2022 セレッソ

【セレッソ】湘南戦:届くパス、届かないパス。

セレッソ 2-0 湘南

2022.5.29 @レモンガススタジアム平塚

3連勝!!!!!

かなりタフな展開でしたが、何とか勝ち切り。いやぁ、3連勝とかはやはり気持ちいいですね。

試合を振り返りますか。

試合内容・雑感

●3連戦でも動かさなかったスタメン

試合開始前に、とても残念なニュース。西尾の怪我。代表も辞退だとか。ひとまずは、ゆっくり休んで欲しいですね。

そんな西尾→鳥海の変更はあったモノの、その他のメンバーは変更なし。と言うより、この3連戦においては、鳥海・西尾以外のメンバーは、全員連続出場。この3連戦の重要性を示すかのような感じですかね。

●出てこない湘南

試合序盤、湘南はほとんど前からハイプレスには来てませんでした。狙いは、『原川』でしたかね。周知のとおり、奧埜が前めに上がる機会が増えている為、必然的に原川は後ろ目。ビルドアップの起点となる所に、湘南は狙いをつけていたように思います。2トップは、ほぼ原川のマークを外さない。

でも、セレッソには清武が居る。清武が下りて、ボールをさばくことで、試合序盤はリズムを生めていたと思います。この辺の連携、やはり良いですよね。奧埜も含めて、原川-清武-奧埜の3人は現在の中盤の変えることが出来ない所だと感じます。

試合をある程度、コントロール出来てる中で、生まれましたね~

●タガートのゴール!!!!

タガートの先制ゴール!!! 

毎熊の引っ掛けから、清武→毎熊と通して、毎熊の丁寧なクロスにタガート!という典型的なショートカウンターが綺麗に決まりました。試合序盤の良い流れそのままに、奪えたゴールのように思えました。

ボールを集めたら何か起こしてくれる予感、今のタガートにはありますよね。復調というか、ようやくの本領発揮というか、そんな印象を持って最近のタガートを見ています。大事なW杯予選、頑張って欲しいですね。

そして、毎熊。相手を引っ掛ける予測の上手さは光ったように思います。また、

J2でこういうクロスを量産してたんやろうな

と感じさせるのに十分な正確さで、中がタガート1枚だけなのに、そこにピンポイントで合わせた形。毎熊、もうスタメンから外せないですね(笑)

毎熊の引っ掛けをワンタッチで落とした清武含め、とても美しい部類のゴールだったと思います。

●受けに回ってしまった?

3連戦3戦目、早い時間の先制点、そして暑い気温。セレッソがカウンターを狙いに入るのに十分な条件が揃っていて、そのままカウンターを狙い始めた感じでしたかね。そして、それが反対に、

『受け』に回ってしまったかな?

と言う感じでした。

湘南に、ボッコボコ攻められ立てます(苦笑)なかなか、セレッソは攻撃に転じられず、ジリジリと追いやられてきてた印象でした。

そして、湘南はやはり戦える選手が多いですね。故に、受けに回ってしまうと、どうしても局面で負けてしまう。前半の飲水タイム以降、ずっと耐える時間でした。

数字でもはっきりと出ていて、パスの本数。この試合のセレッソのパス総数が430(※)でした。その内、前半の飲水タイム(25分頃)時のパス総数が203(※)で、既に半分くらい総数の半分近く行ってるのですね。前半の飲水タイム以降、セレッソがどれだけボールを持ててなかったのか?が分かりますね(苦笑)

(※DAZNリアルタイム観戦時での数字ですので、正確なスタッツでは変わるかも知れません)

試合を通じて、セレッソの選手は疲れからか動きは悪かったような印象でした。本当に、耐える!と言う感じでした(苦笑)奧埜もしんどうそうでしたよね(苦笑)どうにか、粘ってくれ!と試合終盤には祈るような気持ちで、見ていました。

そんな中、安堵、そして歓喜する瞬間が訪れます。

●加藤のダメ押しゴール!!!!

