部組織の方針
と言うことは言えます。それを前提とすれば、今回の結果も言わば、あり得る結果だったのかも知れないな?というのは個人的な印象です。
唯一無二の選手とは?
ここからもう少し、風間体制についても深く見ておこうと思います。風間体制時になってから目標が、
「技術の追求に際限はない」を合言葉に、「今まで見たことのない唯一無二の選手」を生み出す。
https://www.goal.com/jp/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/jleague-j1-cerezo-osaka-academy-20220912/blt0eea04fae260ac82
と言うもの。唯一無二というところから分かり易く、
マラドーナみたいな選手を育てる
みたいにも言及していたかと思います。
ここの可否について、やはり賛否が多い印象ですね、U-18が勝てなくなった事も踏まえて。でも、ココこそが風間体制の売りでもあると思うので、個人的な意見では、
変わらず継続して欲しい
と思っています。本当、あくまで僕の主観ですが、
サッカー選手として、とても重要な事をやっている
と思っているのですね。だから、続けて欲しいと。
今回のお話は、この辺を中心に書いていきたいと思います。技術を追求する必要性、強いては風間体制の目標、
『唯一無二の選手』とはどういう所か?
という所まで掘り下げたいと思います。テーマに挙げるのは、風間体制の「技術の追求に際限はない」の根幹となる『止める、蹴る、運ぶ、受ける、外す、見る、見ない』の内の1つ、
『見る』
を中心に書いてみようと思います。
以降の内容では、『唯一無二』で『見る技術』に優れた選手を取り上げたいと思います。その選手とは・・・
遠藤保仁
です。ヤットさんの登場です。お隣のイメージが強く、ちょっとアレなんですけど(苦笑)
遠藤保仁の代名詞:コロコロPK
遠藤保仁を紹介するのに、多くを語る必要はないでしょう。ガンバの象徴的な選手だったということもあり、セレサポからして好きとは言う人は少ないかも知れないですが、凄い選手と認めている人は多いのではないでしょうか。
その遠藤の代名詞と言えば、
コロコロPK
ですよね。もう古いですかね?(苦笑)でも、『見る』技術を語る上で、このコロコロPKは外せないですかね。
多くの方もご存じだとは思うのですが、遠藤のコロコロPKとは、
相手GKの動きを最後まで『見て』、その動いた逆に蹴り込む
というものです。胆となる所が、『見る』ですね。
これをもう少し深掘りすると、10年位前のテレビ番組で遠藤自身が語っていた事ですが、
遠藤がボールを蹴る直前の『相手GKの重心を見る』
のだそうです。
この遠藤の『相手GKの重心を見る』という理論が、とても面白いです。
PKのほとんどの場面において、GKのセービングは手で行われますよね。PKを足でセービングするのは真ん中の足元に来た時位で、ゴール隅を狙われたボールに対して足でセービングに行くGKは見ないですよね(笑)足が届いたとしても、手ほどは安定してセービングは出来ない。故に、PK時のGKは基本的には手でセービングに行くのですね。
ここで、GKが手でセービングに行った時のGKの重心を見ます。仮に、右手でセービングに行こうとした時、
重心は『右側』に移動している
という事になります。
これ、ご自身で想像して頂ければ分かると思うのですが、何か落ちている物を右手で拾おうとした時、右足に体重が乗るはずです。仮に、反対の左足に体重を乗せて右手で拾おうとすると、バランスを崩してコケそうになると思います。
GKのセービングも、これと全く同じ。右手でセービングに行くときは、必ず右側に重心が寄るのですね。左手のセービングなら左側に。
そして、遠藤はPK時のボールを蹴る直前のGKの重心を見て、蹴る方向を決める。その蹴り先は、重心が右ならGKは右側に飛ぶので、GKの左側に蹴ればGKは反応できない。つまり、遠藤のコロコロPKの極意は、
