2021年12月11日に、天皇杯準決勝で浦和に敗戦。そして、その試合終了のホイッスルは、セレッソの2021年シーズンの終了を告げるものでした。
改めて振り返っても、色々あった2021年シーズン。セレサポの皆様は、どのような感想をお持ちでしょうか?Twitter のタイムラインを眺めていると、ある程度、推測はできますが(笑)
今回、恐らくは今年ラストの記事として、2021年シーズンのセレッソを僕なりに振り返りたいと思います。ちなみに、かなり長くなりそうなので、いくつかに分けて総括してみます(今の所、2記事の予定です)。今回は、
リーグ戦が下位に沈んだ最大要因は?
という所をテーマに書いて行こうと思います。
トータル評価
セレッソの今年の成績は、
- リーグ戦: 12位
- ルヴァンカップ: 準優勝
- 天皇杯: ベスト4
- ACL: ベスト16
でした。
これらの結果を踏まえて、まず最初にトータル評価を書いておこうと思います。僕個人的に今年のセレッソを振り返ってのトータル評価は、
及第点
と言った所です。
どうでしょう?? 恐らくは、読んで頂いているセレサポさんのほとんどの方から『甘々だ!』と言われるのでしょうか(笑)ただ、ルヴァン、天皇杯と賞金圏内に食い込んだことも鑑みて、僕の中では
合格点に近い及第点
だと感じてます。
やっぱり、甘いですかね(苦笑)?
その辺、理由を以下で書いて行こうと思いますので、お付き合い頂ければと存じます。
及第点とした前提条件: 個人的な順位予想
ここでは、及第点とした前提条件を書いて行こうと思います。
このブログとかで書いた訳ではないですが、2021年シーズン開幕直前、フラットに評価してみた順位予想があります。それが、
今年のセレッソは12位前後やろな。
という所でした。そして、結果はリーグ戦12位。良くも悪くも、僕の中でドンピシャど真ん中の順位でした(苦笑)
だからと言っては何ですが、今シーズンの順位の推移を見守っていても、
まあ、この程度やろな。
という感じでした。あまり、大きなストレスも感じなかった・・・というのが正直な所です。
念のため、誤解のないように書いておきますが、
上位進出を信じて、100%セレッソを応援してた
のは誓って間違いないです(笑)僕の予想を、良い意味で裏切って欲しかった所でしたが、上手くは行かず。逆に、悪い意味で裏切られなかったのは良かった点ですかね。また、その上で前述の通り、ルヴァン・天皇杯と賞金圏内に食い込んだのは、大きく評価すべきところだと思います。
故に、このリーグ12位、ルヴァン・天皇杯賞金圏という成績は、
合格点に近い及第点
という評価になっている所です。
・・・・と、ここまでお読み頂いた方の中で、
それにしても、リーグ12位で及第点は甘過ぎやしない?
と感じられる方も居られるんではないでしょうか?いや、ほとんどの人がそう感じたかも知れませんかね(苦笑)
その辺を、ここではもう少し深く書いて行こうと思います。
12位予想の根拠
実は、単純な戦力評価で順位予想をしてみると、
5位くらいの評価はできそうかな?
と感じてはいました。
清武やジンヒョンの元代表選手、坂元・原川・進藤らの代表当落線上にいる選手、東京オリンピックを見据えた歩夢、丸橋・松田陸・奧埜ら中堅~ベテランの実力・実績のある選手、J2からチャレンジャー精神を持ってきてくれそうな加藤・鳥海、他チームで経験を詰んだ元彦、山田、喜田らユース出身の若手選手達、そして、大久保嘉人・・・と面白そうなメンバー構成だと感じてました。
開幕前にセンターバックに多少の不安があった(西尾もU23しか実績がなかったですしね)ものの、
外国人らも上手くハマって上振れすれば、トップ3に食い込めるだけのメンバー構成はある
と感じてました。それ位、面白いメンバー構成だと感じたのですよね。
ただ、メンバー構成についてはそこそこ高い評価をしつつも、前述の通り『今年のセレッソは12位前後』の評価でした。つまり、僕の中で『下方修正した』という事になります。
では、何故、下方修正したのか?という所ですが、2021年シーズンは、
2020年シーズンと大きく違ったものがありました
よね?そう、監督交代でロティーナからクルピに・・・・
・・・ではなく(笑) いやまあ、そこも大きな変化ではありましたけど(笑)
個人的に考える、もっと分かり易く直接的に影響する大きく違うものがありました。それが、
ACL出場
です。それ故に、個人的な予想順位も下方修正せざるを得なかったという所です。
ACLとまで書けば理由を想像できる方もおられると思いますが、その辺をもう少し深掘りして行きます。