嬉しい加藤のゴール!!!!! やりましたね(笑)

まずは、中原の追い込みですよね。タッチラインを割りそうなボールを猛然と奪取して追い付き、前に蹴る。そして、そのまま追い続け、谷のミス誘発。半分以上は、中原の得点でも良いな~と思いますよね。

何より、谷へのプレスが良かった。中原は谷が蹴ろうとした瞬間、谷の縦を切るコースに切り替えたんですよね。そこで、谷が蹴るのを躊躇させて、中途半端なプレーに追いやったと思います。

そして、決めた加藤も冷静に流し込んだな~と思います。トラップも見事でしたよね。

このシーン、試合後のDAZN解説:水沼さんの言葉が印象的でした。

谷のクリアが飛ばなかったのもそうですが、周りの選手が受けようとしていない。

水沼さんは批判っぽく行ってましたが、個人的には別な印象で。先程、『湘南の選手は戦える』と書いたのですが、

戦える湘南の選手ですら足が止まっていた。相当、疲れてたんやな・・

と感じました。

この試合が、いかにタフだったか?をよく現れてたシーンだったんだろうな・・と感じました。

●タフな試合でこそ発揮するヨニッチの強さ

個人的にこの試合のMVPを挙げるとすれば、ヨニッチですかね。こういうタフな試合でも、際だった強さを見せてくれました。

試合終盤に、湘南のウェリントン投入。あのタフな展開の終盤にフィジカル鬼の選手が入るのは、守る側として相当きついと思います。でも、ヨニッチは踏ん張り続けてくれました!やっぱり凄いな。

ユンさん、ロティーナさん時代、特に2017年ですかね。ヨニッチは、Jベスト11に入るべき存在だったと思ってましたが、落選。そのまま、2021年にヨニッチは退団。

ヨニッチの退団した時の僕の素直な思いはこれでした。

今年、戻ってきてくれたヨニッチは、やはりヨニッチのまま。今年こそ、上位進出してJベスト11にヨニッチを!!!!と願わずにおれません。

まあ、結局、ヨニッチ自身が頑張るしかないのはないのですがw 


そんな所で、本題へ。

勝ち試合ではあるものの、セレッソの試合内容自体は乏しい印象で(苦笑)その要因も、エラーというよりかはフィジカルコンディション的な要素が強めの印象で。

こういう試合は、何を題材にして書こうかな?と少し悩みましたが、まあ、2つのゴールシーンから僕なりの視点を書いてみようかと思います。

題して、『届くパス/届かないパス』と言うような所でしょうか。

届くパスと届かないパス。

個人的なお話をさせて頂きます。このブログでも何度か書いてますが、僕は理系の理屈人間です。何事にも、理屈を求める口です。それによって、こんなヘンテコなサッカー系の記事になってたりしてる訳ですが(苦笑)

今回の題材で取り上げた、『パス』について。パスが通る時はそのまま通り過ぎますが、パスが通らなかった際、

なぜ、あのパスは通らなかったのだろう?

と考えてしまう癖があります。今回は、その『なぜ、通らなかったのだろう?』の1つの切り口を書いてみようと思います。

最初に断っておきます。理系的な視点です(苦笑)

サイドの選手へのボールへの入り方色々。

サイドの選手を取り上げてみます。とあるサイドの選手が、以下のようにボールに対して真っ直ぐ(タッチラインと平行に)アプローチして蹴った場合を考えます。この時、この選手は真横(90度方向)に20m蹴れるとします。これをパターン①とします。

ボールに対して真っ直ぐ入る。

つづいて、パターン②。同じ場所にボールがありますが、今度はボールの外側から角度をつけて内側に入って行った場合を考えます。

ボールの外側から入る。

そして、最後のパターン③。今度は、ボールの内側から角度をつけて外側に向かってアプローチして蹴る場合を考えます。

ボールの内側から入る。

この3パターンにおいて、パターン①と同じキック力で同じ方向(20m/90度方向)に蹴った場合、どのパターンが一番飛ぶでしょうか?反対に一番飛ばないのは?

