2022 セレッソ

【セレッソ】キム・ジンヒョンを語る。

前回更新のセレッソU-18の記事に続く、2022年の書き残しの整理第2弾(笑)キム・ジンヒョンを語ってみます。

実は、この記事を元々は半年以上前、2022年5月頃に書こうとしてたものでした。ジンヒョンが達成した偉大な記録、

J1リーグ、外国籍選手の最多出場更新

を記念して、書き残しておこうと。ただ、個人的に忙しくなったり、試合レビューが続いたりで、その時に書き切れなかったのですね。

頭の中で記事に書くことをイメージをしてましたので、それをボツネタにするのにも勿体なく思い、大きく旬は過ぎた記事になってしまうのですが(苦笑)成仏させるべく、このタイミングで書いてみようと思います。

この記事の内容的には、ジンヒョンのセレッソでの歩みも含めてその時々のセレサポ(主に僕)の目線を書いて行こうと思います。

Twitterのタイムラインを眺めていると、ジンヒョンのデビューした2009年頃からのサポータさんは意外に少ないように感じます。ですので、

ジンヒョンがセレッソでデビューした頃ってこんな感じやったんや!

と言う感じで楽しんでもらえたらな・・と思います。歴の長いサポーターさんには、

そうそう、そうやった!そうやった!

と懐かしんでもらえたら。

ジンヒョンが来る前のセレッソのGK(2008年以前)

今でこそ、ジンヒョンが絶対的守護神として君臨しているセレッソのGKというポジションですが、ジンヒョンが所属する以前は、

セレッソはGKが圧倒的な泣き所

と言う感じでした。それはもう、はっきりと(笑)

Jリーグ昇格した年、1995年シーズン位は、ジルマールという元ブラジル代表(94年アメリカW杯のブラジル代表第3GK)選手が大活躍してたのですが、フィールドプレーヤーに外国籍選手を置きたい当時のセレッソフロントの意向より、途中から出場機会を失うような形に。

そのジルマール以降、ダブル武田(亘弘、治郎)、下川誠吾と続きますが、なかなか絶対的な守護神として一定の評価を受けるに至らず。下川自身はJ水準のGKだったと思いますが、そもそも当時はDF陣も弱過ぎだったので、GKも割を食ってる印象もありました。

下川の後、多田大介、吉田宗弘と続きます。小林監督の下、守備が整備された2005年は優勝争いの末に2度目の長居の悲劇で散りましたが、当時のGK:吉田は何とJリーグベストイレブン(2005年)に選ばれるという栄誉もありました。

ようやく待望の守護神誕生?と思いましたが、それも長くは続かず。翌2006年に守備がまた不安定になり、J2降格。降格以降、2007年は吉田でしたが、2008年は相澤貴志、山本浩正と、全く安定せず(苦笑)チームの成績も安定せず・・・と言った具合でした。

その当時、

計算できる実績のあるGK、来て欲しい!!

というのがセレサポの総意。加えて、DF陣もですかね。この時、香川・乾コンビが目を覚まし始めていて、攻撃には目途が立っていた時でした。なので、後は守備陣だというところ。

そんな2008年シーズン終了の頃に獲得が発表されたのが、

キム・ジンヒョン

でした。

新人GK:ジンヒョンの評価『ええこと教えますわ』

この時、ジンヒョンは21歳。大卒(中退?)の若手の韓国人GKが入ってきたというニュースに対して、当時のセレサポの声は、

なんでまた、実力未知数のGKを取ってきてんねん!!