ACL出場の過酷さ
ACL出場は、『罰ゲーム』と揶揄されていた時期がありました。2002年に正式にACLが誕生した当初の事だったと記憶してますが、ACL出場チームは過密日程にならざる終えず、その過酷さゆえにリーグ成績が上がらないチームが続出していた・・・という所がその罰ゲームたる所以です。
それが、2007年に浦和がJチームで初優勝してクラブワールドカップに出場してからは潮目が変わり、今ではACL出場は名誉なモノとされるようになってきた印象があります。Jチームが目指す最高峰の大会に、位置付けされた形です。
ただ、だからと言って当たり前の事ですが、ACL出場に伴う過密日程は当初から変わりません。故に、ACL参加チームがリーグ戦で苦戦している年はかなり多いです。近年でざっと挙げてみると、
- 2020年: 横浜Fマリノス 9位(前年リーグ戦1位)
- 2020年: 神戸 14位(前年天皇杯優勝)
- 2019年: 浦和 14位(この年のACL準優勝もリーグは振るわず)
- 2018年: 柏 17位(J2降格)
2021年のリーグ2、3位のFマリノス、神戸も、ACL出場した2020年では、その年のリーグ戦の順位を大きく下げてます。
横浜Fマリノスのこの時の監督は、今をときめく?アンジェ・ポステコグルー監督です。この監督をもってしても、その過酷さを克服するには至ってないんですよね。
また、セレッソで言うと4回出場していて、その年のリーグ戦順位は、
- 2021年: セレッソ 12位(前年4位)
- 2018年: セレッソ 7位(前年2冠)
- 2014年: セレッソ 17位(前年4位からのJ2降格)
- 2011年: セレッソ 12位(前年3位)
とまあ、14年のJ2降格含めて散々たる結果。『ソリッドなチーム』と絶賛されていた2冠チーム:ユン・セレッソですら、7位がやっとという成績。
ざっと計算してみましたが、過去10年間(2012~2021年)において、ACL出場40チームのその年のリーグ平均順位は、
7.2位
でした。色々レギュレーションが変わりますが、ACL出場はリーグのトップ3や天皇杯優勝がどの年も必須条件で、その条件を前年にクリアしたチームの7.2位は、順位を下げてると言えますよね。
これらは、ACL出場でリーグ戦が過酷になるエビデンスとしては十分なものと個人的には感じます。それは、セレッソだけでなく一部の強いチームを除くほとんどのJリーグチームに当てはまるんです。話を戻すと、2021年のセレッソの順位予想として、
ACL出場で下方修正せざるを得なかった。
という所でした。
ここで、個人的に5位→10位予想に下方修正。後2つ順位を、更に下方修正すべきところがあります。もうちょっとだけ、順位予想の根拠を続けます。
コロナ禍でのACL開催
加えて書いておくべき事項が、
コロナ禍でのACL開催
という所も書いておかないと行けない所だと思います
少し記憶が怪しいですが、そもそも開催するかどうか?開催するなら、どうやって開催するのか?という所から、今シーズンのACLは始まっていたと記憶してます。故に、スケジュールが定まらない。そんな中で準備をする必要があった訳ですよね。
また、タイでの集中開催に決まってからは、開催期間中から帰国後の隔離期間2週間を含めておよそ1ヶ月半、選手はホテル暮らしを強いられる形。所謂、
バブル方式
というヤツですよね。
僕自身も経験ありますが、普通の社会人でも長期出張で月単位でのホテル暮らしになると、相当、疲れが溜まります。ストレスがそれと同じく、今回の選手は、なかなかリフレッシュできる所が少なかったのではないかな?と感じます。
こういうストレスも、長いシーズンでは馬鹿にならない要素ではないかな?と思います。つまり、
これまで(2019年以前)のACLと比べても、より過酷な環境を強いられる状況
であったんですよね。
そんな所で先に上げた5位→(ACL出場)→10位から、更に下方修正。そして、
今年のセレッソは12位前後やろな。
という予想に落ち着いてました。
実際、ここまでが個人的な開幕前の見解でした。
ACL出場の2021年セレッソ
ACLでのセレッソを見る前に、比較対象として今年の川崎を少しだけ見ます。川崎は今季、ACLにも出場してリーグ制覇を成し遂げて・・・と素晴らしい成績。上位を目指すチームとしては、こういう成績を残せるようになるのがベストだと思うのですが、これはなかなか難しいと感じます。
ACLとリーグ戦を平行で、どちらも質を落とさずに戦うには、やはりチームとしての蓄積が必要と感じます。これは戦術の類とかではなく、