蹴る直前のGKの重心と反対側を狙えば、PKは決まり易い
という事になります。
図示すると、こんな感じになります。
面白い理屈だと思いませんでしょうか?人間の身体の構造上、不可能な動きを見極めて、そこを狙いにしている感じですよね。これらを成立させるために、
GKの重心を見極められる、高度な『見る』技術が必要
ということになりますよね。遠藤のそれは、本当に凄い。
題材にしている『見る』からは外れますが、『蹴る』技術も凄いですよね。遠藤自身、
振り下ろしてからでも蹴り足の軌道は変えられるし、GKから10cm外せば入る。
と豪語してました。当時は、
めっちゃ、イキってるやん
とか思いましたけどw でも、それだけの自信がある位、技術的な裏付けがあるという事です。
・・・と、ここまでは知ってる方も居られると思います。
ただ、この遠藤のコロコロPKの理論に実は続きがあって、
コロコロPKの応用編がある
と言うのをご存じでしたでしょうか? ここまでは、PKそのままに『対GK用の技術』として紹介しました。次に紹介する応用編は、
『対フィールドプレーヤー』に対して、コロコロPKの理論
という所になります。これも、同じ10年位前のテレビ番組で遠藤自身が語っていた内容になります。
以降では、フィールドプレーヤーを『FP』と表現しますね。
コロコロPKの応用編:FPに対しての適用方法
遠藤は、コロコロPKの理論をどうFPに適用していたのか?
対GKのコロコロPKの理論の胆は、
ボールを蹴る直前の『GKの重心』を見る
ということでした。応用編も同じくで、そのまま答えを書くと、
パスをカットしに来る『FPの重心』を見る
と言うことになります。
これがどういうことか?と言うと、PK時のGKの場合は手が出るので『GKの重心が右に寄れば、GKは右側に飛ぶ』でした。対してFPの場合は、GKと違って足が出てきます。仮に上のGKの例と同じく、FPの重心が右足側に寄っていた場合に出てくるFPの足はどちらか?
この場合、重心とは反対の左足が出てきます。階段を登る時を考えると、両足を揃えた所から左足を上げた場合、体重は地面についている右足に掛かります。これと同じで、サッカーでも出そうとする足の反対の足に体重がかかる状態になります。
つまり、FPの重心が右足側に寄っていればパスカットで出してくる足は左足。もう少し掘り下げると、この時にFPは重心が乗る右足は動かし難いのです。だから、
遠藤は、(動かし難い)重心の乗る足側をパスの狙い目にする
とのことだったそうです。つまり、
FPの重心と同サイド側は、パスが通り易い
という事になります。
図示すると、こんな感じですね。
PK時のGKの重心とは、狙い目が反対になるんですね。
このように、パス1つを取っても見ても遠藤はここまで深く追求しています。とても、ロジカルですよね。そして、ここまで追及しているからこそ、
遠藤のパスは、良く通るんだな
と思わされます。勿論、パスの受け手がどこに立っているか?もパスが通る要素にはなりますが、パスの出し手がここまで考えていれば間違いなく確率は上がりますよね。
こういう理論は、本当に面白いですよね。通常のパス:インサイドキックを武器にまで昇華させるのには、こういう突き詰めた理論があった・・・ということ。以降、こういった理論の事をこの記事内では、
ロジック
と表現させて頂きます。
簡単に言ってしまえば、選手特有の武器と言えるかも知れませんが、テクニックとは少しニュアンスが違って、考え方・使い方というイメージですかね。簡単なプレーでも深みを持たせるような、遠藤の単なるインサイドパスを大きな武器にしているのがロジック・・というイメージです。
そして、個人的な考えですが、
この『ロジック』こそが『唯一無二の選手』である証明
だと思っております。
遠藤は恐らくですが、これ以外にも多くのロジックを持ってる選手だと思います。全盛期はそれだけの凄みはありましたし、だから唯一無二のパサーになれたのだと。仮に遠藤が10人居れば、戦術がなくとも圧倒的なポゼッションが可能なのではないかな?と想像できますよね。