という声が多かったと思います。

前述の通り、『計算できる実績のあるGK』を求めていたセレサポにとって、実績未知数の若手韓国人GKの獲得に白い目を向けている人が多かった感じですね。

また、この時、同時に2008年にGKを務めていた相澤・山本が退団発表されてました。なので、この韓国人GKが正GKを務めるのか?この年から採用された貴重なアジア枠(2019年に撤廃)を使うのか?そのような疑念の声が多かったような記憶があります。

あ、ここで言う『セレサポの声』・・というのは、主に当時の『2ちゃんねる』から(僕はちなみに当時の言葉でROM専(読むだけ)でしたw)。なので、セレサポの全員が全員そう思っていたとは思いませんが、そう思っていたセレサポは多かったと思います。

そんな実績未知数の韓国人GKで大丈夫か?2ちゃんねる中心に不安が渦巻く中、その2ちゃんねるに1つの書き込みがなされます。その書き出しが、

ええこと教えますわ。

でした。当時からセレサポ兼2ちゃんねらーな方には、ご存じの方も居られると思います。大阪弁丸出し、当時の2ちゃんねらーからの通称【ええことさん】。そのええことさんの恐らく最初の書き込みがこれで、その内容が衝撃的なものでした。

その内容が、

キム・ジンヒョンの獲得経緯とその能力

でした。その書き込み内容を僕の記憶で書き起こすと、

  • 07年:吉田、08年:相澤・山本と、当時監督のクルピ(2期目)がその実力に全く納得できていない。
  • 業を煮やしたクルピは、ブラジル人GKを獲得するようにフロントに要望。
  • ただ、フィールドプレーヤーに外国籍選手を使いたいフロントは反対。
  • そこで、フロントは09年から始まるアジア人枠での採用を検討。
  • アジア人選手を探した結果、キム・ジンヒョンに行き当たる
  • 何度も極秘にジンヒョンに来日させて、入団テストを行った。
  • 結果、クルピが納得。09年はキム・ジンヒョンを正GKとして行くと。

そのような内容でした。なかなか、新人選手の情報としては衝撃的なモノでしょ!?

クルピが納得している時点で相当レベルですが、加えてジンヒョンの実力について、

  • はっきりと【本物】の選手。
  • そのプレーを見れば、既存の守備陣がどれだけレベルが低くかったか?が分かる。

とも。本当に衝撃的な内容ですよね。

この書き込みは、

この書き込みをよう覚えとき。セレッソはええGKを見つけたで。

このような感じで締めくくられます。

ええことさん、僕は14年間も覚えていましたよww 

余談ですが、この書き込み以降も、ええことさんの書き込みは1-2回あったと記憶してます。当時の2ちゃんねらーからすると、信用度の高い情報源・・・と言う感じでしたかね。

ただ、これって・・・

完全に内部リークやんけwww

と言う感じでもありましたけどw こういう所に少し緩さの残る、良い時代?でしたよね(笑)

このええことさんの書き込みを見た途端、疑念のあった新人韓国人GKに対して、空気感は一変。

新人GK:キムジンヒョンの実力は、どれ程のものか?

となっていたのが当時のセレサポ・・いや、2ちゃんねらーでしたかね、僕含めてw 不安感より期待感が高まっていたように思います。

J1昇格を確信した伝説的な試合

ジンヒョンが加入した2009年のリーグ開幕。セレッソは、まだJ2リーグを戦ってました。

モリシから8番を受け継いだ真司、そして乾のコンビが開幕からスタートできる。加えてボランチには、サッカージャーナリスト:倉敷さん(だったと思います)『セレサポの皆さん、安心してください!』のお墨付きのマルチネスの存在。

その他にも曜一朗(途中で徳島)、カイオ、ハネケン、石神、シャケらと多彩なメンバーを揃え、セレッソはダントツの優勝候補として、このシーズンを迎えます。

でも、僕の注目はやはり、キムジンヒョン。

この書き込みをよう覚えとき。セレッソはええGKを見つけたで。

ええことさんの書き込みから、真司や乾を差し置いて、ジンヒョンが楽しみで仕方がなかった記憶があります。

開幕戦の相手は鳥栖。当時の鳥栖監督:岸野さんが、

セレッソ相手やからとか、香川とか乾とか関係あらへん!鳥栖はいつも通りのサッカーや!

