セレッソ 2-0 横浜FC
2023.5.28 @ヨドコウ桜スタジアム
リーグ戦3連勝!!
しかも、全てクリーンシート。良い感じですね。勝った試合は、振り返るのも気分が盛り上がります(笑)
そんな感じで、振り返ってみますか。
試合内容・雑感
●加藤の不在
少しメンバーが変わってました。加藤の不在、徳真のスタメン復帰。
奥埜のトップ起用、守備時:4-4-2という布陣でしたかね。加藤に代わって奥埜、その奥埜の代わりを徳真が埋める形。小菊さんの奥埜への信頼が良く分かりますよね。
試合後の小菊さんのコメントで、加藤:怪我、上門:体調不良があったとのこと。連戦で少し野戦病院化しつつある現状に少し心配はありますが、こういう時に色々なポジションを託せる奥埜の存在は頼もしいですね。
●引いてくる横浜FC
相手が連勝中の横浜FCで、好調を伝え聞いてました。どういう戦い方をしてくるのか?という所に注目はしてました。
横浜FCの基本的な戦い方は、
引いてブロックを敷いてカウンター狙い
という感じだったでしょうか。実況を聞いていて、この戦い方で連勝を重ねてきたとのこと。
でも、
小菊セレッソにとっては『引いて守るチーム』は与し易い相手。
というのは僕の中ではずっとあって、横浜FCが引いて守るのであれば、
この試合は勝てる!
という印象はありましたね。
●曲芸的カウンター
序盤から、セレッソは横浜FCを押し込める展開に。その中で生まれた曲芸的カウンター!!
DAZN公式アカウントで動画が上がってましたので、貼っておきます。
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) May 28, 2023
起点はGKの
ロングスローから🌸
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キム・ジンヒョンからパス4本でゴール前へ
ジョルディ・クルークスのシュートは惜しくもポスト
🏆J1第15節
🆚C大阪×横浜FC
📺 #DAZN LIVE配信 pic.twitter.com/VBusDz1aJE
まずは、ジンヒョンですよね。ロビングボールを、相手と競り合いながらもキャッチ。そこから、空いている真司を見つけスローまでの早さが素晴らしい!!
そして、真司。ここがキーですよね。アバウトな蹴り方ですけど、狙うスペースに相手選手が居ないという事を把握できてるからこその蹴り方。カウンターのスピードを重視して、アバウトでもスペースに蹴り込んだ判断が秀逸でした。
後は、しっかりと競り勝った為田、後ろに目がある?バックヘッドの奥埜、きっちりシュートを打ったクルークスと5人全員が素晴らしかったですね。
シュート後のクルークス、体の向きから想像するに、ゴールを確信してベンチに走ろうとしてましたよね(苦笑)その後の悔しがる姿に、早くクルークスにもゴールが欲しいな・・・と思いました。
そんなスタジアムにどよめきが起こったプレーの後も、チャンスを作るも得点は挙げられず。このままハーフタイムに入るのは何か嫌だな・・・と思っていた前半終了間際に歓喜が!!
●為田のゴール!!
毎熊のクロスから、為田のヘディング!!素晴らしい展開でしたね。
まずは、ポケットと言われるエリアへの真司の侵入。これ、このブログで何度か書いてますが、
重要なのが、
相手ブロック内で起点を作ること
という所ですね。このエリアでボールを持てば、相手選手は必ずボールを見るので、相手の矢印を動かすことができる。
このシーンでは、相手MFの選手の矢印ですね。いったん、ボール方向(後向き)にさせてから、毎熊へのボール落とし。この落としは後ろ向きになっていた相手MFの矢印の逆方向になるので、相手MFは毎熊へのチェックが遅れます。
結果、毎熊は時間的な余裕を持って、クロスを上げられたのですね。クロス自体も優秀ですが、真司の相手ブロック内からの落としが非常に効いていることは明記しておこうと思います。毎熊に、アシストが付いたのも良かったなと。
そして、#俺たちの為田 。試合後のコメントが面白いですよね。
普通の選手なら簡単に決める場面でも、時間があったら色んなことが見える分、コースやパスを考えてしまったり、悩んでしまう
https://www.cerezo.jp/matches/result/2023052803/
ここで読み取れるのは、
為田は天才の部類のプレーヤー
という事ですよね。
為田の中には選択肢が複数あり、だから普通のプレーは迷う。であれば、為田には1stチョイスを『自分がシュートを打つ!』にして欲しいですね(笑)それありきで相手に認識されれば、次の選択肢が効いてくると思いますし。
何はともあれ時間帯もそうですが、本当に素晴らしいゴールでした!!