チームとして海外遠征のノウハウを持っている。所属選手も海外遠征慣れしている。
というようなイメージですかね。特に、所属選手の慣れは大きいのではないかな?と。
詳しく予算とかを見たわけではないですが、セレッソのチームとしての規模感はお世辞にもビッグクラブとは言い難いですよね(苦笑)それ故、毎年、選手の流動が多くチーム成績が安定しない。結果、ACL出場もどうしても単発での出場になってしまう。
前回のACL出場は、2018年。その時に出場した選手で、今も所属している選手は、ジンヒョン、清武、丸橋、松田陸、山田位ですかね?こうなると、チームとしても選手としても4大会ぶり。所属選手も、元代表選手とかもいるものの、海外遠征経験の少ない選手ばかり。例年、ACLに出場しているようなチームと比較して、チームも選手もノウハウは少ないと考えられます。
こうなると、残念ながらいい成績は残すのは難しいですよね(苦笑)ACL連続出場して、そのノウハウを得る・・・と言う意味でも、先日の天皇杯の敗戦は痛かったな・・・と個人的には思っていたりします。
2021年のリーグ戦で見えた戦い
ここまでの前置きの通り、
ACL出場は、クラブチームとしての総合力のないチームにとって、リーグ戦に及ぼす影響がとても大きい
と個人的には感じてます。上と重複しますが、過密日程になること、海外遠征が増える事の体力消耗・ストレスが大きいと言った所が、その大きな理由と言った所です。
また、今年同じくACLに出場したお隣:吹田との夏場の連戦時に気付いた事ですが、昨今のJリーグでの戦い方は、
試合前の準備
という所の比重がとてつもなく大きくなってる印象です。
良い意味でも(悪い意味でも)、戦術的な戦い方が求められる今のJリーグにおいて準備はとても大切。
- 相手の戦い方を研究する。
- 研究の成果をチーム戦術として練習で落とし込む。
というと所が非常に重要になってきてると感じます。
ただ、ACL出場チームは、過密日程によってこれがなかなか難しいですよね。
中2日とかだと、研究して練習で落とし込む時間がない・・・
選手やチーム関係者とかは思ってたんではないかな?と想像します。そういうチーム状況で、しっかりと上の2工程の準備をしてきた対戦相手を迎えないといけない。難しい戦いになるのは、明確ですよね。
セレッソは、夏場に中2日、3日の13連戦とかありましたよね。ちょうど、この中頃にクルピは退任しましたし、チームの調子が上がってなかった時期とも被ります。ちなみに、お隣はACLもチーム内クラスターもあって21連戦(苦笑)宇佐美が言ってましたが、『曜日の感覚もなかった』らしいです(苦笑)
※余談ですが、お隣はJ2降格するだろうと思ってました。ACLで過密日程な上に、開幕直後のクラスターで活動休止になり、より過密日程が目に見えていたので。その状況下で、13位まで来たのはやはり底力があるな・・・と感じました。
このような感じで、ACL出場チームは過密日程時には、準備不足の状態でリーグ連戦をこなす必要が出てくるんだと思います。そうなると、ベストな戦い方とは言えないですよね(苦笑)
2020年セレッソと比べるのはフェアではない。
長々と、ACLがあるとどれだけ不利になるか?という所を実例を挙げて個人的な考察を書いてきました。
少し整理すると、2021年のセレッソのリーグ12位という順位は、
十分に納得できる順位
という事が言えます(補足しておきますが、当然、満足はしてません)。あくまで、個人的な考えです。
そして、その理由が、
現在のチーム総合力で、ACL(しかもコロナ禍)の過酷な状況をやり過ごすのは、過去の例を見ても、かなり難しい。
と考えられるからという所になります。
時に2020年の成績と比較する論評も見受けるのですが、個人的には、
ACLの無かった2020年と、ACLのあった2021年の比較はフェアではない
と感じます。
この辺は、個人の主観・価値観にもかかる所かと思いますので、それらの論評を否定する意味合いではありません。ただ、仮に2021年がロティーナ体制継続で進んだとしても、リーグ戦の結果は大差なかったのではないかな?と個人的には思っています。それは、
過密日程によるコンディションや準備時間の不足
と言った所が成績の影響として出るのだと思っているからです。これは先に少し書きましたが、2019年→2020年の横浜Fマリノス時代のポステコグルーでも順位を大きく下げた訳ですので、
戦術とか仕組み作りとか以前の話
という所ですのでね。監督の質というよりかは、選手層とその質の部分ですね。