と試合前に言いつつ、蓋を開ければ真司・乾にビッチビチのマンツーマンを付けるセレッソ対策。完全に上の発言はブラフ。

そんな岸野さんの狸っぷりを見せられつつも、真司・乾はマンマークをもろともせず。2人の後ろのマルチネスも、バンバン揺さぶり倒して鳥栖を圧倒したような試合でした。

ジンヒョンは当然のごとく、スタメンデビュー。ただ、そんな試合だったので嬉し悲しというか、ジンヒョンの出番はほぼ皆無。ジンヒョンに出番はほとんど来なくて、来た!と思ったらGKはほぼノーチャンスのシュートを決められて(苦笑)

ジンヒョンの実力は未知数なまま(クライフターンはしてました)、開幕戦を4-1の勝利で終えます。

そして、迎えた第2戦目:東京ヴェルディ戦。この試合が、個人的にジンヒョンの凄さを目の当たりにした試合でしたかね。

試合結果は2-1でしたが、真司・乾・マルチネスと強力な中盤に対して、ヴェルディも引かずに真っ向勝負。攻守にガッチリと噛み合って、

これ、本当にJ2の試合か?

という具合にレベルの高い試合だったと思います。ヴェルディにもFW大黒とかMF河野とかがいて、当時は選手層が厚かったのですね。

そして、ジンヒョン。この試合で、今も脳裏に焼き付いている神懸かり的なセービングを見せてくれました。

この試合、僕は現地に見に行ってまして、アウェイゴール裏に居ました。ちょうど、その目の前で行われたヴェルディのCK。セレッソのゴールから距離にして7~8m位の所から、CKのこぼれ球をヴェルディの選手に強シュートを打たれたのですね。シュートを打たれた瞬間、

やられた!

と思いました。ボールの軌道がちょうど僕の目線くらいの所に来ていて、そこにはネット以外にボールを遮るものはなく。後はパサッとゴールに入るイメージしか湧きません。

その『やられ・・』からの『た!』に行く位の所で、目の前に突然、大きな人間が飛んできました。その瞬間にボールが見えなくなり、次のタイミングではボールはゴール外に弾き飛ばされてました。ジンヒョンのセービングですよね。

ボールを弾き飛ばして、更にそこから191cmのジンヒョンの身体がフワッと浮いてたのですね。言葉で表現が難しいですが、

  1.  ドンッ!(シュート)
  2.  パンッ!(セービング)
  3.  フワッ!(体が浮く)

みたいな感じ。伝わりますかね(苦笑)? 

今でこそ、洗練された動きで全く無駄がないジンヒョンのセービングですが、この当時はかなりオーバーアクション気味だったと思います。ただ、そのフワッが見えたことで、

まだまだ全然、余裕ありますねん。

みたいなジンヒョンの能力の幅の広さを見た気がしました。

このセービングを見た瞬間、

あぁ、今年は昇格したな。

と確信しました。この年のリーグ戦が始まって、2試合目。そのセービングが、確か前半20分過ぎ位の出来事。この年のリーグが開幕して、僅か110分位で個人的にはJ1昇格を確信してました(笑)真司・乾が居て、中盤にはマルチネス。そして、最後尾にジンヒョン。もう大丈夫だと。そう思わせる位に、このセービングが凄かった。

デビュー当時のジンヒョンを語る上で、このヴェルディ戦(というか、あのセービング)を抜きに語れないと思いますが、その当時、ジンヒョンのマネージャー兼通訳をされてた安さんも同じ試合を挙げていました。それ位、この試合は色々と凄かったと。

そうそう、開幕戦からこのヴェルディ戦を含む数試合、ジンヒョンはヘッドキャップを装着して試合に出てたのですね。当時、チェコ代表GK:ツェフもヘッドキャップをしていた事から、

浪速のツェフ

という異名もあったと記憶してます。安易な異名ですけど、スポーツ新聞とかに出てたかと(笑)

個人的には、ジンヒョンのトレードマーク的にずっと付けてても良かったと当時は思ってましたが、3~4試合目には外してまして。この異名も、以降は言われなくなりましたね(笑)