そのロジックのベースにあるのが『見る』技術(『蹴る』技術もですね)。本当に遠藤の『見る』技術は、図抜けたモノがあると思います。ボールをキープした状態で、フリーの味方選手を探し、相手の位置も確認する。その上で、相手はその重心まで見てるのですからね。本当に驚かされます。
感覚的にやってる選手も多いと思いますが、ここまで言語化してもらえるのは外野にはありがたい、とこのプレー解説をしてくれた時に思いました。頭の良さも感じます。
・・・と、遠藤の記事になりつつありますが、セレッソU-18の記事です(苦笑)改めて、遠藤は『見る』技術に長けた『唯一無二の選手』という所で紹介しました。毎度、前置きが長いのですが(苦笑)、ここから少しずつセレッソU-18の話に戻していきます。
風間体制のセレッソU-18:ロジックの追求
セレッソU-18に話を戻すと、風間体制での目標は上でも挙げた通り、
「技術の追求に際限はない」を合言葉に、「今まで見たことのない唯一無二の選手」を生み出す。
https://www.goal.com/jp/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/jleague-j1-cerezo-osaka-academy-20220912/blt0eea04fae260ac82
と言うことでした。この目標を僕なりの言葉に置き換えると、
『技術の追求』は『ロジックの追求』に繋がる
という所になります。そこを追及して初めて、遠藤保仁レベルの選手が生まれてくるのだと。
そして、風間メソッドで言われる基本技術、
- 『止める』
- 『蹴る』
- 『運ぶ』
- 『外す』
- 『見る』
- 『見ない』
と紹介されていますが、個人的な考えですが、
『ロジック』はこれら基本技術を極めて行く中で生まれるもの
或いは、
『ロジック』はこれら基本技術の組み合わせの中で生まれるもの
のだと感じてます。
上で挙げたヤットさんのコロコロPK=『見る』×『蹴る』でした。パスを通す為に相手を『見る』ことに特化していき、『蹴る』と組み合わせて唯一無二のものになったのではないか?と思います。
他に例えば、カタールでも大活躍だった三笘のドリブル。三笘も、相手の重心を『見て』、相手の足が届かない所にボール『運ぶ』の究極形。『外す』とかもありそうですね。なので、『見る』×『運ぶ』×『外す』等々。
ボール非保持の遠藤航のデュエルは、『見る』『外す』『運ぶ』を理解すれば、その防ぎ方も分かるイメージですかね。相手が見ている場所や、どこを外してくるか?を理解しているのでそこを塞ぐ。『運び方』が分かるのでそれを防ぐ・・・と言った感じで。
これら1つ1つの基本技術を極めていき、その中で自分なりに組み合わせた上でプレーに落とし込めてるから、遠藤保仁や三笘、遠藤航は、唯一無二の存在になれるんだと思います。
だからこそ、
『技術の追求』 にこだわれ!
という下部組織の方針にもとても共感が出来るのですね。基本技術を特化させていけと。
『繰り返し』と『失敗』と。
僕自身の説明が分かり易いか?は別として、その内容の趣旨は理解頂けるかと思います。理屈は説明しました。では、このプレーを明日からやってみましょう!!!! 理屈が分かれば皆さんも、明日からヤットのコロコロPKや三笘のドリブルが出来ますよね!!!
・・・と言われても、実際は出来ないですよね(苦笑)
自分で出来るようになるまでには、自分なりにロジックを整理して、
『ロジック』をプレーに落とし込む
までがセットという事になります。
曜一朗並みの天才でない限り、理屈が分かってもそのプレーを正確に実行できるまでには至らない。また、簡単に実行できるようなものであれば、『ロジック』『唯一無二』にはなりえないですよね。
理屈だけ分かっていてもそれを表現できないのは、一夜漬けで公式だけ覚えて挑んだ2学期中間試験の数学と同じです。皆さんも、玉砕した経験はおありですよね?