●少し押し返された後半、気になるレオセアラの守備
後半、攻め疲れしたというか、押し返されたところはあったかと思います。
その要因となったのが、DAZN解説:木場さんからもありましたが、
相手ボランチにパスが通され始めたこと
だったと思います。セレッソのFWの裏で起点を作られ始めた印象でした。
ここ、レオセアラの守備がルーズな印象は拭えなかったですかね(苦笑)
・・・というよりか、昨年の夏以降の躍進を支えた加藤ー上門のここの警戒が素晴らしくて。そんな2人が比較対象になるので、レオセアラも気の毒というか(苦笑)
加藤-上門が2トップが出てる試合は、チームとしての守備は安定する印象は強いです。ただ、得点力・前線で起点を作る能力は、レオセアラの方が上。加藤・上門が得点力を上げるのか?レオセアラが守備力を上げるのか?そういったFWのポジション争いも注目ですね。
横浜FCに押され始めた時、だから上門の投入で守備に引き締めをしそう・・・と思っていましたが、前述の通り、上門はコンディションが完璧でない状態。人知れず、小菊さんの我慢の展開やったんやなと。
そんなレオセアラを我慢して残した結果、レオセアラも絡んだ追加点が生まれます。
●中原のゴール!!
こちらも素晴らしい崩しからの中原のゴール!!
ここでも、真司の仕掛けが光りますよね。レオセアラからの落としから、躊躇なくドリブル仕掛け。そこで引っ掛かったものの、相手を動かす・・・という視点では素晴らしい仕掛けだったと思います。
そして、その後の3人ですよね。翔とカピシャーバ、そして中原と。PKアピールをせず、淡々とプレーをし続けたことが素晴らしかったと思います。横浜FCの選手は、足が止まってましたもんね。
翔のチョン出し、なんかオモロかったですよね(笑)カピシャーバも、しっかりと中を見てCBーGK間を通す見事なパスでした。
そして、ゴールを決めた中原。
右サイドMFの争いで、現状、クルークス、毎熊の次の3番手のイメージですよね。ただ、ここの所、ベンチには入り続けているので、小菊さんが中原にも期待しているのは間違いはなく。
序列を打破すべく、中原も結果は欲しかったところだと思います。そういう意味でも、非常に大きい得点。同じ左利きのクルークスは強力ですが、負けずに頑張って欲しいですね。
そんな所で本題へ。この3連勝の立役者の1人、進藤を取り上げてみます。
ヨニッチが怪我で離脱中の今、頼もしいCBがいてくれて良かった!という感じですよね。そんな進藤、これまでのセレッソのCBに見なかった色を出してくれている印象が個人的にはあって、その辺りを。
進藤の良さ
改めて進藤、良いですよね(笑)タイムラインを見てても、進藤人気が上がってきているように感じます。それ相応の活躍はありますよね。
今の進藤の一体、何が良いのか?という所を個人的な見解ですが、今回3つ程、取り上げてみます。
進藤の良さ①:首振り
この試合、進藤を中心に見てたのですが、まず最初に感じたのが、
進藤、めっちゃ首振ってるな。
という所でした。
元々、札幌では3CBの右CBだったと思います。それが、2CBと本人的にはやり方が大きく異なる。2CBは3CBと比べて、
- マークの受け渡しが発生し易い
- エリア・ゾーンを守る必要もあって、マークに付き過ぎるのも良くない
等々、色んな制約は出てくると思います。それ故、3CBで慣れていると、対応は難しい所はあると思います。
取り分け、エリアを守る上で、『どこに相手が居るのか?』の状況把握をする必要があって、常に周辺を見るという作業が必要になってきます。その確認するテクニックが『首振り』ですよね。
この試合、セレッソのブロック外でボールが回されている時、進藤はぶんぶん首を回してます。勿論、相方の鳥海もぶんぶん首を回していて、本当、こういう地味な確認作業がクリーンシートに繋がってる所はあると思います。
この首振りを見ていると、進藤は凄い努力してるんやろうな・・と思わされます。
進藤の良さ②: ユーティリティ性
陸が、ベンチからも外れてます。毎熊が負傷した時、交代の右SBはどうするのか?みたいなツイートも見たことがあります。
ただ、毎熊が負傷するようなスクランブルの際、恐らくはCB:西尾を入れて、
進藤を右SBに回す
という手段は考えられます。右SBを出来る選手が2人いる分、ベンチメンバーに右SBは不要かな?という所に行きつきます。
左利きの選手は、日本では希少。進藤が居るからこそ、左SBの山中の控え(翔)をベンチ入りさせることができる。進藤のユーティリティ性が、ベンチ枠を助けてる印象はありますね。
※逆に陸は、難しい状況ですね(苦笑)毎熊、クルークス、進藤とポジションを争うイメージ。右サイドのポジション争いは熾烈だなと思います。
・・・と、ここまでは当たり障りのない所で、進藤を褒めてみました。最後の1つが、タイトル通りの『なぜ、そこに進藤?』ですね。
『なぜ、そこに進藤?』の2CBでの期待
進藤を形容する言葉で、最も有名?なものが、
なぜ、そこに進藤?