ある程度、直感でも想像がつくと思いますが、飛距離の順番で言うと、

  • 1位: パターン②
  • 2位: パターン①
  • 3位: パターン③

ですよね。②のパターンは、蹴る方向に対して助走が付けられる。反対にパターン③は、自分が進む方向と逆方向に近い形になり、助走はつかないですよね。

昨今の言語化の上手いサッカー解説者が『ベクトル』と言うワードを多用するようになりました。佐藤寿人なんかよく使ってますよね。そのベクトルを使って、このパターン②とパターン③を書いてみると、以下のような形になります。

パターン②のベクトルの分散
パターン③のベクトルの分散

斜めの体の進む方向に対して、ゴールライン方向(横)とタッチライン方向(縦)のベクトル(矢印)に分散して書くことが出来ます。

ここで重要なのが、

蹴りたい方向と同じ、または反対になるベクトル

ですね。つまり、ゴールライン方向の矢印。この時、身体の進む力:F、ボールへの入射角:θとすると、パターン②はゴールライン方向に対してF× sinθ の力が蹴りたい方向と同じ・・・・

すみません、理系の血が(苦笑)物理の計算までは必要ないですねw 噛み砕いて言うと、パターン②では蹴りたい方向と同じ方向にベクトルが、パターン③では蹴る方向と逆の方向にベクトルが加わります。つまり、パターン②は蹴りたい方向にプラスで、パターン③はマイナスの力が加わります。

身体の方向に加わる力が、それぞれ3m分だとすると、

  • パターン②: 20m + 3m = 23m
矢印が同じ方向なのでプラス3m
  • パターン③: 20m ー 3m = 17m
矢印が逆方向なのでマイナス3m

ボールを蹴る際、軸足に体重を載せて蹴ります。その体重の載せ方、パターン②だと上乗せできますが、パターン③だと体が外に膨らむので、軸足に体重を載せきれないですよね。ベクトルで表現してみると、ボールへの入る角度によってこれだけの差が出てくるイメージです。

(選手によって、ボールに体重を載せるが上手い下手はありますが、ここでは無視します)

物理学の授業のようになりましたがw 要点をまとめると、

同じ場所から同じ力でボールを蹴っても、ボールへの入り方によってボールの飛距離は長くなったり短くなったりする

という所です。

すみません、前置きが長くなりました。では、この前提で何故、

パスが届いたり届かなかったりするのか?

という所の説明に入っていきます。

蹴る側としては、狙いたいのはパターン②ですよね。蹴る範囲が大きければ大きくなる程、蹴る人の力加減で距離は調整できます。パスが届く可能性が高いということは言えると思います。

でも、サッカーは相手が居るスポーツですので、なかなかパターン②の状態にしてもらえない。パターン③で無理やりクロスを入れる場面もあったりしますよね。そういう場合は、蹴る力加減というのも難しく、パスの精度は落ちると言えると思います。

そんなパスが届かなかった場合、パスの出し手のボールへの入り方が悪い・・・は1つの要因になりうると思います(当然、状況によります)。が、仮にパスの出し手がボールへの入りが悪くてパスが届かなかった場合において、僕は、

受け手にも要因を求めたい

と思ったりしています。

その辺を次に。

パスの受け手に求めたい能力

サッカーの花形:得点シーン。得点シーンが見たいが為に、注目はどうしてもFWになりますよね(笑)

でも、FWの動きを見てると、

そこで待ってても、ボールは来ないよ!