・・・僕だけですか?そうですかww
自分ならではの『ロジック』を考え、そして、トライ&エラーを繰り返す。ロジックを考えたとして、手足の長さや身体能力で、その選手では実現不可能のロジックも出てくると思います。そんな中でもトライ&エラーを繰り返して、自分だけの『ロジック』を見つけること。そして、それをプレーに落とし込むこと。
結局、
膨大な時間をかけてプレーの繰り返し作業を行う事で、習得する必要がある
と思うのですね。
ちなみに海外とかだと、ストリートサッカーで膨大に繰り返し作業を行って、自然にロジックが身につく文化・風土があると思います。ただ、現在の日本では、チーム内の練習、個人練習でフォローすることになりますかね。そういう意味で、下部組織で行わないと行けない所も出てくるのではないかな?と感じます。
また、失敗の許されないトップチームとは違い、
ある程度、失敗を許容できる下部組織だからこそ出来る
ような育成方針でもあるかな?とも思います。だから、下部組織に所属する選手は、どんどんとトライ&エラーを行っていって欲しい。
自分がオッサンの年齢になって且、子育てをしてて思う事ですが、
子供に『失敗をさせる』ことはとても重要
だと思います。成功体験ばかりでもダメで、何がダメだったか?を子供に考えさせることも重要だなと(無論、犯罪とか生死にかかわるような、経験する必要のない失敗はしなくても良いのですが)。
だから、我が家では子供に失敗をさせるようにしてます・・・と、すみません、これは嫁の子育て方針の受け売りですw まあ、僕の経験上でも失敗から学ぶことの方が多い印象です。
良し悪しはこれからの話ですが、セレッソはそういう土壌を用意した。ならば、下部組織の選手は、失敗を恐れずにどんどんチャレンジして欲しいと思います。そこでの失敗について、ガミガミ言うつもりは個人的にはありません。
以上、現在のセレッソU-18のやり方については、少なくとも僕はこのような解釈をしております。
チーム戦術的な所を不安視する方も居られるようですが、個人的な考えでは、
自分のプレーをロジカルに組み立てられる選手は、チーム戦術を理解するのも早い
と思うのですね。
基本的に、個人技術もチーム戦術も、目的は同じなのですよね。相手を『外す』、パスを『受ける』等々、個人技術だろうがチーム戦術だろうが、そのプレー/連携で達成したい目的は変わらない。方法論の違いだけで、その達成したい目的が明確であれば、チーム戦術での落とし込みも早いと考えます。
こういう理解をしているので、本やWeb媒体等で書かれれる風間メソッドの全てに辻褄が合うとも感じてます。だから、
変わらず継続して欲しい
という思いを持ってます。
応援します。
そんな感じで、現状のセレッソU-18について、僕なりの意見をまとめてみました。
少し補足と言うか。風間体制をフォローするような内容(他サポから見ると負け惜しみ(苦笑))にはなってますが、降格したことについては反省すべきとは思います。失敗と反省はセットですし、『ロジックのプレー落とし込み』は、やはりカテゴリーの最高峰の舞台で行う方がベターとは思います。
落ちてしまった現状、そのプリンスリーグでそれをする他ないのですが、ここで希望はありますよね。セレッソと入れ違いでプレミアに上がった神村学園には、ボルシアMGやセレッソに入団する選手が所属してます。
プリンスリーグでも、『ロジックのプレー落とし込み』は可能
という事ですよね。神村学園から、ボルシアMGですからね。セレッソU-18も、言い訳はできない。
下部組織、降格と言う結果を受けてどうなるか?注目しておきたいと思います。ってか、応援します。サポは応援するしかないですからね。
最後におまけと言うか、セレッソU-18で来年度からトップに上がる木下くんについても書いておこうと思います。この選手、個人的にかなり注目したいなと思ってます。
U-18の希望:木下くん