ですよね。もう、お馴染みですよね(笑)この形容詞の意味する所は、CBなのに攻撃面で活躍できる、CBで攻撃で居て欲しいところに現れるからそう呼ばれてる・・と理解してます。
札幌時代からの形容だと思うのですが、セレッソでもありましたよね。2021年のアウェイ広島戦。スルスルっと右サイドを上がってきて、ゴール前でファインゴールしたシーン。
(Youtube:DAZNチャンネルより)
思わず、
なぜ、そこに進藤?
と言ってしまいますよね(笑)
では、その『なぜ、そこに進藤?』を深堀り・・・と言う程ではないですが、その重要な所は、
進藤は『そこ』が見えている
と言う所だと思うのですね。まず、『そこ』が見えてないと『そこ』に行く判断はできないですしね。
ここで言う『そこ』とは、つまりは相手の急所。もう少し言い換えると、
自チームが有利になるところ
という言い方が良いと思います。『そこ』を見つけるのが進藤は抜群に上手く、3CBや右SBでオーバーラップが許される状況であれば、どんどん『そこ』に入り込めるのだと思います。
ただ、これは、あくまで進藤が3CB/右SBの時の話です。周知のとおり、今の進藤のポジションは2CBの右。
2CBだとオーバーラップするとCB1枚になります。ボランチがCBのように振舞える選手であれば、オーバーラップも可能だと思いますが、現状は真司と奧埜、ちょっとイメージ違いますよね。その為、セットプレー以外で前に上がることは基本的に許されてないと思われます。
だから、進藤は『なぜ、そこに進藤?』を封じ込めてしまったのか?
小菊さんなんで禁止にはしてないと思いますけど、2CBという立場では自身でオーバーラップは自重はしてしまいますよね。
ただ、僕個人の意見ですが、
2CBでも『なぜ、そこに進藤?』は使える
と思ってます。なぜなら、違う形で『なぜ、そこに進藤?』は活かせると思っているからです。
その辺の所をもう少し深掘りします。
『なぜ、そこに進藤?』を2CBでどう適用するか?
上でも書きましたが、『なぜ、そこに進藤?』というワードで重要なことは、
進藤は『そこ』が見えている
ということですね。
ただ、2CBの一角なので『そこ』には自身は入り込めない。でも、『そこ』に進藤自身が入り込まなくても、
進藤は、『そこ』にパスを供給することはできる。
と思ってます。
『そこ』=『相手の急所/自チームに有利になる所』
が見えてるから、そこにパスを供給することができれば、チャンスが生まれるはず。
言うなれば、『なぜ、そこに進藤?』の2CB版は、
なぜ、そこに進藤(はパスを出せるのか)?