残念ながら、チームの総合力が足りてない現状、ACL出場時はその過密日程さを成績の良し悪しの考慮に入れるべきだと個人的には考えています。また、現在で言えば、川崎(強いて言えば名古屋も)以外のチームは、どこも似たり寄ったりな状況になるのではないかな?と思っていたりもします。
※そういう意味で、今年の川崎は本当に凄かったと言わざる終えないですよね。昨年の川崎はACL不参加だったので、その圧倒的なリーグの成績は理解できましたが、今年はACL出場と合わせての圧倒的なリーグ制覇。途中、横浜Fマリノス(ACLなし)に追い詰められた時期も、恐らくはACL疲れが出た時期だったんだろうな・・と推測できますし。
※また、リーグ戦の名古屋(ACLあり)の失速や、神戸(ACLなし)の3位入賞も、ACL出場の有無が大きかったのではないかな?と思います。名古屋は、ルヴァン決勝前の天皇杯準々決勝~ルヴァン決勝のセレッソとの連戦時はバブル方式の隔離期間中でした。神戸は、豪華メンバーながらその主力選手は軒並み30歳越えで、ACLなしの過密日程なしが奏功した・・・と見てます。
言い訳のできない2022年
リーグ戦12位という結果は、褒められた順位ではありません。そこに原因はあると思います。その原因がどうしようもないものであれば、個人的には納得はできます。
繰り返し書きますが、2021年のリーグ戦の順位が良くなかった要因としては『ACLがあった為』。僕個人は、これで十分な理由です。ACL出場の比重は、個人的にはそれだけ大きかったものと考えています。それ故に、
順位に満足はしないが、納得はしている
という状態です。
チーム及び選手は、基本的にオフィシャルで言い訳はしません。成績が悪くても、『申し訳ありませんでした』としか言わないと思います。
ただ、理由は必ず存在すると思います。チーム・選手が言い訳をしない(理由を説明しない)のであれば、見てる側はそれを察してあげる必要もあるのかな?と感じます。だから、
チームが置かれていた状況は、冷静に見て判断したい
と個人的には感じます。チーム関係者ではないので、正しいかどうか?までの判断はできません。が、許容できる所がなかったのか?という所は、個人的に見たい所ですね。
そして、迎える2022年シーズン。リーグ12位、先の天皇杯で優勝を逃したので、2022年シーズンのACL出場はなくなりました。当然、『ACLがあった為』は通用しません。セレッソにとっては本当に、
言い訳のできないシーズンになる
という事は言えると思います。
来シーズンは、より厳しい目で見ていきたいですね。
次回に続きますw
シーズン総括記事はやはり長くなるので、一旦この辺で〆ます。ただ、まだ続きます。珍しく?、次を予告をしておこうと思います。
総括②は、2021シーズンを振り返るにあたり避けても通れないであろう、
監督交代の是非
という所ですかね。
正直、監督主語でサッカーを語る趣味がないので、個人的にあまり気にならない所だったりはします(苦笑) ただ、どうだったか?という所を気にされる方も多いと思うので、個人的な考えを書こうかな?と思います。ただ、あくまでこのブログで主眼としてる『選手目線』という所で書いてみようと思います。参考になれば。
乞うご期待・・・って程の内容にはならないと思いますけど(苦笑)また、良ければ読んでやってみてください。ここまで読んで頂き、有難うございました。
少しご報告・お詫びを。
サムネイル画像(記事のトップ画像)について、お詫びとご報告を。
今までユニフォーム画像だったり、公式から拝借した画像を加工して使ったりしてました。が、よくよく考えて著作権的に宜しくないですね・・・と(苦笑)
大変、申し訳ありませんでした。 誰から指摘された訳でもないのですが、ちゃんとせなアカンな・・・と反省しました(苦笑)
今後、著作権・肖像権を守るようオリジナル画像(あるいはフリー素材)で統一すべく、色々と画像作成中です。問題のある画像は、順次差し替えていってます。
ちなみに、来年度のレビュー記事のサムネイルは、以下のようにする予定です(Twitterの表示の仕方等もあるので、微調整・変更の可能性はあります)。先日撮影した写真で、ヨドコウ桜スタジアムとヤンマースタジアム長居の2スタジアムの競演です(笑)
ちなみにブログタイトル『雲外桜天』の通り、空を桜色にしたら何か世紀末感が出てしまいました・・・(苦笑)ってか、絶望的に絵的センスがないですね・・・(苦笑) お絵かきソフトで色々試して、絵的センスの勉強中ですw どなたか、ご指南くださいw
そんな所で、この辺も楽しんで(嘲り笑ってやってw)頂ければ・・・と思います(笑)