ジンヒョンが居るからこその戦術:第2期クルピ編

真司や乾らを見出して躍動感のあるサッカーで魅了していたのが、前述の通り、第2期クルピ政権時。攻撃的なサッカーだったので、前線の真司、乾らがフューチャーされますが、ジンヒョンを見出したのもクルピの偉大な功績だと思います。

そんなクルピ、

ジンヒョンの能力の高さを活かした守備戦術

を取ってたのがとても面白かったです。その辺を2つ程、紹介してみます。

2つとも、以下のような所からの相手のFK、セットプレーの守備戦術です。

主題となるシチュエーション

攻撃側からして、ゴールを直接狙うには『遠すぎる』『中央からも離れすぎている』、故にクロスを入れて中の選手に合わせるのがセオリーだな・・というシチュエーションです。こういうシチュエーションで、守備側のクルピ・セレッソが取った2つの戦術がとても面白いです。

低すぎるオフサイドライン

上の図のような所からのFKで、相手が中央で合わせることを想定すると、オフサイドラインは相手をゴールから離す目的でペナルティエリア前後で守るのが通例ですよね。壁の裏を狙われることを想定すれば、壁の位置位にオフサイドラインを引きたい。

セオリー的な守備陣形

このようなセオリーで守る必要があると思うのですが、ジンヒョンがデビューした2009年、クルピはDF陣をゴールエリア周辺に置くという守備戦術を取るのですね。

2009年クルピ・セレッソが敷いた守備陣形

セオリーからは大きく外れる、低すぎるオフサイドライン設定。というか、これだけ低いとオフサイドなんて取れないですよね。

この守り方に対して、当時、

セレッソのオフサイドラインが低すぎるんですよね。

スカパーの解説者:長谷川治久さんが、毎回のようにコメント。長谷川さんはヤンマーディーゼル・サッカー部OB。TV解説という中立な立場からですが、OBならではの小言というかセレッソには厳しいコメントが多かった(苦笑)

長谷川さんの仰ることも最もで、このような守り方は『紛れ』で失点する可能性が上がるのですね。不用意にゴール前にボールを呼び込んでしまうので、1つ競り負ければ失点に繋がってしまう。

ただ、クルピの狙いは、まさにここ。

ゴール前に放り込めるよ~。『紛れ』が起こるかも知れないよ~。

・・・まあ、放り込んだらジンヒョンがキャッチするんやけどねww

こんなクルピの独り言が、守備陣形から聞こえてきてましたw

そうなんですよね。『紛れ』が起こるかも知れないこのエリアは、

ジンヒョンが容易にキャッチできるエリア

でもあるんですね。

だから、あえてオフサイドラインを極端に下げることで、

相手を誘う。誘いに乗ってきたら、ジンヒョンにキャッチさせる。

という狙いがあったのだろうと。

僕の記憶する範囲ですが、第二期クルピ政権開始が2006年の途中、そこからジンヒョン加入前年の2008年まで、このシチュエーションでこういう守り方はしてなかったと思います。こういう守り方をし始めた2009年、つまり、ジンヒョン加入後。

ジンヒョンの能力を活かした守り方やな~

ととても感心した記憶があります。

ちなみに、この守り方をしてたのが2009年限定。J1昇格後は封印してました。J1選手のキッカーの精度、FWの強度を考慮してたのだと思います。J2の精度だと、ジンヒョン1人で守れるだろう・・というスタンス。

まあ、早い話、クルピは完全にJ2を舐めてたな~とも(笑)

全員オフサイド

次に紹介する戦術も、上の『低すぎるオフサイドライン』と全く同じシチュエーションでの話です。2010年以降、クルピもセオリー通りの配置を取ります。

セオリー的な守備陣形

で、紹介する戦術は、ここから相手が蹴り込む直前にオフサイドラインを全員で一気に上げる・・というヤツですね。

こうなると、中央のオフェンス陣は全員オフサイド。ハマった時の爽快感は、溜まらないものがあります。

ただ、この戦術、当時からJリーグを見ていた方ならご存じだと思いますが、色んなチームでちょくちょくと見かけた戦術でもありますよね。ある意味で、ありきたりと言えばありきたりな戦術。

でも、第二期クルピ政権下のセレッソでのこの『全員オフサイド』戦術は、他チームとは少し違ってたな~と感じてました。なぜなら、

セレッソにはジンヒョンが居る!!