これに期待したいのですよね(笑)『なぜ、そこに進藤?』が出来る進藤なら、絶対に『そこ』が見えるはずなんです。であれば、後はパスの精度とタイミングの問題。
この試合、2CB版『なぜ、そこに進藤』の可能性を感じたのが(35:00~)のシーンです。
レオセアラにシュート性のパスを通してます。ロングシュートと捉える人もいると思いますが、これは個人的にレオセアラへのパスだったと思います。CBからFWまでは、距離がある。そこを相手のゲートを突破するには、シュート並みに速いボールでないと届かないので、そういう選択をしたのだと思ってます。
いつぞや、シャケの話を思い出します。セレッソレジェンド:西澤アキから、若かりし頃のシャケは『悪球でも何でもいいから、とにかくFWまでボールを届かせろ!』と指示されたのだそう。それに対して、シャケはアキに向かってシュートを打つ位に思いっきり蹴ってた・・・みたいなエピソードを聞いたことがあります。
進藤のこの時のパスは、そのシャケの話を彷彿させるようなシーンに感じました。こういうパスですね、進藤に期待したいのは。
このシーン以外にも、先の京都戦(43:10~)でも、レオセアラに裏抜けさせるパスを出したりとか。進藤は、レオセアラ=『自チームに有利になる所』と見て、常にレオセアラの動きを見てるんではないかな?と思っています。
こういうCB→FWに付けるシーン、とても新鮮な印象があったんですよね。ヨニッチや鳥海は、恐らく事前の準備通りにサイドやボランチに出す約束事を守ってプレーしてたと思いますが、進藤は自身の判断でFWに付けるパスを選択できるんだろうなと。
京都戦のレビューでも少し紹介しましたが、
進藤にとって、戦術は手段の1つなんですよね。そういう捉え方なので、判断に主体性があると思います。だから、こう言った臨機応変なプレー選択ができるのだと。
(念のため、ヨニッチや鳥海が悪い・・と言っている訳ではないです)
雑感で挙げた為田もそうですが、『見える』というのはその選手の持つ才能だと思います。『見える』から選択肢が広がる。その『見える』能力を生かした縦パスを、進藤にはどんどんと出して行って欲しいと期待しています。そうすることで、
他のCBの選手にない色を出してるな~
と感じさせられると思います。
進藤、期待しかないですよね(笑)個人的に、今後の進藤は、パスに注目したいと思います。
最後に、もう1つだけ・・・少しお詫びと感謝を。
ブログ更新ペースを落します。
昨年最後の以下のレビューの最後にも少し書いていたのですが、
ここ数ヶ月、仕事がかなり忙しくなってきまして、
ブログ更新のペースを落します。すみません。
元々、上のレビューを書いた時は2~3月頃に忙しさのピークが来る予定だったのですが、その忙しさのピークがズレて、この5月くらいから来ています。この5月はかなり頑張ってレビューを書いていたのですが、ここからの数か月はなかなか厳しそうで(苦笑)
実は、自分のキャリアの中でも重要な時間になりそうな、ここからの3ヶ月~半年という感じでして。ちょっと仕事に集中しようかな?とも思っており、ペースを落させた頂きたくお願い申し上げます。
後1記事だけ、レビューではない記事を書こうと思っています。それは近々UPする予定ですが、それを持って一旦休憩させて頂こうと思います。
ただ、ブログを完全に辞めてしまうという事はしないつもりで、レビューを書ける時間/体力的余裕がある時は書こうと思っております。ペースを落す・・・というのは、上の記事でも書いた通りですが、
- メインのお題抜きの試合内容・雑感のみ
- 不定期更新
と言うような所です。案外、書きたい!となるかも知れないですけど・・・(笑)まあ、忙しさが落ち着いたり慣れが出てきたら、また復活しようとは思っています。
シレッとペースを落としても良かったのですが、予想以上に本当に多くの方に読んで頂いている所がありまして。そういった方々に向けてちゃんと書いておこうと思います。
僕の与太話のような記事にいつも付き合って頂いて、本当に有難うございます。ペースを落しますが、引き続きよろしくお願い致します。
年を取ると、時間の重要性というのを身に染みます。皆さんのその貴重な時間を、毎回、僕の記事に割いて頂いて本当に感謝しております。
そして、企画していました『さがっそ大阪』も・・・(笑)
本当は、5月に第5回目を開催したかったのですが・・・(苦笑)これから暑い時期に差し掛かるので、また秋口ですかね(夏でもOK!と言う方は連絡ください(笑))。こちらも地味に続けるつもりですので、また参加のご検討よろしくお願いします。
そんな所で、今回はこれで。次回のレビュー更新は、気長にお待ちください(笑)