先日に行われた金沢戦に、少しですが来期にトップチームに加入する木下くんのプレーを見ました。この時の感想が以下。
金沢戦、今見終えました。盛沢山でしたが、一つだけ。
— 土塔えんじ🌸オタク系セレサポ (@dotou_eng_crz) November 19, 2022
小さくない驚きだったのが、木下くん。駆け引きが高校生離れしてて、寿人みたいな印象を持ちました。ユースのDFでは、そら捕まえられんやろ~な感じ。
プロでどこまで行けるか?周囲に彼の良さが伝われば、化けるかも?大きく期待したいです。
この木下くん、
『ロジック』持ってるな~
と思ってます。それ故に、上の感想を書きました。その辺を少し紹介しておきます。
11月19日にポストシーズンマッチ金沢戦が行われ、途中70分から木下くんが出場しました。僕自身が初見の選手だったので、『どういう選手なんだろう?』と思い、ずっと木下くんを見ていたのですが本当に秀逸でした。秀逸だと思ったのが、以下の2つ、
- ゴール前でフリーになるオフザボールの動き
- ドリブルでの持ち運び
ですね。『外す』『受ける』『運ぶ』あたりの掛け合わせですかね。
動画と時間を貼っておきますので、興味のある方は、32番の動きだけに注目して見てみて下さい。
■ゴール前での動き
- 73:02~ 金沢#3をゴール前で揺さぶる動き。
- 83:40~ 奧埜の進入のブラインドから、ゴール前大外でフリーになる動き。
- 85:32~ 金沢#3の背中に一端隠れて、そこから一気に#3の前に出る動き。
高校生上りの選手のゴール前の動き出しは、直線的に動く選手が多いのですね。ただ、木下くんは、これだけ短い時間でも変化に富んだ動き出しを行っています。
83:40~のプレーでは、ほんの少しの動きだけで大外でフリーに、85:32~のプレーではCBの背後からクロスが入るタイミングで、しっかりとCBの前に入り込めてます。こういう所、
自分がどう動けばゴール前でシュートを打てるか?
をきっちりと理解できているように感じます。つまり、
自分がボールを『受ける』ロジックが整理できているな
と感じさせられました。
また、セレッソU-18は中央突破に拘ったサッカーで、サイド攻撃はほとんどしてなかったと聞きます。が、それでいて 85:32~のサイド攻撃に対して、木下くんの進入タイミングはバッチリです。それも、常時、トップチームに居た訳ではない木下くんが。上で、
自分のプレーをロジカルに組み立てられる選手は、チーム戦術を理解するのも早い
と書いた所以は、木下くんのこのプレーを見てのものだったりします。
本当、佐藤寿人のような動き出し見えてましたね。金沢#3が翻弄されてるのも分かると思います。この動きは、明らかに高校レベルでなくて、そらプレミアでもバンバン得点を取れるわな・・・という感じでした。
プロの世界でも、木下くんにボールがあつまれば、点を取ってくれる期待感は持てました。後は、彼がどこまで味方選手の信頼を得られるか?ですかね。
そして、木下くんについて面白いのが、元々、彼はドリブラーだったんですよね。その片鱗も見せてます。
■ドリブルの持ち運び
上のシーンと被るところもありますが、
- 72:55~ 金沢#9のプレスバックを、慌てず騒がず体で制してボールキープ。
- 85:28~ 金沢#10のプレスバックのベクトルを外すドリブル。
相手の出方を見て『外す』『運ぶ』の掛け合わせ。こういう所、ドリブラーとしてのセンスを感じますね。試合の最後は、自分でドリブルで仕掛けてますしね。
ゴール前のオフザボールの動きが秀逸で、ドリブルも出来る。こんな選手が、セレッソU-18から出てきたことに、
風間体制への期待感はあるな~
と感じてました。ドリブラーの木下くんを、FWに転向させてのも風間さんの助言だったそうですしね。
後は、彼がプロでどこまで活躍できるか?という所、そここそがセレッソU-18の成果という事になると思うので、颯太、ネルソンくんと共に頑張って欲しいなと思います。(まずは、怪我を直して・・・ですかね)