からですね。

相手がFKでクロスを入れる直前に、セレッソは全員でオフサイドラインを上げます。そして、相手がボールを蹴りゴールに直接行かない事を確認した後、

ジンヒョンは相手クロスにチャレンジしていた

のですね。

図で示すとこんな感じで、ジンヒョン vs 相手攻撃陣5~6人w

ゴールはすっぽりと空けてます。はっきりと、怖いですよね(苦笑)

でも、次の展開を考えると全く違う景色が見えてきます。

次の展開は、2パターン。その2パターンの結果を書くと、

  1.  相手がボールを持つ・・・オフサイド
  2.  ジンヒョンがボールを持つ・・・カウンターの大チャンス

相手が触ると、オフサイド確定でマイボールになる。また、ジンヒョンがボールを持ってすぐに前線に繋げれば、オフサイドに掛かった相手5ー6人全員を置き去りにするカウンターを食らわせることができるのですね。

次の展開

実際、このプレーがハマって、セレッソ:5人位 vs 相手DF:2人のカウンターになったのを見たことがあります。 

オフサイドをしっかりと取れることが前提ですが、セレッソはオフサイドでマイボールになるか、カウンターの大チャンスの2択のみ。言わば、ローリスク・ハイリターンな戦術。

また、相手のクロスに対処するのがジンヒョンなので対応できる範囲も広く、また、キャッチング能力も高い。フィード能力も十分。故に攻撃に繋げる可能性も高い。

オフサイドでプレーが止まったとして、相手が守備陣形に戻り切る前にクイックでリスタートすれば、カウンターのチャンスは継続。そして、ジンヒョンならそれが出来る。

現在、VARが導入されてオフサイドディレイが注目されてますが、当時もアクチュアルプレーイングタイムを引き延ばす目的で、攻撃側がオフサイドでも守備側が有利ならプレーを流す風潮が確立されていっていた頃だったんですね。

だから、この戦術が発動した時、相手がボールを触るまではインプレーは継続されます。その間は、ジンヒョンがボールを奪取できるチャンスタイムでもある。

また、自分がオフサイドに引っ掛かるのを嫌い、攻撃側の選手は本能的にボールを触ることを躊躇します。オフサイドを取られるだけならまだしも、ジンヒョンがボールを持ってクイックを邪魔するような形になれば、イエローカードは免れない。

このように、相手が陥る状況を考慮しても、ジンヒョンがプレーするのに有利な点になってくるのですね。細部を確認して行くと、本当によく練られた戦術だな~と唸らされます。

ルールや風潮の変化を見逃さない考え方と、ジンヒョンのボール処理能力を活かした、クルピの見事な戦術だったな~と当時も感じさせられてました。

※ちなみに最近は、このシチュエーションでオフェンス側はキッカーを2枚置くことが多いです。どちらが蹴るのか?を分からなくすることで、この全員オフサイド+カウンターを防ぐ目的があるのかな?と感じております。


少し余談的な話になりますが、クルピの考え方というのは本当に面白いですよね。とてもロジカルだと思いませんでしょうか? これ以外にも色々とありましたが、記憶が曖昧で(笑)記憶のはっきりしていて、且、ジンヒョンが絡む戦術を紹介してみました。