と感じさせるFWが居たりします。誰とは言いませんがw

これは、パスの出し手がパターン③に陥ってるときですね。上がってくるクロスは間違いなくショートするよ!というのに、絶対に届きそうにない所でボールを待ってたりするんですね。

具体的にパターン③の例で言えば、ボールから20m先で待ってるようなFW。でも、出し手はパターン③の体勢でパスは3mは短くなる。でも、それを感じ取れず20m先で待つ・・・みたいな感じ(苦笑)

パスがショートすることを予測できないFW

こういうFWは、『ここまでボールを届かせろ!』の俺々なFWか、単にセンスのないFWのどちらか。戦術的な所もあるかも知れませんが、何れにしろ、個人的にはあまり好きなタイプのFWではないですね(苦笑)

※余談ですが、本田圭佑はパターン③の状態で、逆サイドへサイドチェンジをドンピシャで通したプレーを見たことがあります。どんな体幹してんねん!と驚愕しました(笑)

個人的には、パスの出し手の体勢を見て、パスがショートすることを予測して出し手に近付いて行くFWが好きですね。

パスが短くなるのを予測して近付くFW

パスの出し手への愛が見えて良いと思いません(笑)? 

ただ、FWであれば、近付き過ぎるとゴール前から離れかねない。遠すぎるとパスが届かない。このバランス感覚が重要だと。全く同じ趣旨のこんな記事も書いてるので、良ければ。

でも、基本的には、パターン③の時にパスの出し手に近付く。逆にパターン②の時は、離れてもOK。こういう関係性が、パスの出し手と受け手に求められるように感じてます。こちらも、少し前にこんな記事を書いてたのですが、

上の記事の三笘・旗手、セレッソで言えばモリシ・アキ。この辺のゴールデンコンビと言われるようなコンビは、個人的に見ていて、

距離感が一定

なんですね。それ故に、お互いがお互いへのパスが通り易く、結果、ゴールデンコンビと言われるようになるのだと。相手が遠くなれば近付いていき、近付いてくれば遠ざかる。そんな関係性。

故に、パスの受け手に求めたい能力は、

パスの出し手の体勢を見て距離感を調整する能力

という所です。

加藤に見る能力。

最後にこの考え方を、この試合の得点者:タガートと加藤に適用してみます。

毎熊が清武からパスを受けた際、前向きで相手のプレッシャーもない。故に、余裕を持ってのパターン②ですよね。毎熊は、どこにでもクロスを上げられる状態。その時、タガートは、毎熊から離れる動きで真ん中のポジション取りをしたのですね。

見事にタガートは、毎熊に対して良い距離感を保った動きをしていたように感じました。最後、余裕を持って、クロスに合わせる動きも入れてます。

対して、ダメ押し点の加藤陸次樹。

ここはパスではないのですが、湘南GK:谷のクリアがそれにあたります。中原の秀逸なプレスによって、谷は後退りしながらのキックになりました。谷は蹴りたい方向とは体は逆に動いている、つまりパターン③の蹴り方になるんです。

いくらGKがキック力があるとはいえ、助走なし。その上、蹴りたい方向と逆方向に体が向かう。キックがショートするのは必然ですよね。

だから、守りに入っていた時間帯でも、前目のポジショニングで待つ。

ゴールシーンの加藤の谷に合わせた動き(予想)

このシーン、DAZNでは加藤の動きを映像では写っていません。あくまで、予想です(苦笑)ただ、間違いなく、

谷の体勢から、加藤はクリアがショートすることを読んで前目にポジション取りしていた

と思っています。というのも、あくまで僕の視点ですが、これまでの加藤のプレーを見てて、

加藤はパスの出し手の体勢次第で距離感を調整してる

と感じることが多かったのですね。前述の通り、加藤は僕の好きなパスの出し手に愛のあるFWです(笑)

だから、この得点シーンの谷のキックを掻っ攫えたのは、

加藤の能力

だと思います。加藤だから得点が出来た・・・とすら思ってます。加藤は良い所に居た!というような偶発的に起こったみたいに片付けたくないプレーでしたね(笑)

代表に行ったタガートに負けず、加藤にも頑張って欲しい、切にそう思います。

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