上の2つの戦術でも共通する所ですが、一言でクルピの守備戦術のベースは、

ゴールを守るのではなく、ボールを奪う方法論

そして、それは即ち、

ボールを奪う=攻撃に繋げる

という所。やはり、攻撃的な考え方でしたよね。そして、そのベースにあるのは、

選手を100%信用すること

ですよね。ジンヒョンを100%信用してなければ、上のような2戦術は取らないでしょ。2つとも、ジンヒョンが勝つことが前提にある。

良し悪しは別ですが、リスクをとらない考え方の日本人監督では、このような戦術を取るのは難しいと思いますよね。こういった戦術、当時はクルピに本当に楽しませてもらってました。そして、そこにある『選手への信用』も。

そんな所で、クルピの戦術家の一面を紹介する・・・と以前の記事で書きましたので、

ここで、紹介させて頂きました。次章から、ジンヒョンの話に戻します(笑)

ジンヒョン、来期はセレッソにいるのか?

2009年シーズン、個人的に2試合目のジンヒョンのセービングを見てから昇格を確信してましたが、色々と紆余曲折があってJ2リーグ2位での昇格となりました。圧倒的な戦力があっても、対策を取られるとなかなか思うように運ばない所も多くなりますよね。

ジンヒョンの能力に疑いはなく、J1でも通用するのは確実とみてました。ただ、ジンヒョンの活躍はあるものの、チームの成績は安定せず。昇格後3年間で、

  • 2010年 3位
  • 2011年 12位
  • 2012年 14位

2010年は上位進出も、2011年、2012年は下位に。2011年はACLがあったこと、2012年は監督が変わったこと等、理由ははっきりしていた所はあったと思います。

ジンヒョンは変わらず高いレベルでプレーを続けてくれてました。2011年からは、韓国代表としても選出されるように。名実とも、

桜の守護神

の地位を不動のものにして行っていたと思います。

そして、迎えた2013年。曜一朗、蛍、丸橋、扇原、健勇、そして拓実と下部組織出身選手の大活躍、ジンヒョンも生え抜き選手としてチームを支え、

2013年 J1リーグ4位

という素晴らしい成績を残すことに。この時は、セレサポとして誇らしかったですよね。

そんな2010年代初頭のリーグ戦でしたが、ここで『ジンヒョンにまつわる不安』が毎年のように話されます。それが、

ジンヒョン、来期はセレッソにいるのか?

問題ですね。

プロなので、シーズン終了後の移籍はつきもの。サポからして、そこは全選手共通の不安ではあります。ただ、ジンヒョンにはもっと切実な所があって、それが、

韓国の成人男性は、兵役に服する義務がある

という所。日本にはない兵役ですね。

韓国の法令を知らないので詳しくは書けないですが、

  • 28歳までに入隊
  • 約2年間の兵役義務

があるとのことです。

ことプロサッカー選手においては、兵役中の受け皿として、尚武FCというチームがあります。このチームでKリーグを戦えるのでレベル維持はできるのですが、この尚武FCに加入するのに1年間、別のKリーグチームでのプレー実績が必要・・と当時(現在も?)のルールを記憶しています。

つまり、ジンヒョンが兵役中に28歳で尚武FCに加入するには、少なくとも27歳までにはKリーグチームに加入する必要がある。だから、当時のセレサポは暗黙的に、

ジンヒョンがセレッソに居るのは遅くとも27歳まで

と思っていました。誕生日と契約と・・・とかの絡みがよく分からないので、そのデッドラインは2013年(26歳)か? 2014年(27歳)か?という所でした。

前述の通り、2013年にJ1:4位。2014年、ジンヒョンも残れるのかな?残ってくれたらいいな・・・!?

ジンヒョン(27歳):2014年シーズン契約更新

このニュースを見た瞬間、

よし!!ジンヒョンも残った!フォルランも来るし、今年は行ける!

みたいな感じでしたよね(笑)・・・シーズン開始前は楽しかったな・・・w

2014年:17位。J2降格・・・J2降格したし、ジンヒョンはデッドライン27歳やし、ここが切れ目やな。今までありがとう!ジンヒョン!と思っていたら・・

ジンヒョン (28歳) :2015年シーズン契約更新

このニュースを見た瞬間、

あれ??? ジンヒョン、残ってくれた。

でも、兵役は?ま、まあ・・・ルールよく分からんけど、まだ大丈夫なんやろ

こんな感じで、何となく自分で自分を納得させていたというか(笑)兵役に行く前にJ1昇格を置き土産にしてくれ!みたいな感じでした。

2015年 J2残留。J1に上がれず、いよいよジンヒョンともお別れか・・・と思っていたら、

ジンヒョン (29歳) :2016年シーズン契約更新

このニュースを見た瞬間、

ホンマに兵役は大丈夫なん・・・?

と、何故か別の心配をしてしまう感じになってました(笑)

以降、

ジンヒョン (30歳) :2017年シーズン契約更新

ジンヒョンの兵役は?

ジンヒョン (31歳) :2018年シーズン契約更新

へいえき・・・とは?

ジンヒョン (32歳) :2019年シーズン契約更新

桜の守護神!!

ジンヒョン (33歳) :2020年シーズン契約更新

神ヒョン!!!

みたいな流れですかね(笑)徐々に『ジンヒョン、来期はセレッソにいるの?』問題が、記憶の中から薄れて行った感じです。30歳を超えてからは、ほぼ心配は無くなったような所ですね。

公式発表はなかったと思うので伝え聞いた・見た話しですが、ジンヒョンは学生時代かに靭帯を怪我してるんですよね。怪我の再発防止で、過酷な兵役は免除になったという説は聞いた事があります。また、リンクは貼りませんが、Wikiでは2011年アジアカップ3位で免除になったという情報も。

色々な情報はありますが、どれが正しいかは分かりません。ただ、ジンヒョンが兵役免除になっていた事実は間違いなくて。そして、サポはそれを知らなくて。そんな中で、シーズン終了後にジンヒョンの去就に一喜一憂に揺れ動いていたのが、

今となっては懐かしいな

と思いますね(笑)

これからも、桜の守護神で。

2022年シーズン、小菊セレッソのMVPは個人的にはジンヒョンだと思ってました。

以前の記事でも書いたのですが、

ビルドアップの質が圧倒的でしたよね。相手チームも、途中、ジンヒョンがボールを持った時はプレスに来なくなってましたからね。攻撃時に、GKの対策を打たれる・・というのは本当にえぐい事かと(笑)

ちょうど、ジンヒョンのビルドアップの公式動画が上がったので貼っておきますね。

いやぁ、惚れ惚れします(笑)

2022年末に、カタールW杯がありましたが、ジンヒョンよりビルドアップの上手い選手は、スペインのGKくらいやったんではないですかね?全試合を見てないので、何とも言えないですが、

ジンヒョンの方が上手いやん。

と何度も感じさせられてました。確か、代表を引退したとのことでしたが、勿体ない印象を強く感じましたね。

ただ、そんなGKがセレッソのゴールを守ってくれる安心感。贅沢ですよね(笑)

ただ、贅沢だからこそ、

有難みを感じて、ジンヒョンのプレーを楽しませてもらいたいな

ということを強く思うところです。

今シーズンは、KリーグのレギュラーGK:ヤン・ハンビンと言う強力なライバルも加入。清水・真木と合わせて、GK陣の競争も見逃せないかな~と思います。

ポジションを安泰にさせないフロント陣の判断も素晴らしいと思いますし、この競争はよりジンヒョンのレベルアップに繋がるのではないかな?と期待しております。

願わくば、ジンヒョンとリーグタイトルを!そして、ジンヒョンにはベスト11をとって貰いたい!と思っております。・・・清水、真木、ヤンとも平等に見るつもりですが、接してる時間が長い分、どうしてもジンヒョンには肩入れしてしまいますね、すみません(苦笑)でも、良い競争を期待しています。

そんな所で、今回はこの辺で。半年以上前の頭の中を引き起こした記事でしたw

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